上 下
189 / 267
3章 サードライブ

189話 タイトル

しおりを挟む
手帳を雪希に見せる。
「他に手帳を見せた人はいる?」  
ページに視線を泳がせながら質問する
雪希に私は迷いなく首を振る。

「学校で曲の話をしたことはないよ。
知ってるのは身近で雪希、類、蓮だけ」
「でもこの前、SNSにタイトル
載せるって言ってたよね」

「うん、でもタイトルだけで
歌詞は一言も書いてない」
「うーん、舞のSNSはどんな
感じなの?」
「SNSはstargazerの時と同じ感じで 
批判も擁護もある。
でも1番は困惑が多い。
私からSNSに報告した方がいいのは
分かってるけど、私もなにがなんだか
分からないのに報告なんてできない。」
「僕のアカウントの方でも
ざわついてるよ。
憶測で言わないっていうのは
僕も賛成。」

「2人とも難しい顔してどうしたの?」
頭上からの声に2人して上を見る
「「類!」」

「まぁ、分かってるけど」
(こういうのは1番強そう)
「類、やっぱり諦めるしかないのかな」
「諦める?どうして?
なにも悪いことしてないのに」
弱々しい私の声に類の声は明るかった

「タイトルが同じ曲なんて沢山ある。
でも独創性の高いタイトルは
避けた方がいいってことはある」
「タイトルを変えるってこと?」
「いや、もうタイトルはSNSで報告
したでしょ?独創性しかないあの
タイトルを変える必要はない」
「矛盾してるよ、避けた方がいいって
言ったり変える必要はないって
言ったり」


「俺だって初めてで整理しながら
なんだ。」
「ご、こめん」
ムッとする類はすぐに表情を変える。

「でも、まずは相手をよく知らないと
始まらない。タイトルを入れればそのSNSが出てくるんだよね?」
「う、うん」
類はすぐに検索した。

「見れば見るほど舞の歌詞にそっくり」
スマホと手帳を交互に見る雪希。
「SNSのユーザーネームを表示して」

アカウントは最近開設したらしい。
「でもさ、よく考えると不思議だよね」
「なにが?」
「だってこの人は、舞と同じような人生を送ってたってことでしょ?
作詞ができるってすごいよね」 

「人生、」
雪希の言葉にハッとして
自分のスマホを操作する。
「どうした、舞」
「万が一、万が一だけど、
私が知らず知らずで盗作したって考えたけど逆はないのかなって、
盗作したんじゃなくてされた、なんて」

「やっぱり1番の可能性はそれだよね。というか100%そうだよ」
「でも、誰にも話していない。
ならどうやって」
「それを今から調べるの」

「ん?僕のアカウントのコメントに
こんなことが」

裏アカのIDをいつもクイズ感覚で解いているんですけど気になるものを見つけたのでリンクを送ります。

「クイズ感覚って、」
「でも裏アカのIDって意外とヒントが
多いんだよね。誕生日とか、
よく出てくる単語とか」
「類、妙に詳しいじゃん」
「ネット記事読んでてたまたま間違えて飛んだ広告がこの類だったんだよ」
雪希の疑いの目に類は気にすることなく答えた。
リンクを飛ぶとすぐに分かった。

私はすぐに事務所に再び彼らと
会う約束を取り付けてもらい、
数日後、

「ねぇ、私の曲を盗作したのってあなただよね、美冬ちゃん」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編3が完結しました!(2024.8.29)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

その花は、夜にこそ咲き、強く香る。

木立 花音
青春
『なんで、アイツの顔見えるんだよ』  相貌失認(そうぼうしつにん)。  女性の顔だけ上手く認識できないという先天性の病を発症している少年、早坂翔(はやさかしょう)。  夏休みが終わった後の八月。彼の前に現れたのは、なぜか顔が見える女の子、水瀬茉莉(みなせまつり)だった。  他の女の子と違うという特異性から、次第に彼女に惹かれていく翔。  中学に進学したのち、クラスアート実行委員として再び一緒になった二人は、夜に芳香を強めるという匂蕃茉莉(においばんまつり)の花が咲き乱れる丘を題材にして作業にはいる。  ところが、クラスアートの完成も間近となったある日、水瀬が不登校に陥ってしまう。  それは、彼女がずっと隠し続けていた、心の傷が開いた瞬間だった。 ※第12回ドリーム小説大賞奨励賞受賞作品 ※表紙画像は、ミカスケ様のフリーアイコンを使わせて頂きました。 ※「交錯する想い」の挿絵として、テン(西湖鳴)様に頂いたファンアートを、「彼女を好きだ、と自覚したあの夜の記憶」の挿絵として、騰成様に頂いたファンアートを使わせて頂きました。ありがとうございました。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

拝啓、お姉さまへ

一華
青春
この春再婚したお母さんによって出来た、新しい家族 いつもにこにこのオトウサン 驚くくらいキレイなお姉さんの志奈さん 志奈さんは、突然妹になった私を本当に可愛がってくれるんだけど 私「柚鈴」は、一般的平均的なんです。 そんなに可愛がられるのは、想定外なんですが…? 「再婚」には正直戸惑い気味の私は 寮付きの高校に進学して 家族とは距離を置き、ゆっくり気持ちを整理するつもりだった。 なのに姉になる志奈さんはとっても「姉妹」したがる人で… 入学した高校は、都内屈指の進学校だけど、歴史ある女子校だからか おかしな風習があった。 それは助言者制度。以前は姉妹制度と呼ばれていたそうで、上級生と下級生が一対一の関係での指導制度。 学園側に認められた助言者が、メンティと呼ばれる相手をペアを組む、柚鈴にとっては馴染みのない話。 そもそも義姉になる志奈さんは、そこの卒業生で しかもなにやら有名人…? どうやら想像していた高校生活とは少し違うものになりそうで、先々が思いやられるのだけど… そんなこんなで、不器用な女の子が、毎日を自分なりに一生懸命過ごすお話しです 11月下旬より、小説家になろう、の方でも更新開始予定です アルファポリスでの方が先行更新になります

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

プレッシャァー 〜農高校球児の成り上がり〜

三日月コウヤ
青春
父親の異常な教育によって一人野球同然でマウンドに登り続けた主人公赤坂輝明(あかさかてるあき)。 父の他界後母親と暮らすようになり一年。母親の母校である農業高校で個性の強いチームメイトと生活を共にしながらありきたりでありながらかけがえのないモノを取り戻しながら一緒に苦難を乗り越えて甲子園目指す。そんなお話です *進行速度遅めですがご了承ください *この作品はカクヨムでも投稿しております

三姉妹の姉達は、弟の俺に甘すぎる!

佐々木雄太
青春
四月—— 新たに高校生になった有村敦也。 二つ隣町の高校に通う事になったのだが、 そこでは、予想外の出来事が起こった。 本来、いるはずのない同じ歳の三人の姉が、同じ教室にいた。 長女・唯【ゆい】 次女・里菜【りな】 三女・咲弥【さや】 この三人の姉に甘やかされる敦也にとって、 高校デビューするはずだった、初日。 敦也の高校三年間は、地獄の運命へと導かれるのであった。 カクヨム・小説家になろうでも好評連載中!

処理中です...