虹色の薔薇が咲く場所は

如月 りん

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3章 サードライブ

186話 覆す

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類が載せた動画でさらにStargazerは
炎上した。
・こんな裏側見たくなかった
・初ライブでいいなと思った自分が
 恥ずかしい
・なんで同じ事務所で生まれたのに
 こんなに違うの?

「そのうち、七瀬さんから連絡
入るんじゃない?」
私がそう言った側から類のスマホに
七瀬さんから着信が入る。

「類くん、やってくれたね」
類が耳に当てているスマホを
反対から耳を近づけると七瀬さんの
失笑が聞こえた。

類が何か答えようとしたら蓮が
取り上げた。
「でも七瀬さん。
彼らだって承知の上の行動だったん
じゃないんですか?
だって仕掛けておいて反撃を喰らうかも、なんて微塵を思わないでやるわけ
ないじゃないですか。
やり返されるかも、
なんて考えられないようじゃ生きて
いけません。自分の発言には責任を、
てやつですよ。
もちろん、彼らがこのことについて公開しなかったら俺たちも手を出しません
でしたよ。
というかこれ名誉毀損では?」

蓮の怒涛の言葉に七瀬さんは
一瞬、言葉に詰まったが。
「それもそうだね。
アイドルだけに限らず、
こういうのは珍しくない。
でもね蓮くん。証拠を持ってるからって無闇に首を突っ込むのは良くない、」

言い終わる前に蓮からスマホを取り返し
類の反論が始まった
(なんかどんどん輪が広がってない?)

「じゃあ間違った認識を肯定するんですか?自分たちは何もしていない。
むしろ後輩に釘を刺しただけです。
なのに事実を知らない人から
憶測で批判されて
耐えろっていうんですか?
憶測を覆す証拠があるのに?
俺は、間違ったことをしたとは
思っていません」

ため息をついて、
「明日、学校が終わってから全員
事務所に来て。それぞれの仕事先への 連絡は千鶴に頼んでおくよ。
Stargazerと話し合おう」
それだけ言って通話を切られた。

「でも大丈夫かな。僕、明日は
ちょっと大きな特集の取材が入って
たんだけどな。でもそれよりも大きな
問題を早く解決しないと」
「私も新曲の話を進める予定
だったのに。まぁ仕方ないか。
あのまま悪い方に捉えられたら
納得いかないし」

「さて、きっちり話し合おうか」
類の声はすごく弾んでいた。

ー翌日ー
「まず、Stargazerから。
この発言に間違いはないね?」
昨日の動画を流しながらゆっくりと
聞いた。

「間違いありません」
秋斗くんは開き直ってダルそうだった
(なんて態度、社長から尋問されてるんだけど。でもそのメンタル少し羨ましいな)

「私たちの本音です」
美冬ちゃんも後に続いて次に
私たちを見る。
「Rainbow Roseも自分たちの発言に
間違いはないね」
「ありません」

類の声は少し力が入っている。
「俺たちはあくまで自分の意見を言っただけ。反論はしても批判をするつもりはありません」
続いた蓮の声も迷いはなかった。

「この2つの動画がファンや一般人の間で議論になっているのは確か。
悪いけど、Stargazerは解散の方向で
話を進めさせてもらう」

息を呑むのが分かったが
「不本意だったんでしょ?
だったら痛くもないよね。
今回は私の見込み違いだったね」
七瀬さんは寂しそうだったが
確かに怒りも感じられた。

(許せることじゃないとはいえ
最終的に自分で選んだんだから
寂しさもあるよね)

数日後、早すぎるStargazerの解散宣言
にまたネットは騒然となった
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