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3章 サードライブ
184話 Stargazer
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「話したわけじゃないのに
なんでそう思うの?」
「「男の勘」」
「なにそれ」
その勘を受け流し、イベント当日。
「よろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくお願いします、
Stargazerの皆さん」
(相変わらず、王子様スマイルが
板についてるな)
控え室で挨拶をして、
彼らの気が張るから自分たちの控え室に
戻ろうとした。
「類さん達は正直、このライブ
どう思っていますか?」
「どうって?」
振り返るとさっきまで緊張していた
顔はなく、含み笑いをしていた。
(類のゲス顔をおもいだすな)
「この前も言ったけど
全力でパフォーマンスをする。
それだけだよ。あなた達は違うの?」
類の静かな声。
穏やかだけど私は怒りが含まれている
ように聞こえる。
「ふーん、真面目なんですね。
少なくとも俺はめんどくさいです。
こんな、誰も見ないようなステージに
立っても誰も見ませんよ」
「じゃあ、なんでアイドルを
志願したの?」
秋斗くんは鼻で笑っていた。
「俺たち全員、興味本位で
送っただけです。
そしたらStargazerとして選抜された。それだけです。」
類は秋斗くんに質問を続けた。
蓮の目は今まで以上に冷たかった。
「じゃあ、このステージに関わっている人についてどう考えてる?」
「関わってる人?
そんなの出演者以外関わってる人
いるの?」
横から割り込んだ美冬ちゃんの言葉に
雪希が微かに眉を顰めた。
「まぁ、手を抜いてもバレないと
思います。所詮、他人ですから本気か
どうかなんてわかりませんよ」
小春ちゃんは、ネイルされた爪を見て
吐き捨てた。
(私たちの嫌悪感に気づかないなんて
よっぽど天狗になってるんだな)
「俺たち、やる気はないですけど
向いているようですね。アイドル。
ここから才能が開花したら
笑っちゃいます」
立夏くんは楽しそうだった。
(男の勘って本当だったね)
類は後ろに隠している拳が震えていた。
我慢の限界だった私達は
それぞれが1番嫌悪感を抱いた相手に
反論する
「そんな馬鹿馬鹿しい考えじゃこの業界で生きていけない。そもそもそんな思いで同じステージに立ってほしくない」
「ファンやスタッフの皆さんがいるからアイドルはステージに立てているの。
なんでも自分たちだけで
やってきたなんて
思ってたら大間違いだよ」
「手を抜いていいライブ
なんてあるわけないよ。
本気じゃないライブが
誰かを楽しませることなんて
絶対にないから」
「向いてる向いてないとか、才能があるとかないとか以前に覚悟が足りないん じゃない?
そんな軽い気持ちで生きていけるほど
甘くないよ」
反論、というかほぼ吐き捨てるように
それぞれの胸の内を告げ、控え室を出た
「何、あの人たち。ちょっと有名だからって説教マジでうざいんだけど」
「ねー、ファンやスタッフのみんな
だって。実際に見られるのは
本人達じゃん。他の人のことまで
考えてるなんて私、感動しちゃった」
「誰かを楽しませることはない?
そんなのわかんないじゃん」
「でも、あの人たちはすぐに
非難されるよ」
ー自分たちの控え室ー
「先輩風ふかせすきたかな」
「怯えてたらどうしよう」
「いや、それは絶対ない」
「そう、むしろちょっと有名になったからって、て文句言ってると思うよ」
(いくら嫌悪したってあれはやりすぎた)
私と雪希が落ち込んでいると、
蓮と類はサラッと否定した。
「あの、Rainbow Roseの皆さん。
準備お願いします」
「「「「はい!」」」」
なんでそう思うの?」
「「男の勘」」
「なにそれ」
その勘を受け流し、イベント当日。
「よろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくお願いします、
Stargazerの皆さん」
(相変わらず、王子様スマイルが
板についてるな)
控え室で挨拶をして、
彼らの気が張るから自分たちの控え室に
戻ろうとした。
「類さん達は正直、このライブ
どう思っていますか?」
「どうって?」
振り返るとさっきまで緊張していた
顔はなく、含み笑いをしていた。
(類のゲス顔をおもいだすな)
「この前も言ったけど
全力でパフォーマンスをする。
それだけだよ。あなた達は違うの?」
類の静かな声。
穏やかだけど私は怒りが含まれている
ように聞こえる。
「ふーん、真面目なんですね。
少なくとも俺はめんどくさいです。
こんな、誰も見ないようなステージに
立っても誰も見ませんよ」
「じゃあ、なんでアイドルを
志願したの?」
秋斗くんは鼻で笑っていた。
「俺たち全員、興味本位で
送っただけです。
そしたらStargazerとして選抜された。それだけです。」
類は秋斗くんに質問を続けた。
蓮の目は今まで以上に冷たかった。
「じゃあ、このステージに関わっている人についてどう考えてる?」
「関わってる人?
そんなの出演者以外関わってる人
いるの?」
横から割り込んだ美冬ちゃんの言葉に
雪希が微かに眉を顰めた。
「まぁ、手を抜いてもバレないと
思います。所詮、他人ですから本気か
どうかなんてわかりませんよ」
小春ちゃんは、ネイルされた爪を見て
吐き捨てた。
(私たちの嫌悪感に気づかないなんて
よっぽど天狗になってるんだな)
「俺たち、やる気はないですけど
向いているようですね。アイドル。
ここから才能が開花したら
笑っちゃいます」
立夏くんは楽しそうだった。
(男の勘って本当だったね)
類は後ろに隠している拳が震えていた。
我慢の限界だった私達は
それぞれが1番嫌悪感を抱いた相手に
反論する
「そんな馬鹿馬鹿しい考えじゃこの業界で生きていけない。そもそもそんな思いで同じステージに立ってほしくない」
「ファンやスタッフの皆さんがいるからアイドルはステージに立てているの。
なんでも自分たちだけで
やってきたなんて
思ってたら大間違いだよ」
「手を抜いていいライブ
なんてあるわけないよ。
本気じゃないライブが
誰かを楽しませることなんて
絶対にないから」
「向いてる向いてないとか、才能があるとかないとか以前に覚悟が足りないん じゃない?
そんな軽い気持ちで生きていけるほど
甘くないよ」
反論、というかほぼ吐き捨てるように
それぞれの胸の内を告げ、控え室を出た
「何、あの人たち。ちょっと有名だからって説教マジでうざいんだけど」
「ねー、ファンやスタッフのみんな
だって。実際に見られるのは
本人達じゃん。他の人のことまで
考えてるなんて私、感動しちゃった」
「誰かを楽しませることはない?
そんなのわかんないじゃん」
「でも、あの人たちはすぐに
非難されるよ」
ー自分たちの控え室ー
「先輩風ふかせすきたかな」
「怯えてたらどうしよう」
「いや、それは絶対ない」
「そう、むしろちょっと有名になったからって、て文句言ってると思うよ」
(いくら嫌悪したってあれはやりすぎた)
私と雪希が落ち込んでいると、
蓮と類はサラッと否定した。
「あの、Rainbow Roseの皆さん。
準備お願いします」
「「「「はい!」」」」
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