180 / 267
3章 サードライブ
180話 魔の手
しおりを挟む
「ねぇ、隣いい?」
「日比谷、・・・席なら他にも
空いてるだろ?」
薄暗い体育館で見覚えのある
人の隣に行く。
「ここがいいの」
「・・・好きにしたら?」
「ありがとう」
立花の隣の椅子に座り劇に目を向ける。
3年2組の演目は眠れる森の美女、
だが男女逆転で演じていた。
原作に近いのか、王女は100年の眠りに
つくと妖精に告げられ、15歳に成長した
娘は、宣言通り眠りについてしまう。
というナレーションの後に出てきた王女
でもその人はなんか見覚えがある
(あれ?美女役って会長?
すごい、金髪のカツラ。
ぱっと見はわからなかったな)
小鳥のさえずりと共に会長も歌っている
(雪希の方が絶対もっと似合う。
着こなしを完璧にできる。
でも会長と雪希じゃベクトルが違うし。
雪希は白雪姫とか似合いそう)
とか悶々と考えていると
隣からバイブ音が聞こえた。
立花がバイブ音を止めて席を立ち
離れていく。
(出し物の休憩終わりかな。
だから端の席にいたんだ)
その後はオリジナルで進み
しばらくして劇は終幕
キスシーンはなく、ナレーションの
「ついに眠りから覚める時が
やってきたのです」
直後に目を覚ました。
100年後の世界で目覚めた
王女は名前を変え、肩書きを捨て
新しい人生を謳歌し、そこで出会った
男性と恋仲になるというところで劇は
終わった。
(後半はほとんどオリジナルだったな。
でも前半は確かペロー版だっけ?
100年経っても精神狂わせないで
生きられるのは逞しいな)
自分の出店に戻りクレープを数えられ
ないほど売り、文化祭は終了。
各クラス、出店や劇、
各教室の展示物を後片付けをして、
3階の廊下など指定された場所に運んだ
机を元に戻し解散。
3階に続く階段前に置かれた図書室の
椅子。この先立ち入り禁止と書かれた。
紙を取り、椅子を図書室まで運ぶ。
(誰か忘れたのかな。
忙しかったから無理ないよね)
椅子を戻して昇降口に向かおうとしたら
「日比谷さん」
と声をかけられ、顔を上げると
「会長、」
西日があたり眩しく会長から見たら
睨まれてるように見えたんだろうな。
「そんな警戒しないでよ」
「すみません、太陽が眩しくて
睨んでるわけじゃないんです
どうしたんです?
会長、打ち上げとかあるんじゃない
ですか?」
「大丈夫だよ、
俺のクラスは打ち上げはないよ」
「そうですか、ならなぜここへ?」
「あなたと話がしたくて」
「私と?」
会長を上ってくる会長の顔は微笑んで いたがその笑みはどこか怖く感じた。
「本当は、もっと前から話したいと思ってたんだよね。でも王子様2人と
不良達から何かしらと邪魔されて
できなかったんだよ」
「そう、なんですか」
(あの2人が?
でも前に蓮が会長と会ったか聞いてたのもこれ?)
「君、
アイドル向いてないんじゃない?」
「日比谷、・・・席なら他にも
空いてるだろ?」
薄暗い体育館で見覚えのある
人の隣に行く。
「ここがいいの」
「・・・好きにしたら?」
「ありがとう」
立花の隣の椅子に座り劇に目を向ける。
3年2組の演目は眠れる森の美女、
だが男女逆転で演じていた。
原作に近いのか、王女は100年の眠りに
つくと妖精に告げられ、15歳に成長した
娘は、宣言通り眠りについてしまう。
というナレーションの後に出てきた王女
でもその人はなんか見覚えがある
(あれ?美女役って会長?
すごい、金髪のカツラ。
ぱっと見はわからなかったな)
小鳥のさえずりと共に会長も歌っている
(雪希の方が絶対もっと似合う。
着こなしを完璧にできる。
でも会長と雪希じゃベクトルが違うし。
雪希は白雪姫とか似合いそう)
とか悶々と考えていると
隣からバイブ音が聞こえた。
立花がバイブ音を止めて席を立ち
離れていく。
(出し物の休憩終わりかな。
だから端の席にいたんだ)
その後はオリジナルで進み
しばらくして劇は終幕
キスシーンはなく、ナレーションの
「ついに眠りから覚める時が
やってきたのです」
直後に目を覚ました。
100年後の世界で目覚めた
王女は名前を変え、肩書きを捨て
新しい人生を謳歌し、そこで出会った
男性と恋仲になるというところで劇は
終わった。
(後半はほとんどオリジナルだったな。
でも前半は確かペロー版だっけ?
100年経っても精神狂わせないで
生きられるのは逞しいな)
自分の出店に戻りクレープを数えられ
ないほど売り、文化祭は終了。
各クラス、出店や劇、
各教室の展示物を後片付けをして、
3階の廊下など指定された場所に運んだ
机を元に戻し解散。
3階に続く階段前に置かれた図書室の
椅子。この先立ち入り禁止と書かれた。
紙を取り、椅子を図書室まで運ぶ。
(誰か忘れたのかな。
忙しかったから無理ないよね)
椅子を戻して昇降口に向かおうとしたら
「日比谷さん」
と声をかけられ、顔を上げると
「会長、」
西日があたり眩しく会長から見たら
睨まれてるように見えたんだろうな。
「そんな警戒しないでよ」
「すみません、太陽が眩しくて
睨んでるわけじゃないんです
どうしたんです?
会長、打ち上げとかあるんじゃない
ですか?」
「大丈夫だよ、
俺のクラスは打ち上げはないよ」
「そうですか、ならなぜここへ?」
「あなたと話がしたくて」
「私と?」
会長を上ってくる会長の顔は微笑んで いたがその笑みはどこか怖く感じた。
「本当は、もっと前から話したいと思ってたんだよね。でも王子様2人と
不良達から何かしらと邪魔されて
できなかったんだよ」
「そう、なんですか」
(あの2人が?
でも前に蓮が会長と会ったか聞いてたのもこれ?)
「君、
アイドル向いてないんじゃない?」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ボールの行方
sandalwood
青春
僕は小学生だけど、これでも立派な受験生。
放課後、塾のない日は図書館に通って自習するほどには真面目な子ども……だった。真面目なのはいまも変わらない。でも、去年の秋に謎の男と出会って以降、僕は図書館通いをやめてしまった。
いよいよ試験も間近。準備万端、受かる気満々。四月からの新しい生活を想像して、膨らむ期待。
だけど、これでいいのかな……?
悩める小学生の日常を描いた短編小説。
ヤマネ姫の幸福論
ふくろう
青春
秋の長野行き中央本線、特急あずさの座席に座る一組の男女。
一見、恋人同士に見えるが、これが最初で最後の二人の旅行になるかもしれない。
彼らは霧ヶ峰高原に、「森の妖精」と呼ばれる小動物の棲み家を訪ね、夢のように楽しい二日間を過ごす。
しかし、運命の時は、刻一刻と迫っていた。
主人公達の恋の行方、霧ヶ峰の生き物のお話に添えて、世界中で愛されてきた好編「幸福論」を交え、お読みいただける方に、少しでも清々しく、優しい気持ちになっていただけますよう、精一杯、書いてます!
どうぞ、よろしくお願いいたします!
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―
入海月子
青春
佐伯優は高校1年生。カメラが趣味。ある日、高校の屋上で出会った超美形の先輩、久住遥斗にモデルになってもらうかわりに、彼の昼食を用意する約束をした。
遥斗はなぜか学校に住みついていて、衣食は女生徒からもらったものでまかなっていた。その報酬とは遥斗に抱いてもらえるというもの。
本当なの?遥斗が気になって仕方ない優は――。
優が薄幸の遥斗を笑顔にしようと頑張る話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる