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3章 サードライブ
160話 ラッシュガード
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水着に着替え合流場所に行くと先に
シートを敷いたり、ボールを膨らませていた。
(意外と乗り気?)
「おまたせ」
「早かったね。
その水着とても似合ってる、可愛いよ
舞」
ボールを膨らませていた類が振り返る
「あ、ありがとう。
今日、そんなに人いないから
更衣室も空いてたの」
(たとえ遊びでも気を抜かない
王子様キャラ。
多分誰もいなかったら早かったね、だけで終わってただろうな)
「2人もなにか言ったら?」
雪希と蓮に視線を向けたが、
「似合ってるよ、舞」
「可愛いね、その水着」
と作業を止めて褒めてくれた。
(多分、類がどっちも言っちゃったから
他に言葉用意してなかったのかな)
「2人とも、それだけ?」
類の呆れた顔に
「類が先に言ったから
思いつかなかったんだよ」
「早かったね、だけでよかったのに」
蓮と雪希のブーイングを投げる。
「な、なんかごめん。
でも舞、前の水着は駄目だったの?」
2人を宥めながら私に視線を向ける。
「ちょっときつくて。
それに保管が雑だったのか劣化
しかけてたから、
ちょうどいいかなって。流石に海で
スク水っていうのも気が引けたし
友達に手伝ってもらったんだ」
肩紐のついた白のオフショルダービキニ
下はオレンジの花のスカート。
スカートでもかなり恥ずかしい。
(ワンピースでもよかったのに
紗南が私に似合うのはこれって
引かなかったからな。こういうところ
強引だな。そういえば)
「3人とも、なんでラッシュガード
着てるの?」
「日焼け止めは言ったけど念のために」
蓮は立ち上がった。
「それで海に来たはいいけど何する?」
今度は類が雪希に問いかける。
「海に来たらこれでしょ?」
得意げにクーラーボックスから
取り出したのは水鉄砲。
(いつの間に)
出来るだけ人目のつかない遠いところで
それぞれゴーグルをして個人戦に挑む。
(万が一、目に当たったら大変だしね。
持ってきててよかった)
水の補充には時間がかかるからその時が
1番狙われる。
(まぁその時は丸腰だし仕方ないけど)
それで耳に入った時は容赦なく
撃ち返した。
全員ずぶ濡れになってから浜に上がり、
雪希と蓮は砂のお城を作ると意気込んで
広い場所へ。
「喉乾いちゃったから飲み物
買ってくるね」
「うん、荷物は見てるから安心して。
あ、でも待って」
ビーチサンダルを履いてすぐに
止められた。
「はい、これ」
と着ていたラッシュガードを脱いで
渡された。
意味がわからないまま受け取ると
「前、海に来てナンパされたって
雪希に聞いたよ。虫除けにどうぞ」
(確かにあの時は面倒だったな)
「でも、自分の分あるけど?」
「男物の方が、あ、あの子彼氏いるんだなって諦めてくれるでしょ?」
「確かに」
(ほんとこういう細かな気遣いは
嬉しいな)
「ありがとう、類」
袖は通すことができないが羽織ると
それなりに丈が長い。
(落とさないようにしないと)
ラッシュガードを借りて、飲み物を
買いに行ったが帰る時も声をかけられることはなかった。
(そもそも、そんなに人いないからね。早く、類のところに、)
「あれ?日比谷じゃん」
振り返ると、立花が手を振っていた。
「立花・・・」
「思いっきり、ゲッて顔やめてよ、
傷つく」
「ごめん、つい」
立花の登場に焦る。
「1人?」
「いや、Rainbow Roseのみんなと
プライベートで」
「プライベートって言葉、
使ってみたいな」
「なにも、仕掛けないんだね」
「外だから、約束したからね。
でも新学期は、覚悟しといて」
「う、う~ん」
適当に返事をして、立花と別れる。
シートを敷いたり、ボールを膨らませていた。
(意外と乗り気?)
「おまたせ」
「早かったね。
その水着とても似合ってる、可愛いよ
舞」
ボールを膨らませていた類が振り返る
「あ、ありがとう。
今日、そんなに人いないから
更衣室も空いてたの」
(たとえ遊びでも気を抜かない
王子様キャラ。
多分誰もいなかったら早かったね、だけで終わってただろうな)
「2人もなにか言ったら?」
雪希と蓮に視線を向けたが、
「似合ってるよ、舞」
「可愛いね、その水着」
と作業を止めて褒めてくれた。
(多分、類がどっちも言っちゃったから
他に言葉用意してなかったのかな)
「2人とも、それだけ?」
類の呆れた顔に
「類が先に言ったから
思いつかなかったんだよ」
「早かったね、だけでよかったのに」
蓮と雪希のブーイングを投げる。
「な、なんかごめん。
でも舞、前の水着は駄目だったの?」
2人を宥めながら私に視線を向ける。
「ちょっときつくて。
それに保管が雑だったのか劣化
しかけてたから、
ちょうどいいかなって。流石に海で
スク水っていうのも気が引けたし
友達に手伝ってもらったんだ」
肩紐のついた白のオフショルダービキニ
下はオレンジの花のスカート。
スカートでもかなり恥ずかしい。
(ワンピースでもよかったのに
紗南が私に似合うのはこれって
引かなかったからな。こういうところ
強引だな。そういえば)
「3人とも、なんでラッシュガード
着てるの?」
「日焼け止めは言ったけど念のために」
蓮は立ち上がった。
「それで海に来たはいいけど何する?」
今度は類が雪希に問いかける。
「海に来たらこれでしょ?」
得意げにクーラーボックスから
取り出したのは水鉄砲。
(いつの間に)
出来るだけ人目のつかない遠いところで
それぞれゴーグルをして個人戦に挑む。
(万が一、目に当たったら大変だしね。
持ってきててよかった)
水の補充には時間がかかるからその時が
1番狙われる。
(まぁその時は丸腰だし仕方ないけど)
それで耳に入った時は容赦なく
撃ち返した。
全員ずぶ濡れになってから浜に上がり、
雪希と蓮は砂のお城を作ると意気込んで
広い場所へ。
「喉乾いちゃったから飲み物
買ってくるね」
「うん、荷物は見てるから安心して。
あ、でも待って」
ビーチサンダルを履いてすぐに
止められた。
「はい、これ」
と着ていたラッシュガードを脱いで
渡された。
意味がわからないまま受け取ると
「前、海に来てナンパされたって
雪希に聞いたよ。虫除けにどうぞ」
(確かにあの時は面倒だったな)
「でも、自分の分あるけど?」
「男物の方が、あ、あの子彼氏いるんだなって諦めてくれるでしょ?」
「確かに」
(ほんとこういう細かな気遣いは
嬉しいな)
「ありがとう、類」
袖は通すことができないが羽織ると
それなりに丈が長い。
(落とさないようにしないと)
ラッシュガードを借りて、飲み物を
買いに行ったが帰る時も声をかけられることはなかった。
(そもそも、そんなに人いないからね。早く、類のところに、)
「あれ?日比谷じゃん」
振り返ると、立花が手を振っていた。
「立花・・・」
「思いっきり、ゲッて顔やめてよ、
傷つく」
「ごめん、つい」
立花の登場に焦る。
「1人?」
「いや、Rainbow Roseのみんなと
プライベートで」
「プライベートって言葉、
使ってみたいな」
「なにも、仕掛けないんだね」
「外だから、約束したからね。
でも新学期は、覚悟しといて」
「う、う~ん」
適当に返事をして、立花と別れる。
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