虹色の薔薇が咲く場所は

如月 りん

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3章 サードライブ

145話 利用

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その投稿者はすぐに分かった。
翌日、昼休みに校舎裏に呼び出された。
(この後の展開、予想できる。
ていうか下駄箱に手紙入れて呼び出すって
典型過ぎない!?)
なんて考えていると
「約束通り来てくれて嬉しいわ」

彼女は現れた
(編み込みでメガネ。
私達とも蓮ともネクタイの色が違う
ってことは3年生かな。)

「1人で来いって言ったんじゃないですか」
「まぁ、そうだけど」
何故か呆れられた。

「それで話ってなんです?」
(まぁ想像つくけど)
「はっきり言って邪魔なの、あなた」
「初対面の人に邪魔と言われる覚えは
ありませんが」
(あー、だめだ。喧嘩売っちゃった。
絶対めんどくさいことになる)
1人焦っていると、
「生意気な後輩ね。
会長が好きになっこはどんな子かと思ったらこんな図々しい子だなんて。
あなたは彼に相応しくない。」
(・・・ん?)
「私がどんな情報提供してもあとは生半可な返事するだけ。私の方がずっと彼を
思っているのに」

(できれば修羅場の当事者は懲り懲り
なんだけど。でもその前に)
「あの、ちょっといいですか?」
悪いと思いながらも話を遮る。
「会長って暁さん、ですよね?
入学式でスピーチしてた」
「そうよ、彼はあなたに気があるのよ」
(気があるって言われても)

「で、でも会長から私が好きとかはっきり
聞いたんですか?」
「ええ、この前、生徒会で2年生と話してるの聞いたもの」
(2年、もしかしてこの前、
蓮が呼び出されたのって)
「その場にいたんですか?」
「いえ、扉の前で」
「盗み聞きじゃないですか!」

「う、うるさい!
だいたいなんであんなこと書かれて
平気なのよ!
さっき見たらもう収まってたじゃない!」
「あんな事?、
まさかあれを投稿したのって!?」
「ええ、彼に頼まれたの。
私にしか頼めないって!」
(恋は盲目ってやつか)

「会長がなんの考えでそんなことをしたのか分かりませんが、
それにすぐに対処できたのは絆があるから
です。表面上だけ仲良くしてたら
あんなに早く行動できませんよ。
先輩、はっきり言って利用されたんですよ」
(というか、男子さっきから置き去りだけど
いいの?目が点になってるんだけど)

「うるさい、後輩のくせに!」
カッとなった先輩ひ手を振り上げた。
(またか)
片腕を盾にして防ぐ。
「え、」
呟きに
「あいにく、こういうのは経験済み
なんです」

「ところで男子生徒の皆さん
どうしてここにいるんですか?」
(一応、聞いておこう)

「え、俺らはこいつに頼まれて」
と先輩を指さす。

「そうですか、あなた達も利用
されたんですね」
(同情するな、先輩。
好きな人に利用されて。
でもそれとこれは訳が違う)
「り、利用って、人聞きの悪いことを
言わないで!」
「事実じゃないですか?
お似合いだと思いますよ、会長と先輩。」 

(人に指示して自分の手は汚さない。
最悪同士で)
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