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3章 サードライブ

140話 またか

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「いざ、来てみたけど迷うね」
食器、衣服、雑貨・・・いろいろ見たけど
ピンとこない。
「舞は流行とか興味ないしね。
アニメとか世間のブームが終わってから
ハマるし」
「ワンテンポ遅れて火がつくよね」
類も苦笑して言葉を続ける。

「そういえばこの前、舞のマグカップが
割れたって聞いたけど」
「うん、でも舞が同じものはいらないって
言ったんだよね」
類は少し考えて
「でもそれは同じものはいらないけど
マグカップ自体いらないとは
言ってないんだよね?」
「あ・・・」
と1人で納得したが
「なら・・・でも・・・」
とぶつぶつ呟いて
「4人で使えるなにか探さない?
もちろん第一は舞が喜んでくれるもので
考える。これでどう?」
(こういう時、類は頼りになる)

「わかった、雪希もそれで、」
確認しようとあたりを見ても雪希はいない。

「あれ、ねぇ類。」
類はまたか、というような顔をして
ため息をついた。

今いるお店をぐるっと一周したが雪希はいなくてとりあえずお店を出た。
「俺、こっち側のお店見るから、
類はそっち側お願い。」
自分の後ろを指さしてから、
類の後ろを指さす。
類はうなずいて二手に分かれた。

(最初の頃は集団行動してたのに最近は
マイペースというかなんというか・・・
でも仕事の時はそんなことないし。
気を許してくれてるんだろうけど
探す身にもなってほしい)

お店を一つずつ一周まわっていないことを
確認して類と別れて場所へ。
類と合流して類は3階、俺は1階を
探すことにした。

大きめの広場で何かショーをしていたが、
見ている暇はないからスルーしようとすると
「じゃあ、そこの白髪のお嬢さん!」
「え・・・!」
その声に思わず足を止め振り帰る。

そこには観客と司会者に急かされている
雪希がいた。
「ちょっとなにしてるの?今日は映画に
付き合ってくれるんでしょ!?」
と司会者の声は聞こえなかった感じを装い
雪希の背中をぐいぐい押して
その場から離れた。

「もしもし、類?
雪希見つかって回収したから
さっきの場所で」
「わかった」
電話を切り元の場所へ向かう

「でもなんであそこにいたの?」
「えっと、」
~回想開始~
(2人はなにか話してるし隣の棚、見ようかな)
移動する時に棚の装飾に袖を引っ掛けた。
「あ、いけないっ」
丁寧に外して袖に穴は開かなくてホッとしたがショルダーバックが引っ張られた感覚で
となりを見るとベビーカーに乗った子供が
バックについているペンギンのぬいぐるみの
キーホルダーを握っていた。

「えっと、」
「すみません、これはお姉ちゃんのだから
離してくれる?」
困惑していると母親がなだめて離すように
言ったが子供は離さない。

ゆっくり膝をついてバックを抱えて
バックから外して子供にあげた。
そしたら両腕で抱きしめた。
「すみません、すぐに新しい物を・・・」
「いいんですよ、とても気に入ってくれて
あの子も本望だと思います」
「あ、ありがとうございます。」
てその母子と分かれて合流しようとしたら
2人がいなかった
~回想終了~

「だから2人しておいていっちゃったのかなって探したんだ」
「でも一周周って・・・ベビーカーの
影になったとか?」
「タイミング悪かったね」
「スマホ鳴らしても気づかなかったし」
「ちょうどゲームセンターのそばを歩いてた時かな。流石に聞こえないよ」
「でもなんで1階にいたの?」
「あのお店を出たら1階で好きなブランドの
商品が陳列されてる、て広告を見てつい、」
「やっぱり」

エスカレーターにのって
「いつも蓮からお咎めがあるのに」
おずおずと聞く雪希に
「流石にそろそろキツめにお灸を据えないとダメかなって。
類の方が心にくると思うから。」
「う、うん」

エスカレーターを降りて類と合流、
笑顔でドス黒いオーラを出しながら的確に
雪希を叱っている類を見て
(これからはこういうのは全て類に任せよう)
と役割変更を考えていた。
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