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2章 セカンドライブ
110話 賭け
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昼休み、私は自分の教室でお弁当を
食べていた。
テントで食べても良かったんだけど、
誰もいない教室って新鮮でいいなと思った。
校庭は賑やかでしん、とした教室は
なかなかないからやってみたいと思った。
こういう静かなのもたまにはい、
「なに、黄昏てるの、舞」
束の間の平穏が壊された。
「なに、ってお弁当食べてるの、
みてわかるでしょ?蓮」
お弁当を持っていた。
(待って、ここで食べるの?)
「先輩じゃないんだな」
「校舎には誰もいないでしょ?
というか、何しにきたの」
「可哀想な後輩を慰めようと思ってね」
そう言って私の前の席の椅子を引き座った。
「別に可哀想じゃないよ」
「そういえば前に友達から聞いたんだよね。蓮は人当たりが良い人だ、って」
ジト目で言うと、卵焼きを食べていた蓮は
箸を置いて、飲み込んでから
「なに、その目は」
「別に」
「そうだ、選抜リレー出るのか?」
「うん、アイドルがバレて体力ありそうって言われて」
「俺も似たような感じだな」
「バレたの?」
「バレた、雪希のことで芋づる式に」
「右に同じ」
「なぁ、賭けをしよう」
「賭け?」
「そう、リレーで白組が買ったら俺が出店で舞の要望を一つ買う。赤組が勝ったら逆」
「わかった、赤組が勝ったらクレープね」
「白組が買ったら焼きそば」
黙々とお弁当を食べて片付け校舎を出る。
しばらくして、午後の競技が始まる。
午後はクラス対抗リレー。流石に
組対抗リレーも出るから第一走者に
してもらった。
その方が体力の温存が長くできる。ちなみに
クラス対抗リレー人数関係で走るのは
トラックの四分の一。
一年は赤組、白組、白組、赤組の順番だった
位置についてピストルの音で走り出す。
四分の一は思ったより短くて拍子抜けした
「紗南!」
次の走者に渡して、私は内側に入る。
抜かし抜かされで最後までわからないのが
リレーの醍醐味だと思う。
最終的に白組、赤組、赤組、白組に決まった
校舎にある得点板を見る。
(今のところ僅差で勝っているのは白組。
選抜リレーで勝てるかな)
3年生、蓮は第三走者でその間黄色い声が
飛び交っていた。
(さすがアイドル。まぁ私もだけど)
3年生は赤組、白組、赤組、白組に決まった
(さて、そろそろ移動しよう)
走る場所に、蓮がいててっきり第2か第4かと思ってたらまさかの
「俺?アンカー」
ため息をついても仕方ない。
頑張ろう。
第三の時点でうちのクラスは3位だった。
第四走者にバトンが渡ったから準備をする、
「アンカーに全てがかかってる」
「絶対負けない」
2人先にアンカーにバトンが渡り、
蓮にもバトンが渡された。
渡される直前に
「御先に」
と言われてものすごく腹が立っている。
「ごめん!」
とバトンを受け取った。
「2年の赤にバトンが渡り一気に加速した。
でも大丈夫なんでしょうか?」
と言うアナウンスに
(ちゃんと計算してるよ)
と反応した。
「あー!2年の赤組3年の赤組を抜きました」
(あとは蓮だけ)
「すごい!接戦です!」
でもまだ半周残ってる。抜かせるかな。
でも絶対諦めない、そして
「決まりました!優勝はーー!」
ー放課後ー
私は焼きそばを買っている。
「はぁ、勝ちたかった。」
「でも僅差だったじゃん」
「そうだけどさ」
「クラスメイトからすごいってめっちゃ
言われた」
「俺は、年下女子に抜かされそうで焦った?って揶揄われた」
「でも実際に3年1人抜かしたけど」
「そうだな、同時だったら
抜かされてたかも」
(ソースのいい匂い)
300円を出して焼きそばを受け取る。
「舞はクレープ何食べる?」
「うーん、やっぱりバナナチョコかな」
そういうと蓮は手を出す。
「いくらだっけ?」
「200円って書いてある」
蓮に200円を渡して、5分ほどして
クレープを2つ持って戻ってきた。
「はい」
「ありがとう、蓮も買ったんだね」
「なんか見てたら美味しそうだなって」
蓮のクレープはバナナにキャラメスソース、砕いたアーモンドが散らばっている。
流石に食べ歩きは行儀が悪いから校門を出て
近くの公園で食べる。
「少女マンガとかだとさ、
さっきみたいな賭けで負けても
奢ってもらってその優しさにキュンと
きちゃって恋をしちゃった、みないな展開がありそうじゃない?」
「マンガの中だけでしょ。ていうか、
舞、そういうの嫌いだろ?」
「うん、人の性格をよくわかって
いらっしゃる」
「一年以上寝食共にしたらわかる」
2人とも食べ終わり駅に向かう。
「そういえば、蓮は高校とか考えてる?」
「それについては、事前に七瀬さんから
言われてるんだ。これからはもっと忙しくなる。学年が違うのは仕方ない、けど高校は
みんな一緒の方が断然予定調和がしやすいって。」
「まぁそうだよね」
(アイドル、学校生活、受験。蓮はこれから
特に忙しくなる。体、壊さなければいいけど)
食べていた。
テントで食べても良かったんだけど、
誰もいない教室って新鮮でいいなと思った。
校庭は賑やかでしん、とした教室は
なかなかないからやってみたいと思った。
こういう静かなのもたまにはい、
「なに、黄昏てるの、舞」
束の間の平穏が壊された。
「なに、ってお弁当食べてるの、
みてわかるでしょ?蓮」
お弁当を持っていた。
(待って、ここで食べるの?)
「先輩じゃないんだな」
「校舎には誰もいないでしょ?
というか、何しにきたの」
「可哀想な後輩を慰めようと思ってね」
そう言って私の前の席の椅子を引き座った。
「別に可哀想じゃないよ」
「そういえば前に友達から聞いたんだよね。蓮は人当たりが良い人だ、って」
ジト目で言うと、卵焼きを食べていた蓮は
箸を置いて、飲み込んでから
「なに、その目は」
「別に」
「そうだ、選抜リレー出るのか?」
「うん、アイドルがバレて体力ありそうって言われて」
「俺も似たような感じだな」
「バレたの?」
「バレた、雪希のことで芋づる式に」
「右に同じ」
「なぁ、賭けをしよう」
「賭け?」
「そう、リレーで白組が買ったら俺が出店で舞の要望を一つ買う。赤組が勝ったら逆」
「わかった、赤組が勝ったらクレープね」
「白組が買ったら焼きそば」
黙々とお弁当を食べて片付け校舎を出る。
しばらくして、午後の競技が始まる。
午後はクラス対抗リレー。流石に
組対抗リレーも出るから第一走者に
してもらった。
その方が体力の温存が長くできる。ちなみに
クラス対抗リレー人数関係で走るのは
トラックの四分の一。
一年は赤組、白組、白組、赤組の順番だった
位置についてピストルの音で走り出す。
四分の一は思ったより短くて拍子抜けした
「紗南!」
次の走者に渡して、私は内側に入る。
抜かし抜かされで最後までわからないのが
リレーの醍醐味だと思う。
最終的に白組、赤組、赤組、白組に決まった
校舎にある得点板を見る。
(今のところ僅差で勝っているのは白組。
選抜リレーで勝てるかな)
3年生、蓮は第三走者でその間黄色い声が
飛び交っていた。
(さすがアイドル。まぁ私もだけど)
3年生は赤組、白組、赤組、白組に決まった
(さて、そろそろ移動しよう)
走る場所に、蓮がいててっきり第2か第4かと思ってたらまさかの
「俺?アンカー」
ため息をついても仕方ない。
頑張ろう。
第三の時点でうちのクラスは3位だった。
第四走者にバトンが渡ったから準備をする、
「アンカーに全てがかかってる」
「絶対負けない」
2人先にアンカーにバトンが渡り、
蓮にもバトンが渡された。
渡される直前に
「御先に」
と言われてものすごく腹が立っている。
「ごめん!」
とバトンを受け取った。
「2年の赤にバトンが渡り一気に加速した。
でも大丈夫なんでしょうか?」
と言うアナウンスに
(ちゃんと計算してるよ)
と反応した。
「あー!2年の赤組3年の赤組を抜きました」
(あとは蓮だけ)
「すごい!接戦です!」
でもまだ半周残ってる。抜かせるかな。
でも絶対諦めない、そして
「決まりました!優勝はーー!」
ー放課後ー
私は焼きそばを買っている。
「はぁ、勝ちたかった。」
「でも僅差だったじゃん」
「そうだけどさ」
「クラスメイトからすごいってめっちゃ
言われた」
「俺は、年下女子に抜かされそうで焦った?って揶揄われた」
「でも実際に3年1人抜かしたけど」
「そうだな、同時だったら
抜かされてたかも」
(ソースのいい匂い)
300円を出して焼きそばを受け取る。
「舞はクレープ何食べる?」
「うーん、やっぱりバナナチョコかな」
そういうと蓮は手を出す。
「いくらだっけ?」
「200円って書いてある」
蓮に200円を渡して、5分ほどして
クレープを2つ持って戻ってきた。
「はい」
「ありがとう、蓮も買ったんだね」
「なんか見てたら美味しそうだなって」
蓮のクレープはバナナにキャラメスソース、砕いたアーモンドが散らばっている。
流石に食べ歩きは行儀が悪いから校門を出て
近くの公園で食べる。
「少女マンガとかだとさ、
さっきみたいな賭けで負けても
奢ってもらってその優しさにキュンと
きちゃって恋をしちゃった、みないな展開がありそうじゃない?」
「マンガの中だけでしょ。ていうか、
舞、そういうの嫌いだろ?」
「うん、人の性格をよくわかって
いらっしゃる」
「一年以上寝食共にしたらわかる」
2人とも食べ終わり駅に向かう。
「そういえば、蓮は高校とか考えてる?」
「それについては、事前に七瀬さんから
言われてるんだ。これからはもっと忙しくなる。学年が違うのは仕方ない、けど高校は
みんな一緒の方が断然予定調和がしやすいって。」
「まぁそうだよね」
(アイドル、学校生活、受験。蓮はこれから
特に忙しくなる。体、壊さなければいいけど)
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