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2章 セカンドライブ

94話 なんで歌うのかなって

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夏休み、2日目
沢山舞たちと練習を重ねて
再びレコーディングスタジオに訪れた僕たち
「「「「お願いします」」」」

ヘッドホンを耳にして担当さんが
曲を流し歌う。
はっきり言って10回目OKだった。
2回目までは失敗続きで凹んでた。
担当さんが一度休憩を挟もうかと言ってくれたので10分休憩することに。
スタジオを出てロビーのソファで
うまくいかなくて凹んでる3人に
「ねえ、僕考えたんだ」
3人の視線が僕に向く。

「なんで歌うのかなって」
「「「なんでって、アイドルだから」」」
「そ、それはそうだけど」
3人の息のあった返しにちょっと怯む
「CDってどういう人が聞くかわからないじゃん?でもそれは逆も同じで。初見さんはどんな人が歌ってるかわからない。試しに聞いて気に入ってくれるかもしれないし、そうじゃないかもしれない。歌で僕たちはこういう人だよっていうのを表現できたらなって。」
(美術の先生が言ってたこと今なら
わかる気がする)

「表現、なんかリーダーらしいこと
言ってない?」
「そんなことないよ」
不貞腐れた類を宥める
「俺たちなりの表現で知ってもらおう」
「私たちを」
「俺たち、Rainbow Roseを」
「あの、そろそろいいですか?」
千鶴さんの控えめな声に
「はい、大丈夫です。ちゃんとやれます」

普段、笑わない千鶴さんが少し、
笑った気がした。

(やります、じゃなくてやれます。
彼らの中で何かが決まったのかもしれませんね)

再びレコーディングをするが最初はまとまらず、音楽が止まることがあった。でも、だんだんまとまってきて、10回目、
「すごく、良かった。
一つはこれでいこうか」
「「「「ありがとうございます」」」」
「次は流星に願いを、いってみようか」
「「「「はい!」」」」
流星に願いを、は一発OKだった。
思ったより早く終わったから、ソロの収録のために、時間ギリギリまで個人で練習する。

「僕の願いを空へ飛ばす、・・・。
流星に願いを。やっぱりここで引っかかる。元々ここは蓮のパートだけど変に上げたり
下げたりすると他が崩れるし」

それから可愛いを意識して歌ったり、
ゆったりを意識して歌ってもしっくり
来なくて、いつの間にか時間が終わりを迎えて僕は舞達と合流してスタジオを出た。

「うわっ、中涼しかったから
余計暑く感じる」
4人で駐車場まで歩いていると舞が
立ち止まった。
「どうしたの、舞」
「明後日、」
「明後日?」

青ざめる舞が言った明後日。明後日は月曜日だけどレッスン以外に予定はなかったはず。
舞、誰かと約束してるのかな、
「たん、じょうび」
「誕生日?誰の?」
「翔、」
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