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2章 セカンドライブ
89話 助けてくれたから
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「え、」
心臓がドクンと高鳴るのを感じる。
「知ってる、けど、なんで?」
「雪希に瓜二つの奴がいてさ。
漢字はわかんなかったけど名前がユキだったからさ。この世に似た人が3人いるって
言うじゃん?すごく近くにいるなって思って。・・・ん?確か寮に住んでるって、」
「あのさ、辺里くん」
勘づいたかもしれない辺里くんの話を遮る。
(あ、逆に確信したかもしれない)
「ずっと気になってたんだけど
入学した頃僕が消しゴム落として拾おうとした時に手、踏んだけど、ごめんって言って。
あの行動の意味が分からなくてさ。」
「え、なにそ、あれは悪かった」
言いかけて謝ってくれた、
けどなんか違和感あるな。
(自分でやったことってそう簡単に忘れるかな
それもあんな怖い顔で)
そこまで言って視線を僕に向けた。
「廊下側にいた男女5人の
グループがテニスボール持っててさ。
それを雪希に投げてみよう、なんて聞こえたからさ。丁度って言ったらダメだけど雪希が消しゴム落としたから咄嗟に。」
(投げたなら近くで騒ぎが起こってる
はずだけど騒ぎ、あったかな。でも
僕が気づかなかっただけかもしれないし)
「あれ、ぶつかったからかなり痛いだろうなって思って。雪希が怯えた目で俺を見ている時にボールが飛んできてさ。あんな言葉
吐いたけど、内心はパニックになってさ。
ごめん、かなり最低なことした。」
後悔しているような傷ついたような
目をしてるが、後悔の他に焦りを感じる。
「もういいよ。どんなやり方であれ僕を助けようとしてくれたんだから。それより僕も ごめん。そんなことがあったなんて知らなくて勝手に怖い存在だって思ってた。
友達になってくれて。」
辺里くんははにかんみ
「さっき録音した先生の話、
俺に送ってくれる?」
「え?いいけど。何するの?」
「秘密」
辺里くんの顔は嬉しそうだ
「空気壊すみたいになるけど寮って
どこら辺にあるの?」
振り向くと宮本くんがジト目で歩いている。
「ご、ごめん。もうすぐだから」
「ほんと空気読まないな」
ドアノブに手をかけたが
(あれ、閉まってる。
まだ誰も帰ってないのかな)
鞄を漁り鍵を開けて中に入る。
「ただいま~」
「「お邪魔します」」
適当にソファに座ってもらって、お茶を出す
「さて、雪希」
「何、辺里くん」
「さっきの話の続きをしようか、
Rainbow Rose。はっきり言って雪希
なのか?」
真剣な目にもうごまかせないと悟った僕は
「そう、だよ。僕はRainbow Roseの
黄緑担当 雪希。」
「もしかして他の寮のメンバーって、」
宮本くんは勘づいたように呟いた時
「「ただいま~」」
この声は舞と蓮だ。
(類が早く帰ってくると思ってたんだけど)
「おかえり~、2人とも」
「「お邪魔してます」」
「いらっしゃい、ゆっくりしていってね」
「ありがとうございます」
舞の声に反応したのは宮本くんのみ。
「辺里?」
「だ、」
「だ?」
肩を震わしていたと思えば顔を上げて
「大、ファンです」
「ありがとう」
辺里くんの反応に一瞬戸惑ったものの
舞は笑顔だ。
「今度CD出すんですよね。絶対に買います」
「よく知ってるね」
「はい、友達から聞いたので。でも
プライベートでお会いできるなんて
光栄です」
(これってプライベートなのか?)
「日比谷舞さん、高坂蓮さん
蒼葉類さん、そして雪希。
出会うべくして出会った4人が、・・・」
(よく喋るな、)
「ちょっ、ちょっと待って。話途中で悪いんだけど、流石に着替えないと。その間、蓮が聞いてくれるから」
「はぁ!?ちょっと待って、
汗びっしょりだからシャワー浴びようと
思ってたのに。そうだ、雪希」
「え、僕!?」
聞き手で揉めている中
「ただいま~。暑かった~。
あ、いらっしゃい」
「おかえり、類」
「「お邪魔してます」」
辺里くんのマシンガントークは収まり
ソファに座った。
舞と蓮が階段を上がっていき、蓮は先に
着替えを持って脱衣所に。
すぐに舞も着替えて降りてきた。
「あのさ、2人は雪希の友達なんだよね」
類は制服のまま床に座り静かな声で言った。
2人ははい、と答えて類は
「そっか。あのさ、雪希をいじめてたのって誰か分かる?」
僕たち3人の空気が固まった
心臓がドクンと高鳴るのを感じる。
「知ってる、けど、なんで?」
「雪希に瓜二つの奴がいてさ。
漢字はわかんなかったけど名前がユキだったからさ。この世に似た人が3人いるって
言うじゃん?すごく近くにいるなって思って。・・・ん?確か寮に住んでるって、」
「あのさ、辺里くん」
勘づいたかもしれない辺里くんの話を遮る。
(あ、逆に確信したかもしれない)
「ずっと気になってたんだけど
入学した頃僕が消しゴム落として拾おうとした時に手、踏んだけど、ごめんって言って。
あの行動の意味が分からなくてさ。」
「え、なにそ、あれは悪かった」
言いかけて謝ってくれた、
けどなんか違和感あるな。
(自分でやったことってそう簡単に忘れるかな
それもあんな怖い顔で)
そこまで言って視線を僕に向けた。
「廊下側にいた男女5人の
グループがテニスボール持っててさ。
それを雪希に投げてみよう、なんて聞こえたからさ。丁度って言ったらダメだけど雪希が消しゴム落としたから咄嗟に。」
(投げたなら近くで騒ぎが起こってる
はずだけど騒ぎ、あったかな。でも
僕が気づかなかっただけかもしれないし)
「あれ、ぶつかったからかなり痛いだろうなって思って。雪希が怯えた目で俺を見ている時にボールが飛んできてさ。あんな言葉
吐いたけど、内心はパニックになってさ。
ごめん、かなり最低なことした。」
後悔しているような傷ついたような
目をしてるが、後悔の他に焦りを感じる。
「もういいよ。どんなやり方であれ僕を助けようとしてくれたんだから。それより僕も ごめん。そんなことがあったなんて知らなくて勝手に怖い存在だって思ってた。
友達になってくれて。」
辺里くんははにかんみ
「さっき録音した先生の話、
俺に送ってくれる?」
「え?いいけど。何するの?」
「秘密」
辺里くんの顔は嬉しそうだ
「空気壊すみたいになるけど寮って
どこら辺にあるの?」
振り向くと宮本くんがジト目で歩いている。
「ご、ごめん。もうすぐだから」
「ほんと空気読まないな」
ドアノブに手をかけたが
(あれ、閉まってる。
まだ誰も帰ってないのかな)
鞄を漁り鍵を開けて中に入る。
「ただいま~」
「「お邪魔します」」
適当にソファに座ってもらって、お茶を出す
「さて、雪希」
「何、辺里くん」
「さっきの話の続きをしようか、
Rainbow Rose。はっきり言って雪希
なのか?」
真剣な目にもうごまかせないと悟った僕は
「そう、だよ。僕はRainbow Roseの
黄緑担当 雪希。」
「もしかして他の寮のメンバーって、」
宮本くんは勘づいたように呟いた時
「「ただいま~」」
この声は舞と蓮だ。
(類が早く帰ってくると思ってたんだけど)
「おかえり~、2人とも」
「「お邪魔してます」」
「いらっしゃい、ゆっくりしていってね」
「ありがとうございます」
舞の声に反応したのは宮本くんのみ。
「辺里?」
「だ、」
「だ?」
肩を震わしていたと思えば顔を上げて
「大、ファンです」
「ありがとう」
辺里くんの反応に一瞬戸惑ったものの
舞は笑顔だ。
「今度CD出すんですよね。絶対に買います」
「よく知ってるね」
「はい、友達から聞いたので。でも
プライベートでお会いできるなんて
光栄です」
(これってプライベートなのか?)
「日比谷舞さん、高坂蓮さん
蒼葉類さん、そして雪希。
出会うべくして出会った4人が、・・・」
(よく喋るな、)
「ちょっ、ちょっと待って。話途中で悪いんだけど、流石に着替えないと。その間、蓮が聞いてくれるから」
「はぁ!?ちょっと待って、
汗びっしょりだからシャワー浴びようと
思ってたのに。そうだ、雪希」
「え、僕!?」
聞き手で揉めている中
「ただいま~。暑かった~。
あ、いらっしゃい」
「おかえり、類」
「「お邪魔してます」」
辺里くんのマシンガントークは収まり
ソファに座った。
舞と蓮が階段を上がっていき、蓮は先に
着替えを持って脱衣所に。
すぐに舞も着替えて降りてきた。
「あのさ、2人は雪希の友達なんだよね」
類は制服のまま床に座り静かな声で言った。
2人ははい、と答えて類は
「そっか。あのさ、雪希をいじめてたのって誰か分かる?」
僕たち3人の空気が固まった
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