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2章 セカンドライブ
88話 有名人だから
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ー昼休みー
「給食であんなに美味しいって感じたのあれが初めてかもしれない」
真剣な顔で言う僕に2人は笑い出す
「そんなに?」
「でもその割にゆっくり食べてたよな、
雪希」
「ゆっくり食べると咀嚼数が増えて満腹中枢が上がるからね」
「う、うん?まぁよかった、でいいのか?」
「中原って時々難しいこと言うよね」
「川桜学園の教科書使ってるからかな」
会話を終わらせて次の授業の準備をする。
(舞たちに言っといた方がいいよね)
一瞬だけスマホを取り、
友達、寮に連れてきていい?
とだけ送り、カバンにしまう。
5時間目、6時間目と授業をして掃除、
帰りの会と時間が進み、昇降口を出て、辺里くんが自転車登校だから自転車小屋に行くと学年主任の先生が話してるのが聞こえるので3人で音を立てずに死角ギリギリまで近づき話を聞く。
(本当はダメだけど、気になるし)
「中原?ああ、一年の。学校内じゃ知らない人はいないよ。有名人だから。」
(有名?まぁ良い意味じゃないのは
確実だけど)
「男なのに髪を伸ばして縛ってる、でも服装は学ランっていう珍妙な学校をしてたんだよ。でも1ヶ月経ってから学校に来なくなってさ。まぁ当たり前、というか自業自得だよな。周りと違うことをしてたらいじめられるに決まってるのに。」
(教師がサラッといじめなんて言って良いのか?)
一応、スマホの録音を撮っとこう、
「注目を浴びたいのかなんだか知らないけど、正直困るんだよね。あーいうのがいると。性同一障害なら庇えるんだけど、そうじゃないんならね。校長も校長だよ、なんであんな奴の入学を許可したんだろうな。
個性だ、多様性だ、なんて言ってるけどそんなのただの綺麗事。本当は裏ではボロクソにほざいてると思うぜ。」
気分が良くなっているのかだんだん声が大きくなり、はっきり聞こえてくる。
「そういえば、もう1人変わった生徒がいるんだ。宮本 竜也。名前からして男なのに女なんだぜ?それに学ランを着てる。まぁ家の
事情があるんだけど笑っちまうだろ?
女は女らしく、男は男らしくいろって
いうのに。」
(興味本位で撮ってるけど、とんでもないことをしてる気がしてきた)
後退りすると立てかけてあった箒にあたり
取ろうとしたけど間に合わなくて音を立てて
倒れる。
「誰かいるのか!?」
宮本くんとあわあわしてると辺里くんが
歩いて行く。
止めようとしたが、人差し指を立てて、
ニヤッとしたから策があるんだと思って
出しかけた手を引っ込めた。
辺里くんは少しスマホを操作して何食わぬ顔で普通に歩いて先生に近づいて行った。
「なんだ、辺里か」
「ごめんなさい、先生。誤って箒を倒してしまって、」
後ろ姿で表情がわからないが声色は
落ち着いていた。
「今の話、聞いてたか、」
「いいえ、僕は何も聞いていませんよ」
腕を後ろで組み、右手の人差し指を出して
手首を回した。
(向こうに行けってことか)
僕たちはゆっくりと後退りして、早歩きで
その場を離れ昇降口あたりでダッシュで
校門へ向かった。
約10分後、自転車に乗ってきた辺里くんが
視界に入り僕たちに近づくと自転車から
降りた。
「あの、大丈夫だった?」
「大丈夫だよ、雪希。
宮本もそんな顔するなって」
隣を見ると宮本くんは縋るような表情で
辺里くんは眉を下げて笑った。
そして、寮に向かう途中
「雪希、ずっと気になってたんだけど」
「何?辺里くん」
「Rainbow Roseって知ってる?」
「給食であんなに美味しいって感じたのあれが初めてかもしれない」
真剣な顔で言う僕に2人は笑い出す
「そんなに?」
「でもその割にゆっくり食べてたよな、
雪希」
「ゆっくり食べると咀嚼数が増えて満腹中枢が上がるからね」
「う、うん?まぁよかった、でいいのか?」
「中原って時々難しいこと言うよね」
「川桜学園の教科書使ってるからかな」
会話を終わらせて次の授業の準備をする。
(舞たちに言っといた方がいいよね)
一瞬だけスマホを取り、
友達、寮に連れてきていい?
とだけ送り、カバンにしまう。
5時間目、6時間目と授業をして掃除、
帰りの会と時間が進み、昇降口を出て、辺里くんが自転車登校だから自転車小屋に行くと学年主任の先生が話してるのが聞こえるので3人で音を立てずに死角ギリギリまで近づき話を聞く。
(本当はダメだけど、気になるし)
「中原?ああ、一年の。学校内じゃ知らない人はいないよ。有名人だから。」
(有名?まぁ良い意味じゃないのは
確実だけど)
「男なのに髪を伸ばして縛ってる、でも服装は学ランっていう珍妙な学校をしてたんだよ。でも1ヶ月経ってから学校に来なくなってさ。まぁ当たり前、というか自業自得だよな。周りと違うことをしてたらいじめられるに決まってるのに。」
(教師がサラッといじめなんて言って良いのか?)
一応、スマホの録音を撮っとこう、
「注目を浴びたいのかなんだか知らないけど、正直困るんだよね。あーいうのがいると。性同一障害なら庇えるんだけど、そうじゃないんならね。校長も校長だよ、なんであんな奴の入学を許可したんだろうな。
個性だ、多様性だ、なんて言ってるけどそんなのただの綺麗事。本当は裏ではボロクソにほざいてると思うぜ。」
気分が良くなっているのかだんだん声が大きくなり、はっきり聞こえてくる。
「そういえば、もう1人変わった生徒がいるんだ。宮本 竜也。名前からして男なのに女なんだぜ?それに学ランを着てる。まぁ家の
事情があるんだけど笑っちまうだろ?
女は女らしく、男は男らしくいろって
いうのに。」
(興味本位で撮ってるけど、とんでもないことをしてる気がしてきた)
後退りすると立てかけてあった箒にあたり
取ろうとしたけど間に合わなくて音を立てて
倒れる。
「誰かいるのか!?」
宮本くんとあわあわしてると辺里くんが
歩いて行く。
止めようとしたが、人差し指を立てて、
ニヤッとしたから策があるんだと思って
出しかけた手を引っ込めた。
辺里くんは少しスマホを操作して何食わぬ顔で普通に歩いて先生に近づいて行った。
「なんだ、辺里か」
「ごめんなさい、先生。誤って箒を倒してしまって、」
後ろ姿で表情がわからないが声色は
落ち着いていた。
「今の話、聞いてたか、」
「いいえ、僕は何も聞いていませんよ」
腕を後ろで組み、右手の人差し指を出して
手首を回した。
(向こうに行けってことか)
僕たちはゆっくりと後退りして、早歩きで
その場を離れ昇降口あたりでダッシュで
校門へ向かった。
約10分後、自転車に乗ってきた辺里くんが
視界に入り僕たちに近づくと自転車から
降りた。
「あの、大丈夫だった?」
「大丈夫だよ、雪希。
宮本もそんな顔するなって」
隣を見ると宮本くんは縋るような表情で
辺里くんは眉を下げて笑った。
そして、寮に向かう途中
「雪希、ずっと気になってたんだけど」
「何?辺里くん」
「Rainbow Roseって知ってる?」
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