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2章 セカンドライブ
82話 メンバー紹介
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暗いステージの定位置に小走りで立つ。
スポットライトが照らす順番にメンバー紹介
をする。
(大丈夫、リハーサル通りに)
最初に照らされたのは類。
「こんにちは、Rainbow Roseです」
片手を上げて声を上げる。
歓声はほとんどと言って良いほどない。
「最初にメンバー紹介、させてください。
の、前に皆さんにお願いがあるんです。」
さっきまで静かだった会場が
少しざわついた。
「メンバー紹介が終わって俺たちは?
と聞くので最高!と返してくれくれたら
嬉しいです。では1人目、いきます!」
類は咳払いをして
「可愛い見た目に反して物言いは繕わずに
ストレート!負けず嫌いだったり、
歌がちょっぴり苦手だけど
そこもチャームポイント、舞!」
(この前も思ったけど、どんな紹介の仕方!?)
心でツッコミを入れると、スポットライトが
私を照らして少し反応が遅れた。
「っ、こんにちは、早速ですが
私の自己紹介、見てくれますかー?」
無反応が心が痛い。
「みてくれますかー!!」
思い切り息を吸い込んで叫ぶと、
み、見るよーと聞こえる。
「ありがとうございます、
それではいきます。
私の魅力で悩殺させちゃう!
目移りなんて許さない♡
赤紫担当 舞です」
マイクを持ったまま手をハートにして
ウインクする。
(やっぱり恥ずかしいな)
でも、会場は盛り上がって、
(よし、この波に乗せよう)
「次のメンバー紹介はー?
文武両道で隙がない?
いいえ、クールの中で垣間見えるSっ気や
照れ顔はご褒美。
希に見せる笑顔は国宝級!蓮!」
(舞も頑張ったんだ、俺だって)
「こんにちは、蓮です!
俺たちを知ってもらえて好きになってもらえたらとても嬉しいです。でも」
そこで俺は一区切りして俯いて、
「箱推しも嬉しいですが、俺推しになって
くれたらもっと嬉しい、です」
そう言った数秒後、黄色い声が湧き上がった
(嬉しいけど、なんでだろう)
「次のメンバー紹介。
チーム内の癒し役、
歌が上手くておしゃれが趣味
でも怒らせたら1番怖い
雪希」
(そんなに怖くないと思うけどな、僕)
「こんにちは、雪希です。
僕は自分のことをあまり好きじゃなくて。
でもみんな僕のことを肯定してくれて。
そんな仲間が大好きで。
みなさんと好きなものを共有できたらなと
思っています。」
(長かったかな)
そう思いながらも笑顔を向けると、
会場が沸き立つ。
「最後のメンバー紹介!
ルックスはパーフェクト!
文武両道で、優しくてまさに王子様!
類!」
(事前に言われているとはいえこそばゆいな。
ちゃんと王子様を演じないとな)
「今日は会いに来てくれて
ありがとうございます。
絶対に満足するライブにします。
ですから俺たちのことを、
ほんの少しでも興味を持ってくれたら
嬉しいです」
ここでスポットライトが一旦消えて
曲が始まる。
曲が進むにつれてペンライトの数が増える。
俺たちが楽しむとお客さんも楽しい、
一体感が生まれるようですごく嬉しい。
「ありがとうございましたー!
これからもRainbow Roseを」
「「「「よろしくお願いします!!」」」」
廊下で次のグループとすれ違う。
とても真剣な顔をしていた
スポットライトが照らす順番にメンバー紹介
をする。
(大丈夫、リハーサル通りに)
最初に照らされたのは類。
「こんにちは、Rainbow Roseです」
片手を上げて声を上げる。
歓声はほとんどと言って良いほどない。
「最初にメンバー紹介、させてください。
の、前に皆さんにお願いがあるんです。」
さっきまで静かだった会場が
少しざわついた。
「メンバー紹介が終わって俺たちは?
と聞くので最高!と返してくれくれたら
嬉しいです。では1人目、いきます!」
類は咳払いをして
「可愛い見た目に反して物言いは繕わずに
ストレート!負けず嫌いだったり、
歌がちょっぴり苦手だけど
そこもチャームポイント、舞!」
(この前も思ったけど、どんな紹介の仕方!?)
心でツッコミを入れると、スポットライトが
私を照らして少し反応が遅れた。
「っ、こんにちは、早速ですが
私の自己紹介、見てくれますかー?」
無反応が心が痛い。
「みてくれますかー!!」
思い切り息を吸い込んで叫ぶと、
み、見るよーと聞こえる。
「ありがとうございます、
それではいきます。
私の魅力で悩殺させちゃう!
目移りなんて許さない♡
赤紫担当 舞です」
マイクを持ったまま手をハートにして
ウインクする。
(やっぱり恥ずかしいな)
でも、会場は盛り上がって、
(よし、この波に乗せよう)
「次のメンバー紹介はー?
文武両道で隙がない?
いいえ、クールの中で垣間見えるSっ気や
照れ顔はご褒美。
希に見せる笑顔は国宝級!蓮!」
(舞も頑張ったんだ、俺だって)
「こんにちは、蓮です!
俺たちを知ってもらえて好きになってもらえたらとても嬉しいです。でも」
そこで俺は一区切りして俯いて、
「箱推しも嬉しいですが、俺推しになって
くれたらもっと嬉しい、です」
そう言った数秒後、黄色い声が湧き上がった
(嬉しいけど、なんでだろう)
「次のメンバー紹介。
チーム内の癒し役、
歌が上手くておしゃれが趣味
でも怒らせたら1番怖い
雪希」
(そんなに怖くないと思うけどな、僕)
「こんにちは、雪希です。
僕は自分のことをあまり好きじゃなくて。
でもみんな僕のことを肯定してくれて。
そんな仲間が大好きで。
みなさんと好きなものを共有できたらなと
思っています。」
(長かったかな)
そう思いながらも笑顔を向けると、
会場が沸き立つ。
「最後のメンバー紹介!
ルックスはパーフェクト!
文武両道で、優しくてまさに王子様!
類!」
(事前に言われているとはいえこそばゆいな。
ちゃんと王子様を演じないとな)
「今日は会いに来てくれて
ありがとうございます。
絶対に満足するライブにします。
ですから俺たちのことを、
ほんの少しでも興味を持ってくれたら
嬉しいです」
ここでスポットライトが一旦消えて
曲が始まる。
曲が進むにつれてペンライトの数が増える。
俺たちが楽しむとお客さんも楽しい、
一体感が生まれるようですごく嬉しい。
「ありがとうございましたー!
これからもRainbow Roseを」
「「「「よろしくお願いします!!」」」」
廊下で次のグループとすれ違う。
とても真剣な顔をしていた
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