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2章 セカンドライブ
81話 やっぱり可愛い
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それから僕たちは練習に励み数日後。
今日は新しい衣装を着て実際に踊る。
(フィッティングっていうんだ)
ライブの日が七夕近いから星を
イメージした服。白のブラウス、
濃紺色のベストに
金のラインが入っている。
デビューライブの時のリボンタイやネクタイと同じものを作り、スナップで留めている。
星はそれぞれのイメージカラーで散りばめられている。
舞は白のショートパンツに
黒のニーハイソックス。
パンツには金の星のチャームが何個かついた
チェーンかついている。
僕は黒のミニのチュールスカートに
ハイソックス
黄緑の星が裾に点々とついている。
蓮は7分丈の白いズボン。
類は黒のアンクルパンツ。
「みんな、もう少し緩くしてほしいとかあったら遠慮なく言ってね。あ、
類ちょっといい?」
類は杏子さんに連れられて外に出て行った。
(いいなぁ、蓮、筋肉のつき方綺麗で)
「羨ましい」
「え、なにが?」
ポロッと出た言葉に蓮は目を丸くした。
「え・・・まぁ、いろいろ?」
「なんだよ、それ。俺ちょっと外の自販機
行ってくる。」
蓮は軽く笑って外に出て行った。
「あ、そうだ、雪希。ちょっといい?」
「どうしたの?舞」
手招きをされてそばに行くと、舞は片手に櫛ともう片手に髪ゴムとピンを持っていた。
「ちょっとね」
そう言った顔は嬉しそうでちょっと
ドキッとした。頭を振り考え消す。
(なに考えんだ、僕!)
「雪希?」
「ううん、なんでもないよ」
キョトンとした舞に慌てた。
(その顔も可愛いって思っちゃう僕は
重症だな)
舞は僕の髪を櫛で梳かしてから三つ編みにして編み込んだ。
「やっぱり可愛い」
舞はドヤ顔で言った後に
「どう?雪希はどう思う?」
僕の顔を覗き込み笑顔で僕が返すのを
待っている。
「えっと、い、いいんじゃないかな」
多分赤くなっている顔を見られたくなくて
そっぽを向いて答える。
「やっぱり、雪希は可愛い。羨ましいな」
舞は遠回しに自分が可愛くないように言っているように聞こえて
「そ、そんなことない!舞だってか、
可愛いよ」
結構、食いついて言ってしまった。
すぐに我に返り
「あ、えっと」
もたもたする僕に舞は吹き出して
「ありがとう、雪希。」
と言った。
(可愛いじゃなくてかっこいいって言って
ほしいって思っちゃった。)
悶々とした気持ちを消そうと舞に背中を向け頬を引っ叩く。
「雪希!?どうしたの!?」
「な、なんでもない」
ヒリヒリする頬を抑える。
(ライブ近いのに邪な感情でいたら駄目だ。
しっかりしないと)
そしてライブ当日、控え室。
(いつまで経ってもライブ前は
緊張がすごいな)
ペットボトルを持ってが震える。
「緊張してるのは俺たちもだよ」
「いつまで経っても慣れないよね」
僕の手を見て類と舞は笑いながら言った。
「でも1人じゃない。」
椅子に座っていた蓮が立って言った。
「私たちを応援してくれるファンがいる」
「スタッフの皆さんもイベントを成功させようと奮闘してくれている」
「俺たちだけじゃ絶対に輝けない」
「僕たちを信じてくれているんだから
それに応えないと」
それぞれの考えを口にしてから蓮は類に言う
「類、なんかないの?」
振られた類は戸惑った。
「え、なんかって?」
「うーん、ライブやる前の気合入れる何か」
「・・・円陣、的な?」
「そう」
「・・・、円陣はなぁ、あ、そうだ。」
類は拳を作り前に出す。
「ほら、3人も」
類の促しで僕たちも前に出す。
「じゃあ、昨日考えたあの言葉で」
昨日、ノリで作った意気込みの一言か。
「えっと、優雅に舞うように」
「雪のようにお淑やかに」
「蓮のように力強く」
「その他、類(たぐい)の気持ちを込めて」
「「大輪のように」」
類と舞は声を重ねて
「「咲き誇れ」」
僕も蓮の声に重ねる。
「「「「Rainbow 、」」」」
ドアをノックされ、すぐに僕たちは離れる。
「Rainbow Roseの皆さん、スタンバイ
お願いします、」
「あ、はい」
スタッフさんの声に
類の返事は生半可になる。
それだけ言ってスタッフさんは
行ってしまった。
数秒の沈黙の後に蓮が吹き出す。
僕たちもそれにつられてクスクス笑う。
「そろそろ行こうか」
類は笑いを抑えながら言う。
僕たちはステージに向かう
今日は新しい衣装を着て実際に踊る。
(フィッティングっていうんだ)
ライブの日が七夕近いから星を
イメージした服。白のブラウス、
濃紺色のベストに
金のラインが入っている。
デビューライブの時のリボンタイやネクタイと同じものを作り、スナップで留めている。
星はそれぞれのイメージカラーで散りばめられている。
舞は白のショートパンツに
黒のニーハイソックス。
パンツには金の星のチャームが何個かついた
チェーンかついている。
僕は黒のミニのチュールスカートに
ハイソックス
黄緑の星が裾に点々とついている。
蓮は7分丈の白いズボン。
類は黒のアンクルパンツ。
「みんな、もう少し緩くしてほしいとかあったら遠慮なく言ってね。あ、
類ちょっといい?」
類は杏子さんに連れられて外に出て行った。
(いいなぁ、蓮、筋肉のつき方綺麗で)
「羨ましい」
「え、なにが?」
ポロッと出た言葉に蓮は目を丸くした。
「え・・・まぁ、いろいろ?」
「なんだよ、それ。俺ちょっと外の自販機
行ってくる。」
蓮は軽く笑って外に出て行った。
「あ、そうだ、雪希。ちょっといい?」
「どうしたの?舞」
手招きをされてそばに行くと、舞は片手に櫛ともう片手に髪ゴムとピンを持っていた。
「ちょっとね」
そう言った顔は嬉しそうでちょっと
ドキッとした。頭を振り考え消す。
(なに考えんだ、僕!)
「雪希?」
「ううん、なんでもないよ」
キョトンとした舞に慌てた。
(その顔も可愛いって思っちゃう僕は
重症だな)
舞は僕の髪を櫛で梳かしてから三つ編みにして編み込んだ。
「やっぱり可愛い」
舞はドヤ顔で言った後に
「どう?雪希はどう思う?」
僕の顔を覗き込み笑顔で僕が返すのを
待っている。
「えっと、い、いいんじゃないかな」
多分赤くなっている顔を見られたくなくて
そっぽを向いて答える。
「やっぱり、雪希は可愛い。羨ましいな」
舞は遠回しに自分が可愛くないように言っているように聞こえて
「そ、そんなことない!舞だってか、
可愛いよ」
結構、食いついて言ってしまった。
すぐに我に返り
「あ、えっと」
もたもたする僕に舞は吹き出して
「ありがとう、雪希。」
と言った。
(可愛いじゃなくてかっこいいって言って
ほしいって思っちゃった。)
悶々とした気持ちを消そうと舞に背中を向け頬を引っ叩く。
「雪希!?どうしたの!?」
「な、なんでもない」
ヒリヒリする頬を抑える。
(ライブ近いのに邪な感情でいたら駄目だ。
しっかりしないと)
そしてライブ当日、控え室。
(いつまで経ってもライブ前は
緊張がすごいな)
ペットボトルを持ってが震える。
「緊張してるのは俺たちもだよ」
「いつまで経っても慣れないよね」
僕の手を見て類と舞は笑いながら言った。
「でも1人じゃない。」
椅子に座っていた蓮が立って言った。
「私たちを応援してくれるファンがいる」
「スタッフの皆さんもイベントを成功させようと奮闘してくれている」
「俺たちだけじゃ絶対に輝けない」
「僕たちを信じてくれているんだから
それに応えないと」
それぞれの考えを口にしてから蓮は類に言う
「類、なんかないの?」
振られた類は戸惑った。
「え、なんかって?」
「うーん、ライブやる前の気合入れる何か」
「・・・円陣、的な?」
「そう」
「・・・、円陣はなぁ、あ、そうだ。」
類は拳を作り前に出す。
「ほら、3人も」
類の促しで僕たちも前に出す。
「じゃあ、昨日考えたあの言葉で」
昨日、ノリで作った意気込みの一言か。
「えっと、優雅に舞うように」
「雪のようにお淑やかに」
「蓮のように力強く」
「その他、類(たぐい)の気持ちを込めて」
「「大輪のように」」
類と舞は声を重ねて
「「咲き誇れ」」
僕も蓮の声に重ねる。
「「「「Rainbow 、」」」」
ドアをノックされ、すぐに僕たちは離れる。
「Rainbow Roseの皆さん、スタンバイ
お願いします、」
「あ、はい」
スタッフさんの声に
類の返事は生半可になる。
それだけ言ってスタッフさんは
行ってしまった。
数秒の沈黙の後に蓮が吹き出す。
僕たちもそれにつられてクスクス笑う。
「そろそろ行こうか」
類は笑いを抑えながら言う。
僕たちはステージに向かう
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