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1章 ファーストライブ
42話 レモンソーダ
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「げ、」
蓮は一瞬顔を歪める。
フリフリのメイド服を着て、両サイドにリボンがついているカチューシャをつけている。
「やっほー」
「かわいいよ、蓮」
(2人とも面白がってるな)
「お、おかえりなさいませ、ご主人様」
引き攣りそうな顔で接客をする。
((うわ、舞と同じ反応))
席に案内され、椅子に座ると
「ご注文がお決まりになりましたら、
お呼びください。」
そう言って蓮は下がっていった。
「へぇ、ここはランチとドリンクだけ
なんだ」
「ランチだったらメイド喫茶、
デザートだったら執事喫茶ってことかな」
「家庭科室使用の争奪戦があってさ、
うちのクラスはうまい具合に
丸め込まれちゃったんだよね」
舞はため息つきながらそう言った。
「まぁ、先輩相手だしね」
雪希が苦笑すると
「2人とも決まった?」
類がメニューを倒す。
「私は決まった」
「僕も」
ちょうど蓮が近くを通ったので、呼び止める
「あの、注文いいかな?」
「喜んで、ご主人様♡」
(((諦めたな)))
私たちはそれぞれ指さす。
「えっと、トロフワたまごのきゃわいい
絵文字オムライス、天使の雫の
レモンソーダ、あたりはどれかな?ロシアンたこ焼きでよろしいですね」
私たちが頷くと、
「ご注文ありがとうございます、少々
お待ちください」
と、終始笑顔で席を離れた。
数分後、蓮は銀のトレーを持ってきた。
「先にあたりはどれかな?ロシアンたこ焼きと天使の雫のレモンソーダを置かせていただきます。」
私の前にレモンソーダ、雪希の前にたこ焼きが置かれる。
「オムライスに僭越ながらお絵かきさせて
戴きます。」
ケチャップで何かを書き、類の前に差し出す
ニコニコ顔には似合わない
かえれ💢という文字。
「ひどくご立腹のようだ」
類は苦笑しながらオムライスを食べる。
「うまっ」
顔を綻ばせ食べ続ける。
「舞は食べなくていいの?」
「私は燕尾服汚したくないし、匂いつくのもね、まだこの後も出るし」
「ふーん」
雪希はたこ焼きを一つ食べ、
「あ、美味しい」
と呟く。
レモンソーダを飲み、
「舞レモンソーダ、一口ちょうだい」
「?いいけど」
私はグラスを雪希の方に置く。
ストローに口をつけ、本当に一口だけだ。
「ありがとう」
「もう少し飲んでもよかったのに」
「いや、いいよ」
私の視線はたこ焼きに行く。
「一個、もらっていい?」
「ん?いいよ」
雪希は割り箸でたこ焼きを掴み、
舞に向ける。髪を耳にかけ
たこ焼きを食べる。
飲み込んでから、
「ありがとう、美味しいね」
それを見る類は複雑そうだった。
蓮は一瞬顔を歪める。
フリフリのメイド服を着て、両サイドにリボンがついているカチューシャをつけている。
「やっほー」
「かわいいよ、蓮」
(2人とも面白がってるな)
「お、おかえりなさいませ、ご主人様」
引き攣りそうな顔で接客をする。
((うわ、舞と同じ反応))
席に案内され、椅子に座ると
「ご注文がお決まりになりましたら、
お呼びください。」
そう言って蓮は下がっていった。
「へぇ、ここはランチとドリンクだけ
なんだ」
「ランチだったらメイド喫茶、
デザートだったら執事喫茶ってことかな」
「家庭科室使用の争奪戦があってさ、
うちのクラスはうまい具合に
丸め込まれちゃったんだよね」
舞はため息つきながらそう言った。
「まぁ、先輩相手だしね」
雪希が苦笑すると
「2人とも決まった?」
類がメニューを倒す。
「私は決まった」
「僕も」
ちょうど蓮が近くを通ったので、呼び止める
「あの、注文いいかな?」
「喜んで、ご主人様♡」
(((諦めたな)))
私たちはそれぞれ指さす。
「えっと、トロフワたまごのきゃわいい
絵文字オムライス、天使の雫の
レモンソーダ、あたりはどれかな?ロシアンたこ焼きでよろしいですね」
私たちが頷くと、
「ご注文ありがとうございます、少々
お待ちください」
と、終始笑顔で席を離れた。
数分後、蓮は銀のトレーを持ってきた。
「先にあたりはどれかな?ロシアンたこ焼きと天使の雫のレモンソーダを置かせていただきます。」
私の前にレモンソーダ、雪希の前にたこ焼きが置かれる。
「オムライスに僭越ながらお絵かきさせて
戴きます。」
ケチャップで何かを書き、類の前に差し出す
ニコニコ顔には似合わない
かえれ💢という文字。
「ひどくご立腹のようだ」
類は苦笑しながらオムライスを食べる。
「うまっ」
顔を綻ばせ食べ続ける。
「舞は食べなくていいの?」
「私は燕尾服汚したくないし、匂いつくのもね、まだこの後も出るし」
「ふーん」
雪希はたこ焼きを一つ食べ、
「あ、美味しい」
と呟く。
レモンソーダを飲み、
「舞レモンソーダ、一口ちょうだい」
「?いいけど」
私はグラスを雪希の方に置く。
ストローに口をつけ、本当に一口だけだ。
「ありがとう」
「もう少し飲んでもよかったのに」
「いや、いいよ」
私の視線はたこ焼きに行く。
「一個、もらっていい?」
「ん?いいよ」
雪希は割り箸でたこ焼きを掴み、
舞に向ける。髪を耳にかけ
たこ焼きを食べる。
飲み込んでから、
「ありがとう、美味しいね」
それを見る類は複雑そうだった。
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