11 / 267
1章 ファーストライブ
11話 ふつうってなに
しおりを挟む
僕は可愛いものが好き。小さい時、
お父さんが誕生日に好きなものを買ってくれると言ってくれておもちゃ屋さんに連れて行ってもらった。着せ替え人形や
うさぎのぬいぐるみが輝いて見えた
「これがいい」
お父さんに見せたのは可愛いリボンが
作れるキット。
「それは女の子がつけるものだよ」
父は軽くあしらいそのキットを元の場所に戻し、手を引かれる。
目の前には変身ベルトやカードセット、
僕は元になったアニメを見ていないから興味が出ない、というかわからない。
でもさっきの言葉が耳から離れない。
ー女の子がつけるものだよー
僕は女の子じゃない。
(僕はおかしいんだ)
お父さんはどこか焦っているように
見える。
「やっぱりこっちがいい」
僕が指差したのは変身ベルト
そう言った瞬間、お父さんはほっとしたような表情を浮かべる。
「じゃあ買ってくるからな」
帰りの車の中でもあのキットが頭に
残る。
家についてから電源を入れてもらったが
(なにが面白いんだろう)
全然楽しくなかった。
買ってもらったおもちゃはたった一回で飽きてしまいおもちゃ箱の奥に
眠っている。
その後もねだる本は妖精やお菓子が出てくる絵本ばかり。
戦隊モノには興味は湧かず、魔法少女の
アニメにハマった。
両親は僕が異常だと認識した。
休日のたびに病院に連れていかれたのを
覚えてる。
小学校に上がる前あたりから
次第に僕に干渉しなくなった。
両親は疲れたんだと思う。
ワンピースが欲しいと言った僕が。
お小遣いで可愛い髪ゴムを買う僕が。
髪が短い女の子だっている。
ジーパンを履く女の子もいる。
でも髪の長い僕は疎まれる。
スカートを履く僕は煙たがられる。
学校でもいじめられる。
ただ性別が男なだけなのに。
ただ好きな格好をしているだけなのに。
親にも言われた。先生にも言われた。
「「もう少し普通の格好できないの?」」
ーふつうってなにー
それでも僕は髪を伸ばす。
スカートを履く。
やめたら自分で自分を殺すようで
嫌だった。
両親は僕を受け入れられなくなり、
僕を遠方に住む祖父母へ押し付けた。
それを機に転校した。
最初は驚いてはいたもののすんなりと
受け入れ迎え入れてくれた。
「どうして僕を受け入れてくれるの」
一度、祖父母へ聞いたことがある。
「男の子でも女の子でも私たちの大切な孫には変わりないから」
「格好くらい好きにしろ。」
2人は笑って言った。
新しい学校でもいじめはなかったが
遠巻きにされることがあるが
気にしなかった。
僕を理解してくれるのは祖父母だけかと
思っていた。
だから今目の前であっけらかんと答える
彼らに僕は驚いた。
「さて、雪希の告白も終わったし、
買い物でも行こうか」
類の発言で私たちは出かける準備をして
寮を出る。
「そうだ、3人とも手を出して」
類の言葉に3人は手を出すと鍵を渡された。
それぞれ2つずつ鍵を渡される。
「メインの鍵とスペアキー。」
今日からここがわたしの帰る場所
なんだ。
お父さんが誕生日に好きなものを買ってくれると言ってくれておもちゃ屋さんに連れて行ってもらった。着せ替え人形や
うさぎのぬいぐるみが輝いて見えた
「これがいい」
お父さんに見せたのは可愛いリボンが
作れるキット。
「それは女の子がつけるものだよ」
父は軽くあしらいそのキットを元の場所に戻し、手を引かれる。
目の前には変身ベルトやカードセット、
僕は元になったアニメを見ていないから興味が出ない、というかわからない。
でもさっきの言葉が耳から離れない。
ー女の子がつけるものだよー
僕は女の子じゃない。
(僕はおかしいんだ)
お父さんはどこか焦っているように
見える。
「やっぱりこっちがいい」
僕が指差したのは変身ベルト
そう言った瞬間、お父さんはほっとしたような表情を浮かべる。
「じゃあ買ってくるからな」
帰りの車の中でもあのキットが頭に
残る。
家についてから電源を入れてもらったが
(なにが面白いんだろう)
全然楽しくなかった。
買ってもらったおもちゃはたった一回で飽きてしまいおもちゃ箱の奥に
眠っている。
その後もねだる本は妖精やお菓子が出てくる絵本ばかり。
戦隊モノには興味は湧かず、魔法少女の
アニメにハマった。
両親は僕が異常だと認識した。
休日のたびに病院に連れていかれたのを
覚えてる。
小学校に上がる前あたりから
次第に僕に干渉しなくなった。
両親は疲れたんだと思う。
ワンピースが欲しいと言った僕が。
お小遣いで可愛い髪ゴムを買う僕が。
髪が短い女の子だっている。
ジーパンを履く女の子もいる。
でも髪の長い僕は疎まれる。
スカートを履く僕は煙たがられる。
学校でもいじめられる。
ただ性別が男なだけなのに。
ただ好きな格好をしているだけなのに。
親にも言われた。先生にも言われた。
「「もう少し普通の格好できないの?」」
ーふつうってなにー
それでも僕は髪を伸ばす。
スカートを履く。
やめたら自分で自分を殺すようで
嫌だった。
両親は僕を受け入れられなくなり、
僕を遠方に住む祖父母へ押し付けた。
それを機に転校した。
最初は驚いてはいたもののすんなりと
受け入れ迎え入れてくれた。
「どうして僕を受け入れてくれるの」
一度、祖父母へ聞いたことがある。
「男の子でも女の子でも私たちの大切な孫には変わりないから」
「格好くらい好きにしろ。」
2人は笑って言った。
新しい学校でもいじめはなかったが
遠巻きにされることがあるが
気にしなかった。
僕を理解してくれるのは祖父母だけかと
思っていた。
だから今目の前であっけらかんと答える
彼らに僕は驚いた。
「さて、雪希の告白も終わったし、
買い物でも行こうか」
類の発言で私たちは出かける準備をして
寮を出る。
「そうだ、3人とも手を出して」
類の言葉に3人は手を出すと鍵を渡された。
それぞれ2つずつ鍵を渡される。
「メインの鍵とスペアキー。」
今日からここがわたしの帰る場所
なんだ。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
「南風の頃に」~ノダケンとその仲間達~
kitamitio
青春
合格するはずのなかった札幌の超難関高に入学してしまった野球少年の野田賢治は、野球部員たちの執拗な勧誘を逃れ陸上部に入部する。北海道の海沿いの田舎町で育った彼は仲間たちの優秀さに引け目を感じる生活を送っていたが、長年続けて来た野球との違いに戸惑いながらも陸上競技にのめりこんでいく。「自主自律」を校訓とする私服の学校に敢えて詰襟の学生服を着ていくことで自分自身の存在を主張しようとしていた野田賢治。それでも新しい仲間が広がっていく中で少しずつ変わっていくものがあった。そして、隠していた野田賢治自身の過去について少しずつ知らされていく……。
無敵のイエスマン
春海
青春
主人公の赤崎智也は、イエスマンを貫いて人間関係を完璧に築き上げ、他生徒の誰からも敵視されることなく高校生活を送っていた。敵がいない、敵無し、つまり無敵のイエスマンだ。赤崎は小学生の頃に、いじめられていた初恋の女の子をかばったことで、代わりに自分がいじめられ、二度とあんな目に遭いたくないと思い、無敵のイエスマンという人格を作り上げた。しかし、赤崎は自分がかばった女の子と再会し、彼女は赤崎の人格を変えようとする。そして、赤崎と彼女の勝負が始まる。赤崎が無敵のイエスマンを続けられるか、彼女が無敵のイエスマンである赤崎を変えられるか。これは、無敵のイエスマンの悲哀と恋と救いの物語。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
ほつれ家族
陸沢宝史
青春
高校二年生の椎橋松貴はアルバイトをしていたその理由は姉の借金返済を手伝うためだった。ある日、松貴は同じ高校に通っている先輩の永松栗之と知り合い仲を深めていく。だが二人は家族関係で問題を抱えており、やがて問題は複雑化していく中自分の家族と向き合っていく。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
隣の優等生は、デブ活に命を捧げたいっ
椎名 富比路
青春
女子高生の尾村いすゞは、実家が大衆食堂をやっている。
クラスの隣の席の優等生細江《ほそえ》 桃亜《ももあ》が、「デブ活がしたい」と言ってきた。
桃亜は学生の身でありながら、アプリ制作会社で就職前提のバイトをしている。
だが、連日の学業と激務によって、常に腹を減らしていた。
料理の腕を磨くため、いすゞは桃亜に協力をする。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
燦歌を乗せて
河島アドミ
青春
「燦歌彩月第六作――」その先の言葉は夜に消える。
久慈家の名家である天才画家・久慈色助は大学にも通わず怠惰な毎日をダラダラと過ごす。ある日、久慈家を勘当されホームレス生活がスタートすると、心を奪われる被写体・田中ゆかりに出会う。
第六作を描く。そう心に誓った色助は、己の未熟とホームレス生活を満喫しながら作品へ向き合っていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる