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1章 ファーストライブ
8話 甲乙
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「最近、駅の近くにできたんだって。かなりの人気で結構並んだってママが言ってた」
「そうなんだ、」
私はフィルムを剥がし一口食べる。
甘さ控えめのタルト生地、
かなり甘めのクリーム、酸味が強めの苺、
「おいしい」
「でしょ、このモンブランも美味しいよ」
そう言いながらモンブランのお皿を私に
寄せる。
私も紗南にタルトのお皿を渡し、
お互いのを味見する。
マロンクリームがなめらか、
中にあるホイップクリームにも荒く刻んだ
栗が入っていてすごく美味しい。
「舞はどっちが好み?」
「甲乙つけ難い」
「即答」
紗南がお皿を片付けて戻ってきたら再開だ。
「数学の問題、紗南、12-8÷(-4)は?」
「えっと」
紗南はノートの端っこにメモをして
「-1」
「不正解」
「え、なんで」
「四則演算の時は掛け算
割り算を優先して計算するの。
ということは」
「14」
「正解」
それから一時間ほど勉強し、私は帰る。
勉強中は電源を切っていたから、
電源を入れるとSTEPから
通知が4、5通ほど入っていた。
「ジョギング、サボらずやってるか」
と陸さんから
「勉強で行き詰まっているところはないか」
と翔から
「自己表現力は自分をどう見せるかだ。
自分のアピールしたいことをどう表現するかだ。」
と司さんから
(同じことでは?)
と思ってしまった。
「歌の練習は続いてる?」
と優斗さんから。
家に戻り以前歌った曲に振りをつけてみる。
足の動きは辿々しいし、
腕を前に伸ばしきれていない感じがする。
それでもがむしゃらにやるしかない。
動いてるからあの時より息がきつい。
でも、なにもやらないよりはマシだ。
だって私はアイドルになるんだから。
そんなこんなで中間試験。
国数理英は心配ないが、
やはり社会は空欄が多い。
放課後は歌って踊って、勉強しながら、
アピールポイントを考えた。
そして、テスト返却日。
国94数98理98英100社46 計436
「やっぱり社会か」
「紗南、」
紗南は後ろから結果表を覗き込みそう
呟いた。
「ちなみに紗南はどうだったの」
「私は」
そう言って見せてきた結果表
国84数50理89英98社100 計421
テストが終わり、しばらく経った頃。
部屋のベットに寝っ転がっていると
一通の通知が。
見るとオーディションについて。
開くと一次審査合格という通知だった。
残るは二次審査
「でもアピールってどうすれば」
(やっぱりアイドルになろうと思ったきっかけは聞かれるよね)
これは最後にしよう。
ダンスは指先、足先を意識しないと。
あれから怠らずジョギングを続けている、
お陰で外周を走り終わってからも、息が上がることはほとんどなくなった。
マナーを頭に叩き込んだ。
笑顔の特訓をした。
それから数日、私は歌にダンスに猛練習。
とにかくやれることはやらないと。
「紗南、私明日オーディションなんだ」
私は、紗南に電話をかける。
「そうなんだ、頑張って。私のオーディションは8月末にあるんだ」
「ありがとう、紗南。紗南も応援してる」
頑張ってと言おうとして慌てて書き換えた。紗南だって頑張っているんだ。
頑張っている人に頑張ってというのは酷だと思うから。そして、翌日。
「そうなんだ、」
私はフィルムを剥がし一口食べる。
甘さ控えめのタルト生地、
かなり甘めのクリーム、酸味が強めの苺、
「おいしい」
「でしょ、このモンブランも美味しいよ」
そう言いながらモンブランのお皿を私に
寄せる。
私も紗南にタルトのお皿を渡し、
お互いのを味見する。
マロンクリームがなめらか、
中にあるホイップクリームにも荒く刻んだ
栗が入っていてすごく美味しい。
「舞はどっちが好み?」
「甲乙つけ難い」
「即答」
紗南がお皿を片付けて戻ってきたら再開だ。
「数学の問題、紗南、12-8÷(-4)は?」
「えっと」
紗南はノートの端っこにメモをして
「-1」
「不正解」
「え、なんで」
「四則演算の時は掛け算
割り算を優先して計算するの。
ということは」
「14」
「正解」
それから一時間ほど勉強し、私は帰る。
勉強中は電源を切っていたから、
電源を入れるとSTEPから
通知が4、5通ほど入っていた。
「ジョギング、サボらずやってるか」
と陸さんから
「勉強で行き詰まっているところはないか」
と翔から
「自己表現力は自分をどう見せるかだ。
自分のアピールしたいことをどう表現するかだ。」
と司さんから
(同じことでは?)
と思ってしまった。
「歌の練習は続いてる?」
と優斗さんから。
家に戻り以前歌った曲に振りをつけてみる。
足の動きは辿々しいし、
腕を前に伸ばしきれていない感じがする。
それでもがむしゃらにやるしかない。
動いてるからあの時より息がきつい。
でも、なにもやらないよりはマシだ。
だって私はアイドルになるんだから。
そんなこんなで中間試験。
国数理英は心配ないが、
やはり社会は空欄が多い。
放課後は歌って踊って、勉強しながら、
アピールポイントを考えた。
そして、テスト返却日。
国94数98理98英100社46 計436
「やっぱり社会か」
「紗南、」
紗南は後ろから結果表を覗き込みそう
呟いた。
「ちなみに紗南はどうだったの」
「私は」
そう言って見せてきた結果表
国84数50理89英98社100 計421
テストが終わり、しばらく経った頃。
部屋のベットに寝っ転がっていると
一通の通知が。
見るとオーディションについて。
開くと一次審査合格という通知だった。
残るは二次審査
「でもアピールってどうすれば」
(やっぱりアイドルになろうと思ったきっかけは聞かれるよね)
これは最後にしよう。
ダンスは指先、足先を意識しないと。
あれから怠らずジョギングを続けている、
お陰で外周を走り終わってからも、息が上がることはほとんどなくなった。
マナーを頭に叩き込んだ。
笑顔の特訓をした。
それから数日、私は歌にダンスに猛練習。
とにかくやれることはやらないと。
「紗南、私明日オーディションなんだ」
私は、紗南に電話をかける。
「そうなんだ、頑張って。私のオーディションは8月末にあるんだ」
「ありがとう、紗南。紗南も応援してる」
頑張ってと言おうとして慌てて書き換えた。紗南だって頑張っているんだ。
頑張っている人に頑張ってというのは酷だと思うから。そして、翌日。
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