めもくれぬ横顔

時雨

文字の大きさ
上 下
2 / 3

2話

しおりを挟む
 ガヤガヤと外がうるさくなりだした頃

「んー…うるさいな…」

 と言いながら伸びをし

「よし…風呂に行くか」

 ドアを開け店の中にある風呂に向かう最中

「おはよう!氷兄ぃ!」
 呼ぶ声に振り返り

「おはよう…白雨(はくう)朝から元気だね」
 歩み寄って来た彼の頭を撫でる

 ニヒヒと笑いながら
「うん!朝から氷兄に会えたから!」

「この可愛いやつめ!」
 と撫でてた手を更に激しくし
 白雨の髪の毛をボサボサにしながら
「そういえば黒雨(こくう)は一緒じゃないのかい?」

 ボサボサにされた頭を直しながら
「厠だよー」

「そうか、なら一緒に迎えに行ってその後一緒に風呂へ行くか」

「うん!」

 厠付近に近づくと何処からか声が

「白雨!!置いていくなんて酷いじゃないか!」

「あ!いた!だって…氷兄を見つけて嬉しかったから…」

「もう!それは分かるけどさ!」

 愛らしい子を眺めるように
「こらこら仲良くし家族なんだから」

「「はーい…」」

「黒雨もおはよう」

 そう言いながら先程の白雨と同様に頭を撫でる氷雨

 黒雨も照れながら
「氷兄おはよう」

「よし!2人とも風呂に行こ!」

「「はーい!」」

 たわいもない話をしながら3人はお風呂へ

 風呂の脱衣所に到着し着物を脱ぎ

 ガラガラ…

 戸を開けると既に先約が

 妖艶な声と共に
「あれ~氷雨じゃないかい奇遇だね~」

「咲(さく)…」

「相変わらず貧相な体つき…フフッ」

「この!」

「おやめ白雨」

「だって…」

 ボソッ「貧相な体つきって言う割にはいつも氷兄の2番手のくせして」

「!!!!」

「こら!黒雨そんな事言ってはいけないよ…
 こんな人の言葉に対抗しては自分の格も下がるからおやめ」

「ごめんなさい…」

「咲…ごめんなさいね…よく言い聞かすから」

「この!!!!不気味な双子を拾ってきたあんたの気がしれないよ」


 フンッと風呂から上がり戸を開けバンッと大きな音を立てながら閉まる

「「ベェーっだ」」

 フフッと微笑みながら
「こらこら2人共」

 と和やかな雰囲気に…
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

俺は触手の巣でママをしている!〜卵をいっぱい産んじゃうよ!〜

ミクリ21
BL
触手の巣で、触手達の卵を産卵する青年の話。

仕事ができる子は騎乗位も上手い

冲令子
BL
うっかりマッチングしてしまった会社の先輩後輩が、付き合うまでの話です。 後輩×先輩。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ふたなり治験棟

ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。 男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

寮生活のイジメ【社会人版】

ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説 【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】 全四話 毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

処理中です...