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第二十話

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【病室】

ロム会長
「何でこんな危険な…ついて来るなと言っただろ!俺の為にこんな…ひどい傷を負って」

ニコ店長
「ううっうえっうううっだって私のせいで…私の軽はずみな発言でロムに何かあったら私…生きていけない」

ロム会長
「こんな行動は全然嬉しくない!勝手命を懸けるな!これでニコが死んでしまっては全然嬉しくない!」

ニコ店長
「すごく怖かったの…ロムが立ち去ろうとした時スィがナイフで…私…私…体が咄嗟に動いてた…ううっうえっうっ…助けなきゃって思ったの!」

泣くニコにロムは抱きしめる
そしてロムも涙を流す

ロム会長
「ニコのいない世界で俺だけ幸せに暮らせるわけないだろ?君が死んでしまったら俺は…生きる意味がない…俺も怖かった…ニコが俺の胸の中で死んでしまうんじゃないかと…いなくなるんじゃないかと…
もう絶対離さない君が死んでしまったら…俺は…
ごめんな…こんな酷い目にあわせて…助けてくれてありがとう…」

ニコ店長
「スィは?スィはどうなったの?」

ロム会長
「現行犯で逮捕した!もう安心だ!」

ニコ店長
「役員会は?」

ロム会長
「社長に行ってもらった!」

ニコ店長
「ロム…」

ロム会長
「ん?」

ニコ店長
「ロム…臭い…」

ロム会長
「え?く、くさい?」

ニコ店長
「ずっと側にいたの?」

ロム会長
「ああ」

ニコ店長
「どれくらい?」

ロム会長
「3日間ずっと…」

ニコ店長
「一度も離れてないの?」

ロム会長
「ああ」

ニコ店長
「くさいよ…これって夢じゃないんだね…」

ロム会長
「ああ夢じゃない!悪いじゃ一旦着替えてくるよ」

ニコ店長
「やだ一緒に行く!もう離れない」

ロム会長
「でも…くさいだろ?ニコはゆっくり休んでて」

ニコ店長
「ううん…いいのこのままでいい」

それから2週間入院しニコ店長は病院で退職の日を迎える

ニコ店長
「毎日来てくれてありがとうございます」

ロム会長
「まだ痛むか?」

ニコ店長
「いいえもう痛みもありません…」

ロム会長
「まさか病院で退職の日を迎えるとわな…まだゆっくり休め!」

ニコ店長
「会長…お話があります」

ロム会長
「ん?」

ニコ店長
「私…会社を辞めません」

ロム会長
「ん?どういうことだ?」

ニコ店長
「言葉どおりです今回の事で思ったんです店長として残りたいんです」

ロム会長
「もしかして今回起きた問題のせい?もう心配ないこれから自分のやりたい事を探せ」

ニコ店長
「会長!見つけました会長と一緒に美容師の仕事がやりたい事です今まで私にとって1番適した仕事をやってきたのに気づかなかったようです」

ロム会長
「…」

ニコ店長
「誰かを補佐し問題が起きたら解決する店長としてその達成感が好きです」

ロム会長
「ニコ…」

ニコ店長
「それに愛する人の側にずっと居たいんです私会長を愛してます私は残ります」

ロム会長
「そっか分かった嬉しいよ退院したら何食べたい?」

ニコ店長
「ラーメン食べませんか?」

ロム会長
「分かったラーメン食べに行くか!」

それからニコ店長は無事退院して数ヶ月が経過した



【焼肉屋】

ハル
「うまい!やっぱりビールは最高ね!」

アン
「なぁんでぇにゅぅいんしぃてぇたの言わないのぉよ!友達でぇしょぉぉ!」

ニコ店長
「ちょっとアン飲み過ぎよ何言ってるかわかんない!」

ハル
「まぁ良いじゃない無事こうして元気になって良かった」

アン
「このスープぅおいしいぃけど全然飲めないぃ」

ニコ店長
「ちょっとアン!スプーン逆よ」

ハル
「あはっはははは!ウケる!」

ニコ店長
「酔ってるのね!」

アン
「ちゃんと持ぉってたのにぃ変だぁわ」

ニコ店長
「なはぁはははは!アンは相変わらずね!酔いすぎよ私ちょっとトイレに…」

アン
「さびしぃから早くぅ戻ってきてねぇ」

ニコ店長
「ハイハイ!」

ハル
「気をつけて!ちょっと!ニコ!トイレはそっちじゃないトイレはあっちよ!そこは厨房!」

アン
「じぶんん自分こそぉ酔ってるぅ」

ニコ店長
「やだ!私ったらあっちね!」

ハル
「ニコも完全に酔ってるわね!」

アン
「まいっちゃうね!」

ニコがトイレに行ってる間ニコの携帯が鳴る

ハル
「誰?」

アン
「見ちゃおう!」

ハル
「会長だ!また呼び出す気よ!」

アン
「切っちゃえ!」

ハル
「いやここは私がでるわ!もしもし!そうですこれはニコ携帯私は親友のハルですよ!」

アン
「私は~アンよ~!!!きゃはははははh」


ハル
「アンちょっと邪魔!声でかいし!ニコは今トイレですよ~あはっ!もう酔っ払いで吐いてるんじゃないかな?だからニコはそっちには行けません~よ~~残念でした~そうだよ!もうベロベロに酔ってますよ~」

アン
「あ!」

ハル
「やばいニコが戻ってきたそういう事なのでさよなら~」

ハルは携帯を切った

ニコ店長
「二人ともトイレまで聞こえてたわよ誰と喋ってたの?」

それから数分後
ロム会長はニコのいる焼肉屋に現れる

ニコ店長
「もう一杯飲もう!はい!乾杯!あれ?会長!なぜここに?」

ハル
「…マジで?何でここに?」

アン
「…」

ニコ店長
「隣!私の隣に座って下さい」

ロム会長
「…」

ニコ店長
「ずっぅと立ってるつもりぃ?ほら!早く座ってぇ」

ハル
「なぜここに?」

アン
「酔い冷めたわ!」

ニコ店長
「あれぇ?2人には言ってなかったっけ?言ったでしょ?会長は私をすごく愛してるぅって!」

ハル
「ええええええええ!2人とも付き合ってるの?」

アン
「もう完全に酔い冷めた!」

ニコ店長
「付き合ってまーすもう恥ずかしい困っちゃう」

ハル
「マジで!」

アン
「仕方ないじゃ“会長”泡盛お継ぎします!」

ロム会長
「結構!車なので」

アン
「“会長”申し訳ありませんでした!すみません」

ハル
「アン!ちょっと何でそんな謝る事じゃない!それに何で会長って言うの?かしこまらなくて良いのよニコの彼氏よ彼氏!ニコの彼氏なんだからアンが会長って言うのはおかしいわ!でしょ?」

ロム会長
「ええ!まぁ!」

ニコ店長
「あっはハハハハハ」

ハル
「じゃロム!」

ロム会長
「ロ、ロム?呼び捨て?」

アン
「あっはハハハそうよねよし!じゃロム!ニコのどこが好きなの?」

ニコ店長
「ちょっとアンやめてよ恥ずかしい!良い質問ね!」

ハル
「答えて!ロム!」

ロム会長
「お前ら…まぁ…ニコは美人だ」

アン
「あっは!美人だって!ハルどうする?」

ハル
「あっはぁ!美人だって~!」

ニコ店長
「やだロムさん恥ずかしい本当のこと言わないでよ~」

ロム会長
「ニコ!そろそろ行こうか!」

ニコ店長
「へ?」

アン
「どこ行くの?めったにない機会よ!ダメ行かせない!はいハル!パス!ロムの車の鍵奪ったわ」

ロム会長
「これは?一体何のまねだ?」

アン
「もう帰れません帰る時じゃないと返さない」

ロム会長
「ニコ!止めてくれ!」

ニコ店長
「ぷははは!財布も時計も全部奪われた!面白い」

アン
「ハハハそうでしょ!」

ハル
「ところで2人はいつ結婚するの?付き合ってるならもちろん結婚するわよね!」

アン
「金持ちのプロポーズってどんなのか気になる!」

ロム会長
「…」

ニコ店長
「…」

ハル
「そりゃ飛行機をチャーターして島を買って完全に2人きりの世界でプロポーズよ!」

ニコ店長
「飛行機をチャーター?島を買う?バカか!無駄遣いよ」

ハル
「そうねやり過ぎね」

アン
「もしプロポーズしたらその時の写真撮って送ってよ!」

ニコ店長
「分かった送るよ!ロムさん以外でじゃ飲み直そう!」

数時間後
飲み会はお開きになったニコ店長とロム会長2人きりロム会長はニコを抱えて歩く

ニコ店長
「あっは!ふっふふふ!」

ロム会長
「何がそんなに嬉しんだずっと笑顔だが?しっかり歩いて!久しぶりに飲んだから?」

ニコ店長
「うん!こんなに酔っ払ったのは初めて!なぜなら会長の呼び出しに備えてたからあはは!」

ロム会長
「…」

ニコ店長
「そう考えたらムカついてきた」

ロム会長
「何が?」

ニコ店長
「何かあったらすぐ呼び出してさ!」

ロム会長
「だから俺が嫌いになった?」

ニコ店長
「ううん好き!今日も迎えに来てくれたんでしょ?来てくれてありがとう!感激しちゃった」

ロム会長
「この顔を見れて感激したか?」

ニコ店長
「ええ確かにそうよ!顔もイケてるし完璧だわあははは!」

ロム会長
「ちょっと危ないこけるよ!」

ニコ店長
「私の彼氏は最高!なのに何で歩きなの?車は?」

ロム会長
「ニコの親友から鍵返してもらえなかった!」

ニコ店長
「じゃタクシー呼んで!」

ロム会長
「財布も取られた!」

ニコ店長
「もう!何でよ!」

ロム会長
「後で受け取ってくれ!」

最終話
第二十一話に続く



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