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第十六話

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ハノ社長
「何をそんなに怒ってるんだ?」

ロム会長
「奪われたくない」

ハノ社長
「じゃ守らないとなニコ店長を」

ロム会長
「ニコ店長は関係ない…」

ハノ社長
「おおぉーい往生際の悪いやつだいつまで“いとこの友達”の話だと僕が信じる?僕に男らしくすべてをぶちまけるんだ」

ロム会長
「いや…」

ハノ社長
「まだ言い訳する気か?」

ロム会長
「…」

ハノ社長
「すぐ彼女を取り戻しに行け今からニコ店長はデートなんだろ?恋人未満は終りにしろ」

ロム会長
「恋人未満だと?」

ハノ社長
「そうだろ!お互いに気があるのに付き合ってない早く行け今すぐ告白して奪え!ロム・ヒ!」

ロム会長
「…」

ハノ社長
「欲しいものは何でも奪う強欲な男だろ!」

ロム会長
「ご、強欲だと?!」

ハノ社長
「それは言い過ぎたごめんとにかく応援してる」

ロム会長
「はぁ…」


【高級レストラン】

ニコ店長
「今日は楽しかったですありがとうございます」

ライ
「実はずっとロムを恨んでた幼少期から今までずっとあいつのせいで酷い目にあってきた、でももう恨みは消えた君と一緒にいたから今は弟に感謝しているこうして君と出会えた」

そこへニコ店長に電話が鳴る

ニコ店長
「失礼」

ライ
「…」

ニコ店長
「はい!会長何の用です?ええ?非常事態?すぐ行きます」

ライはニコ店長をロム会長の待ち合わせ場所まで送り届ける

数分後

ロム会長
「1人で帰せよ!」

ライ
「俺は紳士だから無理だ」

ニコ店長
「…」

ロム会長
「だったら早く帰れ非常事態で忙しいんだ」

ニコ店長
「…」

ライ
「また非常事態かお前が無能だから?」

ロム会長
「反対だ有能だから狙われやすい、あ!お前にはそんな経験は無いだろ?」

ニコ店長
「ストップ!“ライさん”もうお帰り下さい」

ロム会長
「ライさん?」

ライ
「電話するよ“ニコちゃん”!」

ロム会長
「ニコちゃん…」

ニコ店長
「はい!“ライさん”」

ライ
「またな有能くん!」

ライは帰ったそして2人きりになる

ロム会長
「ずいぶんと親しげだな」

ニコ店長
「知り合いですから!それに私の好きな小説家でもあるし」

ロム会長
「何?」

ニコ店長
「そんな事より非常事態って何ですか?」

ロム会長
「いや、いいんだ」

ニコ店長
「え?」

ロム会長
「ラーメンを作ってくれ腹が減った」

ニコ店長
「どういう?」

ロム会長
「美容室FMKグループを統率する人間だ社員と家族の命は俺の肩にかかっている」

ニコ店長
「それが?」

ロム会長
「そんな俺が空腹なんだぞ?だから非常事態だ」

ニコ店長
「はぁ?」

ロム会長
「ラーメンを食べさせろ」

ニコ店長は適当にそこら辺のラーメン屋に入った

ロム会長
「これじゃないニコ店長の手作りの」

ニコ店長
「これが精一杯ですそれに邪魔する理由は?」

ロム会長
「何?」

ニコ店長
「ライ先生と会ってる時に2回も現れました兄弟仲が悪いのは知ってますが」

ロム会長
「不愉快だ!未来の恋人が不愉快だって言っているんだ」

ニコ店長
「へ?み、未来の恋人?」

ロム会長
「そうだ口に出すのは恥ずかしいがその通りだろ?お互いに好意があるが交際には至ってない関係」

ニコ店長
「そ、そんな…」

ロム会長
「認めるだろこの事実を?なのに他の男に?俺に失礼だろ?」

ニコ店長
「この話は別な場所で」

ロム会長
「君がここに連れてきた」

ニコ店長
「帰ります…」

ロム会長
「ニコ店長!俺は優秀でイケメンそしてリッチだ!だから俺と結婚しよう!以前求婚した時とは違う気持ちだ、あの時は君をつなぎとめる為だった今は本気だ」

ニコ店長
「え?」

ロム会長
「だから、恋人として付き合おう」

ニコ店長
「…」

ロム会長
「…」

ニコ店長
「それはダメです」

ロム会長
「なぜ?俺を好きだろ?」

ニコ店長
「好きです」

ロム会長
「なのになぜダメだと?」

ニコ店長
「嫉妬と競争心に駆られて恋愛関係になるのは望ましくないと思います」

ロム会長
「何?」

ニコ店長
「とにかく今ではありませんでは帰ります!」

ニコ店長は足早にお店を出た

ロム会長
「ちょっと待った今がいい今なんだ!俺はまた振られたのか?とりあえずラーメン食べて…!このラーメン不味いな!」



【ニコ店長の家】

ニコ店長
「ぷしゅ~!やっぱりビールは美味い!会長ったらラーメン屋で告白なんてしてもっとまともな告白をしてよ!」

ハル
「ぷはぁ~ビールと焼酎割うまいわ!ちょっと告白されたの?そりゃそうよ以前“ラーメン食べます”?って会長に言ったんでしょ?私言わなかったっけ?」

ニコ店長
「何を?」

ハル
「女性の方から“ラーメン食べます”?って言葉は女が男を誘惑するセリフよ!」

ニコ店長
「はぁぁぁぁぁぁ?いつからそんな意味に?」

ハル
「だからパスタにしろって言ったのよ」

ニコ店長
「なにそれ!あの時、言葉通りの意味で言ったのよ!納得!だからその後会長の様子が変だったんだわ朝起きたら会長が迎えに来ていた!一緒に会長の車で仕事に行った、朝ごはんのサンドイッチも持ってきていたし私の好きなコーヒーもまるで恋人同士みたいだった」

ハル
「マジ?」

ニコ店長
「マジ!」

ハル
「とんでもない事になったわね!で?実際は好きなの?」


【ロム会長御殿】

ロム会長
「俺が嫉妬と競争心に駆られて告白しただと?そんなふうに思われたのか…納得いかない」

メール
“ニコ店長さっきの話の続きをしようか!”

ロム会長
「これでよし!」



【ニコ店長の家】

ニコ店長
「うわ!会長からメール!」

ハル
「何て?」

ニコ店長
「“ニコ店長さっきの話の続きをしようか!”ですって!またきた!」

メール
“嫉妬や競争心で告白したんじゃない君の誤解、これからは君の好きなようにしてくれ!君の望みも知りたい事も受け入れる!ただこれだけは言わせてくれ君のすべてを背負う自信がある”

ハル
「マジだね!どうする?マジだよ!」

ニコ店長
「…望み…知りたい事…じゃ」

メール
“質問がありますキスしかけた時突き飛ばした理由は?包み隠さず話してください!いくら考えてみてもその理由が分かりません”

ハル
「やっぱりニコと会長の話だったんだね」

ニコ店長
「ちょっと覗かないでよ!」

ハル
「いいじゃない見せてよ!」

10分後

ハル
「メール来なくなったね…」

ニコ店長
「そうね…あ!」

メール
“それはだな目を閉じると幽霊が見える”

ハル
「これふざけてるわね!」

ニコ店長
「いつから見えるんだろ?」

ハル
「ニコったらバカね!会長は答えたくないからふざけてるのよ!何、真に受けてるのよ」

ニコ店長
「いや本気よ会長はふざけたりしないもん!この前会長の家に行った時かなりうなされてたしそのせいかもちょっと聞いてみる」

メール
“うなされるのもそのせいですか?”

ハル
「ちょっといつ会長の家に行ったのよ?」

ニコ店長
「会長がビンゴ大会で足を挫いちゃって手当てをするために家に行ったその時会長いつの間にか寝ちゃっててうなされてたのよ!」

ハル
「そうなんだ、メール来てるよ!返信早いわね!それで何て言ってる?」

メール
“お祓いでもしてくれる?”

ハル
「完全にふざけてるわね!」

ニコ店長
「確かにこれはふざけてるわね!」

メール
“冗談はおやめになってください、ふざけるなんてひどいです”

ハル
「ねぇニコ!もっと焼酎ないの?」

ニコ店長
「ちょっと待って今メールしてるんだから」

ハル
「もうほっときなよ!まともに教えないわよ」

ニコ店長
「私は気になるの!」

メール
“今夜はもう遅いこの件は今度メールじゃなくちゃんと話すよ!おやすみ!俺の夢を見ていいぞ!”

ハル
「何て?」

ニコ店長
「この件はメールじゃなくてちゃんと話すんだって!」

メール
“分かりました!いつでも良いです話せる時が来たら教えてください待ちますから”



第十七話に続く
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