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第六話

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ハノ社長
「昼食まで上司と食えと?」

ロム会長
「仕事の一環だ」

ハノ社長
「なるほど」

ロム会長
「この肉うまいなそうだ美容室兼レストランってどうだ?うまい!買収しろ」

ハノ社長
「ああ!」

ロム会長
「ああ?」

ハノ社長
「あ…いやかしこまりました」

ロム会長
「お前の考えは?」

ハノ社長
「売れね~よなんだよレストラン兼美容室って大丈夫か最近おかしいぞ」

ロム会長
「違うニコ店長の事だ本気で辞めたいようだがどうすれば良い?」

ハノ社長
「はっそんな事僕なら簡単に解決出来る」

ロム会長
「なんだ?」

ハノ社長
「でもその方法をタダで教えろと言うのは虫が良すぎるだろ?」

ロム会長
「エジプトに飛ばされたいか?」

ハノ社長
「すまない言い過ぎたでもニコちゃんに対する件はそのレベルか?」

ロム会長
「何?」

ハノ社長
「不意打ちを喜ぶ奴はいないいいか?ロム僕たちは美容室買収でも必死に相手に歩み酔ってる」

ロム会長
「そうだ」

ハノ社長
「でも昨日のお前には歩み寄りも何もない分かるか?」

ロム会長
「ん?」

ハノ社長
「いいか?彼女の望みも知らず恋愛もすっ飛ばして結婚を申し込むなんて!はははっははバカか?断れて当然だ段階を追えまずは恋愛だ」

ロム会長
「恋愛?俺が?」



【美容室FMK本社】

ニコ店長
「みなさんでジアちゃんの歓迎会も兼ねて久しぶりに会食行きましょう」

ミー
「会長のせいでニコ店長はいつも欠席今日は平気ですか?」

ニコ店長
「会議が中止になったの行けるわ」

ミト
「やった行こう」

サク
「やった!どこ行きます?」

ミト
「肉!肉がいいわ焼肉行きましょうよ」

サク
「良いですね」

ニコ店長
「じゃ焼肉で決定ね行きましょう!」

ミー・サク・ミト・ジア
「やった~!」

ニコ店長
「皆で行くのは久しぶりね」

その時ロム会長が出勤してくる

ロム会長
「馬鹿騒ぎして楽しそうだな!聞こえてたぞ!あまり飲みすぎないように」



そしてその日の夜ジアの歓迎会とニコ店長の送別会が始まる

ニコ店長
「お肉美味しそうねあれ?ミトちゃん肉を食べたがっていたのに野菜ばかりね」

ミト
「実は今ダイエット中なんですお気遣いなく」

ニコ店長
「そう…」

ミト
「すいませーん店員さんサンチュ致死量下さい」

サク
「そう言わず肉も食べてくださいよ!今日は特別な日なんですから」

ミト
「お気遣いなく!」

ミー
「ちょっとジアちゃん!みんなの分切ってくれるのは良いけど大きすぎて食べづらいと思わない?」

ジア
「すいません」

ニコ店長
「いいわ私が切りますジアちゃんもミーさんもたくさん食べて食べないと肉なくなりますよ!」

サク
「ニコ店長僕が切ります」

ミー
「それにしてもビール遅いわね」

店員のおばちゃん
「お待たせ!生ビール!」

ミー
「ちょっと遅いわよ!」

ニコ店長
「まぁまぁミーさん落ち着いて!でわビールも来た事だしジアちゃんの新店長にカンパーイ!」

ミー・サク・ミト・ジア
「カンパーイ!!」

サク
「あ!僕のコップが割れてる…」

ミー
「あ!私のも割れてる!もう!ちょっと!店員さん!」

サク
「不吉なことが起こる前兆かな?」

ミー
「確かに寒気が…」

ミト
「やめてくださいよ」

その時不穏な影がメンバー達に忍び寄ってくる

ニコ店長
「え?なぜここへ?」

ミト
「ひっ…」

サク
「うわぁ!」

ミー
「お、お、お疲れ様です」

ジア
「来てくださったんですね!嬉しい」

ロム会長
「ここで食事をすると耳にした当然上司の俺も参加する!で?俺はここで立ってろと?」

ニコ店長
「こちらへどうぞ私の隣に!」

サク
「店員さーん!今すぐ生ビールを下さい急ぎでお願いします」

ミー
「…」

サク
「…」

ミト
「…」

ニコ店長
「…」

ジア
「ロム会長が来てくれるなんて光栄ですもう一度乾杯しましょ!」

ロム会長
「あーみなさんは煙たくてうるさい店が好きなのかな?」

ふとニコ店長を見るロム会長の発言に怒った表情

ニコ店長
「落ち着きませんか?」

ロム会長
「いや…でわ気を取り直して日頃の感謝を込めておつぎしますウイスキーを頼みましょう」

店員のおばちゃん
「ウイスキー?うちは焼酎とビールだけだよ生意気な若造だね!はい!生ビール!」

サク
「まずいよ…」

ミト
「…」

ミー
「…」

ニコ店長
「ハハ!」

ロム会長
「この店潰すか?うちが買収した輸入酒が売れない原因は何だと思う?」

ロム会長の質問にみんな目を合わせずに下を向く

ニコ店長
「ちょっと会長!仕事の話はタブーです!
それに分かるわけないじゃない私たちは美容師よ!会長みたいに何でも買収する経営者じゃないんだから」

ロム会長
「でわ何の話を?つまらない集まりだ」

ジア
「でわ楽しいゲームでも」

ロム会長
「ゲーム?」

ジア
「山本線ゲームとか?」

ロム会長
「知らんな」

サク
「じゃ僕が考えたオリジナルゲームはどうでしょうお互いに良いところを褒め合うゲームです」

ロム会長
「飽きるほど褒められてるが良いだろう順番に褒め合おう」

ジア
「じゃ私から私はニコ店長を褒めたいですとても緊張していた私に優しく仕事を教えてくれます」

ロム会長
「そっか優しく教えたんだなニコ店長」

ニコ店長
「はい!」

サク
「僕はもちろん会長を褒めます何カ国語も喋れるので男として尊敬します憧れです」

ミト
「私も会長を褒めますイケメンですスーツも似合う」

ミー
「他にもたくさんあります財力も美容師世界一の称号も心から賞賛します」

ロム会長
「うん!うん!そうか!そうか!次はニコ店長の番だ至らぬ君をカバーする俺の包容力とか」

ニコ店長
「そうですね今まで懸命に働き続け今回退職を決意した自分を褒めます」

ロム会長
「…」

ニコ店長
「ロム会長お疲れのようですねそろそろご自宅で休んでは?」

サク
「うん!そうですよ」

ミー
「うんうん」

ミト
「お開きね」

ジア
「え?確か2次会はカラオケですよね?」

ニコ店長
「ちょっとジアちゃん!」

ミー
「はぁ黙ってて」

サク
「最悪だ…」

ロム会長
「カラオケ?ニコ店長も行くのか?よし参加しよう」

ニコ店長
「え?行くの?」

こうして地獄の送別会が2次会まで続いた

サク
「着きましたカラオケハウス」

ミー
「楽しみ~」

ロム会長
「クッサ!ここ飲み屋が多いからかションベン臭いニコ店長カラオケって言うのはこんな思いをしてまで来る所か?」

ニコ店長
「でわお帰りに」

ロム会長
「指図するな」

ニコ店長
「今日は何だか変ね」

ロム会長
「ん?なんか言ったか?」

ニコ店長
「いえ…何も」

ミト・サク・ミー・ジア・ニコ店長・ロム会長6人は部屋に入る

ロム会長
「…」

ミト
「…」

サク
「…」

ミー
「…」

ニコ店長
「…」

ジア
「何歌おうかな!」

ロム会長
「え~部下の集まりに口を出すのは良くないから黙っていたがもう限界だ狭すぎる!うちのトイレより狭い!これで6人部屋か?ニコ店長!最近俺が買収した高級カラオケ店に電話しろ俺が来ると伝えるんだ」

ニコ店長
「了解です」

こうしてロム会長の指示で部下のメンバー達は高級カラオケハウスに移動することに
久しぶりのみんなとのカラオケにニコ店長は笑顔で楽しむ

ロム会長
「俺がいるから楽しいのかな?」

ニコ店長
「え?ええ!まぁ」

ロム会長は優しさをアピールす為にニコ店長に酒のつまみチーズを手渡す

ロム会長
「ニコ店長!これ!」

ニコ店長
「どうしました?あ!お口に合いませんか?」

ロム会長
「いやこの俺が君のために取った」

ニコ店長
「そうでしたか…いただきますゴフォゴホッ喉に…詰まっ」

ロム会長
「ほら飲め!落ち着いて食えよ」

ニコ店長
「どうもブーーーーーーっっ何これお酒?」

ロム会長
「焼肉店に無かった高級ウイスキーだ香りが違うだろ?」

ニコ店長
「普通水でしょ…いえ忘れられない味ですありがとうございます」

ロム会長
「いつでもご馳走する」

ニコ店長
「いえ遠慮しときます」

数時間後

ロム会長
「そろそろ帰るぞ!送るよ」

こうして地獄の2次会は終わった
その帰り会長はニコ店長を家まで送り届ける

ロム会長
「社内の会食というのは疲れるな」

ニコ店長
「説明してください」

ロム会長
「何を?」

ニコ店長
「なぜ急にいらしたんですか?」

ロム会長
「上司も参加するのは普通だろ?ほら家に着いたぞ」

ニコ店長
「そうですね!では!失礼します」

ロム会長
「ニコ店長!今日の俺は優しいだろ?」

ニコ店長
「え?」

ロム会長
「会食にも出てわざわざ家まで送り届けたこんな幸せで甘い日々を君に届け続けよう」

ニコ店長
「おっしゃる意味が分かりません」

ロム会長
「俺が君の恋人になってやるという意味だ」

ニコ店長
「へ?」

ロム会長
「感動したか?」

ニコ店長
「会長は私のタイプではありません」

ロム会長
「何だと?」

ニコ店長
「私は他人に配慮できる優しい人が好きなんです」

ロム会長
「ハハ!今日の俺の行動を見て言ってるのか?君の日常になじもうとしたこれは配慮だろ?」

ニコ店長
「でも私は望んでない配慮とは言えませんいい人と出会ってください」

ロム会長
「何?」

ニコ店長
「結婚や恋愛を軽々しく口にしないで下さい」

ロム会長
「一体どうして?」

ニコ店長
「昨日の結婚の話は冗談だと思ってました付き合う話まで出て正直困ります」

ロム会長
「いえそうじゃない俺がタイプじゃないなんてどうかしてるどこが不満?完璧な俺に気に入らない点などないはずだ」

ニコ店長
「自分勝手ですよね?1人で決めてそれを人に命令するだけ」

ロム会長
「この10年俺のせいで苦労したと?」

ニコ店長
「そうではなく…
もう!そうですね!ええ!大変でしたひとりよがりで利己的で完璧主義者!1日中鏡の中の自分に見惚れてるナルシシスト!会長が頻繁に呼び出すせいで自分の時間もゼロ!それに10年も耐えた」

ロム会長
「嫌がらなかったろ?イヤだと言えば任せなかった」

ニコ店長
「もう昔の話は結構です私は平凡な人と恋愛したいんです会長に恋愛なんてできるはずがない自分を愛しすぎてるから」

ロム会長
「本当にそう思っているのか?」

ニコ店長
「はい!配慮のかけらもない」

ロム会長
「残念だ…もう帰るよおやすみ!」



ロム会長がニコ店長に振られ次の日の朝

【美容室FMK本社】
ニコ店長
「みなさんおはようございます朝礼を始めます」

ロム会長
「ニコ店長!結構だ!そんな事もうするなジア新店長に任す!君のいう通りだ確かに俺は1人よがりで利己的だ君が辞めたくなる気持ちも分かる」

ニコ店長
「そんなつもりで言ったのではなく…」

ロム会長
「やっと分かった望んでも手に入らないものがあると解放してやる、残りのひと月だけ頑張ってくれ感謝してる今までありがとう。これは本心だ」

ロム会長
「ではジア店長朝礼始めてくれ。」

ジア
「はい。」

一通り朝礼が終わる

ロム会長
「ジア店長今週の会議のテーマは?」

ジア
「あ!すみませんまだ把握してません」

ニコ店長
「私がお答えします」

ロム会長
「結構!ジア店長が後で報告してくれ」

ニコ店長
「…」

ロム会長
「ではジア店長今月の今日までの売上数字は?」

ジア
「え?それも…まだ把握してません」

ロム会長
「それくらい把握しておくべきだろ?ニコ店長引き継ぎしたんじゃないのか?教育がなってない」

ニコ店長
「すみません」

ロム会長
「この調子じゃ引き継ぎが心配だな」

ニコ店長
「…」
(昨日のことのせいかな?)

ジア
「ニコ店長すみませんでした」

【会長オフィス】

ニコ店長
「会長失礼します、会長昨日の事ですが…」

ロム会長
「私的な話は控えて」

ニコ店長
「え?でも…」
(何か…1ヶ月耐えられるかな)

ロム会長
「ああそうだニコ店長今日営業終了後残って!」

ニコ店長
「はい!かしこまりました」

営業終了後ニコ店長は高級レストランに呼び出された

【高級レストラン】

ニコ店長
「あれ?会長はまだ来てない」
(それにここのレストラン誰も居ないけど閉店してるのかしら?)

ロム会長
「おまたせ!行こうか」

ニコ店長
「あ!でもレストランなんか閉店してるっぽいです」

ロム会長
「閉店?関係ない!」

ニコ店長
「…」

高級レストランに入る2人

ロム会長
「ここのレストランは肉が硬い」

ニコ店長
「ここのレストラン潰しましょうか?」

ロム会長
「いや、いい。これ肉食べて」

ニコ店長
「私の為に切り分けてたんですか?ありがとうございます。それにここ普段着で来る店では無いですね」

ロム会長
「気にするな誰もいない」

ニコ店長
「本当私たちだけだわ」

ロム会長
「貸し切りにした」

ニコ店長
「え?急にどうしたんですか?」

ロム会長
「頑張って働いてきた君にお礼も言ってなかったこれは退職祝いだ」

ニコ店長
「退職祝い?」

ロム会長
「そんな事より早く食べて他に行くとこがある」

数分後食事を終えた2人は公園で星を眺めていた

ニコ店長
「寒い今日は冷えるわ」

ロム会長
「確かに冷える」

ニコ店長
「あ!そうだマフラーが…」

ロム会長
「おっとピンクは好みじゃない」

ニコ店長
「私が使う為です」

ロム会長
「ああそうか」

ニコ店長
「あの…会長こんな時は女性に気を配るべきです上着を貸したり」

ロム会長
「男だって寒い」

ニコ店長
「…そうですね」

その時花火が上がった
“どーん!どどーーーん”

ニコ店長
「おおおお!綺麗!イベントかしら?」

ロム会長
「いや俺が準備した」

ニコ店長
「え?」

ロム会長
「退職祝だと言ったろ」

ニコ店長
「ステキきれいですね」

ロム会長は花火ではなくずっとニコ店長を見続けている

ロム会長
「ああ本当綺麗だ」

上着をニコ店長に被せる

ニコ店長
「あ!大丈夫です」

ロム会長
「男は上着を貸すんだろ?」

花火を見終えた2人

ロム会長
「送るよ!一緒に帰ろう」

ニコ店長
「はい!」

【車内】

ニコ店長
「今日はありがとうございました。それとこれ上着寒かったですよね」

ロム会長
「寒くなんかないその服は飽きた好きにしろ」

ニコ店長
「はい(笑)」

ロム会長
「家!着いたぞ!」

ニコ店長
「送ってくれてありがとうございました今日は楽しかったです!それでわ」

ロム会長
「ちょっと待ってプレゼントがある」

ニコ店長
「…」

ロム会長
「ハサミをプレゼントしよう!前から欲しかったろ?退職祝に欲しい物をあげたかった辞めても美容師は続けろよ!」

ニコ店長
「これ前から欲しかったハサミ。私のためにありがとうございます」

ロム会長
「君のためならこのくらい何でもない」

ニコ店長
「これをもらっても“一生働きます”とは言いませんよ(笑)」

ロム会長
「分かってるよ君にはかなわない」

ニコ店長
「では失礼しますおやすみなさい」

帰り際ロム会長はキスをしようとする

ロム会長
「最後のプレゼントだ」

ニコ店長
「はいストップ!それはダメ!じゃおやすみなさい(笑)」

ロム会長
「…はは!おやすみ!」

こうして渾身のキスは失敗に終わった

【ロム会長豪邸】

ロム会長
「まさかキス出来なかった最高のシチュエーションだったのに…まぁ覚悟しろよ君の知らぬ間にウルトラ級の呪いをかけたからな!笑」

数日後
ニコ店長は友達に紹介された男性とデートする事になった

【美容室FMK】

ニコ店長
「もしもし!ハルどうしたの?ああメール返すの忘れてたごめん紹介の事は覚えてるわよ!結婚する事になったらお礼に食事奢るわよ!連絡ありがとねじゃ!」

ジア
「紹介でデートをするんですか?電話での会話聞いてしまいました聞こえてきたって言うか…初対面の男性と会うってドキドキですね!」

ニコ店長
「ジアさん恥ずかしいから2人だけの内緒にしてくれる?」

ジア
「はいもちろん内緒」

ミー
「もちろん内緒にします」

ニコ店長
「ミーさん居たのね…」

ミー
「忙しかったから紹介何て初めてでしょ?」

ジア
「うそー今まで一度も?」

ミー
「初めての彼氏が出来るかもはは!」

ジア
「初めての彼氏?ははは!」

ニコ店長
「2人ともやめて!!」

ミー
「すみません!でも初めてだから緊張するでしょ?友達を連れて来てもらえたら私と2対2で…」

ニコ店長
「ハイハイ!ミーティング始めるわよ」

ジア
「あはは!1対1が良いみたい」

【美容室FMKスタッフルーム】

ロム会長
「そういえばニコ店長は?」

ジア
「今日は休みもらってますよ!ニコ店長は今日やっと紹介で男性とデートみたいです。」

ロム会長
「そうか……ん?紹介で男性に会うだと?」

ジア
「は!いいえ…違います」
(しまった内緒だったのについ)

【社長室】
急遽ミーティングが開かれる

ハノ社長
「買収も開業準備も順調完璧だよ何も問題ないですが問題があるとしたらニコ店長はデート」

ロム会長
「そうだ大問題だな!でもどうせ会っても…」

ハノ社長
「きっとうまくいく」

ロム会長
「何?」

ハノ社長
「平凡な男性が来るに決まってるニコちゃんは平凡な生活を望んでるし夢は平凡な男との結婚だろ?」

ロム会長
「ありえない俺がとっておきの呪いをかけた」

ハノ社長
「何の話だよ!呪いって?」

ロム会長
「ふっ!」

その頃ニコ店長は待ち合わせ場所にいた

ナオ
「こんにちは時間通りですね!ナオですよろしく!」

ニコ店長
「はじめまして!よろしくお願いします」

ナオ
「早速ですが今日の為にうまい店を調べてきました食事に行きましょうか」

ニコ店長
「はい!」

うまいと評判の食堂に並んで待つ事になった

ナオ
「少し待つけどいいですか?」

ニコ店長
「全然構いませんよ」
(待つのか…)

ナオ
「並んでる間に何を食べるか決めましょうメニュー表もってきます」

ニコ店長「はい!」
(足痛い…待つのがしんどい…)

1時間後やっと店に入れた2人

ナオ
「うまいですよ薄切り肉を24枚重ねて揚げたトンカツが人気です」

ニコ店長
「そうですか…」
(24枚って…)

ナオ
「あ!ちょっとお待ちを!私が切り取りますこれををどうぞ」

ニコ店長「どうも…」
(き、汚い!肉の切り方が雑…それに比べて会長は綺麗に肉切って完璧だったな…)

ナオ
「初対面で失礼かもしれないけど本当に美人ですねとても品があります」

ニコ店長
「それはどうもありがとうございます」

ナオ
「騒がしい店ですね」

ニコ店長「そうですね少し…」
(落ち着いて食事出来ない狭し)

すると隣に食べてたお客さんのカバンがニコ店長の顔にぶつかる

ニコ店長
「痛!」

お客さん
「すみません」

ニコ店長
「いえ大丈夫です」

ナオ
「君!なにぶつかって!気をつけて…不注意過ぎるもういい早く行って!!」

お客さん
「ごめんなさい」

ナオ
「ニコさんなんかすみません!店が狭いから」

ニコ店長
「そうですね」
(会長との食事って言えば貸し切りで静かで落ち着く楽しかったな料理も美味しかったしこの肉ゴム食べてるみたい)

ナオ
「あの…それ僕のです…衣がサクサクで肉が柔らかい大好きな部分皿を間違えてます」

ニコ店長
「あ!すみません返しますボーっと考え事しててつい…」

ナオ
「はい返してくださいどうも」

ニコ店長
「私の分も食べますか?」

ナオ
「いえこれで十分です!」

ニコ店長「…」
(気まずくなったなんか落ち着かないそれに何故?会長の事思い出して比べてしまうの?)

その頃
【社長室】

ハノ社長
「それでとっておきの呪いとは何?」

ロム会長
「とっておきの呪いとは数百億かけて作った超大作映画を観たあと低予算で作ったB級映画を観たとするそのB級映画は目に入るか?」

ハノ社長
「くだらないと思うかも」

ロム会長
「それだよ俺は高級レストランを貸し切りにして打ち上げ花火もしプレゼントもした!ウルトラ級のデートを見せた平凡な男に満足出来るか?」

ハノ社長
「うん!満足すると思う!好みはいろいろだ!どんな呪いかと思ったら…」

ロム会長
「何?」

ハノ社長
「B級映画もいいぞ思いがけない面白い映画もあるからな!それに平凡を選んだのはニコちゃんだし」

ロム会長
「ハイハイ!分かってないな!」

第七話に続く


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