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第三話

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ニコ店長は久しぶりの休日に親友のアンとハルで焼肉行くことにした

【焼肉屋】

アン
「ニコちゃんずっと焼いてないで食べて私がやるわよ」

ニコ店長
「職業病ね完璧にやらないと気が済まないの」
(会長の影響ねきっと)

ハル
「適当で良いのよたくさん食べて食べて」

ニコ店長
「2人とも顔がやつれたね仕事はきつい?」

ハル
「ニコと比べたら全然大丈夫よ!」

アン
「そうよ!」

ニコ店長
「でも私は会社辞めることにしたの」

アン
「会社を辞める?」

ハル
「急になんで?会長のせい?あの野郎」

ニコ店長
「違うってば!実はね父が借金していて借金も返したから潮時かと」

ハル
「借金!?」

アン
「いくらだったの?」

ニコ店長
「3千万ほど」

ハル
「3千万も?」

アン
「返済は?」

ニコ店長
「車を売ったわ」

アン
「あれ?車持ってた?」

ニコ店長
「会社遅刻したことがあって会長がくれたの」

アン ハル
『マジで?!』

ニコ店長
「ちょっと2人で声を合わせて声が大きいよ!そんなに驚かなくても」

ハル
「遅刻しただけで車くれるってユニゾンにもなるわ」

アン
「そうね!当たり前のように喋ってるからびっくりよ」

ニコ店長
「1週間は乗った車を売って借金も完済して気が楽よ」

アン
「ニコちゃん会長に似ないでね!完璧主義といい金銭感覚だけは崩壊しないでよ!」

ニコ店長
「わかってるわよ」

その頃
【同時刻ロム会長の休日】

ロム会長はハノ社長の家で再びニコ店長がなぜ辞めるのか話をしていた

【ハノ社長の家】

ハノ社長
「アッハハハハハハヒッハハはっはっははははははははああウケる!アッハハハハハ!!!」

ロム会長
「笑った顔が気に障る!」

ハノ社長
「笑いが止まらない」

ロム会長
「クビにされたいか?何が笑えると?」

ハノ社長
「よく考えたら別に面白くないな…」

ロム会長
「長年一緒にいたのにあっさりしてる」

ハノ社長
「仕事の関係だとお前が言ったんだ」

ロム会長
「理由はなんだろう?」

ハノ社長
「ニコちゃんは待遇に不満はないはずだ良く考えろ!」

ロム会長
「実は美容師免許持って無かったとか?」

ハノ社長
「バカか?違うだろもっと考えろ辞めると言った日何があった?」

ロム会長「おい言葉に気をつけろ!まてよあの日か…ん?んん?スィちゃん?あの日スィちゃんがいた」

ロム会長はパーティーの日の事を思い返した

_________________________________________

3月1日
パーティーの日

スィ
「ロムちゃん」

スィがニコ店長の前で手を握るそれを素早く払うロム会長

ロム会長
「なぜここに?」

スィ
「なぜって招待されたわロムちゃんも来ると聞いて」

ニコ店長
「へ?…」
(ロムちゃん?…)

スィ
「驚かそうと内緒にしてたのうふふ」

ニコ店長「…」
(もしかして会長の彼女さん?)

スィ
「ん?誰この子?私が忙しいから新しい彼女?」

ニコ店長
「…」
(私が?か,彼女)

スィ
「そんな事よりねぇ何か気づかない?

ロム会長
「…」

気づかない会長を見兼ねたニコ店長が彼女にバレない様にネックレスを指をさす

ロム会長
「ああネックレスが似合ってる」

スィ
「ロムちゃんからの贈り物よつけてきたの」

ニコ店長
「…」
(なんで私が教えてるのよ)

スィ
「今日は何の日でしょう」

ロム会長
「…」

ニコ店長
「…」
(大抵記念日か誕生日ね!)

ニコ店長がロム会長にボソッと耳打ちをする

ニコ店長
「会長…花束よ!花束を渡すの!」

ロム会長
「ああ覚えてるよそこのポーターさん例の花束持ってきて5分で戻って!」

ポーター
「え?花束ですか?何の?」

ロム会長
「君!まさか忘れてないよね?この状況見てわかんない?ん?」

ポーター
「あ!失礼しました例のですねすぐにお持ちします」

ニコ店長
「…」
(出た会長パワー!誰でも人を動かすみんな会長に気を使いすぎる)

数分後
スィ
「ありがとうロムちゃんは最高!花とっても綺麗だわ覚えててくれたんだね私の誕生日!」

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【ハノ社長の家】

ハノ社長
「嫉妬?ニコちゃんが?」

ロム会長
「そうあの時彼女が来ていて嫉妬したんだと思うんだが!ニコ店長も花束が欲しいんだ」

ハノ社長
「それは無いでしょ10年一緒にいて恋愛にも発展してもなくいまさら嫉妬はないでしょ…」

ロム会長
「よし!嫉妬だ!もう辞める理由が分かったぞ」

ハノ社長
「辞めておけ不吉な予感がする」

ロム会長
「この俺が気づかないとは。ははっ、俺って奴は。」

ハノ社長
「で?それでどうする?教えろ」

ロム会長
「“一身上の都合”言えない事情ニコ店長は…」

ハノ社長
「ニコ店長は!?」

ロム会長
「ニコ店長は俺が好きだ10年間ずっと俺の事好きだったんだ片想いに苦しんでたんだよ」

再び同時刻
【ニコ店長の休日】
【焼肉屋】

ニコ店長
「アッハハハハハハヒッハハはっはっははははははははマジウケる!アッハハハハハ!!!
会長が?私の事?好きなわけない」

ハル
「だってやたら服や靴を買ってくれるし店長としての品位維持の為とはいえ会長が買うの多すぎない?会長は好意があるのよ」

ニコ店長
「ふふ!絶対に違う会長は自己愛が強くて恋に落ちた事は一度もない」

ハル
「ウソ?ありえないわ」

ニコ店長
「本当だってば」

ハル
「会長はいい年して恋愛経験ゼロ?ニコと同じね!」

ニコ店長「…」

アン
「ちょっとアン飲み過ぎ、言い過ぎ、ニコちゃん気にしないいっぱい食べて」

同時刻
【ハノ社長家】

ロム会長
「俺に惚れぬよう気をつけてたのに、まぁ惚れなかったら人間じゃない」

ハノ社長
「ちょっと待てそう決めつけるな」

ロム会長
「ふん!公私混同とはニコ店長にも困る、やっぱりな俺の事が好きだった」

ハノ社長
「だめだこいつ…」

同時刻
【焼肉屋】

ニコ店長
「好きも嫌いもない会長とはあくまで仕事の関係よそれにもう辞めるから関係ないの」

ハル
「辞めた後はどうするの?」

ニコ店長
「具体的には決めてない今の環境捨てるのは惜しいけど忙しすぎるもの今辞めないと永遠に…」

話しの途中で会長から電話が鳴る

ハル
「まさか例の会長?」

ニコ店長
「うん…」

アン
「ダメよ」

ハル
「そうよせっかくの休日なんだし電話に出ない方がいいわ」

ニコ店長
「うーんどうしようかなぁ!ふふとっちゃえ」

アン
「もう」

ハル
「出なくていいのに」

ニコ店長
「はい会長!どうしました?私は用事があるので今日はちょっと」

ハル
「来いって?」

ニコ店長
「私じゃなくてスィさんを誘った方が…もしもし?もしもーし!」

ハル
「なんて?」

ニコ店長
「今すぐ飛んでこいって!」

ハル
「あの野郎パワハラでしょ!久しぶりの休日楽しんでるのにさ」

アン
「ないわー」

ニコ店長
「彼女いるのにその子誘えばいいのに!」

ハル
「彼女いるの?なのに無理やり誘うって」

ニコ店長
「まぁどうせあと1ヶ月で辞めるし」

ハル
「そうよね頑張って!辞めると聞いて安心したわ」


30分後
【ハノ社長の家】
【駐車場】

”車で1人ニコ店長を待つロム会長“

ロム会長
「俺が好きなら女に贈る花束を貰うの嬉しいよな!そうすると「ロムさんスィさんとは終わりにして」みたいなさすがは俺様!核心を突いた。」

そこへニコ店長が現れる

ニコ店長
「何?怖い!1人でぶつぶつ喋ってる?」

車のドアを叩く

”コンコン“

ニコ店長
「会長参りました失礼します」

入るなりいきなり花束を渡す

ロム会長
「嬉しいか?」

ニコ店長
「…」

ロム会長
「そうか嬉しすぎて言葉にも出ないか!」

ニコ店長
「この花束はトランクに入れます」

トランクに花束を入れに行く

ロム会長
「うん!感動したなそそくさとトランクに入れに行くとは俺の事好きってバレバレだ」

ニコ店長
「お待たせしましたすいません行きましょ」

ロム会長
「誰といた?」

ニコ店長
「秘密です」

ロム会長
「なっ?!」

ニコ店長
「…」

ロム会長
「スィとは終わりにする」

ニコ店長
「急にどうしたんですか?他に女性が?」

ロム会長
「当分付き合わないから」

ニコ店長
「なぜ私に?私に言わなくても…」

ロム会長
「まだヤッてない満足か?」

ニコ店長
「え?」

ロム会長
「スィとは寝てないあくまで形だけの関係だ」

ニコ店長
「知ってます」

ロム会長
「ニコ店長の苦労が分かる気もする明日は特別休暇をやるもう一度よく考えろ」

ニコ店長
「え?特別休暇!本当ですか?でも明日は後任の面接が…」

ロム会長
「じゃ面接する時間にこい」

ニコ店長
「ありがとうございます♪」

ロム会長
「辞めた後は何をするんだ?」

ニコ店長
「いえ何も」

ロム会長
「何も?国内にはいるんだろ?」

ニコ店長
「それもまだ考えてません!」

ロム会長
「え?計画もなく辞める理由は?」

ニコ店長
「自分の為の人生を歩みます」

ロム会長
「ん?どうゆう意味だ?」

ニコ店長
「誰かの為でも家族の為でもなく私の人生を歩むんです」

ロム会長
「私の人生…」

ドライブはこうして終えた

第四話に続く

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