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魔族ハルピュイア⑥貴様は1人じゃない

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さてと情報は手に入ったティフネスに会ってハルピュイアの弱点を聞きたかったがまさかエルフから聞けるとは魔物の弱点は魔物に聞くのがいいな!
エルフの国か…けど2~3日は長いなその間ハルピュイアに殺されてしまう

「セネは雷系魔法使えたっけ?」

扱えたとしてもハルピュイアには勝てないだろうな使えるならとっくに使って倒せてたはず!
思いつきで行動は避けるべきだったな…
とりあえず帝国に行くか…雷系魔法か…
じゃ光属性になるのか?いつものギルドに行ってみるか

※※※


「と言うわけです…」

「死んだなんて信じない…」

「セネ様気持ちはわかります…それにしても誰から僕がここで気絶していると聞いたんですか?起こして欲しいですよ!変な人です!知っていたなら普通起こしますよね?!」

「知らないわ…私も村の人から聞いたの…それにあなたが変よ!なぜここでわざわざ気絶してるのよ!変よ!」

「必死だったんです!魔王から逃げるのに必死で転移魔法を使ったらこんな場所に…
こんなところで寝てたなんて…」

「そう…やっぱり変よ……あなた変よ…
あなたなんて信じない…イフィスフィナ様が死んでるなんて…」

セネは泣き出してしまった

「セネ様…」


※※※


「んで?なんで探すのを諦めた途端にひょっこり顔を出してるんだ?“ティフネス!”」

「よ!元気だった??」

「『元気だった?』じゃねぇーよ!!
探してる時は現れねーくせに!探してもいない時に何今現れてんだ!今俺が探してるのはお前じゃない!雷系魔法を使える奴だ!それにどんだけお前を探したと思ってるんだ!」

「まぁまぁ落ち着けって!」

「落ち着いていられるか!」

「それに知ってると思うがイフィスフィナが死んだ!」

「は?何言ってるんだお前!イフィスフィナ様が死ぬわけないだろ!生きてるぞ!」

「ジェフティが言って…ジェフティの事は知ってるのか?」

「知ってるの何もジェフティは私が魔王国に送り込んだ!1番弟子だな!」

「は?じゃ3人で探してる時に現れろよ!弟子が探してる時に現れるだろ普通!」

「実は…」

「出たよ!実は…何?」

「言葉で説明するのも面倒だ映像転送魔法を使う“あの時”私の起こった映像を貴様の脳に直接映し出す目をつぶれ!その方がわかりやすいだろう!」

「こうか?」

目を瞑ると俯瞰でティフネスが見え始め

※※※


ガバっとティフネスは起き上がる
ティフネスの額から汗が滲み出ていた

「ここは?“戻ってる?”私生きてる?
私はハルピュイアに殺されたはず…死ぬって慣れないねぇ痛みが残ってる…
でも私生きてる!生きてるわ!!
って事は…良かった!イフィスフィナ様は!
それにしてもあいつは“また”死んだのか?
また今日を繰り返すのか…これも呪いね……」

そこで映像が途切れた


※※※


「というわけで!これで分かったろ?」

「短っ!!短すぎるだろ映像が!わかんねぇーよ!もっとこう長く見せられると思ったぞ!」

「隠れていたのは確信が無かったでもこれで確信した」

「確信て何の?」

「私もジェフティにイフィスフィナ様が死んだと聞かされた!確信したのはイフィスフィナ様が“今”生きていることだよ!」

「“今”生きている?」

難しい…全然意味がわからないぞ?
俺は険しい表情を浮かべた

ティフネスはその表情を見てため息をつく

「結論から言うぞ!私とイフィスフィナ様が死ねば貴様は死ぬ!」

「はぁ?俺が死ぬ?それはどう言う事だ?
問題ないだろ俺が死んでも?また今日を繰り返すだけで?」

「術が解けるんだよ!死に戻りなんてしない!
今術式はどこにある?
あの術式は“発動中”だ!術式を発動させた者が死んだら当然術は解ける!
私は“あの時”ハルピュイアに殺されたもう終わったと思った
その時にはジェフティからイフィスフィナ様が死んだと聞かされていたからね!
あの時私が死んだらもう貴様は死に戻りできないと思ってたんだ!だが私は目が覚めた!
貴様は私を探しに3人でここにギルドに来た」

「って事は?」

「鈍い奴め!私はハルピュイアに殺されただろ?」

「そうだな!」

「イフィスフィナ様は生きているって事だよ!“ハルピュイアが現れる時まで”は生きている!
イフィスフィナ様が“昨日”死んでたら私も復活しないし貴様も復活しない!ところがお前は復活し私を探しに来たそれを何度も繰り返した!それで確信したんだよ!イフィスフィナ様は死んでないと!」

「ちょっと意味わかんねぇ!」

「バカかこいつは!」

「とにかく私とイフィスフィナ様が死ねば貴様はもう死に戻り出来ない!“いつ”イフィスフィナ様が殺されるか分からないのにノコノコと顔を出すわけにはいかないだろ!
でもハルピュイアが現れるまでは私が死んでも貴様が死ねばやり直せると確信したんだよ!」

「だからノコノコと顔を出したのか?」

「そうだ!」

「ちょっと待て!あの映像で言っていたよな!“また”死んだのかって痛みが残ってるって?!まさかお前…」

「そうだ私も経験値は残る!貴様が死んだ事分かるのよ…その度に私も同じ今日を繰り返す!344回だ!」

「数えてたのか!」

「きついぞ!344回も繰り返すなんて!
1番きついのは美味しい肉を食べようとした時に戻った事もあったわ!」

「だから初めて会った時に“知ってる”って言ったのか?」

「うんそうね!貴様の痛みも!精神が崩壊した時も知ってる何せ私もそうだったからね!“貴様は1人じゃない”」

その言葉に思わず泣いてしまった

「泣いている時に悪いが」

“バゴン”

「うへ?」

俺はティフネスに殴られた

なんで?

「痛いなもう何するんだよ!ってかお前キャラ変わってないか?初めて会った時は乙女らしく女性らしい感じだっただろ!
俺の事”貴様“って呼んで無かっただろ!“あの時”俺の為に泣いてくれてたじゃねーか!」

「344回も同じ今日を繰り返せばキャラも変わるわ!貴様がエリシアだと思ったからだ!それに貴様は私の知ってるエリシアじゃないし転生者でしょ?エリシアの体に魂だけ違うやつに入れ替わるなんて…」

「それは俺のせいじゃ…」

「“もう死ぬな”って言ったよね?貴様が死ぬたびにこっちもしんどいんだから!こっちだって経験値は継続するんだからね!あなたと同じ意識だってずっと残ってるのよ!」

「死ぬなって俺の為に言ったんじゃ?」

「違うわ!私がしんどいから言っただけよ!」

「何だよそれ!」

「ここまで無駄な時間を過ごしたわ本題に入るわよ!あなた雷系魔法を覚えたいんでしょ?」

「おお~教えてくれるのか!?」

「私は無理!私は火に特化した魔法を使うわ!」

「何だよそれ!」

「そこでだ!私が紹介してやるんだよ!雷属性の魔法使いを!特急魔法まで扱える!それで?現時点であなたは何を覚えた?」

俺はジェフティに習った魔法を魔力を腕に纏った

「んq?な??なにぃぃ?!
あなたそれって!」

「気づいたか?そうジェフティのオリジナル魔法だ!」

「すごい!そりゃかなり死ぬわ……納得ね!
これが使えるならハルピュイアに勝てる!!」

「でもこれ覚えるのに100回程度だぞ?
オーク倒した時がかなり死んだぞ!
それにこの魔法はハルピュイアには全然効かなかった…」

「まさか魔法を覚えるのがこんなに速いなんて…魂が違えどさすがエリシアの身体ってとこね!大丈夫この魔法は他の魔法と相性がいい!」

「相性が良い?またわけわからん事を!」

「使っていけばそのうち分かるさ!」

「それで?どこに行けば会える?夜にはハルピュイアが現れる少しでも覚えないと」

「ここに向かう!私が転移魔法で連れて行くわ!」

「おお~転移魔法って一瞬で場所移動できるやつだな!」

「ほう!知ってるのか!」

「早速行こう!」

「待って肉食べてから!」

「朝から肉食うんじゃーねぇ!」
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