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魔物ハルピュイア②

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イフィスフィナが死んだ?
じゃ俺はこれから何の為に?

「嘘だ…信じない……」

「事実です…」

「いきなりそんなバカな話があるか!そもそもお前の言葉を信じろと?イフィスフィナとの関係は?兄妹とか言うなよ!懲り懲りだ!」

「私はイフィスフィナ様と盟友と言いましょうか…」

「盟友?」

「イフィスフィナ様は私を見て覚えていない様でした…」

「イフィスフィナが覚えてないのに盟友?おかしな話だな!」

「そうですね…ですが僕はビヌスの側近として潜入していたんです!
僕の話を聞いてください!
今から3時間前私はイフィスフィナ様と一緒にいました…
イフィスフィナ様は牢屋に閉じ込められた
あなたが持っているその六芒星の術式のありかをビヌスは聞き出そうとしましたがイフィスフィナ様は拒否したんです
そのせいでビヌス様によってイフィスフィナ様の左目は失いました」

「な?!」

「ですが左目は私が復元し治癒魔法で治したんです!それから僕はイフィスフィナ様と一緒に逃げ出す為魔王国を抜け出そうとしましたがビヌス様に見つかりイフィスフィナ様は…ビヌス様に……私も裏切り者として殺されそうになり必死で逃げてきました」

「ちょっと待て3時間前って言ったか?
……嘘だろ…3時間…今から3時間前」

俺は落胆した俺が起きたのは今から10分前とても3時間前に目覚める事はできない
俺はイフィスフィナを助ける事はできない…

「聞いてますか?どうしたんですか?」

こいつの話が本当ならイフィスフィナは助けられない

「無理だ…くそ……無理なんだよ!今から3時間前って俺は日が上り始めた所からしか目覚めないんだ!
今死んでも今から10分前にしか起きないんだよ!3時間前なんてとても…」

「ちょっと待ってください何の話を?」

「助けられない……」

その時
外からエルフが放った矢が飛んできた
俺は素手で鷲掴みにする

「エリシア様腕が燃えて…」

「平気さ…何だろうな……」

イフィスフィナが死んだ……俺のこれまでの事はなんだったんだ?ムダだったのか?

「エリシア様?」

「このモヤモヤはなんだ…イフィスフィナの顔なんて知らないし会った事もない…だがな」

「エリシア様なにを言って…」

「胸糞!殺す!!殺してやる!!!ビヌスと言ったな!なにが俺の兄だ!俺には兄なんていねぇ~殺す!俺をこんなくだらない争いに巻き込むんじゃねぇ!俺は異世界でハーレムしたいんだよ!終わらせる!一気に終わらせてやる!!」

再びエルフが放った矢がエリシアの心臓目がけて飛んでくる!
俺は矢を素手で掴んでへし折った

「エリシア様…」

「復讐だ!全ての魔物を俺が殺してやる!
1匹も残らず殺す!
ジェフティと言ったな!お前が言った事信じる信じるから俺に魔法を教えてくれないか?復讐してやる!」

「え?魔法ですか?どんな?」

「もちろん魔王を倒せるほどの魔法だ!一つでいい!一つだけ最強魔法を教えてくれ!」

「そう簡単にいきませんよ!僕の魔法なんて何年も何十年とかかるんですよ!初級魔法ですら何年かかるかわからないのに!僕の魔法は尚更無理ですよ!」

「大丈夫時間ならいっぱいある!できる!こなしてみせる!お前も復讐したいだろ!悔しくないのか!一緒にビヌスを倒そう!仲間になってくれ!」

「分かりました…僕も悔しいです!あなたに僕の魔法を伝授します!」

それから俺はエルフを倒しハルピュイアが襲ってくる時間までジェフティと共に魔法の訓練をした

「はぁはぁくそ…これが初級魔法なのか…
コントロールが難しい…魔力が手に纏ってるだけ………」

「まだ1日目ですよ!そう焦らずに!1日で魔力を纏う事ができただけでもすごい事ですよ!上出来です!これなら完成形もちかいですよ!これなら戦う事はできます!防御にもなるし攻撃にもなります!今できる最低限の戦闘はできるはずです!それに今私が教えてるのは初級魔法ではありません!」

「そうか…そうだな!慰めありがとな!」
俺は派手な魔法が使いたいんだが…ドバッと炎を扱いたい

「ジェフティもっと派手な炎魔法とか教えてくれないか?」

「へ?エリシア様であろう方が炎魔法使えないのですか?てっきり僕のオリジナル魔法が知りたいのかと!
ですがあのエリシア様がなぜ魔法が使えないのですか?」

「それはだな…俺はエリシアであってエリシアではないからだ!」

「へ?」

「そろそろだな…」

「そろそろ?」

ハルピュイアが俺たちの前に現れた

「来たな!お前が夜にくるのは都合がいい!助かったよ!時間ができる!」

「私がくるの知っていたのか?おや?私は運がいい裏切り者のジェフティもいるじゃないか!」

「ジェフティ勝てるか?」

「いえ…相手は四天王ですよ!とても僕1人ではどうしようもありません…せめて後1人いればなんとかなるのですが…

「そうかじゃジェフティ後でまた会おう!
こいつはいずれ俺が殺す!」

「へ?」

俺は持っていた斧で自分の首を切った

「ちょっと!なにを!!」

ハルピュイアも自ら命をたった俺に目が点になっていた

「エリシア様…どうして……」

「は?バカなのかこいつは?」

そして俺は死んだ



212回目



斧を持ったオークが忍び寄る

「起きろ!」
その声に俺は目覚める

俺は手に魔力を込めた手に魔力が纏う

「光った!」

オークが斧を振り下ろした
魔力を纏った手で防御した
斧は俺の手に当たりポッキッと折れる

「おお~魔力を纏ったからか?斧が折れた!スゲぇ痛くもねぇ!何だこれ!」

俺はそのままオークの顔面を掴み床に叩きつけた

“バァゴォン!!”“シューィン”
「ぐぉぉぉ!」

床にぽっかりと大きな穴が空きオークは下へ落ちていった底が見えないぐらい大きな穴が空いていた

「わぁお!スゲぇ威力!魔力纏っただけだぞ?」

やはり死んでも経験値は残る!
奴が現れるのは暗くなり始めた頃いつも暗くなってからそれまで魔法を覚え死んでこれを繰り返せば最強になれる!

それから俺はオークの大群が来る前に引き出しから六芒星の術式を取り出した

「そろそろか」

“パリーン”

「グオぉぉぉぉぉー」

俺は手に魔力を纏い大群のオークを殴りまくったオークは遥か彼方まで飛んだいった
そして誰もいなくなった

「ふぅ!威力が半端ないな!これだとハルピュイアにも通じるな!死を繰り返さなくてこのままでいけそうだ!」

「あの…何で僕の魔法を使え」

突然後ろから声が聞こえた

「うわぁぁ!」

俺はびっくりして咄嗟に殴ってしまった

「しまった…人間を…吹き飛ばして…
あれ?吹き飛んでない?」

声をかけたのはジェフティだったジェフティ
も腕に魔力を纏い俺の攻撃を防いでいた

「うぉ!スゲぇ!」

「何でエリシア様が僕の魔法使えるのですか?」

「お前!ジェフティじゃないか!起きたのか?」

「ええ気絶していたみたいでしたが音がうるさくてさすがに起きましたよ!」

俺の部屋は天井が崩れ綺麗な空が見えているこの建物はいまにも崩れそうな状況だった

「質問に答えてください!なぜ僕のオリジナル身体強化魔法使えるのですか?」

「ほうこれって身体強化魔法だったのか!」

「ええ身体強化魔法は誰でも使えるわけじゃありません!身体強化にも初級中級上級があるんです!あなたが使ったのは私の上級魔法!私が教えない限り使えないはずです!」

「おお~これって上級なのか!通りで威力が半端ねぇ!しかし死ぬ前はやっと纏える事ができた程度だったが?でも完璧に使えてる!俺完璧に使えてるぞ!これなら勝てる!」

「はぁ…なに言ってるんですか?見た限りそれで完成ではないですよ!」

「これで完成じゃない?じゃ完成形は?」

完成形はですねって教えないですよ!まず僕の質問に答えてください!」

「分かった!分かったって!そう興奮するな!」

俺は自分が転生者である事六芒星の術式で死に戻りになる事俺にとっては“昨日”の出来事を全て話した

「そうでしたか一度僕に会っているのですね!じゃ僕からイフィスフィナ様がどうなったのかも?」

「もちろん聞いたイフィスフィナは残念だったがジェフティ!一緒に復讐しよう!イフィスフィナの死を無駄にしたくない!この世の全ての魔物を殺してやる!」

その時
外からエルフが放った矢が飛んできた

「エリシア様危ない!」

ジェフティがエルフの放った矢を受け止めた
っていうより手に触れてもいないのに矢はその場で止まっている
ジェフティを見ると矢に向けて手をかざしていた
ジェフティが腕を振り下ろすと矢が“カラン”と床に落ちた

俺は信じられない光景を目の当たりにしていた

更に次から次へと矢が飛んできた

ジェフティは飛んできた矢に対して手をかざし全ての矢を止める!

「弓が止まってる?!ジェフティなにをしたんだ?」

飛んできた矢の方角を見ると木の上からエルフが2体ニヤニヤと笑っていた
ジェフティが手に魔力を纏うとその手をエルフに向ける
すると2体のエルフは宙に浮き地面に叩きつけられた

“バゴン!”

エルフは地面にめり込む

強い魔力に抑えられたエルフは起き上がることができない

段々と地面に亀裂が走る

“ペキペキぺキ”

エルフは更に地面にめり込んで押しつぶされた

“ペキペキぺキ”

エルフの全身の骨が折れる音が聞こえる
そのままエルフは魔力によって押しつぶされそのまま絶命した

「あ~あ痛そう!あれは全身の骨が粉々ですね!これがこの魔法の完成形です!あなたが使った魔法は入り口に過ぎません!物や生き物全て思いのまま操れます!」

俺はあいた口が塞がらなかった
俺は驚いたが……何より…

「…」

「これが僕のオリジナル魔法です!僕しか使えない魔法ですよ!最強です!」

ジェフティは自信満々で話す

「何でさ…」

「え?」

「こんなにさ……」

「え?エリシア様泣いているのですか?」

「なんでさ!こんなに強かったらさイフィスフィナを守れなかった!何で!」

俺はジェフティの強さを見てなぜか怒りと悲しさ虚しさが立ち込めていた

「お前こんなに強いならお前が魔王倒せるんじゃないのかよ!イフィスフィナを死なせずに助けられたんじゃないのかよ!」

思わず俺はジェフティに掴みかかってしまう

「…」

ジェフティは無言で俺を見ていた

「ちょっと!ちょっと!誰かそこにいるの?この状況はなに?なにがあったの?」

外を覗くと声をかけたのはセネだった

「なにがあったの?エルフがめり込んでるんですが?」

セネは見上げてこっちを見ていた
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