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帝国ウィンドール③六芒星

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再びエルフの炎の矢が飛び交う
全て俺に向かって飛んで来た
その矢はセネが全て弾き返してくれた

俺はそこから一歩も動けないそれは魔法の矢が見えないからでもある

俺にはこの魔法の矢が見えない…どうして…
まだレベルが追いついていないのか…
オークを二回倒したが二回だけじゃレベルが上がってない?オークよりエルフの方が強いのか…

セネが俺に話しかけてきた

「震えているの?そんな顔しないでエリシア大丈夫よ!私が守ってあげる!」

震えているの?って誰が?

俺は自身の手を見ると震えていた

俺…震えているのか?

セネに言われた「私が守ってあげる」その言葉が俺の胸に突き刺さった
エルフに殺されるよりその言葉は俺の心が苦しくぎゅっとなる…

その時だった今まで姿を見せなかったエルフが姿を現した

エルフは俺を見るなりニタニタ笑っていた

くっ姿を見せなくても俺に勝てるってか…
バカにしやがって殺す!絶対俺が殺してやる

だが俺にはレベル上げる時間なんてない

そうか!一旦死ぬか…
セネには悪いが巻き込むわけにはいかない

「セネ守ってくれてありがとな!
だがこれは俺の問題だセネは関係ない!
俺1人で戦う!」

「なによ今更!あなたとイフィスフィナ様は充分関係してるわ私にも関係あるわよ!」

「ふっそれはセネの憶測だろ?憶測で命を落とすな!俺は死んでもまたセネに君に会いに行く!」

そう言って俺は走り出した
森に向かって走り出す

助けてくれたセネの前で死ぬわけにはいかない!

「待って!森はエルフの領域なのよ」



※※※



はぁはぁどれくらい走った?
クソエルフめ遊んでやがる走ってる時だって殺せたはず…

俺は木々との間に身をかがめ隠れた

このエリアでいいだろう
さてここからどう動くただ死ぬだけじゃ…

「ごふっ!!なにぃぃ!」

身を潜めていたはずがエルフの矢が俺の胸を貫いた
その矢は俺の目の前の地面に突き刺さっていた

この位置に矢が…って事は後ろにいたのか…いつの間に…

そして続けざまに矢が俺の胸を突き刺す
その矢は俺から見て後ろの地面に矢が突き刺さっていた
前からも!!やはり複数いる!

俺はその場で崩れ落ちた

「ぐふっ…はぁはぁ首を切り落とされるよりイテェ…」

意識が薄れていく中俺の目の前にエルフが立っていた

おまえがエルフ!ははっいかにもって面だな!

エルフがベロを出して俺をバカにした

「その面覚えた絶対に殺す!」

至近距離でエルフは俺の頭を目がけ炎の矢で頭を撃ち抜いた

俺は死亡した



※※※



171回目

斧を持ったオークが忍び寄る

「起きろ!」
その声に俺は目覚める

よし戻った!

オークが斧を振り下ろした
それを俺はかわす

やってみるしかない!

斧を持っていたオークの腕を掴み枝を折るように膝を使ってオークの腕をへし折った

“ボキ!”
「ぐぉぉ!」

オークは斧を落とす
俺は斧を手に取りオークの頭をかち割った

“ゴキッ!”
鈍い音がなる

よし!オークを倒す事できた…
もうオークには慣れたな…
あとは大群のオークが来るのを待つ!
かなりの大群だが俺にできるか?

「…」

なんだ?…まだ来ないんだな…意外と時間に余裕がある…時間が遅く感じる…

俺は大群のオークが来るまで部屋を細かく調べた
引き出しの中を開けると紙が入っておりその紙には見たことがない記号が描かれていた
中心に円がありその内部に六芒星が描かれている

これは?なんの図形だ?

“パリーン”

その時オークが入ってきた

「はぁ…はいはいナイスタイミングだねぇ!」

ちょうど10体!数える余裕がある
落ち着いてる…

ブタの攻撃パターンは全て覚えてるイケる!
そもそも攻撃すら与えない!

俺は飛びかかってきたオークを相手に手に入れた斧で10体もろとも切り刻んだ!

もうお前の相手してらんねーんだよ!
俺はオークの群を全滅させた

「くっ…イテェぇ1発喰らったか…」

俺はオークの攻撃で左手首を切り落とされていた

「まぁ生きてるだけで良しとしようかな…」

さてとこれを早くセネに見せないと…
セネなら分かるはず

「いや…オーク相手に手首を切り落とされたらエルフにも勝てないオークを倒す事で経験値が上がるんだったらもう一度死んで倒す!」

俺は自分が持っていた斧で首を切って自害した

これは一か八かだ!自らの意思で死んでも蘇るのか…

そして俺は死んだ
それから俺は172回目と自ら死んでも目覚めることができた!
何度も死んでは繰り返した
俺は22回も繰り返し死んだ




※※※



194回目

ふぅ~ここまで長ぇ!アニメならこれはダイジェストだな!
22回も死んでここまで分かった事がある
このオークも俺だけ狙って襲っていた事だ!
俺が早めに外に出たせいで住人達が戦ってくれていたんだ!はなからオークは俺にしか狙ってなかったって事!
それと経験値を得てレベルが上がると怪我が治った事
ありきたりだな!まぁでもこれで助かる!
レベルが上がった事にも気づきやすいし!

くっ!にしても!
俺がなにしたって言うんだよ!
オークといいエルフといい襲いかかりやがって!

そこへセネが駆け寄ってくるのが見えた

「あなた大丈夫?治癒魔法かけてあげます!」

「いや大丈夫!怪我はしてない!」

「びっくりしたよ!窓ガラスが割れたと思ったら飛び降りるんだから!私はセネよ!あなたは?」

「俺はエリシア!」

「エリシア?あなたがエリシアなの?じゃぁ私の妹は…」

俺はセネの話を遮った手紙に記載された記号を見せた
悪いセネの質問はもう知っているから

「質問はあとだ俺が質問する!これ!見ろ!俺が目を覚ました時この建物の中でこれをみつけた何かわかるか?」

「え?これって…」

セネは手を小刻みに振るわせていた

「六芒星…」

「六芒星になんの意味がある?」

その記号は中心に円がありその内部に六芒星が描かれている

「これは術式!?そんな…そんなはず…これが術式ならやばいわね…」

「おい!自分だけ納得するなよ!なんなんだよこれは?ちなみに俺は死に戻りができる死んだらまた同じ日を迎えるんだ!それと関係あるか?」

「え?死に戻り?嘘でしょ?」

「嘘言ってどうする?今のお前は俺と初対面だ!初対面で嘘言う意味ないだろ?」

「そうね…」

「で?なんなんだこれは!」

「これがなんの術式かは分からない…」

「はぁ?なんだよそれ!さっきやばいって!」

「これは六芒星って言って使っちゃダメな術式なの!いや…今の所イフィスフィナ様しか使えない術式…いわばイフィスフィナ様の六芒星!まさか六芒星が完全に完成した?」

「ちょっと待てよくわかんねぇ!」

「これがあなたが持ってるって事はこの術式あなたのために使った事になる!」

「俺の為?なんで?」

「こっちが聞きたい!」

「この六芒星の術式を見たのは2度目!
一度はイフィスフィナ様が実験している時その時はまだ未完成だった!これがここにあるって事は術式が発動しているわ!」

「それってつまり死に戻りの術式?」

「うーんどっちだろ…この六芒星は肉体と魂の調和と言われているの!全く関係ない術式だってあり得る!もっと強大な術式だって…じゃなきゃイフィスフィナ様が六芒星の術式を使うはずない!やばいって言ったのは六芒星の術式を使うほどやばい事態が起きているってことよ!」

「なんだよ曖昧な言い方して結局断定できないって事か…」

「それほど難しいのよこの六芒星の術式は!もう少しこの術式を調べてみないと分からない…」

クソまだ話し足りないけどそろそろか…
エルフが来る!

「悪い!俺これから用がある!この術式あげる!俺が持っててもわかんねぇーし」

「ちょっと待って!どこいくのよ!」

「帝国…」

「え?なに?」

「帝国で落ち合おう!こっちの用が片付いたら帝国に行く!まだ聞きたいことあるからな!」

たとえ俺を狙っているとはいえ住人に被害が出ない保証はねぇ!住人やセネを危険な目には合わせない
もう助けてあげるって言われないように強くなりたい!俺は強くなる!待ったろクソエルフ!

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