上 下
11 / 15

11話

しおりを挟む
打ち明けたその日から彼はずっと落ち込んだまま
落ち込んでるのを見て優しい言葉をかけれずにボーと2人でソファーに座っていたそんな毎日が続いていた

「あ!時間だ…行かなきゃ」

「どこに行くの?」

「一緒に行こう!」

「星を見に行くの!」

「は?今この状況で?」

「この状況だから行くの!」

「そんな気分じゃ無い…」

「そんな気分だから行くの!」

「俺何も考えられない…」

「もう!だから行くのってば!」

「1人で行って来て…」

「私が不審者に出くわしたらどうすんのよ!守ってよ!」

「大丈夫…不審者の方から逃げるよ…」

「は!?どういう意味よ!」

「ハハ冗談だよ!それに俺幽霊だぜどう守るんだよ!」

「側にいるだけで良い…安心する…」

「分かったよ行くよ!」

私は強引に彼を連れいつもの公園で星を見に出かけた

2人は空を見上げる

「す…すごいな相変わらず綺麗だ」

「でしょ!来て良かったでしょ!」

「ああ!綺麗だこの前見た時と全然違うどうして?」

「もやがなく空がよく晴れているときでも満月やそれに近いときには月の光にじゃまされて暗い星は見えにくくなるけど今日は良く見える日なんだ!月の光でも左右されるのよ!」

「そのちょっとした月の光で影響してるのか?」

「うん!面白いでしょ?」

「ああ!こんな景色初めて見た癒されるよ幽霊なのにこんなに悩むなんてバカみたいだな」

「そんな事ない幽霊だろうと生きてる人間だろうと何ら変わらないよ見てる物が違うだけ」

「…」

「この時間だけが見てる物が一緒なんだよ2人だけの景色」

「本当にありがとな今までありがとう2人で過ごした時間忘れないよ!この星の様にミクを見守ってるよ」

「うん!私も一緒にいて楽しかった今までありがとう」

「じゃそろそろだな行くよ…」

「うん……ってえ?どこに?」

「どこにって俺自分で幽霊って気づいたら消えるんだろ?」

「え?消えないよ?びっくりした!いきなり締めようとしないでよ!今のドラマの最終話みたいで驚いたよ!」

「え?消えないの?」

「うん!消えない!“この星の様にミクを見守ってるよ“ってドラマのセリフでも言わないよ!」

「わぁ!恥ずかしい消えないのかよ消えるもんだと思って勇気を振り絞って言ったのに!」

「聞いてるこっちが恥ずかしかった!でも嬉しい!今まで誰にも言われた事ない言葉!大事にするね!」

「じゃ今日も一緒にいられるのか?」

「うん!一緒だよ!」

「本当に?」

「うん!本当!」

「嘘だよね?」

「嘘じゃないよ!」

「嘘だ!消えるだろ?」

「もうしつこい!消えないよ!」

「こういう時ってみんな嘘つくじゃん!」

「それどういう時だよ!」

「ぷっ!」

「ハハ!」

「元気でた?」

「元気でた!」

「ありがとうな!本当ありがとう!ありがとう」

「それもしつこい!そんな言われたら照れる!でもそれは悪い気しないじゃ行こう」

「どこに?」

「帰ってビール飲む!」

「致死量くらい飲んでね!」

「嫌…俺…もう死んでるんだって!」


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

最近様子のおかしい夫と女の密会現場をおさえてやった

家紋武範
恋愛
 最近夫の行動が怪しく見える。ひょっとしたら浮気ではないかと、出掛ける後をつけてみると、そこには女がいた──。

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。

五月ふう
恋愛
 リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。 「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」  今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。 「そう……。」  マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。    明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。  リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。 「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」  ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。 「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」 「ちっ……」  ポールは顔をしかめて舌打ちをした。   「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」  ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。 だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。 二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。 「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」

(完結)元お義姉様に麗しの王太子殿下を取られたけれど・・・・・・(5話完結)

青空一夏
恋愛
私(エメリーン・リトラー侯爵令嬢)は義理のお姉様、マルガレータ様が大好きだった。彼女は4歳年上でお兄様とは同じ歳。二人はとても仲のいい夫婦だった。 けれどお兄様が病気であっけなく他界し、結婚期間わずか半年で子供もいなかったマルガレータ様は、実家ノット公爵家に戻られる。 マルガレータ様は実家に帰られる際、 「エメリーン、あなたを本当の妹のように思っているわ。この思いはずっと変わらない。あなたの幸せをずっと願っていましょう」と、おっしゃった。 信頼していたし、とても可愛がってくれた。私はマルガレータが本当に大好きだったの!! でも、それは見事に裏切られて・・・・・・ ヒロインは、マルガレータ。シリアス。ざまぁはないかも。バッドエンド。バッドエンドはもやっとくる結末です。異世界ヨーロッパ風。現代的表現。ゆるふわ設定ご都合主義。時代考証ほとんどありません。 エメリーンの回も書いてダブルヒロインのはずでしたが、別作品として書いていきます。申し訳ありません。 元お姉様に麗しの王太子殿下を取られたけれどーエメリーン編に続きます。

結婚一年目の夫婦ですが愛はありません

杉本凪咲
恋愛
「ニル。僕は彼女を愛している。離婚してくれ」 不倫を目撃した私に、夫は冷たい声でそう言った。 それは結婚一年目の出来事だった。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

【完結】ええと?あなたはどなたでしたか?

ここ
恋愛
アリサの婚約者ミゲルは、婚約のときから、平凡なアリサが気に入らなかった。 アリサはそれに気づいていたが、政略結婚に逆らえない。 15歳と16歳になった2人。ミゲルには恋人ができていた。マーシャという綺麗な令嬢だ。邪魔なアリサにこわい思いをさせて、婚約解消をねらうが、事態は思わぬ方向に。

天使と狼

トウリン
恋愛
女癖の悪さに定評のある小児科医岩崎一美《いわさき かずよし》が勤める病棟に、ある日新人看護師、小宮山萌《こみやま もえ》がやってきた。肉食系医師と小動物系新米看護師。年齢も、生き方も、経験も、何もかもが違う。 そんな、交わるどころか永久に近寄ることすらないと思われた二人の距離は、次第に変化していき……。 傲慢な男は牙を抜かれ、孤独な娘は温かな住処を見つける。 そんな、物語。 三部作になっています。

選ばれたのは美人の親友

杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。

処理中です...