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第三話 【依頼】 4
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「霧厳山脈の由来、ですって?」
街のほぼ出口に位置するレブセレムの駅に到着し、市街地を抜けることなく広漠の地を歩く。以前と比べて整備された道とはいえ、砂利や土煙が目に染みる。
霧厳山脈は歩を進めるごと大きさを増していくように感じられ、霧に隠れるその影は、威圧感を放つように連なり、空を覆う。
かつて様々な難所にて魔法石を狩ってきたが、霧厳山脈の依頼はさらに難易度が高い場所といえるだろう。
つまるところ、いかに戦闘の心得がある優とゼルフィユでも危険なものになるということは、知っておかなければならない事実であった。
「そんなもん字の如くだろ。しかも見れば分かる。いつでも濃い霧があの山脈を覆ってるからだろうが」
「確かにそうだ、だが完全な解答じゃない。あれは山脈を覆ってるどころじゃない。“あの山脈は霧で出来ている”」
ゼルフィユが訝しげにギルドルグを見る。
「あくまでこれは比喩だけどな。ただそう言わしめるほどの現象があそこでは起きる。あの山脈の霧は不規則にその形を変える。その存在すら分からない日もあれば、一部のみにしか霧がかかっていない日もある」
「見たことはもちろんあるわ。あの山脈自体が意思を持っているかのように姿を変える。まるで人の侵入を拒むように」
「え、そうなのか。俺全然気にしたことなかったんだけど」
お前はもう少し周りを見ろ、とギルドルグは呟く。
「まぁ、そうなんだ。あの山脈は人を拒む。ずっと霧があるどころじゃねぇ、全くの不規則で霧の規模、濃淡、形状まで変わっちまう。つまりいつ何が起こるのかは予測がつかねぇ。今もこっちまで霧が来はじめてるしな。しかも問題なのは山の霧だけじゃない」
「……どういうこと?」
「国境警備軍だよ」
エルハイム国境警備軍、霧厳山脈駐屯部隊。
過去の“とある戦争”からその価値を見出され編成された、国境の警備にあたる軍、その霧厳山脈に駐屯する部隊である。
現在エルハイム帝国は東と北、二つの国家と国境を接しており、その両方に警備軍が整備されている。しかし過去の戦争の経緯から、軍の主力部隊は北側、つまり霧厳山脈駐屯部隊に集められている。
「別に殺されるわけじゃないだろうが、奴らに見つかったら面倒なことになる。拘束されて、下手に時間を食うのはめんどうだ」
「だが霧厳山脈は仮にも国境だぜ? 軍に言って協力してもらえばいいじゃねぇか」
「考えてもみろよ。軍と協力できるなら最初からそうすればいい話だ。しかも目的地の目と鼻の先に軍がいるんだからな」
「つまりそれが出来ない何らかの理由があった――そういうことね?」
「あぁ。第一宝狩人は顧客の情報は守らないといけないしな。下手に何も知らない一般兵に知られるわけにはいかない」
とは言ったものの、このことを軍の責任者なりなんなりに預けて、もう関わりを絶ってしまった方がいいと、ギルドルグの中の何かが警鐘を鳴らす。
彼は改めて考えてみた。
軍にまで秘密にしておかなくてはならない秘密。それを自分たちのような宝狩人に頼んでいくというのは、一体何のつもりだろうか。
本当に、ライオンハートが霧厳山脈に隠されているというのか。
それとも何か、全く別の事情が存在するのか。
「で、どうすんだ。山脈はもうしばらく行けば入っちまうが、もうすぐ日暮れだぞ? 真夜中の探索は危険じゃねぇのか?」
「いいや違う。むしろ基本的に宝狩りは夜にやるもんだぜ?」
優が気になったのかギルドルグの方を向く。
確かに夜の探索は何事でもあり得ないことだが、宝狩人の常識では違う。
「さっきも言った宝石光は、生まれる瞬間だけではなく不規則に再び光を灯す時がある。それを目印に宝狩人は移動するんだ。昼に宝石光があってもとてもじゃねぇがわからねぇ。だから夜に探索して、その宝石光が現れる時まで動き続けるのさ」
「それでも夜の探索は危険じゃないかしら?」
「俺も経験が浅い内は怖かったが、慣れると案外昼とそう変わらねぇ。しかも今回の目的地は霧の深い場所ときてる。昼にやっても完全に意味はねぇし、夜に動くことにしたのさ。というかゼルフィユもお前も別に大丈夫だろ。死んでも死ななそうなツラしてやがるし、お前に至っては危険じゃないかしら? じゃねぇよ。お前のが危険だよ」
「あら、こんな普通の美人に対して失礼ね。八つ裂きにするわよ」
「普通の美人はそんな物騒なこと言わねぇよ」
ていうか自分で自分を美人と言うな。
確かに美人だけど。
しかし優がまた調子に乗るので、ギルドルグは言葉には出さずに再び前を向いた。
ゼルフィユが不審げな目で彼の方を向いているが、出会った時からこの調子なので特に気にしないことにした。
「だが今回はただの山ならまだしも、山脈ときた。しかもこの国最大の難所ともいえる、霧厳山脈だ。そう簡単に終わるとは思わない方がいいぜ」
「つーかよぉ、山脈なんざくまなく探すのに何年かかるってんだよ。宝石一個を見つけるなんざ不可能じゃねぇの?」
「宝石光は確かに不定期だが、そこまで長い間光らないわけじゃない。せいぜい1日か2日おきってとこだな。そしてありそうな場所ってのは大体見当がつく。そこにはなんらかの人為的な跡が残っている」
「それは……何者かが置いていくから、ということかしら?」
「祠や洞窟なんかに供えてある宝石に魔力が宿って魔法石になるのさ。詳しい原理は知らんけどな。そして魔宝石はしばらくの間光を放つ。その光は内包する魔力に比例して大きくなる。何日たっても光がなけりゃ、なかったものもしくはハントするに値しなかったとして依頼人に報告だ。それでおしまい」
つまり宝狩りの際、覚えておくべきことは二つのみ。
魔宝石から放たれる宝石光を見逃さずに移動すること。そして人為的な痕跡が見つかった場合、その付近に魔宝石が存在することが多い、この二つのみである。
「で、国境警備軍の話に戻らせてもらうが」
霧厳山脈を正面に捉える、三人の視界の右端。柵に囲まれた土地が存在しており、巨大な建物も数軒見える。
その柵に囲まれた空間こそ、国境警備軍の駐屯地である。
ただ人の気配はない。彼らは人がいるなら目視で把握できるギリギリの距離を歩いているつもりだが、どうやらその必要はなかったらしい。
「今は見つかってはいないようだし、急いでここから距離をとるか」
「幸運だったよな、あいつらがいなくて。もし鉢合わせなんかしたらだるいしよ」
「そうね。本当にそう。急いで霧厳山脈に入ることに異存はないわ、霧もこっちまで出てきたことだし」
「霧が出てきたのは不安だが、これに乗じて入山するぞ。もうすぐ日が暮れるし、隠れやすい場所を探して野営するからな」
彼らは歩くペースを上げて、駐屯地が完全に見えなくなるまで移動を続けた。幸い一度も軍に見つかることはなく、旅路は安全そのものだった。
しかし彼らは全く気付いていなかった。おかしいとさえ感じていなかった。
本来山の霧が、駐屯地近くの平地まで来るのはありえない。そして何より、霧厳山脈の入山口と駐屯地との間に、駐屯地が見えなくなる場所など存在しない。
国境警備軍の気配がなかったのも、この異常事態に緊急招集がかかり、会議が行われていたからであるとは三人は思いもしなかった。この異常が、過去の戦争の再来かと疑われていることなど、三人は考えもしなかった。
全ては、だんだんと深くなる霧が、三人を包んでいったからだ。
この地を覆う不安のように。彼らを誘うように。
街のほぼ出口に位置するレブセレムの駅に到着し、市街地を抜けることなく広漠の地を歩く。以前と比べて整備された道とはいえ、砂利や土煙が目に染みる。
霧厳山脈は歩を進めるごと大きさを増していくように感じられ、霧に隠れるその影は、威圧感を放つように連なり、空を覆う。
かつて様々な難所にて魔法石を狩ってきたが、霧厳山脈の依頼はさらに難易度が高い場所といえるだろう。
つまるところ、いかに戦闘の心得がある優とゼルフィユでも危険なものになるということは、知っておかなければならない事実であった。
「そんなもん字の如くだろ。しかも見れば分かる。いつでも濃い霧があの山脈を覆ってるからだろうが」
「確かにそうだ、だが完全な解答じゃない。あれは山脈を覆ってるどころじゃない。“あの山脈は霧で出来ている”」
ゼルフィユが訝しげにギルドルグを見る。
「あくまでこれは比喩だけどな。ただそう言わしめるほどの現象があそこでは起きる。あの山脈の霧は不規則にその形を変える。その存在すら分からない日もあれば、一部のみにしか霧がかかっていない日もある」
「見たことはもちろんあるわ。あの山脈自体が意思を持っているかのように姿を変える。まるで人の侵入を拒むように」
「え、そうなのか。俺全然気にしたことなかったんだけど」
お前はもう少し周りを見ろ、とギルドルグは呟く。
「まぁ、そうなんだ。あの山脈は人を拒む。ずっと霧があるどころじゃねぇ、全くの不規則で霧の規模、濃淡、形状まで変わっちまう。つまりいつ何が起こるのかは予測がつかねぇ。今もこっちまで霧が来はじめてるしな。しかも問題なのは山の霧だけじゃない」
「……どういうこと?」
「国境警備軍だよ」
エルハイム国境警備軍、霧厳山脈駐屯部隊。
過去の“とある戦争”からその価値を見出され編成された、国境の警備にあたる軍、その霧厳山脈に駐屯する部隊である。
現在エルハイム帝国は東と北、二つの国家と国境を接しており、その両方に警備軍が整備されている。しかし過去の戦争の経緯から、軍の主力部隊は北側、つまり霧厳山脈駐屯部隊に集められている。
「別に殺されるわけじゃないだろうが、奴らに見つかったら面倒なことになる。拘束されて、下手に時間を食うのはめんどうだ」
「だが霧厳山脈は仮にも国境だぜ? 軍に言って協力してもらえばいいじゃねぇか」
「考えてもみろよ。軍と協力できるなら最初からそうすればいい話だ。しかも目的地の目と鼻の先に軍がいるんだからな」
「つまりそれが出来ない何らかの理由があった――そういうことね?」
「あぁ。第一宝狩人は顧客の情報は守らないといけないしな。下手に何も知らない一般兵に知られるわけにはいかない」
とは言ったものの、このことを軍の責任者なりなんなりに預けて、もう関わりを絶ってしまった方がいいと、ギルドルグの中の何かが警鐘を鳴らす。
彼は改めて考えてみた。
軍にまで秘密にしておかなくてはならない秘密。それを自分たちのような宝狩人に頼んでいくというのは、一体何のつもりだろうか。
本当に、ライオンハートが霧厳山脈に隠されているというのか。
それとも何か、全く別の事情が存在するのか。
「で、どうすんだ。山脈はもうしばらく行けば入っちまうが、もうすぐ日暮れだぞ? 真夜中の探索は危険じゃねぇのか?」
「いいや違う。むしろ基本的に宝狩りは夜にやるもんだぜ?」
優が気になったのかギルドルグの方を向く。
確かに夜の探索は何事でもあり得ないことだが、宝狩人の常識では違う。
「さっきも言った宝石光は、生まれる瞬間だけではなく不規則に再び光を灯す時がある。それを目印に宝狩人は移動するんだ。昼に宝石光があってもとてもじゃねぇがわからねぇ。だから夜に探索して、その宝石光が現れる時まで動き続けるのさ」
「それでも夜の探索は危険じゃないかしら?」
「俺も経験が浅い内は怖かったが、慣れると案外昼とそう変わらねぇ。しかも今回の目的地は霧の深い場所ときてる。昼にやっても完全に意味はねぇし、夜に動くことにしたのさ。というかゼルフィユもお前も別に大丈夫だろ。死んでも死ななそうなツラしてやがるし、お前に至っては危険じゃないかしら? じゃねぇよ。お前のが危険だよ」
「あら、こんな普通の美人に対して失礼ね。八つ裂きにするわよ」
「普通の美人はそんな物騒なこと言わねぇよ」
ていうか自分で自分を美人と言うな。
確かに美人だけど。
しかし優がまた調子に乗るので、ギルドルグは言葉には出さずに再び前を向いた。
ゼルフィユが不審げな目で彼の方を向いているが、出会った時からこの調子なので特に気にしないことにした。
「だが今回はただの山ならまだしも、山脈ときた。しかもこの国最大の難所ともいえる、霧厳山脈だ。そう簡単に終わるとは思わない方がいいぜ」
「つーかよぉ、山脈なんざくまなく探すのに何年かかるってんだよ。宝石一個を見つけるなんざ不可能じゃねぇの?」
「宝石光は確かに不定期だが、そこまで長い間光らないわけじゃない。せいぜい1日か2日おきってとこだな。そしてありそうな場所ってのは大体見当がつく。そこにはなんらかの人為的な跡が残っている」
「それは……何者かが置いていくから、ということかしら?」
「祠や洞窟なんかに供えてある宝石に魔力が宿って魔法石になるのさ。詳しい原理は知らんけどな。そして魔宝石はしばらくの間光を放つ。その光は内包する魔力に比例して大きくなる。何日たっても光がなけりゃ、なかったものもしくはハントするに値しなかったとして依頼人に報告だ。それでおしまい」
つまり宝狩りの際、覚えておくべきことは二つのみ。
魔宝石から放たれる宝石光を見逃さずに移動すること。そして人為的な痕跡が見つかった場合、その付近に魔宝石が存在することが多い、この二つのみである。
「で、国境警備軍の話に戻らせてもらうが」
霧厳山脈を正面に捉える、三人の視界の右端。柵に囲まれた土地が存在しており、巨大な建物も数軒見える。
その柵に囲まれた空間こそ、国境警備軍の駐屯地である。
ただ人の気配はない。彼らは人がいるなら目視で把握できるギリギリの距離を歩いているつもりだが、どうやらその必要はなかったらしい。
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しかし彼らは全く気付いていなかった。おかしいとさえ感じていなかった。
本来山の霧が、駐屯地近くの平地まで来るのはありえない。そして何より、霧厳山脈の入山口と駐屯地との間に、駐屯地が見えなくなる場所など存在しない。
国境警備軍の気配がなかったのも、この異常事態に緊急招集がかかり、会議が行われていたからであるとは三人は思いもしなかった。この異常が、過去の戦争の再来かと疑われていることなど、三人は考えもしなかった。
全ては、だんだんと深くなる霧が、三人を包んでいったからだ。
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