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ジークフリード編
43話 異世界なんかで試練なんて受けたくないけど9 試練2 百足の砂漠
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試練の書の枠はあと2つ。
そのうちの1つ『スケードサボテン』を探しアイズ達は神殿内を歩いていた。
「さっきから小型の魔物ばっかりだぜ」
アイズは少し不満そうにしながら歩いていた。
「お目当ての魔物はなかなか現れませんね」
ガイアもアイズに共感し、少し不満そうな顔をした。
「こればっかりはしょうがないっす。初めて来た場所で初めての魔物と戦うんすから」
ヒュプノスがフォローしたが、ヒュプノスもまた焦りを感じていた。
「みんなもう試練終わったかもな」
「どうでしょうね。皆さん苦戦しているんじゃないですか?」
この試練でアイズとガイアは少しずつ打ち解け、以前敵であったことを忘れつつあった。
「早くこの試練をクリアしてみんなに会いに行くっす!十夜きゅん待っててくださいっす!」
ヒュプノスは拳を突き上げながら気合を入れるように言った。
「人探しの依頼はもう出したんだよな?」
「はい。ですが、いるかいないかも曖昧な依頼を受けてくれる方はいるのでしょうか」
実際アイズ達以外の全員が対象となる依頼。
いるかいないか曖昧な約10人を探してくれる人などそうそういないだろうと3人はあまり期待していなかった。
「とにかく今はこのまま先を進み続ける他ありません」
3人は足を早め先を進んだ。
「あそこになんかあるっす!」
少し歩いた後ヒュプノスが指さした方向を見るとそこには先の見えないどこかへと繋がる通路があった。
「不自然ですね、この先もまだ道は続いているのにここにも別の通路があるなんて」
「だが感じるぜ、この先に何かいる」
アイズは野生の勘なのか少しヒリついた空気を感じていた。
「奥に協力な魔物がいるかもしれませんね」
「なら試練の書の為にも行くしかないっす」
3人は武器を構え警戒しながら通路へと入っていった。
「暗いっすね」
等間隔で松明が置かれているが先はうっすらとしか見えない程に長い。
ヒュプノスが前でシールドバンカーを構えアイズとガイアは左右と後方を警戒していた。
「2人とも、やばいぜ」
アイズが冷や汗をかきながら呟いた。
「どうしたんですか」
「向こうから大量に来やがるぜ...」
アイズの言葉にヒュプノスとガイアにも緊張が走った。
「やばくないっすか?」
多数の足音と共に前方から無数のサボテンが走ってきた。
「もしやあれが『スケードサボテン』という魔物でしょうか。数はおそらく——」
「100体以上だな」
3人は同時に息を飲み武器を強く握りしめた。
「行くぞ!」
「はいっす!」
「あぁ」
アイズの声と同時に3人は一斉にスケードサボテンへと走っていき戦闘を開始した。
「おらぁ!」
3人はなるべく固まり、アイズとガイアは攻撃を、ヒュプノスは2人を守る盾となり援護した。
「エアカッティング!」
「スネークナックル!」
2人の同時攻撃が敵を一掃していく。
「このペースなら行けそうだな...」
アイズは少し息を切らしながらも余裕の笑みを浮かべた。
「息切れしてませんか...まあもうひと頑張りすれば倒せそうですけど...」
「ガイアもしんどそうっす」
3人は背中を合わせに会話をした。
「いくぞ——!」
その瞬間先程までいたスケードサボテンが切り刻まれ3人も数メートル吹き飛ばされていた。
「今何が起こったんだ!」
「あいつのせいっす...」
ヒュプノスの目線の先には巨大なスケードサボテンが仲間を食らっていた。
「危なかったっす。あいつ凄まじく早かったっす。防ぎきれてなかったらおそらく私達死んでたっす...」
「ヒュプノス、ありがとうございます」
そう言ってガイアが立ち上がりヒュプノスとアイズに手を貸した。
「2人とも、防御は私に任せるっす。思う存分暴れてくださいっす」
ヒュプノスがガイアとアイズの前で再びシールドバンカーを構えた。
「2人ともいくぞ!」
アイズの言葉と同時に3人がいっせいに走り出した。
そのうちの1つ『スケードサボテン』を探しアイズ達は神殿内を歩いていた。
「さっきから小型の魔物ばっかりだぜ」
アイズは少し不満そうにしながら歩いていた。
「お目当ての魔物はなかなか現れませんね」
ガイアもアイズに共感し、少し不満そうな顔をした。
「こればっかりはしょうがないっす。初めて来た場所で初めての魔物と戦うんすから」
ヒュプノスがフォローしたが、ヒュプノスもまた焦りを感じていた。
「みんなもう試練終わったかもな」
「どうでしょうね。皆さん苦戦しているんじゃないですか?」
この試練でアイズとガイアは少しずつ打ち解け、以前敵であったことを忘れつつあった。
「早くこの試練をクリアしてみんなに会いに行くっす!十夜きゅん待っててくださいっす!」
ヒュプノスは拳を突き上げながら気合を入れるように言った。
「人探しの依頼はもう出したんだよな?」
「はい。ですが、いるかいないかも曖昧な依頼を受けてくれる方はいるのでしょうか」
実際アイズ達以外の全員が対象となる依頼。
いるかいないか曖昧な約10人を探してくれる人などそうそういないだろうと3人はあまり期待していなかった。
「とにかく今はこのまま先を進み続ける他ありません」
3人は足を早め先を進んだ。
「あそこになんかあるっす!」
少し歩いた後ヒュプノスが指さした方向を見るとそこには先の見えないどこかへと繋がる通路があった。
「不自然ですね、この先もまだ道は続いているのにここにも別の通路があるなんて」
「だが感じるぜ、この先に何かいる」
アイズは野生の勘なのか少しヒリついた空気を感じていた。
「奥に協力な魔物がいるかもしれませんね」
「なら試練の書の為にも行くしかないっす」
3人は武器を構え警戒しながら通路へと入っていった。
「暗いっすね」
等間隔で松明が置かれているが先はうっすらとしか見えない程に長い。
ヒュプノスが前でシールドバンカーを構えアイズとガイアは左右と後方を警戒していた。
「2人とも、やばいぜ」
アイズが冷や汗をかきながら呟いた。
「どうしたんですか」
「向こうから大量に来やがるぜ...」
アイズの言葉にヒュプノスとガイアにも緊張が走った。
「やばくないっすか?」
多数の足音と共に前方から無数のサボテンが走ってきた。
「もしやあれが『スケードサボテン』という魔物でしょうか。数はおそらく——」
「100体以上だな」
3人は同時に息を飲み武器を強く握りしめた。
「行くぞ!」
「はいっす!」
「あぁ」
アイズの声と同時に3人は一斉にスケードサボテンへと走っていき戦闘を開始した。
「おらぁ!」
3人はなるべく固まり、アイズとガイアは攻撃を、ヒュプノスは2人を守る盾となり援護した。
「エアカッティング!」
「スネークナックル!」
2人の同時攻撃が敵を一掃していく。
「このペースなら行けそうだな...」
アイズは少し息を切らしながらも余裕の笑みを浮かべた。
「息切れしてませんか...まあもうひと頑張りすれば倒せそうですけど...」
「ガイアもしんどそうっす」
3人は背中を合わせに会話をした。
「いくぞ——!」
その瞬間先程までいたスケードサボテンが切り刻まれ3人も数メートル吹き飛ばされていた。
「今何が起こったんだ!」
「あいつのせいっす...」
ヒュプノスの目線の先には巨大なスケードサボテンが仲間を食らっていた。
「危なかったっす。あいつ凄まじく早かったっす。防ぎきれてなかったらおそらく私達死んでたっす...」
「ヒュプノス、ありがとうございます」
そう言ってガイアが立ち上がりヒュプノスとアイズに手を貸した。
「2人とも、防御は私に任せるっす。思う存分暴れてくださいっす」
ヒュプノスがガイアとアイズの前で再びシールドバンカーを構えた。
「2人ともいくぞ!」
アイズの言葉と同時に3人がいっせいに走り出した。
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