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ルセラ編

4話 異世界なんかで恋したくないけど2

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 “おい大丈夫か?”

 なんだこの声どこかで聞いたことあるような

 “おーい十夜さん?いきてます?”

 うるせー生きてるよ今日会ったばっかなのに久しぶりに思えるよ 魔王。

「って、魔王!」

「おーようやく起きたか」

「ようやく起きたかってあんた!なんで俺の前に!」

「落ち着け、ここはお前の夢の世界だ誰にも聞こえないし聞けない。少し剣の事で話しがあってな」

 確かに周りを見ると何も無い真っ白な空間だった。
 体の自由はきくがフワフワとして不思議な感じだ。

「というかなんでこんなとこに」

「お前は勇者なのに女に抱きつかれたぐらいで倒されるのか?」

 そうだった。俺をフラネさんに抱きつかれてそのまま気絶したんだった。

「そういや魔王に聞きたい事があったあんた名前なんて言うんだ?後この件はなんなんだ?」

「言ってなかったな。俺は『魔王サタン』だ」

「え?それだけ?」

 シンプルすぎるというか何も考えてなさそうな名前というか考えてそれなのか。

「他には無いのかよシンプルすぎんだろ」

「ぐはっ!」

 そういうと魔王は口から血をはいた。

「もっと魔王らしい名前無かったのかよ」

「ぐはっ!」

 またはいた。もうこれだけで倒せるんじゃないか?
 魔王が冗談より先に血を吐くとはな。

「今のだけで俺は倒されそうだ」

 うわ。冗談も吐いた。

「いやあんた弱すぎでしょ。っで剣の話は」

「そうだ、あの剣は魔剣ダーインスレイブと言ってな」

「いやちょっとまてー!」

 魔王の話を遮るなんて普通に生きてたらできる体験じゃない。良い経験になった。

「駆け出しの冒険者に、てか勇者に魔剣をいきなり持たせるな!自分でもよく分かんないくらい強かったのはそれが理由か!」

「そうかそれはすまん!」

 気持ちがこもってないな。まあ魔剣のおかけで死なずにすんだし何も言うまい。

「それでお前が持ってるそのダーインスレイブは主人の怒りに反応して初めて力を発揮する
 でも怒りが強ければ強いほどその力は強くなるつまり大きな力にのみ込まれて自分を制御できなくなる」

「怒りに反応...」

 確かにあの時は怒りに身をまかせるような感じだった。
 相当危険なものだとは身をもって実感した。
 下手したら周りの人も巻き込むかも知れない。
 そして俺自身いつ制御出来なくなるか怖いと感じた。

「今後ともダーインスレイブをよろしく」

「親か!お前は!」

「自分で制御出来なくならないよう、なるべく怒りは抑えるんだぞ」

 いやお前のせいだろ。

「とりあえず頑張ってみるよ」

「じゃ後は三人でごゆっくりねー」

 えっ三人?ってあっちょっとまておいおーい!

「はっ!」

「十夜さん!」

 気がついたとき、手と頭になにか柔らかいものがあるのを感じた。

 あっ三人ってこう言う事か、魔王の言ってた事今理解できた。うんうん。
 ってこれ最高じゃねーか!
 ニーベが膝枕してくれてるし、フラネさんは僕の手を握ってくれてるし、やべー!

「体調はどうですか十夜さん?」

「大丈夫ですよニーベさん」

「お腹は空きましたか?十夜様?」

 そういやなんかお腹が減ったなさっき食べたはずなのに、窓の向こう側が明るいってことは今は朝!

「すいません俺昨日気絶してから今日までずっと」

「はい!この状態でしたよ!」

 ずっとこの状態!?

「すーいーまーせんでしたー!」

 勢いよく二人から離れ少し距離をとった瞬間頭がめり込む程の勢いで土下座をした。
 彼女らの負担になってしまった最悪だ!

「どっ土下座!なんでですか十夜さん!」

「そうですよ!十夜様!」

「お2人のお手を煩わせてしまってしまって申し訳ないです!」

 十夜は頭を床に叩きつけて土下座をした

「十夜様そんな心配はしなくとも私はあなたの側に居たかっただけで」

「あっ!フラネだけ抜け駆けなんてずるいですよー!私も居たくて十夜さんの側にいたんですから!」

 ん?この反応は2人とも俺の事が...
 いや!こんなに綺麗な2人が俺の事をすきになるなんてありえない!ちゃんともう一度謝っておかなくちゃ

「本当に今回は迷惑をかけました」

「十夜さん大丈夫ですよ!私フラネが男に襲われた時十夜さんが頑張って助けたの見てましたし。負けるな!頑張れ!って気持ちになりましたし本当にお疲れ様でした」

「わたしも十夜様が私のために戦ってくれた事本当に嬉しく思っています!
 十夜様が助けてくれなかったら私どうなってたかわからなかったので本当にありがとうございました!」

「では僕はクエストに行ってくるのでまたよろしくお願いしますフラネさん」

「はい!ではクエストの紙を持って受付の方までお越し下さい」

 そして十夜は良いクエストが無いか探しに行った。

 よし!レベル2のクエストのオーク討伐でもしてみるか。

 クエスト名:ゴブリン討伐

 内容:森に住むオークを討伐した分銀貨を1枚

「すいませんフラネさんこれお願いできますか?」

「はい!ではプレートをこちらに」

「はい」

「ありがとうございます。受付が終わりましたのでこのプレートを返ししますね」

「ありがとうございます。では!行ってきます!」

 十夜は新たな戦いに胸を躍らせていた。

 そう言えば『リトルファイア』だったっけ?
 それを習得してからでもいいか

「すいませんニーベさんリトルファイアを習得したいんですけど」

「はい!わかりました」

「あのちなみにいくらなんですか?」

「お金は必要ありませんよ!習得できるかなんて人それぞれですし属性相性もあります
 プレイヤーのレベルもありますしお金は必要なく覚えれる時に覚えれる数だけ覚えるこれが魔法を習得するときのルールみたいなものです!」

「そうなんですか、じゃぁお願い出来ますか?」

「はいわかりました。ではまた手の方を出していただけますか?」

 ニーベにそう言われて十夜は手を出した。

「はい習得完了です!」

「えっ!もうですか?」

 実際5秒くらいしか経ってないのになかなか便利なものだ。

「魔法の力に合わせて習得時間も異なるんです!十夜さんこれからクエストに行かれるんですよね?」

「はい!行ってきます」

「お気をつけて!」

 ニーベが十夜に向けて手を振ってくれた。

 十夜が町を出て前来た森のところまで来た。

「ここにもスライムやアルミラージ以外に魔物が居るんだな」

 少し怖いけどいくか!

「グワグワ」

 森を歩いていると何かの喋り声がきこえてきた。

 今のはゴブリンだろう近くなってきたな。

「いやー!」

 その時おそらく女の子の叫び声が森中に響き渡った。

 叫び声!ゴブリンのところからだ!

 十夜はすぐに立ち上がり叫び声が聞こえた方に走っていく。

「あっ!てめーらそんな小さな子になにしてんだ!」

 ゴブリンの群れは女の子を囲む形でいた。

「助けてー!」

 女の子は涙目で十夜に言った。

「絶対助ける!だから頑張れ!」

「グワー!」

 その時ゴブリンが十夜に襲いかかってきた。

「邪魔だー!」

 一匹倒そうにも圧倒的に数が多すぎる。
 囲まれてしまっている今こちらが圧倒的に不利だ。

「きゃー!」

 十夜が女の子の方を見るとゴブリンが女の子の首を後ろから腕で締めナイフを突き立てていた。
 下品な笑みとともにこちらを見ているゴブリンはまさに外道。

「てめー!その女の子を人質にするつもりか!ゆるさねーぞ!」

 その時ダーインスレイブが赤い光を放った。

「そうかダーインスレイブいっちょやってみるか!リトルファイア!」
 ダーインスレイブの気持ちが伝わってきた気がした。気のせいかもしれない。いや、気のせいでもいい。少しでも守れる可能性があるなら!

 十夜はダーインスレイブにリトルファイアを
 放った。
 そして赤く光ったダーインスレイブが炎を吸収しダーインスレイブは炎をまとった。

「いくぜ!1匹残らず焼き尽くせ!
 爆炎剣ダーインスレイブ!」

「グワーーーー!」

 ゴブリンたちが炎にのみ込まれていく。

「もういっちょー!」

「グワーーーー!」

 あっという間にゴブリンの群れは消滅した。

「ふー終わったー!」

 戦いが終わるとダーインスレイブに付いていた炎は消えて周りに移った炎も消えていた。

「そういやリトルファイア使うのに魔力を5使うんだっけ?俺のレベルじゃ魔力は最大10だろう1日2回が限度か、」

 そうだ!女の子!

「おーい!君大丈夫か!」

 よく見ると杖みたいなの持ってるな魔法使いなのか?

「はい、大丈夫です。先程はありがとうございました!あの1つお聞きしたいのですが」

「どうしたの?」

 女の子は涙をふき真剣な顔で言った。

「あなた様は彼女はおられるのですか!もしいないのであれば私と結婚を前提にお付き合いしてください!」

「えー!」

 突然の事に十夜は腰を抜かした。

「ちょっと待って!俺は付き合った事もないしこんな弱そうな見た目だし、しかも君まだ子供だろ年上をからかうもんじゃないぞ」

「私こう見えても16です!」

「え!本当に?」

 この身長で俺の1個したなだけじゃん!
 でもこの子よく見ると亜人だ耳が下を向いてるからよくわからなかったけど。
 ん?て事はこの子はケモ耳ロリっ子!

 そう十夜はロリコンだ
 RPGなどに出てくるロリっ子魔法使いにずっと憧れていた。

 そう考えると付き合うのも悪くないか。

「最初はお友達から始めないか?」

「はい!よろしくお願いします!」

 チャンスを逃してしまった!
 でもやっぱり最初は友達からが普通だ!
 たぶん、そのはず...

「俺は西木十夜だよろしく!」

「私はレイ・ニーシャです!レイって呼んでください!ダーリン!」

「だっダーリン!急にどうしたんだ!」

「私ダーリンのお仕事を魔法でサポートします!だから一緒につれて行ってください!」

「わかったよ。でも呼び方は変えてくれよ」

 呆れたように言う十夜にレイは

「わかりました!ダーリン!」

「わかってないだろ!」
 
「えへへへ」

「はー、もうそれでいいよ」

 こうしてレイは十夜についてくる事になった。
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