転生した貴族令嬢は、辺境の森で魔女となる

椎名さえら

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3 Let me think about it

「顔見てみろ」✴︎テオ目線

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「すごい顔してるな、テオ」

今からユーリャのいるラムスドルフ家の屋敷に行こうとしていた俺は兄の声に足を止めた。

「せっかく愛しのユリアーナが戻ってきたのに、どうしてそんな顔をしてるんだ」

「うるさい、ジュリアン」

6?それが終わるとなるとそんな顔にもなるかぁ」

「だからうるさい、ジュリアン」

3つ歳上の次兄は婚約者がいるにも関わらず、未だに社交界で浮名を流し続けている正真正銘の放蕩者だ。
俺にしてみたら、彼は本当の愛を知らないただのお調子者に過ぎないのだが。

「これから必死で頑張らないとなぁ~、お前のお姫様は誰かにとられちまうもんなぁ~。お前の執念深さは兄の俺からしてもちょっと怖い」

揶揄われている。
こんな兄だが、味方なのは確かなのだが幼い頃からちょっと鬱陶しい。
まともに相手にする気がなくなり、じろっと睨むだけにしておく。

兄に言われなくても、ユーリャに対する執着が度を過ぎているのは自覚している。



分かったと同時に、アウグストの婚約者だと聞いて、失恋したのだったが。

(やっとこれからが本番だ…!)

俺はもう振り返らず、家を後にした。
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