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17.これが本当の意味での、第一歩
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翌朝、日課のジョギングをしていたら、屋敷の裏口の扉が開き、トラヴィスが姿を現した。しかも彼はちゃんと着替えていたし、身なりも整えていたから随分前に起きたのに違いない。
「わぁ、トラヴィス様、どうされたのですか?」
私は驚いて彼に駆け寄った。
「どうされたもこうされたもあるか。今日から運動するんだろ? どうして呼びにこない」
私があまりにも驚いているからか、彼はぶすっとした表情でそう言った。
「はい、今日から始めるつもりでしたけど……でも早朝ですよ? よく起きられましたね。それに寒くありませんか?」
トラヴィスの朝食を作ることを考えれば、走るのはいつも夜明け前になる。比較的一年中温暖なこの国でも、朝は冷え込むから、今も少しだけ肌寒い。
私がそう言えば、彼はまた眉間に皺を寄せた。
「寒いわけあるか。それに――昨日はお前に振り回されたからか、その、よく眠れた」
「本当ですか!」
それはとても嬉しい報告だった。素直に私は喜んだ。
夜よく眠れた――確かに今朝のトラヴィスは、最近の中でも断トツに顔色が良いから、おそらくまとまった睡眠が取れたのに違いない。
「よかったわ」
私がにこにこしながらそう言うと、トラヴィスは居心地が悪くなったのか、いつものように眉間に皺を寄せた。そんな彼は既に慣れっこなので、私は気にせず会話を続ける。
「トラヴィス様がお嫌でなければ今夜から頭と肩もマッサージしましょう。よく眠れるはずですから」
「頭と肩?」
トラヴィスの瞳に、好奇心の光が灯る。
彼の好奇心はまだ摩耗していない。
「ええ。人間って、頭が一番重いのですよ。だから眠る前に、頭と、それから肩をマッサージしたらすごくリラックスできると思います」
「へえ」
「でも運動を始めたら、マッサージをしなくても眠れるかもしれませんけどね――さて、トラヴィス様、せっかく来てくださったのですから、早速今からリハビリを始めましょうか?」
「ああ」
私は邸宅の裏に広がる小道を指し示した。この小道は、きちんとならされているから、平坦だ。使用人たちが綺麗に小石や落ち葉なども取り除いて掃除しているから、足を滑らせる心配もほとんどない。もちろん万が一の場合に備えて、私が隣に寄り添って歩く。
「この道を真っ直ぐに歩きましょう。決して急がないでくださいね。それから、これはリハビリを通しての約束ですが、もうこれ以上は無理だな、と思ったら絶対に我慢しないで伝えてください」
「分かった」
トラヴィスが右足を前に踏み出しながら、かつんと杖をついた。
これがトラヴィスのリハビリの、本当の意味での第一歩となった。
☆
次の日から、天気さえ良ければ毎朝同じ時間に、トラヴィスと外を歩いた。
最初は本当に、時間としては五分ほど。それだけでもトラヴィスの顔色は陰り、呼吸が浅くなる。おそらく貧血の症状が出ているのか、視線も少しだけうろつく。そうなると彼としては視界が狭く感じられているはずだ。となると、歩くのは危険である。
「今日はここまでです」
私がそうストップをかけると、トラヴィスはどこか不満そうに足を止める。まるでもっと歩けるのに、と言わんばかりだ。
一旦リハビリを始めてみれば、トラヴィスは粘り強かったし、滅多なことで音を上げることがなかった。そして体力は落ちているものの、もともと騎士だった彼の身体は頑丈で、運動の基礎ができているからリカバリーが早い。
だが、右足だけがどうしても自由にならないし、貧血の症状が出ているから思うようには動けないのだ。
「まだいけるはずだ」
トラヴィスが不満そうなのは、かつて怪我をする前の自分のイメージが色濃いからだ。そして以前ならば、なんなく出来たことが、今は出来ないのがはがゆいのに違いない。
それは以前、私が大学時代に骨折をしていた時に感じたのと同じだから、理解は出来る。出来るが……。
「分かりますが、リハビリはとにかく焦りが一番禁物です」
私の仕事は、彼の焦りを認めつつも、きっぱりとした態度で接し、無理をさせすぎないことだ。
リハビリは根気良く、そして必要なだけ長期間続けることが何より大事だ。
「今日もとてもよく歩かれたと思います。お部屋に戻ってからマッサージしましょう」
「……ああ」
「朝食も準備します」
「分かった」
トラヴィスが頷いた。意思は強いが、彼は聞き分けの悪い患者ではない。
「今朝は何が食べたいですか?」
尋ねると、いくつかのメニューを彼が口にした。食欲が戻ってきている証拠だ。実際、リハビリを始めてから彼の食べる量は格段に増えている。
こうして動けば、お腹も空く。
朝から日光を浴びることで体内時計も整う。
運動した後の食事は、筋肉をつけるという意味でとても大切だ。特に運動した後三十分で何を食べるのか、で疲労回復すら違うのだから。それを私はかつてアスリートのための栄養学の本から学んでいた。
二人で散歩した後に、ビタミンを取るために、搾りたてのオレンジジュースをまずは彼に飲んでもらう。それからタンパク質を摂ることを意識したメニューの朝食を出すのが日課となった。運動により傷ついた筋肉を回復し、再構築する手助けをしてくれるからだ。
とりあえず当面は朝の散歩が主だった運動だが、日中もトラヴィスに付き添って、室内で出来るリハビリをするようになった。
何しろしばらく引きこもっていたから、身体全体が鈍っている。鍛える必要がある部位は何も足だけではない。
昼と夜の食事に関しては、基本的には鉄分を摂ることを意識したメニューを増やす。鉄分を効果的に摂取するためにはビタミンCを共に摂ると良いため、必然的に野菜の量も増える。
トラヴィスには食事の度に、これがどういう栄養素で、身体にどんな働きをするのか、を聞かれるがままに説明した。彼は優秀な生徒で、同じ類の質問は繰り返さず、記憶力も良かった。
食に興味がない、と言っていた人が、食に関する質問をしてくれるのがとても嬉しい。知識が増えれば、いつか私が去った後でも彼自身で判断することが出来るからだ。
少しずつ、本当に少しずつ改善する。
今日の食事は、数週間後の身体を作る、と言われている。だから本当に少しずつ、未来のために。私はトラヴィスと一緒に未来に向けて歩き始めた。
「わぁ、トラヴィス様、どうされたのですか?」
私は驚いて彼に駆け寄った。
「どうされたもこうされたもあるか。今日から運動するんだろ? どうして呼びにこない」
私があまりにも驚いているからか、彼はぶすっとした表情でそう言った。
「はい、今日から始めるつもりでしたけど……でも早朝ですよ? よく起きられましたね。それに寒くありませんか?」
トラヴィスの朝食を作ることを考えれば、走るのはいつも夜明け前になる。比較的一年中温暖なこの国でも、朝は冷え込むから、今も少しだけ肌寒い。
私がそう言えば、彼はまた眉間に皺を寄せた。
「寒いわけあるか。それに――昨日はお前に振り回されたからか、その、よく眠れた」
「本当ですか!」
それはとても嬉しい報告だった。素直に私は喜んだ。
夜よく眠れた――確かに今朝のトラヴィスは、最近の中でも断トツに顔色が良いから、おそらくまとまった睡眠が取れたのに違いない。
「よかったわ」
私がにこにこしながらそう言うと、トラヴィスは居心地が悪くなったのか、いつものように眉間に皺を寄せた。そんな彼は既に慣れっこなので、私は気にせず会話を続ける。
「トラヴィス様がお嫌でなければ今夜から頭と肩もマッサージしましょう。よく眠れるはずですから」
「頭と肩?」
トラヴィスの瞳に、好奇心の光が灯る。
彼の好奇心はまだ摩耗していない。
「ええ。人間って、頭が一番重いのですよ。だから眠る前に、頭と、それから肩をマッサージしたらすごくリラックスできると思います」
「へえ」
「でも運動を始めたら、マッサージをしなくても眠れるかもしれませんけどね――さて、トラヴィス様、せっかく来てくださったのですから、早速今からリハビリを始めましょうか?」
「ああ」
私は邸宅の裏に広がる小道を指し示した。この小道は、きちんとならされているから、平坦だ。使用人たちが綺麗に小石や落ち葉なども取り除いて掃除しているから、足を滑らせる心配もほとんどない。もちろん万が一の場合に備えて、私が隣に寄り添って歩く。
「この道を真っ直ぐに歩きましょう。決して急がないでくださいね。それから、これはリハビリを通しての約束ですが、もうこれ以上は無理だな、と思ったら絶対に我慢しないで伝えてください」
「分かった」
トラヴィスが右足を前に踏み出しながら、かつんと杖をついた。
これがトラヴィスのリハビリの、本当の意味での第一歩となった。
☆
次の日から、天気さえ良ければ毎朝同じ時間に、トラヴィスと外を歩いた。
最初は本当に、時間としては五分ほど。それだけでもトラヴィスの顔色は陰り、呼吸が浅くなる。おそらく貧血の症状が出ているのか、視線も少しだけうろつく。そうなると彼としては視界が狭く感じられているはずだ。となると、歩くのは危険である。
「今日はここまでです」
私がそうストップをかけると、トラヴィスはどこか不満そうに足を止める。まるでもっと歩けるのに、と言わんばかりだ。
一旦リハビリを始めてみれば、トラヴィスは粘り強かったし、滅多なことで音を上げることがなかった。そして体力は落ちているものの、もともと騎士だった彼の身体は頑丈で、運動の基礎ができているからリカバリーが早い。
だが、右足だけがどうしても自由にならないし、貧血の症状が出ているから思うようには動けないのだ。
「まだいけるはずだ」
トラヴィスが不満そうなのは、かつて怪我をする前の自分のイメージが色濃いからだ。そして以前ならば、なんなく出来たことが、今は出来ないのがはがゆいのに違いない。
それは以前、私が大学時代に骨折をしていた時に感じたのと同じだから、理解は出来る。出来るが……。
「分かりますが、リハビリはとにかく焦りが一番禁物です」
私の仕事は、彼の焦りを認めつつも、きっぱりとした態度で接し、無理をさせすぎないことだ。
リハビリは根気良く、そして必要なだけ長期間続けることが何より大事だ。
「今日もとてもよく歩かれたと思います。お部屋に戻ってからマッサージしましょう」
「……ああ」
「朝食も準備します」
「分かった」
トラヴィスが頷いた。意思は強いが、彼は聞き分けの悪い患者ではない。
「今朝は何が食べたいですか?」
尋ねると、いくつかのメニューを彼が口にした。食欲が戻ってきている証拠だ。実際、リハビリを始めてから彼の食べる量は格段に増えている。
こうして動けば、お腹も空く。
朝から日光を浴びることで体内時計も整う。
運動した後の食事は、筋肉をつけるという意味でとても大切だ。特に運動した後三十分で何を食べるのか、で疲労回復すら違うのだから。それを私はかつてアスリートのための栄養学の本から学んでいた。
二人で散歩した後に、ビタミンを取るために、搾りたてのオレンジジュースをまずは彼に飲んでもらう。それからタンパク質を摂ることを意識したメニューの朝食を出すのが日課となった。運動により傷ついた筋肉を回復し、再構築する手助けをしてくれるからだ。
とりあえず当面は朝の散歩が主だった運動だが、日中もトラヴィスに付き添って、室内で出来るリハビリをするようになった。
何しろしばらく引きこもっていたから、身体全体が鈍っている。鍛える必要がある部位は何も足だけではない。
昼と夜の食事に関しては、基本的には鉄分を摂ることを意識したメニューを増やす。鉄分を効果的に摂取するためにはビタミンCを共に摂ると良いため、必然的に野菜の量も増える。
トラヴィスには食事の度に、これがどういう栄養素で、身体にどんな働きをするのか、を聞かれるがままに説明した。彼は優秀な生徒で、同じ類の質問は繰り返さず、記憶力も良かった。
食に興味がない、と言っていた人が、食に関する質問をしてくれるのがとても嬉しい。知識が増えれば、いつか私が去った後でも彼自身で判断することが出来るからだ。
少しずつ、本当に少しずつ改善する。
今日の食事は、数週間後の身体を作る、と言われている。だから本当に少しずつ、未来のために。私はトラヴィスと一緒に未来に向けて歩き始めた。
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