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1−2.異世界転生()してたんですか!?②
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(いやいやいや、あぶなかった)
なんとか両親を説得した私は、ひとり自室へと戻った。側仕えのアニーが今までは必ずついてきていたが、その彼女も今日暇を出されたと聞いた。とはいえ、普通の貴族令嬢と違って私には手助けがいらない。……正確に言えば、今からはいらない。なぜなら。
(まさか……あんなときに気づくなんて)
ベッドに腰かけると、スプリングがぎしりと鳴った。
父親が「我が家はこれから大変な局面を迎えることとなる」と切り出し「お前の婚約が破棄されることとなった」と告げた時、突然頭の中でファンファーレが鳴った。
クラウディア=サットンは、婚約者に好意をもっていた。リヒャルトは、金色の髪に碧色の瞳、見た目はまるで物語に出てくる貴公子のような整った容姿の男性だ。決して穏やかな人柄ではないが、それでもクラウディアには十分魅力的だったらしい。
憎からず思っていた男性との婚約が破棄されるという、クラウディアにとってあまりにも衝撃的な事実が、呼び水となった。そう、このファンファーレはクラウディアの中に眠る、異世界の記憶が呼び戻されたことを知らせるものだった。
異世界。
有り体にいえば、二十一世紀の日本。
私は、鈴木有理という名前で、二十三歳だった。
大学を卒業してから、小さな会社の事務職として働いていた。
先程、ファンファーレが鳴ったのと同時に、この世界が私がかつて読んだことのある『幼馴染の侯爵令息に婚約破棄されたくて、悪役令嬢を演じ始めたらまさかの溺愛ルート入りました』というライトノベルの世界観なのだ、ということに唐突に気づいた。何故わかったのかはわからない、ただ、腑に落ちたのだ。
そのライトノベルはまだ高校生だった妹が大ファンだった。
私自身は中学も高校も陸上部に所属していたのだが、選手としては大成しなかった。大学は法学部にすすんだが、法曹界に興味はなかった。
私が大学時代に一番ハマっていたのは、何を隠そうボルダリングである。
休日になると友人たちとボルダリングをしまくっていた私が、ある時手を滑らせて地面に激突し、足を骨折してしまった。それからリハビリに興味を持つのだが、その話はともかく、そんなわけでしばらく家で安静にしなくてはならなかった。
それで暇にあかせて読んだのが妹の部屋から拝借した『幼馴染の侯爵令息に婚約破棄されたくて、悪役令嬢を演じ始めたらまさかの溺愛ルート入りました』略して『あくでき』だったのだ。
ライトノベル初心者の私にとって『あくでき』はとても面白かった。四巻まで出ていたから人気だったのだとも思う。また、読了後に妹との会話がとても弾んだ。年の離れた妹とは仲が良かったが、同じ本について夢中になって喋るのは初めての経験で、それもまた楽しかったのだ。
その後、いくつかライトノベルを読んだが、やはり『あくでき』が一番面白かった。
(しかし、クラウディア=サットンなんていたっけ)
記憶を辿ってみると、主人公であるヒロインはアンジェリカ、悪役令嬢はフランチェスカ、ヒーローの名前はスタングリード、だったはずだ。
クラウディア=サットンは小説には出ていなかったから、自分はただのモブ令嬢以下という存在なのだろう。
(モブ令嬢以下に転生する人生か……まぁ気楽でいいかな)
『お姉ちゃんの最推しって誰?』
突然妹の声が脳裏に蘇った。
高校生である妹は素直にヒーローのスタングリードのファンだったが、既に働き始めていた私にはスタングリードはあまりにも“真っ当なヒーローすぎ”た。
『私はね、セルゲイ=エヴァンスかな』
セルゲイは物語の中盤から出てくる、いわゆる当て馬的存在の侯爵令息である。スタングリードの恋敵でもあるが、とにかく女性関係が派手で、洒落者。しかしそれが嫌味にならないくらいの上品さと美貌を持っている。会話もウイットに富んでいて、ヒロインであるアンジェリカも彼のことは憎めない。
『セルゲイ~~? めっちゃチャラいじゃん。スタンはとにかく一途なんだよ~~!? 激重だけどさっ』
『チャラいのがいいんだよ。男はあれくらい余裕があったほうがいいんだって』
『そうか~~?』
『あんたももうちょっと大人になったらわかるって』
そこで私は目を閉じた。
転生前の記憶を思い出したとはいえ、妹の顔はおぼろげだ。でも私は妹のことが好きだった。これ以上思い出していたら、会えないことが寂しくて寂しくて悲しくなるくらい。
(確か異世界転生は、主人公が元の世界で亡くなって気づいたら……とかだから、覚えていないけれど私……死んだんだろうなぁ)
前世、の自分の最期はどうしてか覚えていない。けれど、自分の死に際など知りたくないから、これ以上深入りはしないことにする。
とりあえず、ごろんとベッドにそのまま横たわった。
現実感がない。
転生したキャラクターたちはもっとテンション高かっただろうか?
(あー、ドレスがぐしゃぐしゃになってしまうけれど、脱ぐのめんどくさい……けど、そうか、私、転生したんだな……)
自分の短かったかつての人生を考えると悲しくなるので、とりあえず『あくでき』の内容を思い返すことにした。
「あっ!!」
ある重要な事実を思い出して、私はがばりとベッドの上に起き上がった。
「醤油! があるはず!」
そう、何故か主人公たちが醤油を使った和食を食べていて、妹に「それってどうなの!」って言った思い出がある。
その上、魔法使いはいない設定だったのに、台所ではもちろん水道も通っているから蛇口をひねれば水が出る。お風呂やシャワーも、水洗トイレすらあった。登場人物は貴族たちなのに、何故ここで水洗トイレが? と読みながら思ったものだった。
さすがに電気は通っていなかったが、それすらも王宮では通っていてもおかしくないくらいのチートな世界観だ。妹に聞いたら、案の定、某サイトで「世界観がゆるゆるじゃないか」「ご都合主義も極まりけり」と叩かれていたらしい。ライトノベルをほとんど読まない私ですら疑問に思ったのだから、当然だろう。
(そういえば、今まで何の気なしに使っていたけど……この家にもあるわね、水洗トイレ)
ということはこの世界は古代ローマばりに水道が発達しているのだ。
(サットン家では醤油はなかったけど、もしかしたら探せばある……? お米はあるんだろうか!? 待って、米が食べられると思ったら突然生きる意欲が湧いてきた)
登場人物は欧風の貴族たちだが、和風の食材がどこかに存在し、どうやらある程度は現代日本と同じくらいの文化的生活が可能な世界観。某サイトでは叩かれていたらしいが、素直にありがたい! と私は作者に心の中で何度も礼を述べた。
(市場に行くのが楽しみだな)
それから、フォスター先生のところに行きたい、と父に言ったのは理由がある。もちろん、人柄が良いというのは最重要項目だったけれど、それだけではなく彼の医院では術後のケアをしているのである。
私は自分がスポーツを長年していた経験から、リハビリや食事の大切さをしみじみと感じていた。高校生になってからは、自分で食事の管理を始めたくらいである。本屋にいけば、アスリートと栄養に関する本が手に入ったから、参考にさせてもらっていた。二十一世紀の日本の知識に勝るものはあるまい。
(しかもここは和食がある世界! だとしたらこの知識、役に立てることができるかも)
モブ令嬢以下はモブ令嬢以下らしく、どうせなら楽しく自由に過ごそう。
クラウディア=サットンであれば途方に暮れていただろうが、“鈴木有理”ならこの世界の片隅で逞しく生きられるはずだ。
私はそう心に決めた。
なんとか両親を説得した私は、ひとり自室へと戻った。側仕えのアニーが今までは必ずついてきていたが、その彼女も今日暇を出されたと聞いた。とはいえ、普通の貴族令嬢と違って私には手助けがいらない。……正確に言えば、今からはいらない。なぜなら。
(まさか……あんなときに気づくなんて)
ベッドに腰かけると、スプリングがぎしりと鳴った。
父親が「我が家はこれから大変な局面を迎えることとなる」と切り出し「お前の婚約が破棄されることとなった」と告げた時、突然頭の中でファンファーレが鳴った。
クラウディア=サットンは、婚約者に好意をもっていた。リヒャルトは、金色の髪に碧色の瞳、見た目はまるで物語に出てくる貴公子のような整った容姿の男性だ。決して穏やかな人柄ではないが、それでもクラウディアには十分魅力的だったらしい。
憎からず思っていた男性との婚約が破棄されるという、クラウディアにとってあまりにも衝撃的な事実が、呼び水となった。そう、このファンファーレはクラウディアの中に眠る、異世界の記憶が呼び戻されたことを知らせるものだった。
異世界。
有り体にいえば、二十一世紀の日本。
私は、鈴木有理という名前で、二十三歳だった。
大学を卒業してから、小さな会社の事務職として働いていた。
先程、ファンファーレが鳴ったのと同時に、この世界が私がかつて読んだことのある『幼馴染の侯爵令息に婚約破棄されたくて、悪役令嬢を演じ始めたらまさかの溺愛ルート入りました』というライトノベルの世界観なのだ、ということに唐突に気づいた。何故わかったのかはわからない、ただ、腑に落ちたのだ。
そのライトノベルはまだ高校生だった妹が大ファンだった。
私自身は中学も高校も陸上部に所属していたのだが、選手としては大成しなかった。大学は法学部にすすんだが、法曹界に興味はなかった。
私が大学時代に一番ハマっていたのは、何を隠そうボルダリングである。
休日になると友人たちとボルダリングをしまくっていた私が、ある時手を滑らせて地面に激突し、足を骨折してしまった。それからリハビリに興味を持つのだが、その話はともかく、そんなわけでしばらく家で安静にしなくてはならなかった。
それで暇にあかせて読んだのが妹の部屋から拝借した『幼馴染の侯爵令息に婚約破棄されたくて、悪役令嬢を演じ始めたらまさかの溺愛ルート入りました』略して『あくでき』だったのだ。
ライトノベル初心者の私にとって『あくでき』はとても面白かった。四巻まで出ていたから人気だったのだとも思う。また、読了後に妹との会話がとても弾んだ。年の離れた妹とは仲が良かったが、同じ本について夢中になって喋るのは初めての経験で、それもまた楽しかったのだ。
その後、いくつかライトノベルを読んだが、やはり『あくでき』が一番面白かった。
(しかし、クラウディア=サットンなんていたっけ)
記憶を辿ってみると、主人公であるヒロインはアンジェリカ、悪役令嬢はフランチェスカ、ヒーローの名前はスタングリード、だったはずだ。
クラウディア=サットンは小説には出ていなかったから、自分はただのモブ令嬢以下という存在なのだろう。
(モブ令嬢以下に転生する人生か……まぁ気楽でいいかな)
『お姉ちゃんの最推しって誰?』
突然妹の声が脳裏に蘇った。
高校生である妹は素直にヒーローのスタングリードのファンだったが、既に働き始めていた私にはスタングリードはあまりにも“真っ当なヒーローすぎ”た。
『私はね、セルゲイ=エヴァンスかな』
セルゲイは物語の中盤から出てくる、いわゆる当て馬的存在の侯爵令息である。スタングリードの恋敵でもあるが、とにかく女性関係が派手で、洒落者。しかしそれが嫌味にならないくらいの上品さと美貌を持っている。会話もウイットに富んでいて、ヒロインであるアンジェリカも彼のことは憎めない。
『セルゲイ~~? めっちゃチャラいじゃん。スタンはとにかく一途なんだよ~~!? 激重だけどさっ』
『チャラいのがいいんだよ。男はあれくらい余裕があったほうがいいんだって』
『そうか~~?』
『あんたももうちょっと大人になったらわかるって』
そこで私は目を閉じた。
転生前の記憶を思い出したとはいえ、妹の顔はおぼろげだ。でも私は妹のことが好きだった。これ以上思い出していたら、会えないことが寂しくて寂しくて悲しくなるくらい。
(確か異世界転生は、主人公が元の世界で亡くなって気づいたら……とかだから、覚えていないけれど私……死んだんだろうなぁ)
前世、の自分の最期はどうしてか覚えていない。けれど、自分の死に際など知りたくないから、これ以上深入りはしないことにする。
とりあえず、ごろんとベッドにそのまま横たわった。
現実感がない。
転生したキャラクターたちはもっとテンション高かっただろうか?
(あー、ドレスがぐしゃぐしゃになってしまうけれど、脱ぐのめんどくさい……けど、そうか、私、転生したんだな……)
自分の短かったかつての人生を考えると悲しくなるので、とりあえず『あくでき』の内容を思い返すことにした。
「あっ!!」
ある重要な事実を思い出して、私はがばりとベッドの上に起き上がった。
「醤油! があるはず!」
そう、何故か主人公たちが醤油を使った和食を食べていて、妹に「それってどうなの!」って言った思い出がある。
その上、魔法使いはいない設定だったのに、台所ではもちろん水道も通っているから蛇口をひねれば水が出る。お風呂やシャワーも、水洗トイレすらあった。登場人物は貴族たちなのに、何故ここで水洗トイレが? と読みながら思ったものだった。
さすがに電気は通っていなかったが、それすらも王宮では通っていてもおかしくないくらいのチートな世界観だ。妹に聞いたら、案の定、某サイトで「世界観がゆるゆるじゃないか」「ご都合主義も極まりけり」と叩かれていたらしい。ライトノベルをほとんど読まない私ですら疑問に思ったのだから、当然だろう。
(そういえば、今まで何の気なしに使っていたけど……この家にもあるわね、水洗トイレ)
ということはこの世界は古代ローマばりに水道が発達しているのだ。
(サットン家では醤油はなかったけど、もしかしたら探せばある……? お米はあるんだろうか!? 待って、米が食べられると思ったら突然生きる意欲が湧いてきた)
登場人物は欧風の貴族たちだが、和風の食材がどこかに存在し、どうやらある程度は現代日本と同じくらいの文化的生活が可能な世界観。某サイトでは叩かれていたらしいが、素直にありがたい! と私は作者に心の中で何度も礼を述べた。
(市場に行くのが楽しみだな)
それから、フォスター先生のところに行きたい、と父に言ったのは理由がある。もちろん、人柄が良いというのは最重要項目だったけれど、それだけではなく彼の医院では術後のケアをしているのである。
私は自分がスポーツを長年していた経験から、リハビリや食事の大切さをしみじみと感じていた。高校生になってからは、自分で食事の管理を始めたくらいである。本屋にいけば、アスリートと栄養に関する本が手に入ったから、参考にさせてもらっていた。二十一世紀の日本の知識に勝るものはあるまい。
(しかもここは和食がある世界! だとしたらこの知識、役に立てることができるかも)
モブ令嬢以下はモブ令嬢以下らしく、どうせなら楽しく自由に過ごそう。
クラウディア=サットンであれば途方に暮れていただろうが、“鈴木有理”ならこの世界の片隅で逞しく生きられるはずだ。
私はそう心に決めた。
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