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透の思い
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なんで透がこんなことを言うに至ったのか。
それは透も柚希の事が好きで彼女との日々を思い返していたからです。
あの時の柚希、可愛かったな、とか、よく怒られたなぁ、とか。
それで気付いたのですね、自分は裏も表も含めて柚希と言う少女が好きだったんだ、と言う事に。
そう言う事でございます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「・・・・・」
ピンポーン。
玄関のチャイムがなった、柚希がドアを開けるとそこには白地のTシャツにGパン姿の透が立っていた。
お風呂に入っていたのだろう石けんの香りがそこかしこから漂ってくる。
「・・・どうしたの?」
「うん、ちょっと。とにかく入って」
「おじゃまします・・・」
そう言って家の中へと招き入れる幼馴染みの少女の誘いに応えるように透は静かにそう告げて玄関からフローリングの廊下へと足を進めた。
柚希の家に来るのは何日ぶりだろうか。
初めての日から今日まで互いの家を行き来して何度か肌を重ねて来た二人であったがその日はいつもと雰囲気が違うことを全身で感じていた。
柚希だけじゃない、透も心なしか緊張している様子である。
「どうしたの」
「うん、あのね。あの・・・」
「・・・まって」
「ふぇ?」
一気に告白しようと考えていた柚希の覚悟はしかし、その直前に幼馴染みの少年から押し止められた、思い掛けないその行動に、少し情けない声を漏らしてしまう。
「僕も柚希に言いたいことがある」
「透・・・」
「柚希、僕柚希の事が好きだ」
「ふぇ?」
「本当だよ、今更かも知れないけれど。でもやっぱりこういうのってちゃんとさせなきゃいけないし、男から言わなきゃな・・・」
「とお、る・・・」
「柚希のこと、可愛いって思う。本気で。顔とか見た目とかだけじゃなくて性格とか、ちょっと凶暴な所とかも良いと思うんだ」
「え、えっ!?凶暴・・・」
「明るいとことか、優しいとことか。怒りっぽいとことか、そう言うの全部が好きだ、僕は柚希の事が大事になんだ!!」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「誰が凶暴なのっ!!」
「いや、ごめん。でもそれはあれで・・・!!」
「・・・ぷっ。あはははっ。でも有難う透。それに」
柚希は続けた。
「私もだよ」
「えっ!?」
「私も透の事が好きっ。大好き!!」
「わっ」
そう言うと突然、柚希が透に抱き付いて来た、首筋にしっかりと両手を回し、頬に頬を寄せてしっかりと。
心なしか、その頬は少しだけ濡れていた、そして声も嬉しさで震えていたのだ。
明るいとことか、優しいとことか。怒りっぽいとことかみんな好きだ。
透はそう言ってくれたが柚希だってそれはそうだった、理由なんて後付けだった、彼の匂いも、オチンチンも、逞しい所もちょっとおっちょこちょいなところも、少し運動オンチな所も、要するに良い所も情けない所も全部引っくるめて大好きなのだ。
「・・・・・」
「あ・・・」
そんな彼女の気持ちを理解したのか、透もソッと少女の華奢な体に腕を回して抱きしめた。
一瞬、ビクッとした柚希だったがすぐに彼にすべてを委ねたように緊張がとかれた。
それどころか。
もっとギュッてして、と催促をするかのように全身を強く押し付けて来た。
それは透も柚希の事が好きで彼女との日々を思い返していたからです。
あの時の柚希、可愛かったな、とか、よく怒られたなぁ、とか。
それで気付いたのですね、自分は裏も表も含めて柚希と言う少女が好きだったんだ、と言う事に。
そう言う事でございます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「・・・・・」
ピンポーン。
玄関のチャイムがなった、柚希がドアを開けるとそこには白地のTシャツにGパン姿の透が立っていた。
お風呂に入っていたのだろう石けんの香りがそこかしこから漂ってくる。
「・・・どうしたの?」
「うん、ちょっと。とにかく入って」
「おじゃまします・・・」
そう言って家の中へと招き入れる幼馴染みの少女の誘いに応えるように透は静かにそう告げて玄関からフローリングの廊下へと足を進めた。
柚希の家に来るのは何日ぶりだろうか。
初めての日から今日まで互いの家を行き来して何度か肌を重ねて来た二人であったがその日はいつもと雰囲気が違うことを全身で感じていた。
柚希だけじゃない、透も心なしか緊張している様子である。
「どうしたの」
「うん、あのね。あの・・・」
「・・・まって」
「ふぇ?」
一気に告白しようと考えていた柚希の覚悟はしかし、その直前に幼馴染みの少年から押し止められた、思い掛けないその行動に、少し情けない声を漏らしてしまう。
「僕も柚希に言いたいことがある」
「透・・・」
「柚希、僕柚希の事が好きだ」
「ふぇ?」
「本当だよ、今更かも知れないけれど。でもやっぱりこういうのってちゃんとさせなきゃいけないし、男から言わなきゃな・・・」
「とお、る・・・」
「柚希のこと、可愛いって思う。本気で。顔とか見た目とかだけじゃなくて性格とか、ちょっと凶暴な所とかも良いと思うんだ」
「え、えっ!?凶暴・・・」
「明るいとことか、優しいとことか。怒りっぽいとことか、そう言うの全部が好きだ、僕は柚希の事が大事になんだ!!」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「誰が凶暴なのっ!!」
「いや、ごめん。でもそれはあれで・・・!!」
「・・・ぷっ。あはははっ。でも有難う透。それに」
柚希は続けた。
「私もだよ」
「えっ!?」
「私も透の事が好きっ。大好き!!」
「わっ」
そう言うと突然、柚希が透に抱き付いて来た、首筋にしっかりと両手を回し、頬に頬を寄せてしっかりと。
心なしか、その頬は少しだけ濡れていた、そして声も嬉しさで震えていたのだ。
明るいとことか、優しいとことか。怒りっぽいとことかみんな好きだ。
透はそう言ってくれたが柚希だってそれはそうだった、理由なんて後付けだった、彼の匂いも、オチンチンも、逞しい所もちょっとおっちょこちょいなところも、少し運動オンチな所も、要するに良い所も情けない所も全部引っくるめて大好きなのだ。
「・・・・・」
「あ・・・」
そんな彼女の気持ちを理解したのか、透もソッと少女の華奢な体に腕を回して抱きしめた。
一瞬、ビクッとした柚希だったがすぐに彼にすべてを委ねたように緊張がとかれた。
それどころか。
もっとギュッてして、と催促をするかのように全身を強く押し付けて来た。
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