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柚希の思い
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「・・・なんか透さ。最近顔つきがいやらしくなった」
「ええっ!?うそ、そうかな・・・」
柚希はたまにそんな事を言っては透をビックリさせることがある。
「あははっ、ウソウソ。冗談だよーだ」
「なんだよ、もう・・・」
と、わざと明るく振る舞って本心を隠すが姉弟のように育って来たからか、恋心を自覚しても柚希は容易にそれまでの姿勢を変えようとはしなかった。
いや、と言うよりも変えられなかった、と言った方が正しかった、これならば今までの方が自然体でいられた分、よほど素直に自分の気持ちを表すことが出来ていただろう。
「・・・・・」
(はあぁぁ・・・)
彼への思いが後から後から溢れ出して来て途方に暮れるがあれからと言うもの、毎日がドキドキの連続だった、透と会って話をしているとそれだけで嬉しくて嬉しくてどうにもならなくなってしまう。
いや、会っていない時でもそれは同様だった、幼馴染みの少年の事を考えただけで鼓動が際限なく高まり、それと同時に胸が締め付けられるような感覚に襲われるのだ。
ようするに切なさを覚えてしまっていたのだが考えてみれば確かに自分は彼のことが大好きだったのだろうと思った、そうでもないのに他人に体を触らせたり、彼との思い出を大事にしたり、ましてや何かにつけて一緒に過ごしたりなんか、絶対にしなかっただろう。
そしてそれはセックスをしてからというもの、特に顕著に表れるようになっていった、あれ以来、“好き”と言う気持ちの膨れ方が異常すぎて、酷いときは夜も寝られない事だってあったほどだ。
そしてそんな時に考えていたのは決まって透の事だった、透の顔、透の声、何気ない仕草の一つ一つがとても眩しくて愛おしい、それこそなんで今まで気が付けなかったのか不思議な位に。
「はあぁぁ~・・・」
(透は、どう思っているんだろう・・・?)
ふとそんな考えが頭をよぎるが好きでもない人とエッチをしたりなんかしないだろうモノの、それでもハッキリ言葉に出してもらわないと困る事が世の中にはいくつかあって、これもその一つである。
(告白・・・。しなきゃだめかなぁ~・・・)
恋をすると途端に乙女になってしまう、少女のような純朴さを保ったまま大人になる女性がいるが柚希はまさにそれだった、普段の気の強さはどこへやら、熱い吐息を付きながら物憂い気な表情で考える。
(ええい、がんばれ柚希っ。普段のあなたはどうしたの!?)
普段から大事な事は人任せにしないのが柚希の性格である。
そこにケジメは付けなければ、と言う思いも加わって柚希は透を呼び出した、スマートフォンの画面をタップして素早く幼馴染みへと電話を掛ける。
「もしもし?」
「あ、透?今って時間ある?」
「今?いいよ、ちょうど僕も柚希と話がしたいって思っていたところだから」
「・・・家に来てくれる」
「うん、いいよ。今から行くからね」
「ええっ!?うそ、そうかな・・・」
柚希はたまにそんな事を言っては透をビックリさせることがある。
「あははっ、ウソウソ。冗談だよーだ」
「なんだよ、もう・・・」
と、わざと明るく振る舞って本心を隠すが姉弟のように育って来たからか、恋心を自覚しても柚希は容易にそれまでの姿勢を変えようとはしなかった。
いや、と言うよりも変えられなかった、と言った方が正しかった、これならば今までの方が自然体でいられた分、よほど素直に自分の気持ちを表すことが出来ていただろう。
「・・・・・」
(はあぁぁ・・・)
彼への思いが後から後から溢れ出して来て途方に暮れるがあれからと言うもの、毎日がドキドキの連続だった、透と会って話をしているとそれだけで嬉しくて嬉しくてどうにもならなくなってしまう。
いや、会っていない時でもそれは同様だった、幼馴染みの少年の事を考えただけで鼓動が際限なく高まり、それと同時に胸が締め付けられるような感覚に襲われるのだ。
ようするに切なさを覚えてしまっていたのだが考えてみれば確かに自分は彼のことが大好きだったのだろうと思った、そうでもないのに他人に体を触らせたり、彼との思い出を大事にしたり、ましてや何かにつけて一緒に過ごしたりなんか、絶対にしなかっただろう。
そしてそれはセックスをしてからというもの、特に顕著に表れるようになっていった、あれ以来、“好き”と言う気持ちの膨れ方が異常すぎて、酷いときは夜も寝られない事だってあったほどだ。
そしてそんな時に考えていたのは決まって透の事だった、透の顔、透の声、何気ない仕草の一つ一つがとても眩しくて愛おしい、それこそなんで今まで気が付けなかったのか不思議な位に。
「はあぁぁ~・・・」
(透は、どう思っているんだろう・・・?)
ふとそんな考えが頭をよぎるが好きでもない人とエッチをしたりなんかしないだろうモノの、それでもハッキリ言葉に出してもらわないと困る事が世の中にはいくつかあって、これもその一つである。
(告白・・・。しなきゃだめかなぁ~・・・)
恋をすると途端に乙女になってしまう、少女のような純朴さを保ったまま大人になる女性がいるが柚希はまさにそれだった、普段の気の強さはどこへやら、熱い吐息を付きながら物憂い気な表情で考える。
(ええい、がんばれ柚希っ。普段のあなたはどうしたの!?)
普段から大事な事は人任せにしないのが柚希の性格である。
そこにケジメは付けなければ、と言う思いも加わって柚希は透を呼び出した、スマートフォンの画面をタップして素早く幼馴染みへと電話を掛ける。
「もしもし?」
「あ、透?今って時間ある?」
「今?いいよ、ちょうど僕も柚希と話がしたいって思っていたところだから」
「・・・家に来てくれる」
「うん、いいよ。今から行くからね」
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