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一条家
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透兄弟の父、一条大悟は今年で43歳になるナイスミドルな中年オヤジだ。
若い頃は柔道のオリンピック選手として活躍した彼の精神も肉体もまだまだ健在であり週末になると今でも地元の柔道場“尚武館”で透の指導の傍ら、自らも若い門下生たち相手に汗を流していた。
浅黒い肌をしたその体は筋骨隆々としていて逞しく、190㎝を誇るその身長と相まってまるで勇敢な戦士、古代ローマ時代のグラディエーターのような風格すら漂わせていた。
「透、もっと足だ足。足を使え足を!!」
「踏ん張れ、体勢を崩すな!!」
「相手をよく見ろ、仕掛けていけ仕掛けて!!」
そんな彼もいまや大手家電メーカーの営業部部長の要職に在り、その上取締役会の末席にすらもその名を連ねていたのだが、一方でその相方であり透たちの母、一条実里も大悟と同じ43歳、こちらも大手化粧品メーカーに勤める才媛で、夫と同じくそこの企画室長を任されていた。
今でも週に二、三回は大悟に抱かれているためだろう、身長167㎝、バスト99、ウエスト63、ヒップ93と言う白くて肉付きの良いその体は妖艶な魅力を漂わせており、透には全くわからないモノの他人から見ると中々にグッとくるものがあるらしい。
彼女も元々現役時代に大悟が通っていた治療院で整体師をしておりそれが縁となって二人は結ばれた、マッサージ師以外にも指圧師やアロマセラピスト、ヨガに気功師など数々の免許技能を有していた実里はそれらを駆使して当時スランプに陥っていた大悟に様々な角度からアドバイスを与え、手ほどきを加えて公私にわたって支え続けたのだ。
その結果、大悟はようやく大成した。
出場した世界選手権では三位入賞を果たし、オリンピックでも個人団体で銀メダルを獲得するなど選手として十二分な実績を積み上げるに至った。
「・・・・っつ!!」
「大丈夫でしょ、これくらい。それよりちゃんとストレッチはしているの?」
「してるよ、試合前とか練習のあととか・・・」
「それじゃ全然足りないよ。お前は体が硬いんだから、ちゃんと解さないとケガするよ?」
父親にしごかれた後のわが子のケアをしながら実里が告げるが遺伝的に屈強な肉体を持って生まれて来る一条家の男たちはみな力は強いが関節が硬く、せっかくの筋肉のしなやかさや骨格の稼働領域などを活かし切れていない傾向にあった。
それを補うべく実里はかつて大悟にしたように、子供達にも整体や気功、ヨガなどを教え込み、柔道の練習と合わせて必ずそれらを実践させるようにしていたのだ。
若い頃は柔道のオリンピック選手として活躍した彼の精神も肉体もまだまだ健在であり週末になると今でも地元の柔道場“尚武館”で透の指導の傍ら、自らも若い門下生たち相手に汗を流していた。
浅黒い肌をしたその体は筋骨隆々としていて逞しく、190㎝を誇るその身長と相まってまるで勇敢な戦士、古代ローマ時代のグラディエーターのような風格すら漂わせていた。
「透、もっと足だ足。足を使え足を!!」
「踏ん張れ、体勢を崩すな!!」
「相手をよく見ろ、仕掛けていけ仕掛けて!!」
そんな彼もいまや大手家電メーカーの営業部部長の要職に在り、その上取締役会の末席にすらもその名を連ねていたのだが、一方でその相方であり透たちの母、一条実里も大悟と同じ43歳、こちらも大手化粧品メーカーに勤める才媛で、夫と同じくそこの企画室長を任されていた。
今でも週に二、三回は大悟に抱かれているためだろう、身長167㎝、バスト99、ウエスト63、ヒップ93と言う白くて肉付きの良いその体は妖艶な魅力を漂わせており、透には全くわからないモノの他人から見ると中々にグッとくるものがあるらしい。
彼女も元々現役時代に大悟が通っていた治療院で整体師をしておりそれが縁となって二人は結ばれた、マッサージ師以外にも指圧師やアロマセラピスト、ヨガに気功師など数々の免許技能を有していた実里はそれらを駆使して当時スランプに陥っていた大悟に様々な角度からアドバイスを与え、手ほどきを加えて公私にわたって支え続けたのだ。
その結果、大悟はようやく大成した。
出場した世界選手権では三位入賞を果たし、オリンピックでも個人団体で銀メダルを獲得するなど選手として十二分な実績を積み上げるに至った。
「・・・・っつ!!」
「大丈夫でしょ、これくらい。それよりちゃんとストレッチはしているの?」
「してるよ、試合前とか練習のあととか・・・」
「それじゃ全然足りないよ。お前は体が硬いんだから、ちゃんと解さないとケガするよ?」
父親にしごかれた後のわが子のケアをしながら実里が告げるが遺伝的に屈強な肉体を持って生まれて来る一条家の男たちはみな力は強いが関節が硬く、せっかくの筋肉のしなやかさや骨格の稼働領域などを活かし切れていない傾向にあった。
それを補うべく実里はかつて大悟にしたように、子供達にも整体や気功、ヨガなどを教え込み、柔道の練習と合わせて必ずそれらを実践させるようにしていたのだ。
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