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夫婦の絆と子供への思い
“女王位選抜試験” その3
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翔太は風と水の二つの属性を操る能力を持ち合わせていたモノの幼少期はまだ、その力を十全に扱えていなかった。
要するに“落ちこぼれ”扱いされていたのだがそれが彼が周囲から舐められる原因の一つになっていたのだ。
だがしかし。
「僕、頑張るよ蒼太さん。いつかみんなを必ず見返してやるんだ、自分を認めさせてやる!!!」
「・・・へえぇ?」
彼はそれで簡単にへこたれてしまうような、柔な少年では決して無かった、一見大人しそうに見えてその実、内に秘めたる情熱は、誰にも負けないモノを持っていたのだ。
かてて加えて。
「おばあちゃん、大丈夫?」
例えばバスや電車に乗り合わせている時にはお年寄りに席を譲ったり、また或いは道端に咲いている草花を愛でる心を持っていたし、それともう一つ蒼太が目を見張ったのがその反射神経と直感力だ。
彼と知り合って半年程が経ったある日、蒼太は思い切ってこの少年を“突発的障害物回避レース”に誘い出してテストしてみたのだがその結果は青年の予想を良い意味で裏切るモノだった、これは廃墟と化して再開発と整備が急ピッチで進んでいる城塞都市ルテティアの最外殻部に広がっている、通称“旧市街地跡”に於いて毎年開催されるレースなのだが、他の参加者からの横やりや、大会側が用意したトラップを避けつつゴールを目指す、と言う内容になっている。
ちなみにこのレースに参加出来るのはセラフィムやセイレーン、ミラベルに所属している者や所属していた者達が対象であり、なので当然、参加者は大人から子供まで様々なのだがその中に於いて翔太は当時まだ僅か6歳にも関わらず、見事に8位で入賞を果たして表彰され、その筋の者達からは密かな注目を集める存在と化したのだった。
「蒼太さん。僕、やったよ!!?」
「・・・・・っ。ああ、凄いな翔太は。本当によくやったね!!!」
(この子は普通じゃない・・・)
表彰状を見せながら嬉しそうに燥ぎ回る少年を具に見て、蒼太は改めて驚愕した、と言うのは彼もかつて10歳の時に初めてこの大会に参加した事があったのだが、その時は10位でギリギリの入賞だったのに、それを翔太は上回ったのである。
(この子の本当の凄さは風と水の二つの属性を操る特殊性にあるのではない。性悪なクラスメート達からの嫌がらせを弾き返す強さと言い、人や草花に目を向ける暖かさと言い。この子には間違いなく本物の勇気と優しさがある・・・!!!)
“それだけじゃない”、と蒼太は感じた、“運動能力に反射神経、直感力が既に同時期の自分を凌駕している”と確信して“彼になら自分の後釜を託しても良いかも知れない”等と考えるに至ったのだ。
そしてその事に気付いて以降、蒼太は任務が終わると花嫁達の元に帰る前に密かに翔太に会いに行き、本当に僅かな合間だったけれども色々な話を聞かせたり、または自分の技を見せたりして彼の見聞を広めさせ、それと同時に体力や気力の全般的な底上げの為の修行法を伝授していった。
ちなみに蒼太はこの時点で翔太の事をメリアリア達にはまだ言っていなかった、“夢見の法”等の“超時空未来探知”を行って彼の大人になった後の世界線を観測しようとしたのだが、それでも現時点では将来的にこの子がどうなるのか、どのような道筋を辿るのか、と言う事が朧気にしか見えなかったからだ。
それはつまり、翔太の未来が絶えず揺らいでいる事を意味していたのであり、見方によってはそれを危険視する存在も居た為に、暫くは誰にも言わずに自分だけの胸の内に留めて置こうと考えた故の処置だったのであるモノの、しかし。
「翔太、決して変な意味に捉えて欲しくはないけれど。それでも君はもう少し自分に自信を持った方が良いな、君には無限の可能性がある。光り輝く立派な魂を持っているのだから・・・」
「・・・・・?よく解らないよ、蒼太さん」
一方で蒼太自身に限って言えば、少なくとも彼はまだ来てもいない未来に心奪われてあれこれ余計な事を考えるよりも“今、この瞬間に”最大に意識を集中させて、己の精神や能力を発揮させるようにしていた、要するに“今を如何に自分らしく生きるか”と言う事に心血を注いでいた、と言えたのだがそれは確かに、寄る辺なき身の翔太に人の優しさを教えると同時に彼の数少ない理解者となり、この少年の導き手としての役割を蒼太自身に与える事となったのであった。
だけど。
そんな蒼太もまた完全に、翔太の全てを知り得ていた訳では決して無かった、彼は翔太の交友関係にもそれなりに気を配ってはいたのだが、やはり常時傍に居られる訳では無かった為に見落としていた情報があったのである。
それと言うのが。
「翔太っ!!!」
「あ、リエラ!!!」
翔太には二つ程歳が上の、幼馴染の少女がいたのであり彼女もまたセイレーンに所属していたのであるモノの、その少女こそが何を隠そうメリアリアの愛弟子のリエラであり今回の“女王位選抜試験”に参加を表明していた彼女はそのかどで、翔太にも声を掛けては自分を支援してくれるようにと要請していたのであった。
「今度ね?私、本格的に“女王位選抜試験”を受ける事にしたんだ・・・」
「ええっ?でもあれって難しいんだろ。しかもかなり過酷だって聞いたけど・・・」
翔太の言葉に“うん、そう・・・”とややほんわかしながらリエラは応えた。
「だけどね、あのね?私、一生懸命頑張るから・・・。応援してくれたら嬉しいなって・・・」
「・・・そんなの」
“当たり前じゃないか!!!”と翔太は力強く頷いて応えた、“僕はリエラの夢だったなら応援するよ?約束する”とそう言って。
「本当に?笑ったりしない!!?」
「しないよ、そんなこと。人が一生懸命に追い求めている夢を笑うだなんて、最低の人間のする事だもの。絶対にしない!!!」
“況してや”と翔太は尚も続けた、“僕は君がどれだけ女王位に憧れて、挑戦を重ねて来たのかを知っているからね!!?”とそう告げて。
「だから笑ったりしないよ?頑張るんだリエラ、応援しているから。僕に出来る事だったのならなんでもするから・・・!!!」
「・・・・・っ。うん、有り難う。私、頑張る!!!」
少年の真剣かつ真摯な言葉に、リエラは若干頬を赤らめながら応えたが、普段は男勝りなところがある彼女も彼の前ではしおらしい、乙女な一面を見せる。
この時、リエラは翔太に淡い思いを抱いていたのであり、彼と一緒にいるとそれだけで胸が高鳴って暖かな気持ちになれた、事の発端は2年前に翔太と遊んでいる最中に何気なしに交わしたふとした会話が切っ掛けで、はにかんだ彼の横顔を見た時だ。
その瞬間に、リエラの中で何かが弾けたのであり、そして気が付いた時にはもう、彼女はこの幼馴染の少年にハッキリとした、しかし密かな恋心を抱いていたのであるモノの、それ以来。
リエラの心は翔太一色に染まっていった、彼の全てがキラキラと輝いて眩しく映り、魅力的に見えて仕方が無い。
しかし。
(どうしよう、今更“好きだ”なんて言えないし・・・)
リエラは逡巡して途方に暮れるが彼と過ごした日々はあくまで友人としてのそれであって、間違っても恋人としてのモノでは無かった、かてて加えて翔太にそのつもりが無かったのなら、“告白したらギクシャクしてしまうかも・・・”等と考えて余計に自分を雁字搦めにしてしまう。
(もし、翔太が自分以外の誰かを好きになってしまっていたなら。翔太に他に好きな人がいたのなら・・・!!!)
そう考えると嫌で嫌で悲しくて、胸が張り裂けそうになってしまった、さりとて“もし告白して失敗したら”と考えるとどうしても一歩踏み出す勇気が出せない。
幼馴染ですらいられなくなってしまったら、自分の世界から翔太と言う存在が完全に失われてしまう、そんな事は到底、耐える事が出来ない程に辛くて辛くてどうしようもない事象であった。
(私は、今のままでも十二分に幸せだよ?翔太の傍に居られるだけで、とっても幸せだから・・・)
そう自分に言い聞かせつつ、必死になって彼への恋心を、そして愛慕を押さえていたのである。
要するに“落ちこぼれ”扱いされていたのだがそれが彼が周囲から舐められる原因の一つになっていたのだ。
だがしかし。
「僕、頑張るよ蒼太さん。いつかみんなを必ず見返してやるんだ、自分を認めさせてやる!!!」
「・・・へえぇ?」
彼はそれで簡単にへこたれてしまうような、柔な少年では決して無かった、一見大人しそうに見えてその実、内に秘めたる情熱は、誰にも負けないモノを持っていたのだ。
かてて加えて。
「おばあちゃん、大丈夫?」
例えばバスや電車に乗り合わせている時にはお年寄りに席を譲ったり、また或いは道端に咲いている草花を愛でる心を持っていたし、それともう一つ蒼太が目を見張ったのがその反射神経と直感力だ。
彼と知り合って半年程が経ったある日、蒼太は思い切ってこの少年を“突発的障害物回避レース”に誘い出してテストしてみたのだがその結果は青年の予想を良い意味で裏切るモノだった、これは廃墟と化して再開発と整備が急ピッチで進んでいる城塞都市ルテティアの最外殻部に広がっている、通称“旧市街地跡”に於いて毎年開催されるレースなのだが、他の参加者からの横やりや、大会側が用意したトラップを避けつつゴールを目指す、と言う内容になっている。
ちなみにこのレースに参加出来るのはセラフィムやセイレーン、ミラベルに所属している者や所属していた者達が対象であり、なので当然、参加者は大人から子供まで様々なのだがその中に於いて翔太は当時まだ僅か6歳にも関わらず、見事に8位で入賞を果たして表彰され、その筋の者達からは密かな注目を集める存在と化したのだった。
「蒼太さん。僕、やったよ!!?」
「・・・・・っ。ああ、凄いな翔太は。本当によくやったね!!!」
(この子は普通じゃない・・・)
表彰状を見せながら嬉しそうに燥ぎ回る少年を具に見て、蒼太は改めて驚愕した、と言うのは彼もかつて10歳の時に初めてこの大会に参加した事があったのだが、その時は10位でギリギリの入賞だったのに、それを翔太は上回ったのである。
(この子の本当の凄さは風と水の二つの属性を操る特殊性にあるのではない。性悪なクラスメート達からの嫌がらせを弾き返す強さと言い、人や草花に目を向ける暖かさと言い。この子には間違いなく本物の勇気と優しさがある・・・!!!)
“それだけじゃない”、と蒼太は感じた、“運動能力に反射神経、直感力が既に同時期の自分を凌駕している”と確信して“彼になら自分の後釜を託しても良いかも知れない”等と考えるに至ったのだ。
そしてその事に気付いて以降、蒼太は任務が終わると花嫁達の元に帰る前に密かに翔太に会いに行き、本当に僅かな合間だったけれども色々な話を聞かせたり、または自分の技を見せたりして彼の見聞を広めさせ、それと同時に体力や気力の全般的な底上げの為の修行法を伝授していった。
ちなみに蒼太はこの時点で翔太の事をメリアリア達にはまだ言っていなかった、“夢見の法”等の“超時空未来探知”を行って彼の大人になった後の世界線を観測しようとしたのだが、それでも現時点では将来的にこの子がどうなるのか、どのような道筋を辿るのか、と言う事が朧気にしか見えなかったからだ。
それはつまり、翔太の未来が絶えず揺らいでいる事を意味していたのであり、見方によってはそれを危険視する存在も居た為に、暫くは誰にも言わずに自分だけの胸の内に留めて置こうと考えた故の処置だったのであるモノの、しかし。
「翔太、決して変な意味に捉えて欲しくはないけれど。それでも君はもう少し自分に自信を持った方が良いな、君には無限の可能性がある。光り輝く立派な魂を持っているのだから・・・」
「・・・・・?よく解らないよ、蒼太さん」
一方で蒼太自身に限って言えば、少なくとも彼はまだ来てもいない未来に心奪われてあれこれ余計な事を考えるよりも“今、この瞬間に”最大に意識を集中させて、己の精神や能力を発揮させるようにしていた、要するに“今を如何に自分らしく生きるか”と言う事に心血を注いでいた、と言えたのだがそれは確かに、寄る辺なき身の翔太に人の優しさを教えると同時に彼の数少ない理解者となり、この少年の導き手としての役割を蒼太自身に与える事となったのであった。
だけど。
そんな蒼太もまた完全に、翔太の全てを知り得ていた訳では決して無かった、彼は翔太の交友関係にもそれなりに気を配ってはいたのだが、やはり常時傍に居られる訳では無かった為に見落としていた情報があったのである。
それと言うのが。
「翔太っ!!!」
「あ、リエラ!!!」
翔太には二つ程歳が上の、幼馴染の少女がいたのであり彼女もまたセイレーンに所属していたのであるモノの、その少女こそが何を隠そうメリアリアの愛弟子のリエラであり今回の“女王位選抜試験”に参加を表明していた彼女はそのかどで、翔太にも声を掛けては自分を支援してくれるようにと要請していたのであった。
「今度ね?私、本格的に“女王位選抜試験”を受ける事にしたんだ・・・」
「ええっ?でもあれって難しいんだろ。しかもかなり過酷だって聞いたけど・・・」
翔太の言葉に“うん、そう・・・”とややほんわかしながらリエラは応えた。
「だけどね、あのね?私、一生懸命頑張るから・・・。応援してくれたら嬉しいなって・・・」
「・・・そんなの」
“当たり前じゃないか!!!”と翔太は力強く頷いて応えた、“僕はリエラの夢だったなら応援するよ?約束する”とそう言って。
「本当に?笑ったりしない!!?」
「しないよ、そんなこと。人が一生懸命に追い求めている夢を笑うだなんて、最低の人間のする事だもの。絶対にしない!!!」
“況してや”と翔太は尚も続けた、“僕は君がどれだけ女王位に憧れて、挑戦を重ねて来たのかを知っているからね!!?”とそう告げて。
「だから笑ったりしないよ?頑張るんだリエラ、応援しているから。僕に出来る事だったのならなんでもするから・・・!!!」
「・・・・・っ。うん、有り難う。私、頑張る!!!」
少年の真剣かつ真摯な言葉に、リエラは若干頬を赤らめながら応えたが、普段は男勝りなところがある彼女も彼の前ではしおらしい、乙女な一面を見せる。
この時、リエラは翔太に淡い思いを抱いていたのであり、彼と一緒にいるとそれだけで胸が高鳴って暖かな気持ちになれた、事の発端は2年前に翔太と遊んでいる最中に何気なしに交わしたふとした会話が切っ掛けで、はにかんだ彼の横顔を見た時だ。
その瞬間に、リエラの中で何かが弾けたのであり、そして気が付いた時にはもう、彼女はこの幼馴染の少年にハッキリとした、しかし密かな恋心を抱いていたのであるモノの、それ以来。
リエラの心は翔太一色に染まっていった、彼の全てがキラキラと輝いて眩しく映り、魅力的に見えて仕方が無い。
しかし。
(どうしよう、今更“好きだ”なんて言えないし・・・)
リエラは逡巡して途方に暮れるが彼と過ごした日々はあくまで友人としてのそれであって、間違っても恋人としてのモノでは無かった、かてて加えて翔太にそのつもりが無かったのなら、“告白したらギクシャクしてしまうかも・・・”等と考えて余計に自分を雁字搦めにしてしまう。
(もし、翔太が自分以外の誰かを好きになってしまっていたなら。翔太に他に好きな人がいたのなら・・・!!!)
そう考えると嫌で嫌で悲しくて、胸が張り裂けそうになってしまった、さりとて“もし告白して失敗したら”と考えるとどうしても一歩踏み出す勇気が出せない。
幼馴染ですらいられなくなってしまったら、自分の世界から翔太と言う存在が完全に失われてしまう、そんな事は到底、耐える事が出来ない程に辛くて辛くてどうしようもない事象であった。
(私は、今のままでも十二分に幸せだよ?翔太の傍に居られるだけで、とっても幸せだから・・・)
そう自分に言い聞かせつつ、必死になって彼への恋心を、そして愛慕を押さえていたのである。
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