星降る国の恋と愛

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夫婦の絆と子供への思い

永遠なる恋と輪廻の絆(後編)

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 魔法使いや魔法戦士等は魔法を発動させる際、通常ならばその前段階として“詠唱”を行い、法力を練り上げて行かねばならないのだが、蒼太やメリアリア達はそれを破棄して尚、強力な“上級魔法”や“終極魔法”を駆使する事が出来ていた。

 これは何故なのか、と言えばそれは蒼太の出自が大いに関係していたのであるモノの、彼の祖先は父方も母方も元々が、故国である“大八洲皇国”において高い霊力をその身に宿していた家系であって、それを活かして退魔士としての役割を背負い、代々の生業として来たのである。

 その関係上、彼等は“関東七流”や“京八流”と言った、最古参の武道に精通していたのみならず“気功法”や“整体術”を学び、更には“神儀”や“修験道”、“陰陽道”をも修めていたのだが、それらの呪術や秘法、密教には“印”を結ぶと言う概念が存在していた。

 この“印”と言うのは“宇宙の掟”や“波動の法則”等と言った、いわゆる“真理”を手の指の動きで顕したモノであり、特に修験者や陰陽師達はこれを操る事で瞬時に感覚を研ぎ澄まさせると同時に精神を集中させて行き、霊力を練り上げて呪術や秘儀を発動させるのだ。

 これは蒼太達“綾壁家”の祖先である“日下部の一族”でも長らく実践されていて、それは時を超えて彼にもしっかりと受け継がれていたのであるモノの、蒼太はこれを神界での修業の最中にイメージ、即ち“意識の世界”でこなす事により素早くかつ正確に法力を練り上げる技を会得し、それを現実世界に帰還した後でメリアリア達花嫁組にも伝えたのである。

 それを彼女達は更に自分達に合うように改良を重ねて今では高い火力を持つ上級魔法は勿論の事、より強大な威力を誇る終極魔法も瞬時に生成させて自在に使役する事が可能となっていたのだ。

 そのメリアリア達は今やたった1人で凶悪な“支配者級クエストクラス”のモンスター達の軍勢およそ一万体程を圧倒出来る程の戦闘力を有しており、戦士としては間違いなく比類無き高みへと昇り詰めていた、と言って良かったが、しかし。

「あああっ!!?蒼太、いた・・・っ❤❤❤❤❤」

「あ、あはははっ。メリー・・・!!!」

 そんな彼女達の日課は最愛の夫である“綾壁蒼太”その人を見付けて睦まじく過ごす事であり、彼との蜜月を求めて青年の元へと足繁く通い詰めるようになっていたのだ。

 否、通い詰める等と言うモノでは無くて、もし彼の姿が見えなければ見付かるまで追跡して来て草の根分けても探し出す程の狂愛ぶりを発揮していた。

「もう・・・っ❤❤❤いっぱい探したの、一体何処にいたの?」

「あ、あははっ!!?いやぁ~、ちょっとたまの休日だから屋敷の中をあちこちウロついて見たくて。散歩がてら歩いていたんだよ・・・」

 特にメリアリアのそれは酷かった、他のアウロラ、オリヴィア両名と違って“投影伝達魔法”を操る事が出来る彼女は蒼太が外を出歩いている時は勿論、カッシーニ邸の何処にいようがすぐさま見付け出して駆け付けて来るし、それを上手く防ぎ躱したとしても、比類無き愛情の裏返しである凄まじい迄の執念と気迫で必ず探し当てて追い縋って来るのであった。

 それだけではない、寝ている間にベッドに潜り込んで来るのは当たり前、彼がトイレに入っている時は扉の前でずっと待ち焦がれており、お風呂に入っている時等も“一緒に入ろう・・・?”等と裸で突撃して来る有様であったのであるが、この時も同様で誰もいない子供部屋で彼を発見する事に成功した愛妻淑女は“そうだったのね・・・?”等と何処かホッとした表情でのたまいながらも青年夫の胸元に飛び込んで行くと、顔をくっ付けてスリスリと擦り付けるようにした。

「もう・・・っ。言ってくれたら私もお散歩に付き合ってあげたの、ずっと一緒にいるの・・・っ❤❤❤❤❤」

「あはははっ!!?そう、なんだ・・・」

 自身に抱き着いたまま甘い声でそう告げるメリアリアに、なんとか笑いながら答えた青年だったが正直に言って彼もたまには1人で過ごしたい時があるモノの、メリアリア達は中々そうさせてくれなかった、三人の花嫁がいる蒼太は週替わりでそれぞれの妻達の実家を訪れるようにしていたのだが、そうするとそれまで夫に構ってもらえなかった寂しさと欲求不満から彼女達は思う存分に愛慕と恋意とを燃え滾らせて彼に迫り寄って来るのである。

「この前ね?久し振りに“ルテティアの森”に行ってみたの。そうしたら“クチナシの花”が咲いていたのよ・・・?」

「そうか、もうそんな季節なんだね・・・」

 一緒にいる時は、メリアリアは蒼太と色々なお話をするようにしていた。

 勿論、激しく掻き抱いて欲しい日もあるのだが、こうして2人で何をする訳でも無く、イチャイチャラブラブして過ごす事も、彼女にとっては非常に大切な合間であった。

「季節外れのチューリップとか、キンポウゲなんかも咲いていたの。今度一緒に見に行きたいの・・・❤❤❤❤❤」

「・・・うん、そうだね」

「そう言えばね?この前美味しいパンケーキのお店を見付けたのよ?今度一緒に連れて行ってあげるね・・・っ❤❤❤❤❤」

「あはは、それは嬉しいな。僕はパンケーキは大好きだからね・・・。ところでさ、ねえメリー?」

「んん。なぁに?蒼太・・・」

「有り難う・・・」

「・・・・・?」

 自分の言葉に、キョトンとした顔で首を傾げる愛妻に対して蒼太は更に続けた。

「生まれて来てくれて有り難う、僕と一緒になってくれたのも凄く嬉しいし・・・。それにあんなに良い子達を産んでくれて、とっても感謝しているよ?メリー。君と出会えて良かった・・・!!!」

「・・・・・っっっ!!!!!?好きっ❤❤❤」

 “大好きっっっ❤❤❤❤❤”とメリアリアは夫にしがみ付きつつ本心からの思いを口にする。

「私も、嬉しいのっ。あなたにこうして出会えた事も、あなたが生きて来てくれた事も・・・。そして何より私を愛してくれた事もっ!!!!!」

「・・・メリー」

「あの子達はとっても良い子達だわ?それにとっても大切なの。だって私の大好きな人の子供達だもの、愛しくない筈が無いわっ!!?」

「・・・そっか」

「失礼致します・・・」

 “嬉しいな・・・”等と蒼太が応えて2人が夫婦水入らずで逢瀬を満喫していた、その時だった。

 不意に廊下から人の気配がしたかと思うと1人の新人メイドが子供部屋へと入って来る。

「蒼太様、メリアリア様。こちらにいらっしゃいましたか・・・」

「あ、君は確か・・・」

「・・・なに?」

 蒼太が振り向いて何事かを口にする前にメリアリアがジロリと彼女に目をやりながらそのまま言葉を発するが、その声色は鋭くてとてものこと、歓迎しているようには見受けられない。

「は、はい。あの・・・!!!蒼太様、メリアリア様。男性と女性のお客様方がお見えになられております、なんでもセイレーンから来た方々だとか・・・」

「あ、それはね?この前のパーティー関係の案件で来たんじゃないかな・・・」

「帰ってもらって!!!」

 するとまたしても蒼太が詳しく返答する前にメリアリアが口を挟んだ。

「今日はまだ、期日じゃ無いわ?あと1週間はあるじゃないの。なんでわざわざ今日来たのかしら・・・!!?」

「は、はい。あの・・・、なんでもパーティーの期日が変更になってあと1ヶ月先延ばしになったと。それをお伝えするために」

「だったらもう良いでしょ?用件は済んだのだから。わざわざ会う必要は無いわ?今日は帰ってもらってちょうだい!!!」

「・・・・・っ。あ、あはははっ!!!」

「えええっ?で、でもあの。メリアリア様・・・?」

「下がりなさい、ステューシー。貴女の役目は済んだわ?さっさと下に行って。私達の邪魔をしないで・・・っ!!!」

「は、はいっ。失礼しましたっ!!!」

 新人なりに空気を読んで“ヤバい”と感じたのだろう。ステューシーは慌ててそう言ってお辞儀をすると、急いで夫婦の元を後にした。

「・・・もうっ。みんな困るわよね?私達がいないと何も判断出来ないのだから❤❤❤❤❤」

「あ、あはははっ!!!そうだよね?もうちょっとなんとかして欲しいなぁ~・・・」

 怒気を収めて自らの肉体にその身を寄り添わせる花嫁に対して日和見を決め込んだ花婿が告げるモノの、普段の時はともかくメリアリアは蒼太と2人きりの時間を邪魔されるのが何よりも嫌だった、かてて加えて。

 彼女は男性女性問わずに自分や自分の親しい者以外の人間が蒼太に近付いて来る事に対してある種の警戒感と言うか、嫌悪感を抱くようになってしまっており、殊にどんな存在だろうと女性を彼に接近させたりは絶対にしなかったのである。

「ねえ蒼太・・・」

「なにさ?メリー・・・」

「私のこと、好き?」

「宇宙で一番、大好きだよ?自分以外でこんなにも人を愛したのは。特に女の子を愛しく思ったのは、君が最初で最後だよ・・・!!!」

「・・・・・っっっ!!!!?嬉しいっっっっっ❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤」

 愛する夫からのその言葉に、メリアリアは心底感動してしまい、堪らず彼にしがみ付く。

「私もっ。私も蒼太だけなのっ!!!ずっと蒼太一筋だから・・・っっっ❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤」

「・・・そうか」

 “有り難うメリー”と答えると蒼太は彼女を抱き寄せた。

 愛情表現にやや行き過ぎた箇所はあるモノの、この子は間違いなく自分を愛してくれているのだ、深く思ってくれているのだ、と感じて心の底から嬉しい気持ちでいっぱいになる。

(可愛い、メリー・・・ッ!!!)

 “下手をすると自分よりも愛しくて大事な人かも知れない”等と蒼太は密かに、しかし本気でそう思う。

(守ってあげたい、この子の事を。この子にはいつまでも安寧と愛の光り輝きの中で、美しく煌めいていて欲しい。優しく笑っていて欲しいんだ、傷一つ付けさせたくない・・・!!!)

「・・・・・っっっ❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤」

(蒼太っ、好き好きっ。大好きいいぃぃぃっ❤❤❤❤❤)

 そんな自身の愛意が“深域精神感応”によって全て妻に丸聞こえになっている事を、直接伝わってしまっている事を神ならぬ身の上の蒼太はまだ気付いてはいなかった。

 これはメリアリアが蒼太と身も心も強固な絆で結ばれていた挙げ句に魂の底の底まで同調する事が出来ており、しかもその上カッシーニ家に代々伝わる秘術である“投影伝達魔法”を完全に己のモノとして使役し、かつそれを蒼太に対して集中的に用いていた為に誘発されて来た現象であったのだ。

(愛しいよ?メリー、何て可愛いんだろう。堪んないよ・・・!!!)

(~~~~~~~~っっっっっ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪)

 否、それだけではない。

 間違っても彼自身、全てを知る者では無いからまだまだ理解出来ていない事も多かったのは仕方が無い事ではあったのだが確かに、女性とはある意味では非常に脆くてその上、悲しい生き様や在り方を余儀なくされている存在ではあるモノの、しかし。

 それと同時に女の子と言うのは男の側がちゃんと本人を理解してしっかりと受け止めてあげた時、こちらが向ける以上の熱烈さと純真さで、想像を絶する程の激しい狂愛を、それも一途に捧げ尽くしてくれるモノなのである。

 少なくともメリアリアとはそう言う女性ひとであり、そしてそんな彼女の真愛まな、即ち蒼太への思いはますます盛んに燃え上がり、今や凄まじい迄の勢いで胸の中を渦巻いていたのだ。

「ねえ蒼太・・・」

「んん?なにさ、メリー」

「・・・抱いて?」

 自らの発した言葉に再び、清純無垢なかんばせに疑問符を浮かべて聞き返して来る、この運命の伴侶に対してメリアリアは思いっ切り抱擁しつつも顔を近付けて熱っぽく囁いた。

 彼の全てが大好きだった、“何時から?”とか“なんで?”と言った言葉はこの場合、何の意味も持たなかった、彼女の気持ちは既にして理屈を超越してしまっており、全てを貫いて自身の真魂を打ち震わせる。

 ただそれでも、仮に答えを述べるならば宇宙によって彼が生み出されたその瞬間から蒼太と言う男性ひとの存在の全てが、そしてやる事なす事が一々これ以上ない程にまで愛おしく、堪らなく恋しく感じるのであり、そんな彼の事を思う度にだから、メリアリアは余計に途方に暮れるのだ。

(蒼太、私だけの人。誰よりも何よりも大切な人!!!大好きなの、止められないのっ。自分よりも遙かに愛しくて恋しくて、考えるだけでどうにかなってしまいそう・・・っっっ❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤)

 今や己の全てを夫への“超愛”で満たし尽くしたメリアリアが、その小さな胸の内で本心からそう叫び、狂ったように彼を求める。

 彼女はまだ知らなかったがメリアリアと蒼太は生まれる前からの付き合いであり、輪廻転生を続ける中で夫婦となった回数が300を超えていた、その為に既に“友達夫婦”を卒業して“恋人夫婦”の領域に突入していたのである。

 そんな彼と連れ立って、実質的に彼等夫婦専用の大浴場と化していた3階の広域バスルームへと足を運んだメリアリアはこれから始まる“メイク・ラブ”に胸を躍らせていた。
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