星降る国の恋と愛

モノポールエンジン

文字の大きさ
上 下
444 / 476
夫婦の絆と子供への思い

愛欲の交淫・オリヴィア編(ピロートーク)

しおりを挟む
 それから実に1週間もの間中、オリヴィアは蒼太によって抱かれ続けていたのであるが、漸くにして夫が満足した時にはもう、彼女は精も根も尽き果てておりバスマットレスの上でグッタリとなっていた。

 それから更に3日の間。

 久方振りに結合を解いてグッスリと眠ることに成功した2人は多少、疲労を回復させた事もあってお互いに仰向けで寝転がったまま、ゆったりとした一時を過ごしていた。

「ねえ蒼太、覚えているかい?私達が始めて出会った日の事を・・・」

「・・・ああ、鮮明に覚えているよ。たしかメリーに連れられて女王位の集う“クイーンズ・カウンシル”に顔を出した時だったよね?」

 蒼太の言葉に“そうだ”と頷いてオリヴィアは話を続けた。

「初めて君のことを見た瞬間、私は一瞬で心を鷲掴みにされた。もっともその時はそれが“運命”だとか“恋”だとは思ってはいなかったけどね?まあ何というか、“興味を持った”と言うレベルの話だったんだよ・・・」

「“一目惚れ”とは違うんだ?」

「解らない。“一目惚れ”だったのかも知れないし、そうでは無かったのかも知れないけれど。とにかく君に興味を抱いたのは事実だったんだ、だけどそれからが大変だったよ?君のことを思い返す度になんて言うかこう、“滅茶苦茶にしてやりたい”と言うか。“滅茶苦茶にされたい”と言うか、そんなような衝動に駆られてね?初めの内はだから、真剣に悩んだよ。“私はヘテロやショタだったのか?”ってね、それは凄いショックだったさ・・・」

 “だけど・・・”とオリヴィアは続けた、“何度も出会いを繰り返す内に”、“私の中で君の存在がどんどん大きなモノになっていったんだ”と。

「それで気付いた時にはもう、どうにもならない位に大好きになってしまっていた。笑えるだろう?それまで恋だの愛だの知ることも無く、ただただ剣に生きて来た私が。初めてトキメキと言うモノを覚えて“心惹かれた”瞬間だった、剣や騎士としての矜持の事等忘れてしまう位にだ!!!」

「別に笑ったりはしないけれどさ・・・。だけど嬉しいな、僕と言う存在がオリヴィアにそこまでの変化を与えていたなんて・・・!!!」

「・・・君は初めて私に“女”と言うモノを自覚させた、唯一無二の男性ひとだからね?・・・だから、蒼太」

「・・・・・?」

「裏切ったら、許さないからな!!!」

 妖艶な笑みの中に殺気を込めて自分に迫る騎騎士姫に対して蒼太は“あ、あははは・・・”と苦笑いを浮かべて応じた。

「大丈夫だよ、そんな事はしないさ?こんなに可愛くて美しくて。何より僕の事を思ってくれている女の子達を悲しませるような事はしないよ・・・」

「・・・本当か?本当に今後も変わらずに、私を愛し続けていてくれるか!!?」

「・・・ああ、約束する。僕はオリヴィアを愛しているし、今後もそれは変わらないよ?信じてくれるかい?」

「信じるわ・・・?」

 “今だけは・・・”と騎士姫から1人の麗しい女性に戻った黒髪令嬢は最愛の夫の胸の中にそっと顔を埋めながら答えた。

「ねえオリヴィア」

「んん?」

「良い子達を産んでくれて有り難う。お陰で僕も生き甲斐と言うべきか、なんだか張り合いが出て来たよ・・・」

「そんなこと・・・。私こそ有り難う、生まれて来てくれて。私と出会ってくれて有り難う、夫婦になってくれて有り難う。愛してるわ?蒼太・・・!!!」

 そう言うとオリヴィアは。

 夫の唇へと自らの“それ”を重ねた。

「・・・私、幸せよ?蒼太。これからもずっと一緒にいてね?」

「・・・ああ」

 “ああ”と蒼太はもう1度だけ、頷いて答えた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない

一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。 クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。 さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。 両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。 ……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。 それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。 皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。 ※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

愛される日は来ないので

豆狸
恋愛
だけど体調を崩して寝込んだ途端、女主人の部屋から物置部屋へ移され、満足に食事ももらえずに死んでいったとき、私は悟ったのです。 ──なにをどんなに頑張ろうと、私がラミレス様に愛される日は来ないのだと。

処理中です...