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夫婦の絆と子供への思い
“悠久の園”事件 5
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「・・・リエラ。君に一言だけ言っておくことがある」
「・・・・・?」
「死ぬな、リエラ・・・」
激闘を終えて。
蒼太に完全回復してもらった一行は、彼から“第7宮”を通過する許可を得た、つまりは蒼太は彼女達を認めたのである。
「・・・死ぬな?」
「そうだ・・・」
怪訝そうに聞き返すリエラに対して蒼太は頷いてみせた。
「どう言うこと?それ。優れた戦士ならば戦って戦って、戦い抜いて。1つでも多くの敵をやっつけて死ぬべきなのではないの・・・?」
「些か言い方が悪いのかも知れないが・・・。それに君は女だから尚更解り難いかも知れないけれど、明日の勝利の為には敢えて今日の屈辱に耐えなければならない事もある。それが男と言うモノだ」
「・・・・・」
「今日の君の戦い方を見ていて、思ったんだけれども・・・。あんな戦い方をしていては、君はいつか確実に死ぬぞ?いいや、君はそれで良いかも知れない。自分の誇りと信念と、そして矜持の為に戦って死んでいくのだからむしろ本望だろう。しかし・・・」
“残された者達はどうするのだ?”と蒼太は続けた。
「後に残された者達は君と言う掛け替えのない存在を失うのだ、その悲しみと苦しみとを考えた事があるか?」
「・・・・・」
「君は確かに見事な女性だ、君はこの戦いで己の信念を誠意に昇華させたのだ。あの極限な状況下にあって様々な雑念を捨て去り、誘惑に打ち克ち、はたまた自分の命の危険すら省みずただただひたすら“友を助けたい”と言う純粋な願いを貫き通した。そしてそれだけに意識を集中させていった結果として君の思いは紛う事無き“誠意”と化し、“内なる神”に届いたのだ!!!」
「・・・誠意?」
「そうだ。“神”を動かしたんだよ、君は・・・」
頷く蒼太とは対照的に、リエラはキョトンとしていた、どうやら彼女にはまだ解らない事柄だったようだが、さて。
「しかしなリエラ、それは良いとしてもそこに至る道程が君は落第点だらけだった。良いか?リエラ。戦いと言うのは己を守り、己の大切なモノを守り抜いてこそ、初めて価値があるモノとなるのだ。それなのにあれでは単なる“戦闘狂”の振る舞いにしか見えないよ。とても誇りある戦士の“それ”ではなかった・・・」
「・・・言いたい事は、何となく解ったけど。でも私は!!!」
「・・・あの子は。メリーは君に“死ね”とは言わなかった筈だぞ?そんな事を教わってはいない筈だ!!!」
「・・・・・っっっ!!!!!」
その言葉を聞いた時に、リエラは初めて言葉を飲み込み項垂れてしまうが、そうだった。
メリアリアは常日頃から彼女に言っていたのである、“自分を大切にしなさい”と、“それが出来なければ他人を大切にも出来ないよ?”と。
「・・・メリアリア様!!!」
「・・・君があんな戦い方をすればするほど、君はメリーを侮辱した事になるのだ。そしてその結果として犬死に等をしてしまえばもう、君は許されない存在になるんだよ?」
「・・・・・」
「・・・君は大勢の人々に愛され、支えられてここにいるんだ。その事を忘れないようにね?」
“行け”と、そこまで言い終えた蒼太は告げた、“君の身に幸があらんことを祈っている”とそう結んで。
そして。
彼女達の一団を見送った後で、改めて心の中で妻に向かって念じて言った、“ごめん、余計なお節介だったかな?”と。
すると。
(有り難う・・・)
頭の中に響く声でその答えが帰って来た。
(あなたは、素晴らしい人です。だって私の自慢の夫だもの、そして最愛の男性だもの!!!)
「・・・そうか」
“こちらこそ有り難うだよ、メリー・・・”と蒼太もまた応じると、更に続けて“だけどごめんね?ここを通しちゃったよ・・・”と流石に悪びれながら謝罪した。
(どうやらリエラは、あなたの加護を得たみたいね)
“だけど”とメリアリアは不意に厳しい声を出した、“最後の審判はこの私、自らが下す!!!“と。
「・・・リエラを、討つのかい?」
(事と次第によってはね?それにあなたにも申し訳なく思っているわ。まさかあの子に授けた力を、こんな事の為に使われるなんて思いも寄らなかったもの!!!)
「あはは・・・。楽しかったよ?僕としては。それに勉強にもなったしね・・・!!!」
と済まなさそうな困り顔を浮かべるメリアリアとは対照的に、蒼太は屈託なく笑って告げるが、蒼太もメリアリアも肉体が青年期のそれであり、また気力や精力に満ち溢れていた分、気持ちや心も若々しくあった。
そしてそう言った“精神面での活力”がまた肉体に跳ね返り、結果として更なる明るさや気さくさ、そして溌剌さを醸し出していたのである。
「・・・とにかく。だけど困ったな、このままじゃ皇帝陛下に申し訳が立たないよ。だけどあの子達に告げた言葉を反故にも出来なかったしなぁ!!!」
(良いのよ?それで。あなたは何も間違って無いわ!!!)
“それに”とメリアリアは言った、“私が捕まえれば同じ事だもの!!!”と。
「・・・だよね?それに皇帝陛下は“絶対にここを通すな”とは仰られなかったしね!!?」
(あはは・・・っ。そうよ蒼太。全然大丈夫よ!!!)
“それにいざとなったら・・・”とメリアリアが更に続けた、“私も一緒に死んであげるから”とそう答えて。
「・・・ごめん、メリー。恩に着るよ、じゃなかった。愛してるよ、メリー!!!」
(・・・・・っっっ❤❤❤❤❤私も、蒼太。愛してるわ!!!)
“それじゃあ後でね!!?”とそう言ってメリアリアは念話を区切らせ、次いでその場にいた戦友達2人に告げた。
「今、あの人から連絡があって・・・。4人組がこちらに向かっているんですって」
「・・・・・っっっ!!!!?まさか、そんな。って言うか蒼太さん、終始圧倒していたのにどうして」
「確かにこの目で見ていたが・・・。しかし未だに信じられん。蒼太を、突破したと言うのか?バカな・・・!!!」
「・・・あの人が通してあげたみたい。蒼太は情に弱いからね、なんだかんだ言っても優しい人だから」
“だけど”とメリアリアは続けた、“この先には行かせない”と。
「なんとしてでもここで仕留めなくては。アウロラ、オリヴィア。力を貸してちょうだい!!!」
「勿論です!!!」
「言われるまでもない!!!」
メリアリアの言葉に頷くと2人は武器を取って立ち上がり、“悠久の園”の出入り口へと目をやった。
当然の事ながらメリアリアも“茨の聖鞭”を装備して彼女達に続くが、それを何も知らないリエラ達は意気揚々と“悠久の園”目指して場内を直走りに走り続けていったのだ。
「・・・・・?」
「死ぬな、リエラ・・・」
激闘を終えて。
蒼太に完全回復してもらった一行は、彼から“第7宮”を通過する許可を得た、つまりは蒼太は彼女達を認めたのである。
「・・・死ぬな?」
「そうだ・・・」
怪訝そうに聞き返すリエラに対して蒼太は頷いてみせた。
「どう言うこと?それ。優れた戦士ならば戦って戦って、戦い抜いて。1つでも多くの敵をやっつけて死ぬべきなのではないの・・・?」
「些か言い方が悪いのかも知れないが・・・。それに君は女だから尚更解り難いかも知れないけれど、明日の勝利の為には敢えて今日の屈辱に耐えなければならない事もある。それが男と言うモノだ」
「・・・・・」
「今日の君の戦い方を見ていて、思ったんだけれども・・・。あんな戦い方をしていては、君はいつか確実に死ぬぞ?いいや、君はそれで良いかも知れない。自分の誇りと信念と、そして矜持の為に戦って死んでいくのだからむしろ本望だろう。しかし・・・」
“残された者達はどうするのだ?”と蒼太は続けた。
「後に残された者達は君と言う掛け替えのない存在を失うのだ、その悲しみと苦しみとを考えた事があるか?」
「・・・・・」
「君は確かに見事な女性だ、君はこの戦いで己の信念を誠意に昇華させたのだ。あの極限な状況下にあって様々な雑念を捨て去り、誘惑に打ち克ち、はたまた自分の命の危険すら省みずただただひたすら“友を助けたい”と言う純粋な願いを貫き通した。そしてそれだけに意識を集中させていった結果として君の思いは紛う事無き“誠意”と化し、“内なる神”に届いたのだ!!!」
「・・・誠意?」
「そうだ。“神”を動かしたんだよ、君は・・・」
頷く蒼太とは対照的に、リエラはキョトンとしていた、どうやら彼女にはまだ解らない事柄だったようだが、さて。
「しかしなリエラ、それは良いとしてもそこに至る道程が君は落第点だらけだった。良いか?リエラ。戦いと言うのは己を守り、己の大切なモノを守り抜いてこそ、初めて価値があるモノとなるのだ。それなのにあれでは単なる“戦闘狂”の振る舞いにしか見えないよ。とても誇りある戦士の“それ”ではなかった・・・」
「・・・言いたい事は、何となく解ったけど。でも私は!!!」
「・・・あの子は。メリーは君に“死ね”とは言わなかった筈だぞ?そんな事を教わってはいない筈だ!!!」
「・・・・・っっっ!!!!!」
その言葉を聞いた時に、リエラは初めて言葉を飲み込み項垂れてしまうが、そうだった。
メリアリアは常日頃から彼女に言っていたのである、“自分を大切にしなさい”と、“それが出来なければ他人を大切にも出来ないよ?”と。
「・・・メリアリア様!!!」
「・・・君があんな戦い方をすればするほど、君はメリーを侮辱した事になるのだ。そしてその結果として犬死に等をしてしまえばもう、君は許されない存在になるんだよ?」
「・・・・・」
「・・・君は大勢の人々に愛され、支えられてここにいるんだ。その事を忘れないようにね?」
“行け”と、そこまで言い終えた蒼太は告げた、“君の身に幸があらんことを祈っている”とそう結んで。
そして。
彼女達の一団を見送った後で、改めて心の中で妻に向かって念じて言った、“ごめん、余計なお節介だったかな?”と。
すると。
(有り難う・・・)
頭の中に響く声でその答えが帰って来た。
(あなたは、素晴らしい人です。だって私の自慢の夫だもの、そして最愛の男性だもの!!!)
「・・・そうか」
“こちらこそ有り難うだよ、メリー・・・”と蒼太もまた応じると、更に続けて“だけどごめんね?ここを通しちゃったよ・・・”と流石に悪びれながら謝罪した。
(どうやらリエラは、あなたの加護を得たみたいね)
“だけど”とメリアリアは不意に厳しい声を出した、“最後の審判はこの私、自らが下す!!!“と。
「・・・リエラを、討つのかい?」
(事と次第によってはね?それにあなたにも申し訳なく思っているわ。まさかあの子に授けた力を、こんな事の為に使われるなんて思いも寄らなかったもの!!!)
「あはは・・・。楽しかったよ?僕としては。それに勉強にもなったしね・・・!!!」
と済まなさそうな困り顔を浮かべるメリアリアとは対照的に、蒼太は屈託なく笑って告げるが、蒼太もメリアリアも肉体が青年期のそれであり、また気力や精力に満ち溢れていた分、気持ちや心も若々しくあった。
そしてそう言った“精神面での活力”がまた肉体に跳ね返り、結果として更なる明るさや気さくさ、そして溌剌さを醸し出していたのである。
「・・・とにかく。だけど困ったな、このままじゃ皇帝陛下に申し訳が立たないよ。だけどあの子達に告げた言葉を反故にも出来なかったしなぁ!!!」
(良いのよ?それで。あなたは何も間違って無いわ!!!)
“それに”とメリアリアは言った、“私が捕まえれば同じ事だもの!!!”と。
「・・・だよね?それに皇帝陛下は“絶対にここを通すな”とは仰られなかったしね!!?」
(あはは・・・っ。そうよ蒼太。全然大丈夫よ!!!)
“それにいざとなったら・・・”とメリアリアが更に続けた、“私も一緒に死んであげるから”とそう答えて。
「・・・ごめん、メリー。恩に着るよ、じゃなかった。愛してるよ、メリー!!!」
(・・・・・っっっ❤❤❤❤❤私も、蒼太。愛してるわ!!!)
“それじゃあ後でね!!?”とそう言ってメリアリアは念話を区切らせ、次いでその場にいた戦友達2人に告げた。
「今、あの人から連絡があって・・・。4人組がこちらに向かっているんですって」
「・・・・・っっっ!!!!?まさか、そんな。って言うか蒼太さん、終始圧倒していたのにどうして」
「確かにこの目で見ていたが・・・。しかし未だに信じられん。蒼太を、突破したと言うのか?バカな・・・!!!」
「・・・あの人が通してあげたみたい。蒼太は情に弱いからね、なんだかんだ言っても優しい人だから」
“だけど”とメリアリアは続けた、“この先には行かせない”と。
「なんとしてでもここで仕留めなくては。アウロラ、オリヴィア。力を貸してちょうだい!!!」
「勿論です!!!」
「言われるまでもない!!!」
メリアリアの言葉に頷くと2人は武器を取って立ち上がり、“悠久の園”の出入り口へと目をやった。
当然の事ながらメリアリアも“茨の聖鞭”を装備して彼女達に続くが、それを何も知らないリエラ達は意気揚々と“悠久の園”目指して場内を直走りに走り続けていったのだ。
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