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夫婦の絆と子供への思い
蒼太と花嫁達 16
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まだ子供達が生まれる前から、蒼太は自分の花嫁達との間に非常に強固な愛情と絆とを育み、彼女達としっかりと結ばれ合う事に成功していた。
それは単に“身も心も”と言う話では無くて魂の深い領域にまでも及んでおりその結果、彼等は夫婦でしばしば“同調現象”をも誘発させては“愛しさ”や“楽しさ”だけでは無くて“悲しみ”や“苦しみ”さえも、その一つ一つを共有していたのであったモノの、そんな蒼太と花嫁達の“繋がりの確かさ”は子供達が生まれた際にも存分に発揮される事となった、子育て時の一悶着やお互いの気持ちのすれ違い等を解消して無事に乗り越え、更に言うならばやや育児ノイローゼ気味に陥ってしまっていた花嫁達の精神をも癒して安定させる事が出来たのである。
それだけではない、予てより霊性レベルでの交合を果たしていた夫婦は相手への思慕と理解と縁とを余計に強め、ますます深めて行ったのだがそれらの影響もあっての事だろう、途中から彼等はそれぞれが持つ力を相互に扱えるようになっていった。
例えば蒼太はメリアリアの秘め宿したる極意である“絶対熱の煌火”を発現出来るし、反対にメリアリアもまた蒼太の誇る“光速の風”を自在に操る事が可能であったのだが、そんな彼等の中でも最大最強の奥義が無限大質量放出、通称“オメガニックバースト”と呼ばれている、光の早さかそれ以上の速度で疾走して行く超圧縮された膨大な理力エネルギーの迸りである。
これには蒼太の“龍神の咆哮”にメリアリアの“極炎砲”、そしてアウロラの“バーストキャノン・オメガ”やオリヴィアの“雷神の閃槍”等複数の決め手が存在しているモノの、中でもメリアリア達花嫁組が操る必殺技は比類無き威力と共に、稀に見る特殊性をも兼ね備えていたのだ。
その特殊性とは“時空間を超越して他次元をも穿つ事が出来る”と言うモノであったが、そもそもが“絶対熱の煌火”や“星震魔法”、“パルサー呪文”と言った自然法力の極意技に己の次元波動オーラを融合させて練り上げる事で宇宙開闢の力たる“理力”を生成する事を要諦とするこれらの奥義には、その放射線上に強烈な“次元の歪み”を生み出す事が確認されていて、その事に気付いたメリアリア達から元々の技の開発者であり、かつまた自分達の夫である蒼太に対して予てより“多用すれば宇宙そのものを引き裂いてしまう可能性がある”旨が伝えられていた。
ただしその為には相反する力や性質を持った、二つの次元波動バースト流を同時に放ち、更にそれを合一させる事が必須とされていたのであるが、この技法をメリアリアやアウロラ達は蒼太からの基礎的訓練を受けた後に、自ら己に課した厳しい修業によって獲得するに至っておりその結果、今や彼女達の無限大質量放出技は全て左右対称の回転を持つ次元波動バースト流の連装崩壊砲と化していて、その威力はオリジナルである花婿のモノを圧倒的な迄に上回っていたのである。
しかし。
「いや~、君達は本当に凄いね。まさかこんな短期間で“龍神の咆哮”を自分のモノにしてしまうだけではなくて、それを上回る技をも開発してしまうなんて!!!」
“僕より威力が上じゃないか”、“正直に言って脱帽したよ!!!”と蒼太は本心から感心すると同時に手放しで花嫁達を褒めちぎったが彼はいつもメリアリア達が強くなったり、自分の技を吸収してそれを更に昇華させると悔しがる所か自分の事のように喜んでくれた。
そしてそれが嘘や偽りで無い事は、また上辺っ面の強がりでも無い事は花嫁達全員が感じ取り、理解している事であったが総じて女性と言うのは元々の感受性が高く、特に自分が大好きな人の事は非常に良く見ており、勘を働かせる事が出来る生き物なのである。
何故ならば彼女達は夫や恋人の反応パターンを、“意識の連続体”として理解している為に本人が不自然な行動を取れば忽ちの内にその心理を見抜く事が出来るようになっていたのだが、そんなメリアリア達はだから蒼太が本当に、自分達が強くなって行くのを祝福してくれているのを敏感に感じ取っていたのであった。
(・・・変ね?)
ある時メリアリアはふと思った、通常、どんな男にもプライドと言うモノが存在しており、それが素直さを発揮したり愛情を表現したりする上で障害となり得る場合がある事は、彼女もよくよく知っていたのである。
確かに蒼太は言ってくれた、“強くなっておくれよ?メリー”と、“誰よりも何よりも強くなって、ずっとずっと強くて美しい君のままでいてくれ”、“僕の憧れた女性のままでいてくれよ・・・?”と。
その気持ちは有り難いし、正直に言って嬉しかったがそれにしたって。
(蒼太、どうしちゃったのかな。もしかしたならもう、強くなるのを諦めてしまった、とか・・・?)
“いくら何でもそれは無いわよね?”、“鍛錬だってちゃんとしてるし・・・”とメリアリアは即座に自分の考えを否定するが、ではどうして彼が腐らず、また悔しがりもせずに自分達をひたすら強化してくれるのか、と言う疑問に付いての答えを出せずにいたのだ。
「ねえ蒼太。悔しくないの・・・?」
「えっ。なにが・・・?」
結婚してから暫く経ったある日、まだ子供が産まれていない時分の事。
どうしても己の中から噴き出る念意を抑えきれなくなってしまい、思い切って本人に直接問い質す事にした愛妻淑女に対して蒼太は多少の驚きを隠せずに応じた。
「だって・・・。私達はあなたよりもかなり強くなってしまったと思うのだけど・・・。蒼太はそれをどう思っているのかな~って・・・」
「う~ん・・・」
「正直に言ってあなたには凄く感謝しているわ?だって私達がここまで強くなれたのは、間違いなくあなたのお陰だもの。だけど、その・・・。如何に勉強の為にとは言えどもあなた自身は自分の技を真似されたりとか、夫として妻に追い抜かれた事に対してどう思っているのかが、凄く気になっちゃって・・・」
「・・・ぷっ!!!」
“あっはっはっはっ!!!”と神妙そうな面持ちとなって質問してくる花嫁に対して、それを聞いた蒼太は思わず吹き出してしまっていた。
「・・・・・っ。な、なによ?蒼太。私、なにかおかしな事でも言った?」
「あっはっはっは・・・っ!!!いやぁ~、ごめんごめん。最近なにか悩んでいるみたいだな~って思ってはいたけれど、まさかそんな事を気にしていただなんてね・・・!!?」
「・・・・・っ。そ、そんな事ってなによ?私は真剣に悩んでいるのよ?だってあなたにだってプライドって言うモノがあるだろうし、それを“傷付けてしまったのかな”って思って!!!」
「・・・メリー」
“可愛い!!!”とそう言い様に蒼太はメリアリアを抱き寄せる。
「あ・・・」
「ねえメリー。僕はね?君達に、いいや何よりも君自身に誰よりも何よりも強くなって欲しいと思っているんだよ?それに言っただろう?“僕の憧れた女性のままでいてくれ”って。その気持ちに嘘は無いから・・・」
「それは。だけど・・・」
「それにさ、メリー?君は僕の凄まじさを誰よりも解ってくれている筈だけど・・・」
「・・・・・っ。それは、まあね?だけど」
戸惑いながらも自らにしっかりと抱擁されて、それでも尚も嫌がる事無く、だけどキョトンとした顔を覗かせる愛妻淑女の純朴な反応に蒼太は笑いながら言葉を続けた。
「僕の強さや凄さを、一番解ってくれているのは君だろ?メリー・・・」
「・・・・・?」
「僕はね?メリー。ベッドの上で君達に勝っていればそれで良いのさ・・・!!!」
「・・・・・っっっ!?!?!?!?!?」
“もうっ。蒼太ったら!!!”とその話を聞いて最初は何の事なのか解らなかったメリアリアは、しかしやがて理解が追い付いて来ると呆れつつも少しだけ怒気を孕んだ声でそう告げた、“真面目に答えなさいよ!!!”とそう言って。
しかし。
「僕は至って真面目だよ?メリー。それに君だってその方が良いだろう?僕がひ弱でへなちょこよりも、逞しくて君を。君達をヒ~ヒ~言わせていた方が本当は嬉しいだろうが!!!」
「それは・・・っ。まあそうだけど・・・っ!!!!!」
「良いんだよ、僕はそれで。充分に君達を圧倒出来ているからね・・・!!!」
「・・・・・」
蒼太は飄々とした風体でそう言うと、メリアリアに軽めの口付けをしてそのまま腕を解き、その場を後にしていったが一方のメリアリアは取り敢えずは納得したモノの、何だか軽くいなされた感じがしないでも無い。
だけど。
(蒼太は、少なくとも本心を言ってはくれたと思う。そうは感じるんだけど、でも・・・)
何だか彼にはもっと別の物凄く大きな目的と言うか、目指すべき指標があるように感じたメリアリアは後日、もう一度改めてこの話題を蒼太本人にぶつけてみた、“本当に悔しくは無いのか?”と、“本当は嫉妬したり、腹を立てているんじゃないのか?”と。
すると。
「・・・メリー、僕はね?“強さ”に付いて考えているんだよ」
「・・・“強さ”?」
「そうさ?一応聞いておきたいんだけれど、君達にとっての。いいやもっと言ってしまえば君にとっての“強さ”って、なんだい・・・?」
「ええ?う~ん・・・」
そう言われてメリアリアは改めて考え込んでしまっていた、確かに“強さとは何か”、“力とは何か”と言う事柄に付いては今まで自分の中にある“漠然とした思い”は感じてはいても“確かなる答え”を持っていた訳では無かったからである。
「・・・解んない、“自分を貫き通す力”の事かしら?」
「“何度でも立ち上がれる逞しさ”の事だよ、簡単に言うと・・・」
そんな花嫁に対して蒼太が告げた。
「“自分を貫き通す力”には大概の場合、“暴力”が含まれるだろ?まあ今の世界情勢を鑑みるに多少はやむを得ない事なのかも知れないけれど・・・。だけど本当の強さとは、他者を踏み躙るモノでは無いと僕は思っているんだよね・・・」
「・・・・・」
「ハッキリと言えば僕も含めて今の人間達と言うのは、誰でも彼でも“力の行使”を“横暴さの発露”と履き違えている節がある。だけど本来ならば必ずしもそうでは無かったと思うんだ、よく考えてごらんよメリー。最初に人間や宇宙を作った神様は“愛”をその基盤に置いた、君だって言っていただろ?“人の心や気持ちこそが何よりも大事なんだ”って、“こうありたいと願う強い思いこそが何物にも勝る本物の魔法なんだ”って。正直に言って僕もそう思うよ?にも関わらずに今の世の中は“誠実さ”や“心ある人物”よりも“力を持った者”により注目が集まるようになっている、男も女も魅力を感じるようになってしまっている。これっておかしな事じゃないか?」
「それは、確かに・・・。そう思わなくはないけれど、だけど・・・」
「別に誰もがそうだ、とか言うつもりは無いけれど・・・。だけど女性の内の何割かの人々は特に“暴力を振るう尖った男”に逞しさを感じて追い求めるようになってしまっている。基本的に女の子と言うのは得てして感受性が強い生き物なんだ、要するに“現状を写す鏡”なんだ。だから“多くの女性がそう言う様相を呈している”と言うのはこの世界が力によって支配されている、何よりの証拠なんだよ。それも“横暴な力”によってね?もっと言ってしまえばそれは“愛が踏み躙られている”、もしくは“心を大事にしない世界が蔓延っている”と言う事に他ならないと思うんだよね・・・」
「・・・・・」
「今の世の中ってさ、最終的には何でも暴力や権力で解決するだろ?他者の持っている善良な部分や可能性の光り輝きを、全て根刮ぎ有無を言わさず破滅させて押し潰してしまう。その最たるモノが“闘い”や“戦争”と呼ばれているモノの正体さ?だけど僕はそれが全てでは無い、と思っているんだよ・・・」
「・・・・・」
「他者の心の傷跡や痛みを理解して癒し、光に戻してあげる能力。或いは闇や穢れを祓って浄化し、高みへと導いて行ける心の作用。そう言ったモノも立派な強さだと思うんだ、僕はそれを体得してみたいんだよメリー・・・」
「・・・・・っ!!?蒼太、それは」
「“キレイごとだ”って言うんだろ?知っているさ、そんなこと。だけどね?メリー、僕は・・・」
「ううん、違うわ・・・!!!」
「・・・・・?」
何事かを更に言い連ねようとしていた蒼太の声を、しかしメリアリアの言葉が制した。
「・・・やっぱり、あなたは素晴らしい人だわ?尊敬出来る人だわ。本当の強さや優しさを、ちゃんと知っている人なのよ!!!あなたを愛して本当に良かったって、大好きになって良かったって。心の底からそう思ったのっ❤❤❤❤❤」
「・・・・・」
「そうだよね?今の世の中って、確かに暴力が支配しているよね。私も必殺技を極める事ばかりに夢中になってて気が付かなかった、ううん。本当は解っていたの、“このままではいけないんだ”って事に。“このまま行けば取り返しの付かない事になるかも”って、だけど・・・」
「・・・そうか」
愛妻淑女の思いに蒼太が頷くモノの、彼女もまた感じて理解していたのである、相手の存在全てを、その持てる輝きごと破壊してしまう技ばかり磨いたとて、その先には暗黒の世界しか待っていないのだ、と言う事を。
自分や他人を救ってあげられる能力こそ、真性なる愛と光の発露に他ならないのだ、と言う事を。
そして。
(それが解る、と言う事は。即ちメリーもそれだけの優しさを持っていた、と言う事だ。本物の高潔さを兼ね備えていた、と言う事だ。間違いない、やっぱりメリーは素晴らしい女性だ。こんなにも可愛らしくて偉大な人が、僕と共に歩んでくれる伴侶だなんて・・・!!!)
「ねえメリー・・・」
「・・・・・?」
「僕も、君を好きになって良かった。本当に良かった!!!」
「・・・・・っっっ❤❤❤❤❤」
そう告げる夫の胸元へと、メリアリアは自然と飛び込んで行くモノの彼女はこの時に漸く理解したのである、“蒼太の力の真髄はこの暖かさにこそあるのだ”と、“優しさこそが彼の強さの本質なのだ”と。
(この人は、きっと私がどんなになっても優しく受け止めて愛してくれる。今までもこの先も、ずっとずっと・・・)
それが彼女の実感であり、またここに来て改めて得た悟りであった、 元々彼女は蒼太から“もし誰かに暴行を受けたなら話してくれ”、“それが性的なモノでも構わないから”と言われ、驚かされた事があった。
幸いにして、と言うべきかメリアリア自身はそう言う“辛い思い”をした事はそれまでで一度も無かったモノの、それでも蒼太は“何かあったなら言って欲しい”、“僕が忘れさせてやるから・・・!!!”と真剣な眼差しを向けながらそう告げて 、熱い思いをぶつけて来た事があったのだ。
(・・・もうっ。蒼太ったらっ❤❤❤❤❤)
あまりにも唐突な恋人からの言葉に当初は困惑していたメリアリアであったがすぐに深くて甘い烈々たる喜びと共にそれを受け入れ、“大丈夫だよ?”と彼に答えた事があったモノのあの時の事を再び思い出した格好となった彼女はそれ以降、蒼太に対してますます心酔すると同時に確かなる愛情を抱いて行くに至っていたのだ。
それは子供が産まれようが何をしようが変わる事無く続いて行き、やがては彼女を蒼太の妻として彼の色に染まり切らせた挙げ句、1人の女性としても“女の性”に目覚めさせて行く事となる。
(それに確かに私は戦闘能力では夫を上回っているけれど・・・。だけど根本的な生命力や精神力、それに絶倫さでは到底、及ばないわ?もしかしたなら潜在能力まで含めた全力を発揮した場合、蒼太は誰よりも何よりも強いのかも・・・)
己の全身と内心とでそんな事を感じ取り、それについてあれこれ思案するメリアリアであったが、一方で。
(自己や他者の闇を祓って光へと導いてあげる能力、救ってあげられる心の作用。そんなモノはキレイごとだ、と言う人もいるのだろうけれど。だけど本来、人間とはキレイごとだけで生きていける種族の筈なんだ。何故ならば神々や宇宙の愛と光とを最大限に発揮して生み出された存在であるからだ、むしろ悪を容認しなければやっていけない今の世の中の方が異常なんだ。みんながみんな“仕方が無い”で済ましていた内に、それがいつの間にか当たり前になってしまって意識が麻痺してしまっているのだろうけれど・・・)
蒼太もまた、自分の中に埋没して己と対話を繰り広げ、熟考に熟考を重ねていたのだが彼はこの後、自分の中に芽生えし衝動的疑念に真っ向から取り組んでその結果、見事に形に直して“答え”と為し、その“光の能力”と“優しさの心”とで自分の妻達や子供達の悩みや苦しみを取り除き、更には義両親や義実家を救いに導く事となるのであった。
それは単に“身も心も”と言う話では無くて魂の深い領域にまでも及んでおりその結果、彼等は夫婦でしばしば“同調現象”をも誘発させては“愛しさ”や“楽しさ”だけでは無くて“悲しみ”や“苦しみ”さえも、その一つ一つを共有していたのであったモノの、そんな蒼太と花嫁達の“繋がりの確かさ”は子供達が生まれた際にも存分に発揮される事となった、子育て時の一悶着やお互いの気持ちのすれ違い等を解消して無事に乗り越え、更に言うならばやや育児ノイローゼ気味に陥ってしまっていた花嫁達の精神をも癒して安定させる事が出来たのである。
それだけではない、予てより霊性レベルでの交合を果たしていた夫婦は相手への思慕と理解と縁とを余計に強め、ますます深めて行ったのだがそれらの影響もあっての事だろう、途中から彼等はそれぞれが持つ力を相互に扱えるようになっていった。
例えば蒼太はメリアリアの秘め宿したる極意である“絶対熱の煌火”を発現出来るし、反対にメリアリアもまた蒼太の誇る“光速の風”を自在に操る事が可能であったのだが、そんな彼等の中でも最大最強の奥義が無限大質量放出、通称“オメガニックバースト”と呼ばれている、光の早さかそれ以上の速度で疾走して行く超圧縮された膨大な理力エネルギーの迸りである。
これには蒼太の“龍神の咆哮”にメリアリアの“極炎砲”、そしてアウロラの“バーストキャノン・オメガ”やオリヴィアの“雷神の閃槍”等複数の決め手が存在しているモノの、中でもメリアリア達花嫁組が操る必殺技は比類無き威力と共に、稀に見る特殊性をも兼ね備えていたのだ。
その特殊性とは“時空間を超越して他次元をも穿つ事が出来る”と言うモノであったが、そもそもが“絶対熱の煌火”や“星震魔法”、“パルサー呪文”と言った自然法力の極意技に己の次元波動オーラを融合させて練り上げる事で宇宙開闢の力たる“理力”を生成する事を要諦とするこれらの奥義には、その放射線上に強烈な“次元の歪み”を生み出す事が確認されていて、その事に気付いたメリアリア達から元々の技の開発者であり、かつまた自分達の夫である蒼太に対して予てより“多用すれば宇宙そのものを引き裂いてしまう可能性がある”旨が伝えられていた。
ただしその為には相反する力や性質を持った、二つの次元波動バースト流を同時に放ち、更にそれを合一させる事が必須とされていたのであるが、この技法をメリアリアやアウロラ達は蒼太からの基礎的訓練を受けた後に、自ら己に課した厳しい修業によって獲得するに至っておりその結果、今や彼女達の無限大質量放出技は全て左右対称の回転を持つ次元波動バースト流の連装崩壊砲と化していて、その威力はオリジナルである花婿のモノを圧倒的な迄に上回っていたのである。
しかし。
「いや~、君達は本当に凄いね。まさかこんな短期間で“龍神の咆哮”を自分のモノにしてしまうだけではなくて、それを上回る技をも開発してしまうなんて!!!」
“僕より威力が上じゃないか”、“正直に言って脱帽したよ!!!”と蒼太は本心から感心すると同時に手放しで花嫁達を褒めちぎったが彼はいつもメリアリア達が強くなったり、自分の技を吸収してそれを更に昇華させると悔しがる所か自分の事のように喜んでくれた。
そしてそれが嘘や偽りで無い事は、また上辺っ面の強がりでも無い事は花嫁達全員が感じ取り、理解している事であったが総じて女性と言うのは元々の感受性が高く、特に自分が大好きな人の事は非常に良く見ており、勘を働かせる事が出来る生き物なのである。
何故ならば彼女達は夫や恋人の反応パターンを、“意識の連続体”として理解している為に本人が不自然な行動を取れば忽ちの内にその心理を見抜く事が出来るようになっていたのだが、そんなメリアリア達はだから蒼太が本当に、自分達が強くなって行くのを祝福してくれているのを敏感に感じ取っていたのであった。
(・・・変ね?)
ある時メリアリアはふと思った、通常、どんな男にもプライドと言うモノが存在しており、それが素直さを発揮したり愛情を表現したりする上で障害となり得る場合がある事は、彼女もよくよく知っていたのである。
確かに蒼太は言ってくれた、“強くなっておくれよ?メリー”と、“誰よりも何よりも強くなって、ずっとずっと強くて美しい君のままでいてくれ”、“僕の憧れた女性のままでいてくれよ・・・?”と。
その気持ちは有り難いし、正直に言って嬉しかったがそれにしたって。
(蒼太、どうしちゃったのかな。もしかしたならもう、強くなるのを諦めてしまった、とか・・・?)
“いくら何でもそれは無いわよね?”、“鍛錬だってちゃんとしてるし・・・”とメリアリアは即座に自分の考えを否定するが、ではどうして彼が腐らず、また悔しがりもせずに自分達をひたすら強化してくれるのか、と言う疑問に付いての答えを出せずにいたのだ。
「ねえ蒼太。悔しくないの・・・?」
「えっ。なにが・・・?」
結婚してから暫く経ったある日、まだ子供が産まれていない時分の事。
どうしても己の中から噴き出る念意を抑えきれなくなってしまい、思い切って本人に直接問い質す事にした愛妻淑女に対して蒼太は多少の驚きを隠せずに応じた。
「だって・・・。私達はあなたよりもかなり強くなってしまったと思うのだけど・・・。蒼太はそれをどう思っているのかな~って・・・」
「う~ん・・・」
「正直に言ってあなたには凄く感謝しているわ?だって私達がここまで強くなれたのは、間違いなくあなたのお陰だもの。だけど、その・・・。如何に勉強の為にとは言えどもあなた自身は自分の技を真似されたりとか、夫として妻に追い抜かれた事に対してどう思っているのかが、凄く気になっちゃって・・・」
「・・・ぷっ!!!」
“あっはっはっはっ!!!”と神妙そうな面持ちとなって質問してくる花嫁に対して、それを聞いた蒼太は思わず吹き出してしまっていた。
「・・・・・っ。な、なによ?蒼太。私、なにかおかしな事でも言った?」
「あっはっはっは・・・っ!!!いやぁ~、ごめんごめん。最近なにか悩んでいるみたいだな~って思ってはいたけれど、まさかそんな事を気にしていただなんてね・・・!!?」
「・・・・・っ。そ、そんな事ってなによ?私は真剣に悩んでいるのよ?だってあなたにだってプライドって言うモノがあるだろうし、それを“傷付けてしまったのかな”って思って!!!」
「・・・メリー」
“可愛い!!!”とそう言い様に蒼太はメリアリアを抱き寄せる。
「あ・・・」
「ねえメリー。僕はね?君達に、いいや何よりも君自身に誰よりも何よりも強くなって欲しいと思っているんだよ?それに言っただろう?“僕の憧れた女性のままでいてくれ”って。その気持ちに嘘は無いから・・・」
「それは。だけど・・・」
「それにさ、メリー?君は僕の凄まじさを誰よりも解ってくれている筈だけど・・・」
「・・・・・っ。それは、まあね?だけど」
戸惑いながらも自らにしっかりと抱擁されて、それでも尚も嫌がる事無く、だけどキョトンとした顔を覗かせる愛妻淑女の純朴な反応に蒼太は笑いながら言葉を続けた。
「僕の強さや凄さを、一番解ってくれているのは君だろ?メリー・・・」
「・・・・・?」
「僕はね?メリー。ベッドの上で君達に勝っていればそれで良いのさ・・・!!!」
「・・・・・っっっ!?!?!?!?!?」
“もうっ。蒼太ったら!!!”とその話を聞いて最初は何の事なのか解らなかったメリアリアは、しかしやがて理解が追い付いて来ると呆れつつも少しだけ怒気を孕んだ声でそう告げた、“真面目に答えなさいよ!!!”とそう言って。
しかし。
「僕は至って真面目だよ?メリー。それに君だってその方が良いだろう?僕がひ弱でへなちょこよりも、逞しくて君を。君達をヒ~ヒ~言わせていた方が本当は嬉しいだろうが!!!」
「それは・・・っ。まあそうだけど・・・っ!!!!!」
「良いんだよ、僕はそれで。充分に君達を圧倒出来ているからね・・・!!!」
「・・・・・」
蒼太は飄々とした風体でそう言うと、メリアリアに軽めの口付けをしてそのまま腕を解き、その場を後にしていったが一方のメリアリアは取り敢えずは納得したモノの、何だか軽くいなされた感じがしないでも無い。
だけど。
(蒼太は、少なくとも本心を言ってはくれたと思う。そうは感じるんだけど、でも・・・)
何だか彼にはもっと別の物凄く大きな目的と言うか、目指すべき指標があるように感じたメリアリアは後日、もう一度改めてこの話題を蒼太本人にぶつけてみた、“本当に悔しくは無いのか?”と、“本当は嫉妬したり、腹を立てているんじゃないのか?”と。
すると。
「・・・メリー、僕はね?“強さ”に付いて考えているんだよ」
「・・・“強さ”?」
「そうさ?一応聞いておきたいんだけれど、君達にとっての。いいやもっと言ってしまえば君にとっての“強さ”って、なんだい・・・?」
「ええ?う~ん・・・」
そう言われてメリアリアは改めて考え込んでしまっていた、確かに“強さとは何か”、“力とは何か”と言う事柄に付いては今まで自分の中にある“漠然とした思い”は感じてはいても“確かなる答え”を持っていた訳では無かったからである。
「・・・解んない、“自分を貫き通す力”の事かしら?」
「“何度でも立ち上がれる逞しさ”の事だよ、簡単に言うと・・・」
そんな花嫁に対して蒼太が告げた。
「“自分を貫き通す力”には大概の場合、“暴力”が含まれるだろ?まあ今の世界情勢を鑑みるに多少はやむを得ない事なのかも知れないけれど・・・。だけど本当の強さとは、他者を踏み躙るモノでは無いと僕は思っているんだよね・・・」
「・・・・・」
「ハッキリと言えば僕も含めて今の人間達と言うのは、誰でも彼でも“力の行使”を“横暴さの発露”と履き違えている節がある。だけど本来ならば必ずしもそうでは無かったと思うんだ、よく考えてごらんよメリー。最初に人間や宇宙を作った神様は“愛”をその基盤に置いた、君だって言っていただろ?“人の心や気持ちこそが何よりも大事なんだ”って、“こうありたいと願う強い思いこそが何物にも勝る本物の魔法なんだ”って。正直に言って僕もそう思うよ?にも関わらずに今の世の中は“誠実さ”や“心ある人物”よりも“力を持った者”により注目が集まるようになっている、男も女も魅力を感じるようになってしまっている。これっておかしな事じゃないか?」
「それは、確かに・・・。そう思わなくはないけれど、だけど・・・」
「別に誰もがそうだ、とか言うつもりは無いけれど・・・。だけど女性の内の何割かの人々は特に“暴力を振るう尖った男”に逞しさを感じて追い求めるようになってしまっている。基本的に女の子と言うのは得てして感受性が強い生き物なんだ、要するに“現状を写す鏡”なんだ。だから“多くの女性がそう言う様相を呈している”と言うのはこの世界が力によって支配されている、何よりの証拠なんだよ。それも“横暴な力”によってね?もっと言ってしまえばそれは“愛が踏み躙られている”、もしくは“心を大事にしない世界が蔓延っている”と言う事に他ならないと思うんだよね・・・」
「・・・・・」
「今の世の中ってさ、最終的には何でも暴力や権力で解決するだろ?他者の持っている善良な部分や可能性の光り輝きを、全て根刮ぎ有無を言わさず破滅させて押し潰してしまう。その最たるモノが“闘い”や“戦争”と呼ばれているモノの正体さ?だけど僕はそれが全てでは無い、と思っているんだよ・・・」
「・・・・・」
「他者の心の傷跡や痛みを理解して癒し、光に戻してあげる能力。或いは闇や穢れを祓って浄化し、高みへと導いて行ける心の作用。そう言ったモノも立派な強さだと思うんだ、僕はそれを体得してみたいんだよメリー・・・」
「・・・・・っ!!?蒼太、それは」
「“キレイごとだ”って言うんだろ?知っているさ、そんなこと。だけどね?メリー、僕は・・・」
「ううん、違うわ・・・!!!」
「・・・・・?」
何事かを更に言い連ねようとしていた蒼太の声を、しかしメリアリアの言葉が制した。
「・・・やっぱり、あなたは素晴らしい人だわ?尊敬出来る人だわ。本当の強さや優しさを、ちゃんと知っている人なのよ!!!あなたを愛して本当に良かったって、大好きになって良かったって。心の底からそう思ったのっ❤❤❤❤❤」
「・・・・・」
「そうだよね?今の世の中って、確かに暴力が支配しているよね。私も必殺技を極める事ばかりに夢中になってて気が付かなかった、ううん。本当は解っていたの、“このままではいけないんだ”って事に。“このまま行けば取り返しの付かない事になるかも”って、だけど・・・」
「・・・そうか」
愛妻淑女の思いに蒼太が頷くモノの、彼女もまた感じて理解していたのである、相手の存在全てを、その持てる輝きごと破壊してしまう技ばかり磨いたとて、その先には暗黒の世界しか待っていないのだ、と言う事を。
自分や他人を救ってあげられる能力こそ、真性なる愛と光の発露に他ならないのだ、と言う事を。
そして。
(それが解る、と言う事は。即ちメリーもそれだけの優しさを持っていた、と言う事だ。本物の高潔さを兼ね備えていた、と言う事だ。間違いない、やっぱりメリーは素晴らしい女性だ。こんなにも可愛らしくて偉大な人が、僕と共に歩んでくれる伴侶だなんて・・・!!!)
「ねえメリー・・・」
「・・・・・?」
「僕も、君を好きになって良かった。本当に良かった!!!」
「・・・・・っっっ❤❤❤❤❤」
そう告げる夫の胸元へと、メリアリアは自然と飛び込んで行くモノの彼女はこの時に漸く理解したのである、“蒼太の力の真髄はこの暖かさにこそあるのだ”と、“優しさこそが彼の強さの本質なのだ”と。
(この人は、きっと私がどんなになっても優しく受け止めて愛してくれる。今までもこの先も、ずっとずっと・・・)
それが彼女の実感であり、またここに来て改めて得た悟りであった、 元々彼女は蒼太から“もし誰かに暴行を受けたなら話してくれ”、“それが性的なモノでも構わないから”と言われ、驚かされた事があった。
幸いにして、と言うべきかメリアリア自身はそう言う“辛い思い”をした事はそれまでで一度も無かったモノの、それでも蒼太は“何かあったなら言って欲しい”、“僕が忘れさせてやるから・・・!!!”と真剣な眼差しを向けながらそう告げて 、熱い思いをぶつけて来た事があったのだ。
(・・・もうっ。蒼太ったらっ❤❤❤❤❤)
あまりにも唐突な恋人からの言葉に当初は困惑していたメリアリアであったがすぐに深くて甘い烈々たる喜びと共にそれを受け入れ、“大丈夫だよ?”と彼に答えた事があったモノのあの時の事を再び思い出した格好となった彼女はそれ以降、蒼太に対してますます心酔すると同時に確かなる愛情を抱いて行くに至っていたのだ。
それは子供が産まれようが何をしようが変わる事無く続いて行き、やがては彼女を蒼太の妻として彼の色に染まり切らせた挙げ句、1人の女性としても“女の性”に目覚めさせて行く事となる。
(それに確かに私は戦闘能力では夫を上回っているけれど・・・。だけど根本的な生命力や精神力、それに絶倫さでは到底、及ばないわ?もしかしたなら潜在能力まで含めた全力を発揮した場合、蒼太は誰よりも何よりも強いのかも・・・)
己の全身と内心とでそんな事を感じ取り、それについてあれこれ思案するメリアリアであったが、一方で。
(自己や他者の闇を祓って光へと導いてあげる能力、救ってあげられる心の作用。そんなモノはキレイごとだ、と言う人もいるのだろうけれど。だけど本来、人間とはキレイごとだけで生きていける種族の筈なんだ。何故ならば神々や宇宙の愛と光とを最大限に発揮して生み出された存在であるからだ、むしろ悪を容認しなければやっていけない今の世の中の方が異常なんだ。みんながみんな“仕方が無い”で済ましていた内に、それがいつの間にか当たり前になってしまって意識が麻痺してしまっているのだろうけれど・・・)
蒼太もまた、自分の中に埋没して己と対話を繰り広げ、熟考に熟考を重ねていたのだが彼はこの後、自分の中に芽生えし衝動的疑念に真っ向から取り組んでその結果、見事に形に直して“答え”と為し、その“光の能力”と“優しさの心”とで自分の妻達や子供達の悩みや苦しみを取り除き、更には義両親や義実家を救いに導く事となるのであった。
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しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
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