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夫婦の絆と子供への思い
愛妻達とのエピソード
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「ねえねえ、ソー君。ソー君てばぁっ!!!」
「はぁ~、まったくもう。朝から一体なんなんですか?ノエルさん・・・」
「“いいちこ”って美味しいの~?一体全体どんな味わいがするのかしら~っっっ(〃'▽'〃)(〃'▽'〃)(〃'▽'〃)」
「またその話か。そんなに興味があるんだったら潔く自分達で飲んでみればいいじゃんか・・・!!!」
セザール公爵一行が日本に来てから4日目の朝の事だった、その日はこれから京都に行って2泊ほどしてくる事となっていたから、蒼太達や従者、ボディガード組は前日の夜からその準備に大わらわとなっていたのだ。
それが漸く一段落したのが午前8時の事だった、これから東京駅まで向かい、10時始発の東海道新幹線“ひかり”のグリーン車でゆったりとくつろぎながら、“千年王宮”たる京都へと向けて出立する手筈となっていたのである。
そこへ自分達の支度を整えたノエル達が合流して来た、セザールと同じく公爵家の血筋に連なる彼女達は、下にも置かれぬ丁寧な扱いともてなしとを受けていたのであった。
「ぶーっ!!!だって私、焼酎はあんまり得意じゃ無いも~んっっっ(`Д´)(`Д´)(`Д´)」
「“いいちこ”は麦焼酎なんです、仄かに香る麦の香りと微かに感じる甘い旨味が特徴なんですが・・・。まあ言ってみれば“タコハイ”の味ですよ、“タコハイ”の!!!」
「へえぇぇ~っ?じゃあじゃあ、“タコハイ”ってどんな味?何味何味~っ(//∇//)(//∇//)(//∇//)」
「・・・“いいちこ”の味ですね。以上、終わり~♪♪♪♪♪さあ、行きましょうノエルさん。そろそろ出発の時間ですよ?」
「ぶーっ!!!つまんな~い。もっと私を大切にしなさーいっp(`Д´)qp(`Д´)qp(`Д´)q“Be Kind Yourself”よっっっ(-_-#)(-_-#)(-_-#)」
「・・・なにが“Be Kind Yourself”だよ、それじゃあ“自分自身に優しくなりなよ”って意味じゃんか。ダメダメ。これ以上優しくなんかしたらノエルさん、溶けちゃうじゃないですか・・・!!!」
「ふっふーんっ!!!何を隠そう、実は私は伝説のスライムの一族だったのよ?ドラゴンだって倒した事があるんだから~っヾ(≧∇≦)ヾ(≧∇≦)ヾ(≧∇≦)あ、軽く百匹以上はね?それ位は余裕で出来ちゃうんだから~っ♪♪♪♪♪えっへんっ( ̄∇ ̄)( ̄∇ ̄)( ̄∇ ̄)」
「・・・なるほどね、最初からまともな人間じゃ無かったって訳か。それを自分から認めるとは中々解ってるじゃないですか、却って安心しましたよ」
「ぶーっ!!!なにそれ、ちゃんと否定しなさいよっ-_-#-_-#-_-#良いからもっと私に優しくしてよーっっっp(`Д´)qp(`Д´)qp(`Д´)q」
「はぁ~・・・っ。なんで僕が妻でも何でも無い、他所の女に優しくしなけりゃならないんですか。第一ね、そう言うのはレアンドロにでも言ってあげた方が良いですよ?それでは早速参りましょうか!!!」
先が全く見えないうえに、埒が空かない無益な会話を途中で無理矢理切り上げると蒼太は愛妻であり、近くで苦笑していたメリアリア達を伴い、セザール公爵一家の護衛兼通訳として京都へと向けて出発していった。
「ねえねえ蒼太。見て見て、可愛いランチボックスがいっぱいあるわ?みんなとっても美味しそう!!!」
「あはは・・・。あれは“駅弁”って言うんだよ?メリー、旅のお供に持って来いだし。それにとっても美味しいんだ!!!」
東京駅に到着してからまだかなりの時間があった一行は、観光がてらに早速付近の売店を見て回るがその最中、メリアリアが整然と陳列されている色とりどりなランチボックス群のようなモノを見付けて蒼太に尋ねてみた、すると。
彼の口からその話を聞いたメリアリアとアウロラ、オリヴィアが直後にはパアァッと明るい笑顔を浮かべて瞳をキラキラと輝かせる。
「“エキベン”?あれが“エキベン”なのね!!?信じられないわ、まさかこんな間近で本物の“エキベン”が見られるなんて!!!」
「テレビの番組で見ました。なんでもコンパクトで栄養価が高く、それでいてとっても美味しいんですってね!!!」
「日本に来た暁には是非とも食してみたいと思っていたのだが・・・。もし叶うのならば買ってみても良いか?蒼太!!!」
興奮気味にそう話す愛妻達に対して時間を気にしつつも蒼太は“ああ、良いよ?”とにべも無く言い放つと彼女達を引き連れて東京駅にある駅弁屋さんに商品を見に行った。
「わあぁっ!!?なにこれなにこれっ。キレイで可愛いっ。それにとっても美味しそうっ❤❤❤❤❤」
「焼いた魚とライスが入っているんですね?こっちは、えと・・・。なんでしょう、焼いた牛肉が入っているみたいですけれども♪♪♪♪♪」
「見ているだけでも楽しくなるが・・・。実際に傍まで来て匂いを嗅ぐと腹が減ってくるな、非常に魅力的なランチボックスだ!!!」
女性が三人も集まると些かかしましくなるモノの、そんな彼女達を特に注意するでも無く、蒼太は様子を見ながら上から順番に商品の説明を行いつつもその内の何品かを購入して回る。
「みんな、飲み物は何が良い?緑茶と紅茶があるけれど・・・。紅茶の方が飲み慣れていて無難かな?」
「どうも有り難う。でもせっかくだから私は緑茶が飲みたいわ?あ、ちなみに冷たいヤツね!!?」
「私もそれにします、せっかく日本に来たんですからこの国の名物を味わってみなければ!!!」
「紅茶だったらいつでも飲めるし。それにやっぱり日本の食べ物には日本の飲料がとても良く合うだろうからな!!!」
「ぶーっ!!!ちょっとソー君。私にはちっとも優しくしてくれない癖に、どうしてメリアリアちゃん達にはそんなに暖かく接するの~っっっp(`Д´)qp(`Д´)qp(`Д´)q」
新幹線の中で食べる駅弁を幾つか買い揃えると、次に蒼太は妻達に飲み物を勧めるモノのその最中、またもやノエルが絡んで来た。
「どうしてって・・・。だってこの子達はとっても可愛くて大切な、僕の奥さん達だもの。そりゃ如何に友人とは言えども所詮は赤の他人であるあなたとは接し方に差が出て来るのは当然の成り行きでしょう?」
「ぶーっ!!!私も美味しい駅弁が食べたーいっ。ちゃんとエスコートしなさーいっっっ(`Д´)(`Д´)(`Д´)」
「そうだぞ?蒼太。君は僕達をエスコートする義務があるんだからね、それはちゃんと果たしてもらわないと!!!」
「そんな無茶な・・・。ってかレアンドロ、君んとこの奥さんが他所様に迷惑を掛けても君は平気なのか?」
「あっはっはっはっはっ!!!一体何を言っているんだ?蒼太、君らしく無いよ。この子が他所様に迷惑を掛けるなんて有り得ないよ、だって彼女はこの世に顕現して来た大いなる宇宙の愛の結晶。神々の神秘の発露だからね、みんなを笑顔にする事はあっても他人様の心の負担になるような心配は全く以てナンセンスさっ!!?大体そんなヤツが実際にいるなら見てみたいね♪♪♪♪♪」
“ここにも1人いるぞ!!!”と蒼太は思わず叫び出す所であった、どうやらノエルとレアンドロの頭の中では彼等の存在がみんなをとってもハッピーにしているらしくてそこには僅かの疑問も挟まる余地が、全く以て存在していない様子である、これ以上何を言っても無駄である、としか言いようが無い。
「・・・まあ確かに?大抵の場合、人は誰しもが宇宙の大いなる愛の結実であり、偉大なる神秘の発露だけれども」
「なっ、なっ?そうだろ。僕とノエルは常に大いなる愛の光り輝きで満ち満ちているんだ、そしてそれらを外へと向けて解き放っているんだよ!!!」
「ああ~っ!!!嬉しいわ、レアンドロ。私を解ってくれるのはあなただけよ~っっっ❤❤❤❤❤」
「ああっ、ノエル!!!もう絶対に離さないよっ♪♪♪♪♪」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
“よくやれるわよね?人前で臆面も無く・・・”、“一生やってろや・・・”等と言う感想を蒼太達は密かに抱いていたのであるが、流石にそこは気遣いが出来る彼等は表には出さずに新幹線乗り場へと向かって歩みを進めて行った。
その途上で。
「・・・ねえ。ねえねえソー君、ちょっと気になったんだけどさ?」
「なんですか?ノエルさん・・・」
「ソー君とメリアリアちゃん達って、本当に仲が良いわよね?絶対に喧嘩とかしないもんね・・・」
「・・・いいえ?そんな事は無いですよ」
ちょっと怪訝そうな、それでいてとても羨ましそうな面持ちを浮かべてノエルが蒼太に話し掛けるが、すると蒼太は少しだけ逡巡しながらそう応えた。
「流石に僕達だって喧嘩をしたり、時には互いに注意し合う事もありますよ?ただそれが表面的に出なかったり、大事になったりしてないだけの話です・・・」
「・・・例えば?」
「えっ?いやそれは。流石に他人様に語って聞かせるような内容ではありませんから・・・」
そう告げて蒼太はしかし、密かに意識をまだ結婚したての当初へと向けるがあの頃。
蒼太は日常生活全般や、特に夜の営みに関する事柄に於いて妻達を喜ばせよう、満足させようと色々な知識や技能をマスターして行き、それを実際の交わりにおいて試すようにしていたのであるモノの、一方でそんな夫の頑張りを目の当たりにしたメリアリア達は恥じらいや葛藤はそれぞれにあったがそれを堪えて“自分達も蒼太に応えてあげたい”、“何かやってあげたい”と言う思いから少しずつ素直に、かつ大胆になっていった。
勿論、本当に心から蒼太の事を愛していたし、またそんな彼とのセックスは滅茶苦茶気持ち良かったから、それに後押しされた、と言うのもあるにはあったが、何より彼の自分達に対する真摯な思いに応えてあげたい、と言う気持ちを胸に、エッチの際には自分から誘うようにしたり、はたまた口淫や奉仕をしたり、結合時に勇気を出してより深く乱れたりと、出来る限りで己の恥ずかしい部分をそれまで以上に見せるようにしていったのだ、そんな折。
ある日の夜のこと、蒼太は子作りエッチを終えた後で休憩を挟んでいた最中にメリアリアに対してつい、“メリーもエッチになって来たんだね、あはははっ!!!”と言ってしまったのである。
「・・・・・っ。なにそれっ!!?」
メリアリアはその言葉に驚くと同時に深く傷付いてしまい、かつ腹立たしさを覚えて怒りを大いに露わにした。
「蒼太、ちっとも解ってないわ?私の気持ちを全然解ってくれてない・・・っ!!!」
そう叫んで部屋を飛び出して行き、それから三日三晩は彼を避け続けてろくに口も利いてくれなくなってしまったのである。
蒼太はその間、会う度会う度ずっと彼女に謝り続けた、部屋の前で何度か許しを請うた事すらあったがある晩、とうとう彼は彼女の怒りの原因が自分が何気なく放った一言にあったのだと悟り、メリアリアに本心を打ち明ける事にしたのであった。
「・・・メリー」
「・・・・・」
「この前は本当にごめんね?君の真心を踏み躙って傷付けてしまった・・・」
「・・・・・」
「本当に無神経だったよ、ごめんね・・・」
「・・・・・」
「僕、嬉しかったんだ。メリーが色んな事をしてくれるようになっていって。“この子も僕と同じ思いを抱いてくれているんだ”って、そう思えたから、それで・・・」
「・・・・・?」
「前にも伝えたと思うんだけど・・・。僕、メリーとグチョグチョになりたかったんだ。身も心も、魂さえもこれ以上無い程にまで蕩かせ合って、重ね合わせてもう戻れない所にまで2人で行ってしまいたかった」
「・・・・・」
「メリーにとって一番で、忘れられない男になりたかったんだ。だから君をうんと気持ち良くして気絶するぐらい、頭がおかしくなってしまうぐらいにまで抱き続けたかった。そうやって僕の証を君の心に、体に刻み付けたかったんだよ?いいや、それだけじゃあ無いんだ。何より2人で強く深く、徹底的な迄に愛し合いたかったんだ!!!」
「・・・・・」
「勿論、体だけが目的じゃなくて何より、メリーの心が、気持ちが欲しかったんだ。さっきも言っただろ?“メリーとこれ以上無い程にまで徹底的に愛し合いたかったんだ”って、“グチョグチョになりたかったんだ”って。だけど出来たら、それをする上では僕から君に対するモノだけじゃなくて、君からの僕に対する思いも欲しかったんだ、君に愛して欲しかったんだ。激しく求めて来て欲しかったんだよ」
「・・・・・」
「だから段々と君が僕に色んな事をやってくれるようになって、行為の最中に徐々に激しく乱れるようになって来たのを見た時に“ああ、この子も僕と同じ気持ちを持ってくれているんだ”って思ったんだ。積極的に僕を求めて来てくれていると思って、それだけ僕の事を思ってくれているんだと感じて凄く嬉しくなっちゃったんだ、舞い上がってしまったんだ」
「・・・・・」
「ごめん、メリー。君の真心を踏み躙って傷付けてしまった事は、本当に申し訳無く思っているよ。すまない・・・」
「・・・・・」
そこまで話して蒼太が、彼女の部屋の前から退出しようとした時だった、ガチャリとドアノブの回る音が聞こえて来て中からメリアリアが姿を見せてくれたのである。
「・・・・・っ。メリーッ!!?」
「・・・・・」
「許して、くれるのか・・・?」
「・・・・・っ。最初に」
「・・・?」
「そう言う大事な事は、最初にもっとハッキリと言いなさいよ・・・!!!」
そう言って。
メリアリアは寝間着姿のままで蒼太の胸の中へと飛び込んで行ったのであった。
「・・・なによ、“忘れられない男になりたかった”って」
「え・・・っ?」
「別れる、つもりだったの・・・?」
俯き加減で自分にしがみ付いて来た愛妻淑女の事をしっかりと抱擁して応えた蒼太であったがその声を聞いた瞬間、彼は悟った、メリアリアは泣いていた、嗚咽を殺しつつも彼に抱き着いたまま涙を溢れさせて泣いていたのだ。
「・・・違う、違うんだよ?メリー。僕はね、君の中で一番の男になりたかったんだ。一番逞しくて格好良くて頼もしくて、そして何より最愛の人になりたかった」
「ヒッグ、グスッ。う、うう・・・っ!!!」
「君の心が欲しかった、単に“愛しい”だけじゃなくて“この人はなんて凄い人なんだろう”って、“なんて素晴らしい人なんだろう”って、そう思って欲しかったんだ。君の全部を僕色に染めたかった、心を鷲掴みにしたかったんだよ・・・!!!」
「グスッ、ヒッグ・・・ッ。な、なんで・・・っ!!!」
「・・・・・?」
「なんで、過去形なのよ・・・?」
「・・・・・っ。今だって、いつだってそう思ってるよ?メリー。愛してる、誰よりも何よりも君のことが大好きなんだ!!!」
「・・・・・っっっ!!!!!」
その言葉を聞いた途端にメリアリアは蒼太に抱き着いたまま声を挙げて泣き出したのだが、そんな花嫁をしっかりと抱擁したまま花婿は彼女が落ち着くまで背中を擦ったり、頭を撫でたりキスをしたりして慰め続けたのである。
そうやってメリアリアの誤解と言うか、心の傷を癒して再び愛を確かめ合い、漸くにして許してもらった蒼太はまたしても気の緩みから今度はアウロラを怒らせ、かつまたビックリさせて泣かせる寸前まで追いやってしまった事があったのだが行為の最中に蒼太は時折、“言葉責め”を行って妻達自身に“自分が誰のモノなのか”と言う事をハッキリと認識させるように仕向ける事があった。
ある日の事、エッチの最中に蒼太はアウロラに対して“私はあなたのセックス奴隷です”、“アウロラマンコは蒼太チンポ様だけのモノです”と言わせようとしたのだが、それを聞いたアウロラは当初、ビックリすると同時に次第に深い悲しみの色をその容全体に湛えていったのである。
「そ、蒼太さん。あの・・・」
「・・・・・?」
「私は、その。あなたの妻であって奴隷では、無いです・・・!!!」
「・・・・・っ!!!」
その言葉を聞いた瞬間、蒼太はまたしても自分がやらかしてしまった事に気付いた、メリアリア達三人の花嫁の内で最年少の妻であったアウロラはその実、中々に芯が強くて彼女達の中では一番しっかりと“自分自身”と言うモノを持ち合わせている存在だったのである。
「ごめんよアウロラ、違うんだ・・・」
「・・・・・?」
「俺はね?アウロラ。君のことが大好きなんだ、だからこそ君の全部が欲しいんだよ。それこそ身も心もね・・・!!!」
「・・・・・」
「正直に言って。強くて凛々しい君の事を屈服させたい、そして清純で美しい君の事を滅茶苦茶になるまで汚したいって言う思いが、自分色に染め上げたいって言う思いが僕の中にはある・・・」
「・・・・・」
「そうやって君を、僕の愛妻に仕立て上げてもう逃げられなくしてしまいたいって思ってるんだけど・・・。だけどそれだけじゃあ無いんだよ・・・」
「・・・・・?」
「君に、思って欲しかったんだ。“この人にだったら良い”って、“自分の全てを捧げても良い”、“この人のモノにだったらなってあげても良い”って。そう思って欲しかった、僕の事を受け入れて欲しかったんだよ・・・」
「・・・・・」
「ごめんね?アウロラ。本当にごめん、傷付けちゃったね。すまない・・・」
「・・・・・っ。もうっ!!!」
“それならそうと、ちゃんと言って下さい”、“本当にもう。困った人・・・!!!”とアウロラは漸くクスリと微笑むと蒼太に対して躊躇う事無く“隷属宣言”を行って彼だけの女になる事を決意したのであった。
「ねえアウロラ・・・」
「・・・・・?」
「無理にとは、言わないけれど・・・。それでもあの、僕に“様”を付けるのはどうしても嫌か・・・?」
「・・・・・っ。愛しています、蒼太様っ❤❤❤❤❤」
「・・・嬉しいよ、アウロラ。有り難う!!!」
“僕としては様を付けて欲しいな・・・”、“そうするとアウロラに尊敬してもらえている気がしてとても嬉しいんだけど・・・”と言う夫の言葉に、アウロラはまた苦笑すると彼を“様”付けで呼んであげたのであるモノの、これらの事があって後、蒼太は何かする前には妻達に対してまずはキチンと自分の本心や考えを、打ち明けるようにしたのであった。
(夫婦って言うのは毎日が新しい事の発見なんだな、よくよく考えさせられたよ・・・!!!)
彼はホトホトに思い知らされていた、“夫婦って滅茶苦茶難しい”と、“だけどとっても素晴らしい”と。
“番になる”と言う事の大変さを、そして“共に生きる”と言う事の尊さを、彼なりに改めて認識させられたのであるモノの、ただし。
蒼太もメリアリアもアウロラもオリヴィアも、最初から単に“愛しい”だけで全てを乗り越えて来た訳では決して無かった、それは確かに問題や障害、そして試練を乗り越える原動力にはなってくれたがそれに加えて何か事が起きた場合には“どれだけ自分と相手に誠意を尽くせるか”、“どれだけ深い真心を顕現させ切る事が出来るのか”と言う事が、非常に重要な問題となってくるのだ、と言う事を、嫌という程にまで味あわされた出来事だった。
「はぁ~、まったくもう。朝から一体なんなんですか?ノエルさん・・・」
「“いいちこ”って美味しいの~?一体全体どんな味わいがするのかしら~っっっ(〃'▽'〃)(〃'▽'〃)(〃'▽'〃)」
「またその話か。そんなに興味があるんだったら潔く自分達で飲んでみればいいじゃんか・・・!!!」
セザール公爵一行が日本に来てから4日目の朝の事だった、その日はこれから京都に行って2泊ほどしてくる事となっていたから、蒼太達や従者、ボディガード組は前日の夜からその準備に大わらわとなっていたのだ。
それが漸く一段落したのが午前8時の事だった、これから東京駅まで向かい、10時始発の東海道新幹線“ひかり”のグリーン車でゆったりとくつろぎながら、“千年王宮”たる京都へと向けて出立する手筈となっていたのである。
そこへ自分達の支度を整えたノエル達が合流して来た、セザールと同じく公爵家の血筋に連なる彼女達は、下にも置かれぬ丁寧な扱いともてなしとを受けていたのであった。
「ぶーっ!!!だって私、焼酎はあんまり得意じゃ無いも~んっっっ(`Д´)(`Д´)(`Д´)」
「“いいちこ”は麦焼酎なんです、仄かに香る麦の香りと微かに感じる甘い旨味が特徴なんですが・・・。まあ言ってみれば“タコハイ”の味ですよ、“タコハイ”の!!!」
「へえぇぇ~っ?じゃあじゃあ、“タコハイ”ってどんな味?何味何味~っ(//∇//)(//∇//)(//∇//)」
「・・・“いいちこ”の味ですね。以上、終わり~♪♪♪♪♪さあ、行きましょうノエルさん。そろそろ出発の時間ですよ?」
「ぶーっ!!!つまんな~い。もっと私を大切にしなさーいっp(`Д´)qp(`Д´)qp(`Д´)q“Be Kind Yourself”よっっっ(-_-#)(-_-#)(-_-#)」
「・・・なにが“Be Kind Yourself”だよ、それじゃあ“自分自身に優しくなりなよ”って意味じゃんか。ダメダメ。これ以上優しくなんかしたらノエルさん、溶けちゃうじゃないですか・・・!!!」
「ふっふーんっ!!!何を隠そう、実は私は伝説のスライムの一族だったのよ?ドラゴンだって倒した事があるんだから~っヾ(≧∇≦)ヾ(≧∇≦)ヾ(≧∇≦)あ、軽く百匹以上はね?それ位は余裕で出来ちゃうんだから~っ♪♪♪♪♪えっへんっ( ̄∇ ̄)( ̄∇ ̄)( ̄∇ ̄)」
「・・・なるほどね、最初からまともな人間じゃ無かったって訳か。それを自分から認めるとは中々解ってるじゃないですか、却って安心しましたよ」
「ぶーっ!!!なにそれ、ちゃんと否定しなさいよっ-_-#-_-#-_-#良いからもっと私に優しくしてよーっっっp(`Д´)qp(`Д´)qp(`Д´)q」
「はぁ~・・・っ。なんで僕が妻でも何でも無い、他所の女に優しくしなけりゃならないんですか。第一ね、そう言うのはレアンドロにでも言ってあげた方が良いですよ?それでは早速参りましょうか!!!」
先が全く見えないうえに、埒が空かない無益な会話を途中で無理矢理切り上げると蒼太は愛妻であり、近くで苦笑していたメリアリア達を伴い、セザール公爵一家の護衛兼通訳として京都へと向けて出発していった。
「ねえねえ蒼太。見て見て、可愛いランチボックスがいっぱいあるわ?みんなとっても美味しそう!!!」
「あはは・・・。あれは“駅弁”って言うんだよ?メリー、旅のお供に持って来いだし。それにとっても美味しいんだ!!!」
東京駅に到着してからまだかなりの時間があった一行は、観光がてらに早速付近の売店を見て回るがその最中、メリアリアが整然と陳列されている色とりどりなランチボックス群のようなモノを見付けて蒼太に尋ねてみた、すると。
彼の口からその話を聞いたメリアリアとアウロラ、オリヴィアが直後にはパアァッと明るい笑顔を浮かべて瞳をキラキラと輝かせる。
「“エキベン”?あれが“エキベン”なのね!!?信じられないわ、まさかこんな間近で本物の“エキベン”が見られるなんて!!!」
「テレビの番組で見ました。なんでもコンパクトで栄養価が高く、それでいてとっても美味しいんですってね!!!」
「日本に来た暁には是非とも食してみたいと思っていたのだが・・・。もし叶うのならば買ってみても良いか?蒼太!!!」
興奮気味にそう話す愛妻達に対して時間を気にしつつも蒼太は“ああ、良いよ?”とにべも無く言い放つと彼女達を引き連れて東京駅にある駅弁屋さんに商品を見に行った。
「わあぁっ!!?なにこれなにこれっ。キレイで可愛いっ。それにとっても美味しそうっ❤❤❤❤❤」
「焼いた魚とライスが入っているんですね?こっちは、えと・・・。なんでしょう、焼いた牛肉が入っているみたいですけれども♪♪♪♪♪」
「見ているだけでも楽しくなるが・・・。実際に傍まで来て匂いを嗅ぐと腹が減ってくるな、非常に魅力的なランチボックスだ!!!」
女性が三人も集まると些かかしましくなるモノの、そんな彼女達を特に注意するでも無く、蒼太は様子を見ながら上から順番に商品の説明を行いつつもその内の何品かを購入して回る。
「みんな、飲み物は何が良い?緑茶と紅茶があるけれど・・・。紅茶の方が飲み慣れていて無難かな?」
「どうも有り難う。でもせっかくだから私は緑茶が飲みたいわ?あ、ちなみに冷たいヤツね!!?」
「私もそれにします、せっかく日本に来たんですからこの国の名物を味わってみなければ!!!」
「紅茶だったらいつでも飲めるし。それにやっぱり日本の食べ物には日本の飲料がとても良く合うだろうからな!!!」
「ぶーっ!!!ちょっとソー君。私にはちっとも優しくしてくれない癖に、どうしてメリアリアちゃん達にはそんなに暖かく接するの~っっっp(`Д´)qp(`Д´)qp(`Д´)q」
新幹線の中で食べる駅弁を幾つか買い揃えると、次に蒼太は妻達に飲み物を勧めるモノのその最中、またもやノエルが絡んで来た。
「どうしてって・・・。だってこの子達はとっても可愛くて大切な、僕の奥さん達だもの。そりゃ如何に友人とは言えども所詮は赤の他人であるあなたとは接し方に差が出て来るのは当然の成り行きでしょう?」
「ぶーっ!!!私も美味しい駅弁が食べたーいっ。ちゃんとエスコートしなさーいっっっ(`Д´)(`Д´)(`Д´)」
「そうだぞ?蒼太。君は僕達をエスコートする義務があるんだからね、それはちゃんと果たしてもらわないと!!!」
「そんな無茶な・・・。ってかレアンドロ、君んとこの奥さんが他所様に迷惑を掛けても君は平気なのか?」
「あっはっはっはっはっ!!!一体何を言っているんだ?蒼太、君らしく無いよ。この子が他所様に迷惑を掛けるなんて有り得ないよ、だって彼女はこの世に顕現して来た大いなる宇宙の愛の結晶。神々の神秘の発露だからね、みんなを笑顔にする事はあっても他人様の心の負担になるような心配は全く以てナンセンスさっ!!?大体そんなヤツが実際にいるなら見てみたいね♪♪♪♪♪」
“ここにも1人いるぞ!!!”と蒼太は思わず叫び出す所であった、どうやらノエルとレアンドロの頭の中では彼等の存在がみんなをとってもハッピーにしているらしくてそこには僅かの疑問も挟まる余地が、全く以て存在していない様子である、これ以上何を言っても無駄である、としか言いようが無い。
「・・・まあ確かに?大抵の場合、人は誰しもが宇宙の大いなる愛の結実であり、偉大なる神秘の発露だけれども」
「なっ、なっ?そうだろ。僕とノエルは常に大いなる愛の光り輝きで満ち満ちているんだ、そしてそれらを外へと向けて解き放っているんだよ!!!」
「ああ~っ!!!嬉しいわ、レアンドロ。私を解ってくれるのはあなただけよ~っっっ❤❤❤❤❤」
「ああっ、ノエル!!!もう絶対に離さないよっ♪♪♪♪♪」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
“よくやれるわよね?人前で臆面も無く・・・”、“一生やってろや・・・”等と言う感想を蒼太達は密かに抱いていたのであるが、流石にそこは気遣いが出来る彼等は表には出さずに新幹線乗り場へと向かって歩みを進めて行った。
その途上で。
「・・・ねえ。ねえねえソー君、ちょっと気になったんだけどさ?」
「なんですか?ノエルさん・・・」
「ソー君とメリアリアちゃん達って、本当に仲が良いわよね?絶対に喧嘩とかしないもんね・・・」
「・・・いいえ?そんな事は無いですよ」
ちょっと怪訝そうな、それでいてとても羨ましそうな面持ちを浮かべてノエルが蒼太に話し掛けるが、すると蒼太は少しだけ逡巡しながらそう応えた。
「流石に僕達だって喧嘩をしたり、時には互いに注意し合う事もありますよ?ただそれが表面的に出なかったり、大事になったりしてないだけの話です・・・」
「・・・例えば?」
「えっ?いやそれは。流石に他人様に語って聞かせるような内容ではありませんから・・・」
そう告げて蒼太はしかし、密かに意識をまだ結婚したての当初へと向けるがあの頃。
蒼太は日常生活全般や、特に夜の営みに関する事柄に於いて妻達を喜ばせよう、満足させようと色々な知識や技能をマスターして行き、それを実際の交わりにおいて試すようにしていたのであるモノの、一方でそんな夫の頑張りを目の当たりにしたメリアリア達は恥じらいや葛藤はそれぞれにあったがそれを堪えて“自分達も蒼太に応えてあげたい”、“何かやってあげたい”と言う思いから少しずつ素直に、かつ大胆になっていった。
勿論、本当に心から蒼太の事を愛していたし、またそんな彼とのセックスは滅茶苦茶気持ち良かったから、それに後押しされた、と言うのもあるにはあったが、何より彼の自分達に対する真摯な思いに応えてあげたい、と言う気持ちを胸に、エッチの際には自分から誘うようにしたり、はたまた口淫や奉仕をしたり、結合時に勇気を出してより深く乱れたりと、出来る限りで己の恥ずかしい部分をそれまで以上に見せるようにしていったのだ、そんな折。
ある日の夜のこと、蒼太は子作りエッチを終えた後で休憩を挟んでいた最中にメリアリアに対してつい、“メリーもエッチになって来たんだね、あはははっ!!!”と言ってしまったのである。
「・・・・・っ。なにそれっ!!?」
メリアリアはその言葉に驚くと同時に深く傷付いてしまい、かつ腹立たしさを覚えて怒りを大いに露わにした。
「蒼太、ちっとも解ってないわ?私の気持ちを全然解ってくれてない・・・っ!!!」
そう叫んで部屋を飛び出して行き、それから三日三晩は彼を避け続けてろくに口も利いてくれなくなってしまったのである。
蒼太はその間、会う度会う度ずっと彼女に謝り続けた、部屋の前で何度か許しを請うた事すらあったがある晩、とうとう彼は彼女の怒りの原因が自分が何気なく放った一言にあったのだと悟り、メリアリアに本心を打ち明ける事にしたのであった。
「・・・メリー」
「・・・・・」
「この前は本当にごめんね?君の真心を踏み躙って傷付けてしまった・・・」
「・・・・・」
「本当に無神経だったよ、ごめんね・・・」
「・・・・・」
「僕、嬉しかったんだ。メリーが色んな事をしてくれるようになっていって。“この子も僕と同じ思いを抱いてくれているんだ”って、そう思えたから、それで・・・」
「・・・・・?」
「前にも伝えたと思うんだけど・・・。僕、メリーとグチョグチョになりたかったんだ。身も心も、魂さえもこれ以上無い程にまで蕩かせ合って、重ね合わせてもう戻れない所にまで2人で行ってしまいたかった」
「・・・・・」
「メリーにとって一番で、忘れられない男になりたかったんだ。だから君をうんと気持ち良くして気絶するぐらい、頭がおかしくなってしまうぐらいにまで抱き続けたかった。そうやって僕の証を君の心に、体に刻み付けたかったんだよ?いいや、それだけじゃあ無いんだ。何より2人で強く深く、徹底的な迄に愛し合いたかったんだ!!!」
「・・・・・」
「勿論、体だけが目的じゃなくて何より、メリーの心が、気持ちが欲しかったんだ。さっきも言っただろ?“メリーとこれ以上無い程にまで徹底的に愛し合いたかったんだ”って、“グチョグチョになりたかったんだ”って。だけど出来たら、それをする上では僕から君に対するモノだけじゃなくて、君からの僕に対する思いも欲しかったんだ、君に愛して欲しかったんだ。激しく求めて来て欲しかったんだよ」
「・・・・・」
「だから段々と君が僕に色んな事をやってくれるようになって、行為の最中に徐々に激しく乱れるようになって来たのを見た時に“ああ、この子も僕と同じ気持ちを持ってくれているんだ”って思ったんだ。積極的に僕を求めて来てくれていると思って、それだけ僕の事を思ってくれているんだと感じて凄く嬉しくなっちゃったんだ、舞い上がってしまったんだ」
「・・・・・」
「ごめん、メリー。君の真心を踏み躙って傷付けてしまった事は、本当に申し訳無く思っているよ。すまない・・・」
「・・・・・」
そこまで話して蒼太が、彼女の部屋の前から退出しようとした時だった、ガチャリとドアノブの回る音が聞こえて来て中からメリアリアが姿を見せてくれたのである。
「・・・・・っ。メリーッ!!?」
「・・・・・」
「許して、くれるのか・・・?」
「・・・・・っ。最初に」
「・・・?」
「そう言う大事な事は、最初にもっとハッキリと言いなさいよ・・・!!!」
そう言って。
メリアリアは寝間着姿のままで蒼太の胸の中へと飛び込んで行ったのであった。
「・・・なによ、“忘れられない男になりたかった”って」
「え・・・っ?」
「別れる、つもりだったの・・・?」
俯き加減で自分にしがみ付いて来た愛妻淑女の事をしっかりと抱擁して応えた蒼太であったがその声を聞いた瞬間、彼は悟った、メリアリアは泣いていた、嗚咽を殺しつつも彼に抱き着いたまま涙を溢れさせて泣いていたのだ。
「・・・違う、違うんだよ?メリー。僕はね、君の中で一番の男になりたかったんだ。一番逞しくて格好良くて頼もしくて、そして何より最愛の人になりたかった」
「ヒッグ、グスッ。う、うう・・・っ!!!」
「君の心が欲しかった、単に“愛しい”だけじゃなくて“この人はなんて凄い人なんだろう”って、“なんて素晴らしい人なんだろう”って、そう思って欲しかったんだ。君の全部を僕色に染めたかった、心を鷲掴みにしたかったんだよ・・・!!!」
「グスッ、ヒッグ・・・ッ。な、なんで・・・っ!!!」
「・・・・・?」
「なんで、過去形なのよ・・・?」
「・・・・・っ。今だって、いつだってそう思ってるよ?メリー。愛してる、誰よりも何よりも君のことが大好きなんだ!!!」
「・・・・・っっっ!!!!!」
その言葉を聞いた途端にメリアリアは蒼太に抱き着いたまま声を挙げて泣き出したのだが、そんな花嫁をしっかりと抱擁したまま花婿は彼女が落ち着くまで背中を擦ったり、頭を撫でたりキスをしたりして慰め続けたのである。
そうやってメリアリアの誤解と言うか、心の傷を癒して再び愛を確かめ合い、漸くにして許してもらった蒼太はまたしても気の緩みから今度はアウロラを怒らせ、かつまたビックリさせて泣かせる寸前まで追いやってしまった事があったのだが行為の最中に蒼太は時折、“言葉責め”を行って妻達自身に“自分が誰のモノなのか”と言う事をハッキリと認識させるように仕向ける事があった。
ある日の事、エッチの最中に蒼太はアウロラに対して“私はあなたのセックス奴隷です”、“アウロラマンコは蒼太チンポ様だけのモノです”と言わせようとしたのだが、それを聞いたアウロラは当初、ビックリすると同時に次第に深い悲しみの色をその容全体に湛えていったのである。
「そ、蒼太さん。あの・・・」
「・・・・・?」
「私は、その。あなたの妻であって奴隷では、無いです・・・!!!」
「・・・・・っ!!!」
その言葉を聞いた瞬間、蒼太はまたしても自分がやらかしてしまった事に気付いた、メリアリア達三人の花嫁の内で最年少の妻であったアウロラはその実、中々に芯が強くて彼女達の中では一番しっかりと“自分自身”と言うモノを持ち合わせている存在だったのである。
「ごめんよアウロラ、違うんだ・・・」
「・・・・・?」
「俺はね?アウロラ。君のことが大好きなんだ、だからこそ君の全部が欲しいんだよ。それこそ身も心もね・・・!!!」
「・・・・・」
「正直に言って。強くて凛々しい君の事を屈服させたい、そして清純で美しい君の事を滅茶苦茶になるまで汚したいって言う思いが、自分色に染め上げたいって言う思いが僕の中にはある・・・」
「・・・・・」
「そうやって君を、僕の愛妻に仕立て上げてもう逃げられなくしてしまいたいって思ってるんだけど・・・。だけどそれだけじゃあ無いんだよ・・・」
「・・・・・?」
「君に、思って欲しかったんだ。“この人にだったら良い”って、“自分の全てを捧げても良い”、“この人のモノにだったらなってあげても良い”って。そう思って欲しかった、僕の事を受け入れて欲しかったんだよ・・・」
「・・・・・」
「ごめんね?アウロラ。本当にごめん、傷付けちゃったね。すまない・・・」
「・・・・・っ。もうっ!!!」
“それならそうと、ちゃんと言って下さい”、“本当にもう。困った人・・・!!!”とアウロラは漸くクスリと微笑むと蒼太に対して躊躇う事無く“隷属宣言”を行って彼だけの女になる事を決意したのであった。
「ねえアウロラ・・・」
「・・・・・?」
「無理にとは、言わないけれど・・・。それでもあの、僕に“様”を付けるのはどうしても嫌か・・・?」
「・・・・・っ。愛しています、蒼太様っ❤❤❤❤❤」
「・・・嬉しいよ、アウロラ。有り難う!!!」
“僕としては様を付けて欲しいな・・・”、“そうするとアウロラに尊敬してもらえている気がしてとても嬉しいんだけど・・・”と言う夫の言葉に、アウロラはまた苦笑すると彼を“様”付けで呼んであげたのであるモノの、これらの事があって後、蒼太は何かする前には妻達に対してまずはキチンと自分の本心や考えを、打ち明けるようにしたのであった。
(夫婦って言うのは毎日が新しい事の発見なんだな、よくよく考えさせられたよ・・・!!!)
彼はホトホトに思い知らされていた、“夫婦って滅茶苦茶難しい”と、“だけどとっても素晴らしい”と。
“番になる”と言う事の大変さを、そして“共に生きる”と言う事の尊さを、彼なりに改めて認識させられたのであるモノの、ただし。
蒼太もメリアリアもアウロラもオリヴィアも、最初から単に“愛しい”だけで全てを乗り越えて来た訳では決して無かった、それは確かに問題や障害、そして試練を乗り越える原動力にはなってくれたがそれに加えて何か事が起きた場合には“どれだけ自分と相手に誠意を尽くせるか”、“どれだけ深い真心を顕現させ切る事が出来るのか”と言う事が、非常に重要な問題となってくるのだ、と言う事を、嫌という程にまで味あわされた出来事だった。
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