382 / 476
夫婦の絆と子供への思い
アヌンナキの末裔
しおりを挟む
「所で蒼太どの。あなたはさっき“星を砕く”等と仰られていたが・・・?」
暗黒惑星に付いての詳細な観測データを手渡しながら、ジョセフソンが蒼太に言葉を掛けた。
「一体、どうやる気ですかな?天文学者としても大いに興味がある所だが・・・」
「あはは・・・。申し訳ないのですがジョセフソン博士。それは秘密なのです、と言うよりは信じてもらえない、と言った方が良いかも知れませんけれど・・・」
「構いません、どうかお話し下さい」
ちょっと困ったような顔付きで答える蒼太に対してジョセフソンはあくまで静かに、そして和やかな笑みを浮かべてそう告げる。
「私共としては、大いに興味があります。何せニビルはかつて私共の遠い先祖達が住んでいた星ですのでね・・・」
「・・・・・っ。えええっ!!?」
「なんですってっ!!?」
そんなジョセフソン博士の言葉に蒼太達は俄に色めき立った。
「あっははは・・・。私共は実はシュメール人の末裔なのですよ、と言っても最早その血も殆どが失われてしまい、今では地球人と言っても差し支えない種族となっていますがね」
「・・・・・っ!!!ニビルの。じゃああなた方はアヌンナキの子孫なのか?」
「いえいえ。純粋なアヌンナキは、今ではもういません。彼等は今から一万年ほど昔に、当時住んでいたニビルからこの惑星に放逐されたのです」
そう言ってジョセフソンは静かに歴史を語り始めた。
「アヌンナキは確かに、ニビルの現生人類でした。彼等は高い霊力と科学力を持っており、それらを活かしてこの太陽系全体に版図を拡大させようとしたのですが・・・。その途中で“マローナ”と言う星と戦争が起こり、大勢のアヌンナキが死に絶えました。ちなみに“マローナ”と言うのは今では“アステロイド・ベルト”となっていますがね?」
「・・・マローナはニビルによって打ち砕かれたのですか?」
「いいえ。マローナとニビルの戦争はマローナに優勢のまま推移していました、あのまま行けば確かに戦争はマローナ側の勝利で終わったでしょうが・・・。マローナにはある致命的な弱点があったのです」
「・・・・・」
「・・・・・?」
「マローナに住む人々はみな猜疑心が強く、冷酷で非情な心の持ち主だったのです。そのお互いのお互いに対する悪意の波動がマローナの自浄能力を上回った瞬間、悲劇は起こりました・・・」
“マローナは爆発して宇宙から消滅してしまったのです”とジョセフソンは話を続けた。
「結果的にニビルは辛うじて戦争には勝ちましたが、惑星ニビルの意識体。・・・要するに“魂”とでも言うべきモノですが、“彼”はアヌンナキに愛想を尽かして当時接近中であったこの星に、僅かに生き残ったアヌンナキ達を追放したのでした」
「・・・惑星ニビルの意識体?」
「大甕星。つまりは“オオボシカガセオ”の事さ、多分な・・・。それでアヌンナキ達はどうしたのです?」
「アヌンナキ達は已む無く、この星に定住して現地人と交わりました。要するに“混血民族”を生み出したのですね・・・」
「それがあなた方、シュメール人と言う訳か・・・」
蒼太の言葉に博士は瞑目しつつも頷いた。
「そうです、“シュメール”とは“混ざり合った”と言う意味があるのだそうです。私達シュメール人はアヌンナキより血肉を受け継ぎ、また高度な教育を授けられていましたから、当時の人類達から見ればズバ抜けた知性と肉体的強靱さ、そして霊力を持っていたのです」
「・・・それで?どうしてアヌンナキ達はいなくなってしまったの?」
「種の純潔性を保つために近親交配を繰り返したのです、その結果としてアヌンナキ達は子孫を残すことが出来なくなり自然消滅してしまいました。後に残ったのが私達シュメール人です、そう言う意味では今や私達こそが生粋のニビル星人だと言っても過言では無いでしょう・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「私達は人々の中に紛れ込み、“その時”を待つことにしました。いつの日にか再びニビルがやって来る、そうしたら皆で故郷に帰ろう、と。しかし・・・」
「ニビルは到底、人が住める星では無くなっていた、と・・・?」
蒼太達の放った言葉に、ジョセフソンは一つ一つに頷いて答えていった。
「ニビルは最早、私達を受け入れる事は無いのでしょう。マローナとの戦いの最中、ニビル星そのものかなりのダメージを負ったと聞きました。“星の意思”はその事を忘れてはいないのでしょうね・・・」
「・・・・・」
「私共の歴史は、こんな所でしょうか?まあ、最早地球に留まる事しか出来ない、憐れな異星人の末裔ですよ。それはそれとして蒼太どの、あなた方は本気でニビルを潰すおつもりなのですか・・・?」
「・・・・・っ!!!ええ、まあ。そうですね」
「な、なんだかしんみりしちゃったけれど・・・。相手は世界中で手の着けられない“荒ぶる星神”として信仰されているんでしょ?今回の地球接近を許したなら、何をされるか解ったモノでは無いもの!!!」
「ジョセフソン博士のお話には、確かに人として同情すべき箇所も御座いますけれど・・・。でもだからと言って地球が、この世界が滅茶苦茶にされるのを黙って見過ごして良い訳が御座いませんわ!!?」
「人がいない、と言うのであればそれこそ好都合だ。今回こそは完膚無きまでに粉砕して後顧の憂いを断たなくてはな!!!」
「・・・・・」
そんな蒼太達一行の話を聞いたジョセフソン博士は一瞬、寂しそうな面持ちとなったがすぐに冷静さを取り戻し、新たな予測データを蒼太達に託して言った。
「これは過去のデータから、今現在のニビルの位置を正確に割り出したモノです。こっちは公転周期と軌道を元に計算した未来予想図です。もし本当に“星砕き”をなさるのであればこの二つのデータをお持ち下さい。それとニビルは組成が火星に近い岩石惑星なのですが、比べ物にならない位に星全体の密度が高くてその分硬い惑星なのです。その事もお忘れ無きように・・・」
「・・・・・っ。有り難う御座います、ジョセフソン博士!!!」
「御免なさいジョセフソン博士。そしてどうも有り難う!!!」
「御協力感謝しますわ?何も出来ずに御免なさい・・・!!!」
「心から礼を言う、それと今回の事はお悔やみ申し上げる。済まない博士・・・!!!」
4人は口々にそう告げてジョセフソン博士に別れを述べると、ガリア帝国の南方の国境地帯、アルヴの山々に囲まれし町“セントシャーレ”へと向けて旅立って行った。
暗黒惑星に付いての詳細な観測データを手渡しながら、ジョセフソンが蒼太に言葉を掛けた。
「一体、どうやる気ですかな?天文学者としても大いに興味がある所だが・・・」
「あはは・・・。申し訳ないのですがジョセフソン博士。それは秘密なのです、と言うよりは信じてもらえない、と言った方が良いかも知れませんけれど・・・」
「構いません、どうかお話し下さい」
ちょっと困ったような顔付きで答える蒼太に対してジョセフソンはあくまで静かに、そして和やかな笑みを浮かべてそう告げる。
「私共としては、大いに興味があります。何せニビルはかつて私共の遠い先祖達が住んでいた星ですのでね・・・」
「・・・・・っ。えええっ!!?」
「なんですってっ!!?」
そんなジョセフソン博士の言葉に蒼太達は俄に色めき立った。
「あっははは・・・。私共は実はシュメール人の末裔なのですよ、と言っても最早その血も殆どが失われてしまい、今では地球人と言っても差し支えない種族となっていますがね」
「・・・・・っ!!!ニビルの。じゃああなた方はアヌンナキの子孫なのか?」
「いえいえ。純粋なアヌンナキは、今ではもういません。彼等は今から一万年ほど昔に、当時住んでいたニビルからこの惑星に放逐されたのです」
そう言ってジョセフソンは静かに歴史を語り始めた。
「アヌンナキは確かに、ニビルの現生人類でした。彼等は高い霊力と科学力を持っており、それらを活かしてこの太陽系全体に版図を拡大させようとしたのですが・・・。その途中で“マローナ”と言う星と戦争が起こり、大勢のアヌンナキが死に絶えました。ちなみに“マローナ”と言うのは今では“アステロイド・ベルト”となっていますがね?」
「・・・マローナはニビルによって打ち砕かれたのですか?」
「いいえ。マローナとニビルの戦争はマローナに優勢のまま推移していました、あのまま行けば確かに戦争はマローナ側の勝利で終わったでしょうが・・・。マローナにはある致命的な弱点があったのです」
「・・・・・」
「・・・・・?」
「マローナに住む人々はみな猜疑心が強く、冷酷で非情な心の持ち主だったのです。そのお互いのお互いに対する悪意の波動がマローナの自浄能力を上回った瞬間、悲劇は起こりました・・・」
“マローナは爆発して宇宙から消滅してしまったのです”とジョセフソンは話を続けた。
「結果的にニビルは辛うじて戦争には勝ちましたが、惑星ニビルの意識体。・・・要するに“魂”とでも言うべきモノですが、“彼”はアヌンナキに愛想を尽かして当時接近中であったこの星に、僅かに生き残ったアヌンナキ達を追放したのでした」
「・・・惑星ニビルの意識体?」
「大甕星。つまりは“オオボシカガセオ”の事さ、多分な・・・。それでアヌンナキ達はどうしたのです?」
「アヌンナキ達は已む無く、この星に定住して現地人と交わりました。要するに“混血民族”を生み出したのですね・・・」
「それがあなた方、シュメール人と言う訳か・・・」
蒼太の言葉に博士は瞑目しつつも頷いた。
「そうです、“シュメール”とは“混ざり合った”と言う意味があるのだそうです。私達シュメール人はアヌンナキより血肉を受け継ぎ、また高度な教育を授けられていましたから、当時の人類達から見ればズバ抜けた知性と肉体的強靱さ、そして霊力を持っていたのです」
「・・・それで?どうしてアヌンナキ達はいなくなってしまったの?」
「種の純潔性を保つために近親交配を繰り返したのです、その結果としてアヌンナキ達は子孫を残すことが出来なくなり自然消滅してしまいました。後に残ったのが私達シュメール人です、そう言う意味では今や私達こそが生粋のニビル星人だと言っても過言では無いでしょう・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「私達は人々の中に紛れ込み、“その時”を待つことにしました。いつの日にか再びニビルがやって来る、そうしたら皆で故郷に帰ろう、と。しかし・・・」
「ニビルは到底、人が住める星では無くなっていた、と・・・?」
蒼太達の放った言葉に、ジョセフソンは一つ一つに頷いて答えていった。
「ニビルは最早、私達を受け入れる事は無いのでしょう。マローナとの戦いの最中、ニビル星そのものかなりのダメージを負ったと聞きました。“星の意思”はその事を忘れてはいないのでしょうね・・・」
「・・・・・」
「私共の歴史は、こんな所でしょうか?まあ、最早地球に留まる事しか出来ない、憐れな異星人の末裔ですよ。それはそれとして蒼太どの、あなた方は本気でニビルを潰すおつもりなのですか・・・?」
「・・・・・っ!!!ええ、まあ。そうですね」
「な、なんだかしんみりしちゃったけれど・・・。相手は世界中で手の着けられない“荒ぶる星神”として信仰されているんでしょ?今回の地球接近を許したなら、何をされるか解ったモノでは無いもの!!!」
「ジョセフソン博士のお話には、確かに人として同情すべき箇所も御座いますけれど・・・。でもだからと言って地球が、この世界が滅茶苦茶にされるのを黙って見過ごして良い訳が御座いませんわ!!?」
「人がいない、と言うのであればそれこそ好都合だ。今回こそは完膚無きまでに粉砕して後顧の憂いを断たなくてはな!!!」
「・・・・・」
そんな蒼太達一行の話を聞いたジョセフソン博士は一瞬、寂しそうな面持ちとなったがすぐに冷静さを取り戻し、新たな予測データを蒼太達に託して言った。
「これは過去のデータから、今現在のニビルの位置を正確に割り出したモノです。こっちは公転周期と軌道を元に計算した未来予想図です。もし本当に“星砕き”をなさるのであればこの二つのデータをお持ち下さい。それとニビルは組成が火星に近い岩石惑星なのですが、比べ物にならない位に星全体の密度が高くてその分硬い惑星なのです。その事もお忘れ無きように・・・」
「・・・・・っ。有り難う御座います、ジョセフソン博士!!!」
「御免なさいジョセフソン博士。そしてどうも有り難う!!!」
「御協力感謝しますわ?何も出来ずに御免なさい・・・!!!」
「心から礼を言う、それと今回の事はお悔やみ申し上げる。済まない博士・・・!!!」
4人は口々にそう告げてジョセフソン博士に別れを述べると、ガリア帝国の南方の国境地帯、アルヴの山々に囲まれし町“セントシャーレ”へと向けて旅立って行った。
0
お気に入りに追加
87
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

【完結】少年の懺悔、少女の願い
干野ワニ
恋愛
伯爵家の嫡男に生まれたフェルナンには、ロズリーヌという幼い頃からの『親友』がいた。「気取ったご令嬢なんかと結婚するくらいならロズがいい」というフェルナンの希望で、二人は一年後に婚約することになったのだが……伯爵夫人となるべく王都での行儀見習いを終えた『親友』は、すっかり別人の『ご令嬢』となっていた。
そんな彼女に置いて行かれたと感じたフェルナンは、思わず「奔放な義妹の方が良い」などと言ってしまい――
なぜあの時、本当の気持ちを伝えておかなかったのか。
後悔しても、もう遅いのだ。
※本編が全7話で悲恋、後日談が全2話でハッピーエンド予定です。
※長編のスピンオフですが、単体で読めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる