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夫婦の絆と子供への思い
ニビルを伐て!!!
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「蒼太、蒼太よ・・・」
「んん・・・?」
蒼太達が凶悪なる魔導士達を打ち破って徐々に清浄、静謐へと変わって行く世の中を満喫していた頃ー。
ある晩、彼の夢枕に鹿島神宮に坐す“健御雷神”が立たれてこう告げられた。
「“アマツカガセオ”が再びこの地球に向かって来ておる。このままでは神界諸共この世が大変な事になるぞよ?」
「“アマツカガセオ”って・・・。“大甕星”の事ですか?」
「そうじゃ」
蒼太の言葉に健御雷神は頷かれた。
「彼奴めはまだ、この地球を支配下に置く野望を捨ててはおらぬ。彼奴の横暴を許せば世界はまた、混沌と暴力の支配する地獄となろう・・・!!!」
「大甕星。またの名を惑星“ニビル”、あの仇星が再び地球に接近しているなんて・・・!!!」
「儂らの力ではどうする事も出来ん。健葉槌神の封印も、遂に限界を迎えてしまったようじゃしの・・・!!!」
「・・・いや、あの。神々の力であってもどうする事も出来ないのでは、人間の力では尚更、歯が立たないのでは?」
「いいや?蒼太。そこが人間の底力の見せ所なのじゃ!!!」
健御雷神は言う、“人間は元来が恐れを知らぬ身の程知らずで向こう見ずで、故にだからこそ無限の知恵と勇気と力とを引き出す事が出来る生き物なのじゃ”と。
「今回の事、偏にお主達の頑張りに掛かっておる。恐れずに立ち向かえ、蒼太よ!!!」
「そんな!!!神様。僕は一体、どうしたなら・・・」
「堂々としていよ、蒼太・・・」
“笑え”と鹿島の神は言われた、“いつも笑っておるんじゃ、蒼太!!!”と。
その言葉を聞いた瞬間。
蒼太は目が覚めた。
「・・・・・っ!!!」
「すう、すう・・・」
あまりにも鮮明な夢のお告げに、蒼太は汗をビッショリと掻いて茫然としていたのだが、その隣では彼の最愛の妻であるメリアリアが裸のまま健やかな寝息を立てていた。
そうだった、昨日は“時の涙滴”を発動させて1ヶ月もの間彼女を愛し抜いたまま、現実世界に戻って来て眠ってしまっていたのであった。
「・・・・・っ!!!」
(オオボシカガセオ。健御雷神と経津主神の力をもってしても討伐する事が能わなかった星神。一体どうすれば・・・!!!)
“第一相手はれっきとした神だぞ?”、“人間ごときの力で一体、何が出来ると言うのか・・・!!?”とそこまで考えた折、蒼太には健御雷神のあの言葉が蘇って来た、曰く。
“人間は元来が恐れを知らぬ身の程知らずで向こう見ずで、故にだからこそ無限の知恵と勇気と力とをいつでも引き出す事が出来る生き物なのじゃ”との事であった。
(そう言えば前に鹿島の神から聞かされた事がある。“人間とはその有り様を見て何か学べる事柄もあるかも知れぬ”と言って我等神々より分御霊を与えられて生み出された存在なのだ、と・・・!!!)
“だとすれば”と蒼太は尚も考えた、“神には出来なかった事が人間にならば思い付く事も出来るかも知れない”と。
(・・・・・っ。“神威”か!!!)
自らの両手を見定めつつも、蒼太は思いを改めた、神力を扱う“神威”は神々から教えられたモノ以外にも人間である蒼太が独自に生み出したモノもあって、そこにこそ活路がありそうな気がして来たのだ。
(“星神”を撃つ。今の自分に出来る最高の神威と、高天原の神々の助力を以て・・・!!!)
そう決意した蒼太は愛妻淑女を起こさぬようにソッと彼女に口付けをすると、真夜中の幹線道路を“ガリア帝国国立天文台”へと向けて車を走らせていた。
「んん・・・?」
蒼太達が凶悪なる魔導士達を打ち破って徐々に清浄、静謐へと変わって行く世の中を満喫していた頃ー。
ある晩、彼の夢枕に鹿島神宮に坐す“健御雷神”が立たれてこう告げられた。
「“アマツカガセオ”が再びこの地球に向かって来ておる。このままでは神界諸共この世が大変な事になるぞよ?」
「“アマツカガセオ”って・・・。“大甕星”の事ですか?」
「そうじゃ」
蒼太の言葉に健御雷神は頷かれた。
「彼奴めはまだ、この地球を支配下に置く野望を捨ててはおらぬ。彼奴の横暴を許せば世界はまた、混沌と暴力の支配する地獄となろう・・・!!!」
「大甕星。またの名を惑星“ニビル”、あの仇星が再び地球に接近しているなんて・・・!!!」
「儂らの力ではどうする事も出来ん。健葉槌神の封印も、遂に限界を迎えてしまったようじゃしの・・・!!!」
「・・・いや、あの。神々の力であってもどうする事も出来ないのでは、人間の力では尚更、歯が立たないのでは?」
「いいや?蒼太。そこが人間の底力の見せ所なのじゃ!!!」
健御雷神は言う、“人間は元来が恐れを知らぬ身の程知らずで向こう見ずで、故にだからこそ無限の知恵と勇気と力とを引き出す事が出来る生き物なのじゃ”と。
「今回の事、偏にお主達の頑張りに掛かっておる。恐れずに立ち向かえ、蒼太よ!!!」
「そんな!!!神様。僕は一体、どうしたなら・・・」
「堂々としていよ、蒼太・・・」
“笑え”と鹿島の神は言われた、“いつも笑っておるんじゃ、蒼太!!!”と。
その言葉を聞いた瞬間。
蒼太は目が覚めた。
「・・・・・っ!!!」
「すう、すう・・・」
あまりにも鮮明な夢のお告げに、蒼太は汗をビッショリと掻いて茫然としていたのだが、その隣では彼の最愛の妻であるメリアリアが裸のまま健やかな寝息を立てていた。
そうだった、昨日は“時の涙滴”を発動させて1ヶ月もの間彼女を愛し抜いたまま、現実世界に戻って来て眠ってしまっていたのであった。
「・・・・・っ!!!」
(オオボシカガセオ。健御雷神と経津主神の力をもってしても討伐する事が能わなかった星神。一体どうすれば・・・!!!)
“第一相手はれっきとした神だぞ?”、“人間ごときの力で一体、何が出来ると言うのか・・・!!?”とそこまで考えた折、蒼太には健御雷神のあの言葉が蘇って来た、曰く。
“人間は元来が恐れを知らぬ身の程知らずで向こう見ずで、故にだからこそ無限の知恵と勇気と力とをいつでも引き出す事が出来る生き物なのじゃ”との事であった。
(そう言えば前に鹿島の神から聞かされた事がある。“人間とはその有り様を見て何か学べる事柄もあるかも知れぬ”と言って我等神々より分御霊を与えられて生み出された存在なのだ、と・・・!!!)
“だとすれば”と蒼太は尚も考えた、“神には出来なかった事が人間にならば思い付く事も出来るかも知れない”と。
(・・・・・っ。“神威”か!!!)
自らの両手を見定めつつも、蒼太は思いを改めた、神力を扱う“神威”は神々から教えられたモノ以外にも人間である蒼太が独自に生み出したモノもあって、そこにこそ活路がありそうな気がして来たのだ。
(“星神”を撃つ。今の自分に出来る最高の神威と、高天原の神々の助力を以て・・・!!!)
そう決意した蒼太は愛妻淑女を起こさぬようにソッと彼女に口付けをすると、真夜中の幹線道路を“ガリア帝国国立天文台”へと向けて車を走らせていた。
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