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ガリア帝国編
パラベーンの日常
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次回はR-18回です(本来ならばエピローグの時に書こうと思って書けなかった分を、ここで書いて行こうと思います←どうしてあの時にエッチシーンを書かなかったのか、と言うとそれは、下手をすると“エピローグ”のお話しそのものが“前編”、“後編”等というように、幾つかに分割されてしまう恐れがあったからです)、今回も恐らく、“前編”、“後編”で分かれる事になろうかと思われます(もしかするともっと長くなるかも知れません)。
幼馴染から恋人を経て夫婦になった二人のラブラブエッチにご注目下さい(ただし構成に些か時間をいただきたいのです←例えば“分身エッチ”等をやる場合ですと、取れる体位がどうしても決まって来てしまいます、それを踏まえた上で全体的な流れを決めて行かなくてはなりません、その為には時間が掛かります)。
どうか暫くお待ち下さい。
敬具。
ハイパーキャノン。
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ガリア帝国の誇る治安維持秘密組織、魔法剣技特殊銃士隊。
通称を“セイレーン”と呼び現される彼等の内でも特に、選び抜かれたる8人の最高戦力によって構成される“女王位”、その直轄下に置かれているのが同性かつ文字通り手足となって彼女達に付き従う親衛隊、“パラベーン”である。
技量は勿論、人格の面においても崇高かつ信頼の置ける彼女達であり、仲間意識は大変に硬い面々であったが中には他人を(特に男を)嫌悪したり茶化したりする輩もおり、決し―て一筋縄では行かないのが玉に傷であったのであるが、そんな中でもー。
“光輝玉の茨姫”、“炎の聖女”の異名を持つメリアリアと“青き星の祈り姫”、“清流の乙女”の称号を誇るアウロラの配下の者達にはやや、一癖も二癖もある者達が揃っていた。
彼女達は確かに、メリアリア達にとっては良き友であり同僚であり、尚且つ可愛い後輩でもあったがしかし、その伴侶たる運命を持つ男性である、“綾壁蒼太”に対しては決してその限りでは無かったのである。
否、もう少し正確に述べるのならば、彼女達は別に蒼太の事が嫌いでは無かったモノの、さりとて別段“大切な人”だと認識していた訳でもなかった、一応“先輩だ”、“仲間だ”とは思ってそれなりに信頼はしていたし、心を許してもいたのであるが、何というべきか持って生まれた特殊な(変な風に捻くれていると言うべきか、物事を斜めに構えて眺める)性質のお陰で彼に対しては正直な話、“良い玩具が手に入った”程度の認識しか持ち合わせてはいなかったのであったのだ。
と言うのはそもそもが、彼女達は自身の心や物事における感動と言うモノを素直に表現したり、誰かに伝えたりする、と言う事が出来ない人間達だったのであり、もっと正確に言うのならばそれは“愛を愛として認識しきれず、それ故にその素晴らしさを100%ピュアな状態のままに感じ取る事が出来ない”、“理解する事が出来ないでいる”と言うのがまさしく実状だったのであって、しかも何が救いが無いのか、と言えば“なんで自分達がそうなのか”と言う事を、全く以て解ろうともしなかった点にあった、と言っても過言では無い。
事実として仮にもし、彼女達が本気になって自分自身を見つめ直し、“立て直そう”と真剣に考える事が出来ていたのであるならば、この時点においてならばまだ、その問題点に対する気付きを得る事も可能であったかも知れなかったがしかし、一方では彼女達はそれすらもしなかったのであって、要するに基本的には歪んでいる連中、それそのものでしか無かったのであるモノの、ただし根はそれなりに善人ではあったし、例えば理不尽かつ非道な暴力や行き過ぎた残忍性等を見た場合は流石に“おいおい”と思う暖かさ位は持ち合わせてはいたのである。
ただそれだって、大抵の場合はスルーをするか、その場面を適当に茶化して終わらせる事が圧倒的に多くて良く言えばニヒル、悪く言えば些か以上に薄情な存在だった、と言わざるを得なかったのであり(で、それを指摘するような輩も茶化しの対象になるのであった)そんな彼女達からして綾壁蒼太と言う人はだから、実に取っ付きやすい性格の持ち主であった、確かに外見はパッとしない、所謂(いわゆる)一つの優男的な存在であった彼はしかし、その一方でその肉体と精神とは誰より鍛え抜かれていて逞しく、また何より思いやりに満ち溢れていて、数々の秘儀も使い熟す上に彼自身の戦闘能力もまた、“女王位”と比べた場合も決して遜色のあるモノ等では断じて無かったのであるモノの、そんな彼の優しさと言うべきか、本質を見抜いた親衛隊各位は早速にして(本来であれば実力も立場も上である筈の)この青年の事を、弄くり回していたのである。
「蒼太さん、蒼太さん!!」
「なんだよ!?」
女王位達による、“セイレーン”における最高意思決定機関たる“クイーンズ・カウンシル”が開催される時等は大抵、優秀な助言者として彼が呼び出される事が多かったのであるモノの、そんな場合は議題となっている事柄が粗方片付いた後になって彼女達によるモーションが掛かってくる事が、いつもの日課となっていた、名前を呼ばれた蒼太が、いい加減面倒臭そうに、それでも一応の礼節を以て返事をすると、親衛隊の面々は謎のマウントを取りつつもやや上から目線で“いや、別に用は無いっす”、“いるならいるで、それで良いですから”等と言っては彼を揶揄い、“うんうん”と頷く事がお決まりのパターンと化していたのだ。
「ただ単に、呼んでみただけなんで!!」
「なんなんだよ、それ!!」
そんな時は決まって蒼太が忌々しそうな、それでいて心底困ったような表情を見せては溜息を付くのであるモノの、そんな日常を繰り返す内に段々と、親衛隊の蒼太への“モーション”はエスカレートの一途を辿り、徐々に手の込んだモノへとなっていったのである。
それはある“クイーンズ・カウンシル”が終了して皆が寛いでいる最中に起きたのだが、一度出て行った筈の親衛隊の面々が突如として“女王の間”へと舞い戻って来たのであった。
・・・何故か全員、日本の女子高生の格好をして。
「おっじゃまっしまーっす!!」
「ほら、蒼太起きて?学校に遅刻しちゃうよ!!」
「あっ、おじさん、おばさん。おはよう御座います!!」
「早く御飯食べちゃって。歯も磨いて、顔も洗って!!」
「・・・・・っ!!?」
「・・・・・っ!!!」
「な、何事だ?一体・・・!!!」
そんな彼女達の突然の豹変ぶりに、巻き込まれた当事者である蒼太自身は元よりとして、それを見ていたメリアリアもアウロラも、そしてオリヴィアまでもが事態を飲み込めずにいたモノの、やがて蒼太が声を掛けると漸くにして彼女達の意図する所がその場にいた全員に伝えられる事となった。
「ち、ちょっとちょっとちょっと。一体なんなんだよ?君達・・・!!!」
「えっへっへっへ。驚きました?蒼太さん!!」
「今日はですね、ちょっと日本のアニメの影響を受けまして・・・!!」
「私達全員、蒼太さんの幼馴染に変身してみたんです!!」
「・・・・・っ!!!」
「・・・・・っ!!?」
「お、幼馴染・・・!?」
あまりに唐突な出来事に、思わず面食らった顔を覗かせていた蒼太達であったモノの、それでも取り敢えずは、彼女達の思考が判明した、おそらくは親衛隊の女の子達の頭の中では平日の早朝、一緒に登校する為にわざわざ部屋まで起こしにやって来た幼馴染、と言うシチュエーションが展開している模様であるが、果たして。
「なるほど、そっか。僕の幼馴染になったんだね!?それでさっき、家の中に入って来てわざわざ親父とお袋にまで挨拶してくれた訳か。ってか芸が細かいな、おい!!」
「そう、そうです。それです!!」
「どうせ蒼太さんの事だから、そんな人生送れなかったんでしょ?」
「クラスとかでもずっと陰キャで、悲しい人生を送っちゃったんですよね、解ります!!」
「なんなんだよ、それ!!」
“失礼だな!!”と蒼太は思った、どうして自分は自分の事など何も知りもしないコイツらに、ここまで好き勝手な事を言われなければいけないのだろうか。
「まあまあ、とにかく。そんな蒼太さんを慰める為に今日は私達三人が、幼馴染になって来てあげたんですよ、盛大に感謝してもらわないとね!!」
「どうせ蒼太さんには、あれでしょ?朝起こしに来てくれて、甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる、こんなに可愛い異性の幼馴染なんて、いなかったでしょ?」
「ましてやずっと一途に自分の事を思い続けてくれている幼馴染の女の子なんて、いませんでしたよね?安心して下さい、今日は私達がやってあげますから!!」
「・・・・・っ。いや、いやいやいやいや。あの」
そこまで言った所で些か困惑しつつも蒼太はチラリとメリアリアとアウロラの方へと目をやるモノの、二人も瞳をパチクリとさせつつも蒼太の顔を見返して来た、どうやらどう反応して良いのかが解っていない様子であるが、しかし。
「とにかく。今日は蒼太さんの為に私達が幼馴染になってあげますよ!!」
「もちろんちゃんと小さな頃から恋心を抱いている、と言う設定ですので、どうか安心して下さい!!」
「蒼太さんの寂しい人生を、華やかに彩るこれ以上ない演出に、胸をときめかせていて下さいね!?」
「・・・・・っ!!!」
「・・・・・っ!!?」
「はああっ!?は、はあ。はあ・・・!!」
“なんだ?それ・・・!!”と思いつつも、取り敢えずは蒼太は何とかそう頷いて返してみせた、正直な話“本当の事を言ってやろうか?”等と思ったのであるが、やはりそれは止める事にしていた、もしそんな事にでもなったのであれば、コイツらはメリーとアウロラの事を、根掘り葉掘り質問して来るに決まっているだろうし、それにそんな事にでもなれば、二人にまで迷惑が掛かる事になるのは明白だったからである。
「それで?取り敢えずはあれだ、玄関を開けて家に入って来た訳だ、それで挨拶も済ませた訳だね!?」
「それはそうですよ、それって最低限度の礼儀じゃないすか!!」
「やっぱり、礼儀って大事だと思うんですよね?私達全員、そこら辺は心得ているんで!!」
「常に他人に対する距離感と、尊敬の念を忘れない。これって人付き合いの基本ですよね?蒼太さん!!」
「ええ・・・っ!?まあ、そうだね・・・」
それを聞いた瞬間、思わず蒼太が不信感丸出しな表情を見せるがそれは無理も無いと言う所であっただろう、何しろ散々なまでにおちょくられている蒼太からしてみれば(ついでに言えば先程までの言動も相俟って)“どの口が言うんだ、コラ!!”とでも言いたい所であっただろうが、しかし。
「ほら早く、蒼太。御飯食べちゃってよ、また遅刻しちゃうよ!?」
「もうこれで50回目なんだからね?朝遅刻するのって・・・!!」
「いつも一緒に怒られる事になる、私達の身にもなってよ、本当にもうっ!!」
「ち、ちょっと待って!!」
そんな意地悪な親衛隊扮する、“なんちゃって幼馴染達”の身勝手な言い分を、それでも黙って聞いていた蒼太であったが遂に堪りかねて口を開いた。
「ねえ、あのさ。それ夏服だよね?つまり時期的には一学期の後半から二学期の前半って事になるんだろうけれども、何れにしても僕はそんな上半期から、そんなにまで遅刻しまくった経験なんて、流石に無かったんだけど!?って言うかさ!!」
“親呼び出しだろう?そんなになるまで遅刻しまくっていたとしたなら・・・!!”と蒼太がすかさず突っ込みを入れると親衛隊の面々は“あったりまえじゃん!!”、“何言ってんの!?”と完全に呆れたような顔を見せて口々に喚き散らした。
「私、これで5回目なんだからね!?お母さんに来てもらうのって・・・!!」
「家もだよ!?もういい加減にしてよ!!」
「全部蒼太のせいなんだからね!?うちらが肩身の狭い思いをしなくちゃならないのは・・・!!」
「・・・・・っ!!!!?いやいやいやいや、あのね。おかしいだろう?色々と。常識的に考えて有り得ねーだろーが、本当に。どんだけ他人様に迷惑掛けているんだ、僕は!!」
「本当だよ、やっと解った!?」
「自分の事を見直したのは、とっても良い事だよね。褒めてあげちゃう!!」
「私達も苦労した甲斐があったって事だよね!?」
「何を勝手なこと言ってんの!?マジで!!」
蒼太が堪らず激昂した。
「僕はそんなにだらしなくなんか、無いよっ。第一ね、おかしいだろ?上半期の間にいきなり50回も遅刻するなんて、いくら何でも有り得ねーだろ!!人をバカにするのもいい加減にしろっ、殆ど“ドラえもん”か“サザエさん”の世界じゃ無いか!!」
「ええっ?だってこれ位の遅刻なら、蒼太さんなら朝飯前でしょ!?」
「そうですよ、だって息を吸って吐くのと同じ位の勢いで遅刻をかますのが蒼太さんなんですから!!」
「私達、毎朝それを防ごうと必死になっているんですからね!?少しは感謝してもらわないと・・・!!」
「いや、感謝って・・・っ!!」
そこまで彼女達の言葉を聞き及んだ際には流石の蒼太も思わず絶句してしまっていた、自分はそこまでだらしのない、ちゃらんぽらんな人物として見られていたのであろうか。
「・・・・・っ!!!いいや、騙されないぞ!?って言うかさ、設定に無理がありすぎだろ?なんだよ50回の遅刻って。色々とおかしいだろーが!!第一ね、現実的にそんな事をしでかしたりしたなら、とっくに停学を食らうか、退学処分になっているよ。親を呼ばれる位じゃ済まないだろ!?もうちょっと捻りなよ、マジで!!」
「はあああ・・・」
するとその言葉を聞いていた親衛隊の面々が“やれやれ”と言った面持ちとなり全員で顔を見合わせるモノの、その直後に。
「解ってないっすね、蒼太さん」
「・・・な、なんだよ、急に。しんみりしちゃってさ」
自身に向けて放たれた彼女達の言葉にそう言いつつも、蒼太は怪訝そうな顔を向けるが親衛隊曰く、“どうして私達がここまで蒼太さんに尽くすのか、そこをまずは考えて欲しいんすよね!?”との事だったのだ。
「いくら幼馴染とは言えども、ただのダチにここまでしませんって、フツー!!」
「そーゆー所を見て欲しいんすよね、蒼太さんには!!」
「・・・・・っ。は、は!?」
「さっきも言ったじゃないですか。蒼太さんに対してずっと、一途な恋心を抱いているって・・・!!」
「もう蒼太ったら。本当に解らないの?マジで!?」
「私達の気持ちに、気付きなさいよ。本当にもう・・・っ!!」
それを聞いた蒼太はハッとなってメリアリアの方を向き直ると、彼女も彼女で些か戸惑ったような、それでいて困ったような笑みを浮かべつつも彼の事を見つめ続けていたのである。
「ご、ごめんね?メリー、なんて言うかさ・・・!!」
「えっ、えっ!?なんでなんで?大丈夫よ、私は。あなたはちゃんと、私の事を見てくれていたもんね!!!」
と、それを聞いたメリアリアは今度は心底満たされた瞳と優しい面持ちとで彼を見つめ返しては、そう言って微笑んでくれるモノの、特に何の落ち度も無かったにも関わらずに蒼太は何やらメリアリアにとっても申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまっていた、“自分は完璧でない”、その思いが言いようの無い後ろめたさとなってつい、彼女に対して謝罪の言葉となって紡がれ出でて来たのであった。
「・・・・・?」
「いや、あの。蒼太さん?
「なんでメリアリアさんに謝るんですか?」
「い、いや、あの。何となく・・・」
不思議そうな表情で尋ねる親衛隊の面々に、蒼太はしどろもどろになりつつもそう答えるモノの、この時点で彼女達はまだ、蒼太とメリアリアの関係を知らない訳だから彼女達の反応も仕方が無い事であったのかも知れなかったが、しかし。
「と、とにかくね?これ以上君達の茶番には付き合いきれないよ、僕もみんなも忙しいんだからさ。第一ね、ここはそう言う場所じゃ、無いだろう?」
「ひ、酷いわ。蒼太!!」
「私達の事は、遊びだったのね!?」
「散々、人の心と体を弄んだくせに。あんまりだわ!!」
「なんの話してんだよ、今度は!!」
蒼太が再び素っ頓狂な声を挙げるが、どうやら彼女達の“幼馴染設定”にはまだ先があるらしかった、それにしても。
「人聞きの悪い事を言うんじゃないよ、なんなんだよその謎設定。なんで僕が君達の心と体を弄んだ事になってんの!?」
「・・・・・」
「・・・・・」
「言って良いんすか?」
「・・・い、いや。言って良いも何も。僕、何もやってないし!!」
「ふーん、そんな事を言うんだ・・・!!」
「言っていいと思ってるんすか?そんな戯れ言を・・・!!」
「なんだよ、その“戯れ言”って・・・!!」
「そう。あれは忘れもしない、6歳の夏休みの事だった・・・」
「はあ・・・?」
「私達はキャンプで山間の、峡谷に来ていたの、そこで・・・」
「川に入って遊んでいたなら私達全員、いきなり足がつってしまったのよ?それを」
“蒼太が助けてくれたの!!”と“幼馴染達”は告げるモノの、蒼太にはもちろん、そんな覚えは無いし、そもそも彼は夏休みに、峡谷にキャンプに行った事なんて、一度たりとも存在していなかったのである(ただし冬にメリアリアの家族達と共に“ロワール渓谷”へと旅行に行った事はあったが)。
それを。
彼女達は“ある”と言う風にでっち上げた訳である、真に以て逞しい想像力と言う他無い。
「それだけなら、別に悪い事なんかしてないじゃん。よくやったよ、僕!!」
「チッ、チッ、チッ。違いますね!!」
と、思わず安堵の溜息を付くと同時に、自讃の言葉を口にする蒼太をしかし、親衛隊の面々はすかさず制して話を続けた。
「問題は、この後だったんすよ・・・!!」
「・・・・・っ。なんだよ、それ!!」
「蒼太は私達の事を助けてくれたんだけれども。水の中で溺れたモノだから、服がビショビショになってしまったの!!」
「そうなんすよ、そしたらそこで蒼太さんが!!」
「はっ!?何さ、俺が何したってゆーんだよ!!」
「近くに偶々小屋があったんで、そこに行って着替えようって言ってくれたんすよ!!そこで・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「“濡れていると風邪をひくよ?”って言って、私達の服を全部脱がして裸にしたんです、そうしておいて・・・!!」
「自分もいきなり裸になり、私達に抱き着いて来たんですっ。キャーッ!!」
「バカじゃねーの!?お前ら!!」
蒼太は思わず絶叫してしまっていた、“なんだよその無理矢理設定は!!”と思った、“なんで僕が裸になって君達に無理矢理抱き着くんだよ!?”“こっちにだって選ぶ権利位あるわ!!”と最後の最後に思いっ切り強気に捲し立ててみる。
「あのね?君達に言っておくけどその位の年頃の男子って女の子の裸よりも、自分の好きなスポーツとかアニメにしか興味ねーから。性的な事より遊ぶ事に夢中だからね?考えもしないからね、マジで!!」
「ねえ、ちょっと聞いた?今の!!」
「遊ぶ事に夢中になってたって・・・。つまり私達の事は遊びだった!!」
「なんでそーなるんだよ、本当にもう!!」
蒼太が思わず泣き出しそうな表情で再び絶叫するモノのしかし、確かに彼の憤りと言うかやるせなさは十二分に理解できるモノがあった、真心から出た真実の言の葉をその実、自分達の都合の良いように編集されて解釈されてしまっていったのでは、いくら何でも元も子もあったモノでは無くて、彼の慟哭もまたやむを得ない、と言った所であったろうモノの、しかし。
「とにかくね。僕はそんな事はしてないからね。大体なんなんだよ、その超展開は。なんで僕が助けた女の子の服を、わざわざ脱がさなきゃならないわけ?近くには皆の両親だっていたんだろう?第一ね、季節は夏なんでしょうが。わざわざ脱がなくたって、その内に乾いて行くだろうが!!」
「背中やお腹に、傷が着いていないか見てあげるって言って来たんすよ、蒼太さんは!!」
「さっきと言ってる事が違うだろーが、なんなんだよそれは。ってか嫌でも俺に服を脱がさせた事にしたいみたいだな、君達は!!」
「そうそう、そうなんすよ!!」
「蒼太さんはそうやって、私達に性的な悪戯をしたんです。おっぱいもアソコも散々に、弄くり回されましたもん。マジで!!」
「いい加減にしてちょうだい、貴女達!!」
親衛隊の面々はそう言って、まさに自分達がやられて来たかのような雰囲気と様相で話を続けた、“それはもう、手慣れた手つきで私達の胸のポッチとクリちゃんを・・・!!”と言い掛けた所で、見かねたメリアリアがかなり強い口調で助け船を出してくれたのであった。
「え、えっ!?」
「メリアリアさん・・・?」
「・・・・・っ!?」
「この人は、そんな事をするような人では無いわ!!!」
「そうですよ!!!」
「その通りだ!!!」
そこにアウロラもオリヴィアも同調してくれたのだが、彼女達全員から注意を受けた事でようやくにして、その日の親衛隊の蒼太に対するちょっかいは停止する運びとなった。
「大体、君達はなんなんだ?先程から聞いていれば卑猥な事ばかり言って。蒼太は尊敬すべき仲間なのだ、もう少し経緯を払いたまえ、君達の先輩なのだぞ!!」
「うう・・・」
「は~い・・・」
「済みませんでした。蒼太さん、オリヴィアさん・・・」
「僕は良いけど。ちゃんと皆に謝って、メリーにもアウロラにも・・・!!」
蒼太の言葉に、親衛隊の面々は皆、しゅんとした面持ちとなり肩を落として頭を垂れるが、彼女達は確かに一瞬、本気で反省するのであるが、しかし。
「蒼太さま!!」
「お久しゅうございます!!」
「私(わたくし)、ずっとお慕い申し上げておりました!!」
次の定例会議の時にはもう、悪びれも無くしれっとした態度と表情とで再び同じ事を繰り返して来た、しかも今度は幼馴染では無くて、即席で作ったドレスで着飾っている、お嬢様風な出で立ちである。
「・・・・・っ!!?」
「・・・・・っ!!!」
「また・・・っ。君達は・・・っ!!!」
もはや怒りを通り越して呆れ果てるメリアリア達“女王位”各位と蒼太の目の前で、親衛隊の面々は蒼太に向かって会釈をして見せた。
「私(わたくし)達、この日が来るのをずっと待ち焦がれておりました!!」
「お忘れで御座いますか?あの夏の日に、キャンプに行った先で川で溺れてしまった私達を助けて下さった時の事を・・・!!」
「・・・・・」
蒼太は思った、“その話、好きだなぁ”と、しかし、それにつけても。
「今度は一体、なんなのさ?」
「よくぞ聞いてくれました!!」
大きな溜息を付きつつも、もういっそ草臥れ果てたような表情と装いを呈する蒼太の言葉に、親衛隊の女の子達は嬉々として応え始めるモノの、どうやら今回のテーマは“お嬢様”らしくてなんでも子供の時に助けてもらって以来、一目惚れした、と言うのがどうも彼女達の中で展開している、主な流れらしかった。
「なるほど、お嬢様だ。幼馴染の次はそれで来た訳だね?」
「そう、そうです!!」
「どうせ蒼太さんには一生縁が無い人々だと思いまして、せめて妄想の中だけでも良い思いをさせてあげたいな、って思ったんですよ!!」
「へえぇぇ、ふ~ん。なるほどねー・・・」
「どうせ無いでしょう?お嬢様から情熱的に迫られた思いなんて蒼太さんには・・・!!」
「今日は良いんですよ?私達が代わりに蒼太さんを甘やかしてあげます!!」
「さ、蒼太さん。どうしたいんですか?あっ、でも一応言っておくけどエッチなヤツはNGなんで、そこはよろしくです」
「・・・・・っ。いや、あのね。君達」
「いい加減にしてよ!!」
すると何事かを言い掛けた蒼太にまるで、成り代わるようにしてメリアリアが口を開いた、その口調は物凄く鋭くて、怒りと拒絶に満ちたモノだったのである。
「この人をバカにするのは止めなさい。この人はね、貴女達の及びも付かない位に立派で素晴らしい人なのよ!?」
「そ、そうですよ、止めて下さい!!」
するとそれを受けてアウロラも激昂した。
「なんなんですか?この前から。蒼太さんをおちょくるのは止めにして欲しいです!!」
「君達は、いい加減にしたまえよ、本当に!!」
そしてとどめとばかりにオリヴィアまでもが荒々しい言の葉を、その可憐な口から解き放つモノの当然、その日はそれだで終わりではなかった、今度という今度こそは本気でメリアリア達のお仕置きを食らう事となった親衛隊の面々であったが、その結果として、ようやくにして彼女達はそこで本格的な落ち着きを取り戻しては蒼太に対する付き合い方を根本から改める事となったのである。
幼馴染から恋人を経て夫婦になった二人のラブラブエッチにご注目下さい(ただし構成に些か時間をいただきたいのです←例えば“分身エッチ”等をやる場合ですと、取れる体位がどうしても決まって来てしまいます、それを踏まえた上で全体的な流れを決めて行かなくてはなりません、その為には時間が掛かります)。
どうか暫くお待ち下さい。
敬具。
ハイパーキャノン。
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ガリア帝国の誇る治安維持秘密組織、魔法剣技特殊銃士隊。
通称を“セイレーン”と呼び現される彼等の内でも特に、選び抜かれたる8人の最高戦力によって構成される“女王位”、その直轄下に置かれているのが同性かつ文字通り手足となって彼女達に付き従う親衛隊、“パラベーン”である。
技量は勿論、人格の面においても崇高かつ信頼の置ける彼女達であり、仲間意識は大変に硬い面々であったが中には他人を(特に男を)嫌悪したり茶化したりする輩もおり、決し―て一筋縄では行かないのが玉に傷であったのであるが、そんな中でもー。
“光輝玉の茨姫”、“炎の聖女”の異名を持つメリアリアと“青き星の祈り姫”、“清流の乙女”の称号を誇るアウロラの配下の者達にはやや、一癖も二癖もある者達が揃っていた。
彼女達は確かに、メリアリア達にとっては良き友であり同僚であり、尚且つ可愛い後輩でもあったがしかし、その伴侶たる運命を持つ男性である、“綾壁蒼太”に対しては決してその限りでは無かったのである。
否、もう少し正確に述べるのならば、彼女達は別に蒼太の事が嫌いでは無かったモノの、さりとて別段“大切な人”だと認識していた訳でもなかった、一応“先輩だ”、“仲間だ”とは思ってそれなりに信頼はしていたし、心を許してもいたのであるが、何というべきか持って生まれた特殊な(変な風に捻くれていると言うべきか、物事を斜めに構えて眺める)性質のお陰で彼に対しては正直な話、“良い玩具が手に入った”程度の認識しか持ち合わせてはいなかったのであったのだ。
と言うのはそもそもが、彼女達は自身の心や物事における感動と言うモノを素直に表現したり、誰かに伝えたりする、と言う事が出来ない人間達だったのであり、もっと正確に言うのならばそれは“愛を愛として認識しきれず、それ故にその素晴らしさを100%ピュアな状態のままに感じ取る事が出来ない”、“理解する事が出来ないでいる”と言うのがまさしく実状だったのであって、しかも何が救いが無いのか、と言えば“なんで自分達がそうなのか”と言う事を、全く以て解ろうともしなかった点にあった、と言っても過言では無い。
事実として仮にもし、彼女達が本気になって自分自身を見つめ直し、“立て直そう”と真剣に考える事が出来ていたのであるならば、この時点においてならばまだ、その問題点に対する気付きを得る事も可能であったかも知れなかったがしかし、一方では彼女達はそれすらもしなかったのであって、要するに基本的には歪んでいる連中、それそのものでしか無かったのであるモノの、ただし根はそれなりに善人ではあったし、例えば理不尽かつ非道な暴力や行き過ぎた残忍性等を見た場合は流石に“おいおい”と思う暖かさ位は持ち合わせてはいたのである。
ただそれだって、大抵の場合はスルーをするか、その場面を適当に茶化して終わらせる事が圧倒的に多くて良く言えばニヒル、悪く言えば些か以上に薄情な存在だった、と言わざるを得なかったのであり(で、それを指摘するような輩も茶化しの対象になるのであった)そんな彼女達からして綾壁蒼太と言う人はだから、実に取っ付きやすい性格の持ち主であった、確かに外見はパッとしない、所謂(いわゆる)一つの優男的な存在であった彼はしかし、その一方でその肉体と精神とは誰より鍛え抜かれていて逞しく、また何より思いやりに満ち溢れていて、数々の秘儀も使い熟す上に彼自身の戦闘能力もまた、“女王位”と比べた場合も決して遜色のあるモノ等では断じて無かったのであるモノの、そんな彼の優しさと言うべきか、本質を見抜いた親衛隊各位は早速にして(本来であれば実力も立場も上である筈の)この青年の事を、弄くり回していたのである。
「蒼太さん、蒼太さん!!」
「なんだよ!?」
女王位達による、“セイレーン”における最高意思決定機関たる“クイーンズ・カウンシル”が開催される時等は大抵、優秀な助言者として彼が呼び出される事が多かったのであるモノの、そんな場合は議題となっている事柄が粗方片付いた後になって彼女達によるモーションが掛かってくる事が、いつもの日課となっていた、名前を呼ばれた蒼太が、いい加減面倒臭そうに、それでも一応の礼節を以て返事をすると、親衛隊の面々は謎のマウントを取りつつもやや上から目線で“いや、別に用は無いっす”、“いるならいるで、それで良いですから”等と言っては彼を揶揄い、“うんうん”と頷く事がお決まりのパターンと化していたのだ。
「ただ単に、呼んでみただけなんで!!」
「なんなんだよ、それ!!」
そんな時は決まって蒼太が忌々しそうな、それでいて心底困ったような表情を見せては溜息を付くのであるモノの、そんな日常を繰り返す内に段々と、親衛隊の蒼太への“モーション”はエスカレートの一途を辿り、徐々に手の込んだモノへとなっていったのである。
それはある“クイーンズ・カウンシル”が終了して皆が寛いでいる最中に起きたのだが、一度出て行った筈の親衛隊の面々が突如として“女王の間”へと舞い戻って来たのであった。
・・・何故か全員、日本の女子高生の格好をして。
「おっじゃまっしまーっす!!」
「ほら、蒼太起きて?学校に遅刻しちゃうよ!!」
「あっ、おじさん、おばさん。おはよう御座います!!」
「早く御飯食べちゃって。歯も磨いて、顔も洗って!!」
「・・・・・っ!!?」
「・・・・・っ!!!」
「な、何事だ?一体・・・!!!」
そんな彼女達の突然の豹変ぶりに、巻き込まれた当事者である蒼太自身は元よりとして、それを見ていたメリアリアもアウロラも、そしてオリヴィアまでもが事態を飲み込めずにいたモノの、やがて蒼太が声を掛けると漸くにして彼女達の意図する所がその場にいた全員に伝えられる事となった。
「ち、ちょっとちょっとちょっと。一体なんなんだよ?君達・・・!!!」
「えっへっへっへ。驚きました?蒼太さん!!」
「今日はですね、ちょっと日本のアニメの影響を受けまして・・・!!」
「私達全員、蒼太さんの幼馴染に変身してみたんです!!」
「・・・・・っ!!!」
「・・・・・っ!!?」
「お、幼馴染・・・!?」
あまりに唐突な出来事に、思わず面食らった顔を覗かせていた蒼太達であったモノの、それでも取り敢えずは、彼女達の思考が判明した、おそらくは親衛隊の女の子達の頭の中では平日の早朝、一緒に登校する為にわざわざ部屋まで起こしにやって来た幼馴染、と言うシチュエーションが展開している模様であるが、果たして。
「なるほど、そっか。僕の幼馴染になったんだね!?それでさっき、家の中に入って来てわざわざ親父とお袋にまで挨拶してくれた訳か。ってか芸が細かいな、おい!!」
「そう、そうです。それです!!」
「どうせ蒼太さんの事だから、そんな人生送れなかったんでしょ?」
「クラスとかでもずっと陰キャで、悲しい人生を送っちゃったんですよね、解ります!!」
「なんなんだよ、それ!!」
“失礼だな!!”と蒼太は思った、どうして自分は自分の事など何も知りもしないコイツらに、ここまで好き勝手な事を言われなければいけないのだろうか。
「まあまあ、とにかく。そんな蒼太さんを慰める為に今日は私達三人が、幼馴染になって来てあげたんですよ、盛大に感謝してもらわないとね!!」
「どうせ蒼太さんには、あれでしょ?朝起こしに来てくれて、甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる、こんなに可愛い異性の幼馴染なんて、いなかったでしょ?」
「ましてやずっと一途に自分の事を思い続けてくれている幼馴染の女の子なんて、いませんでしたよね?安心して下さい、今日は私達がやってあげますから!!」
「・・・・・っ。いや、いやいやいやいや。あの」
そこまで言った所で些か困惑しつつも蒼太はチラリとメリアリアとアウロラの方へと目をやるモノの、二人も瞳をパチクリとさせつつも蒼太の顔を見返して来た、どうやらどう反応して良いのかが解っていない様子であるが、しかし。
「とにかく。今日は蒼太さんの為に私達が幼馴染になってあげますよ!!」
「もちろんちゃんと小さな頃から恋心を抱いている、と言う設定ですので、どうか安心して下さい!!」
「蒼太さんの寂しい人生を、華やかに彩るこれ以上ない演出に、胸をときめかせていて下さいね!?」
「・・・・・っ!!!」
「・・・・・っ!!?」
「はああっ!?は、はあ。はあ・・・!!」
“なんだ?それ・・・!!”と思いつつも、取り敢えずは蒼太は何とかそう頷いて返してみせた、正直な話“本当の事を言ってやろうか?”等と思ったのであるが、やはりそれは止める事にしていた、もしそんな事にでもなったのであれば、コイツらはメリーとアウロラの事を、根掘り葉掘り質問して来るに決まっているだろうし、それにそんな事にでもなれば、二人にまで迷惑が掛かる事になるのは明白だったからである。
「それで?取り敢えずはあれだ、玄関を開けて家に入って来た訳だ、それで挨拶も済ませた訳だね!?」
「それはそうですよ、それって最低限度の礼儀じゃないすか!!」
「やっぱり、礼儀って大事だと思うんですよね?私達全員、そこら辺は心得ているんで!!」
「常に他人に対する距離感と、尊敬の念を忘れない。これって人付き合いの基本ですよね?蒼太さん!!」
「ええ・・・っ!?まあ、そうだね・・・」
それを聞いた瞬間、思わず蒼太が不信感丸出しな表情を見せるがそれは無理も無いと言う所であっただろう、何しろ散々なまでにおちょくられている蒼太からしてみれば(ついでに言えば先程までの言動も相俟って)“どの口が言うんだ、コラ!!”とでも言いたい所であっただろうが、しかし。
「ほら早く、蒼太。御飯食べちゃってよ、また遅刻しちゃうよ!?」
「もうこれで50回目なんだからね?朝遅刻するのって・・・!!」
「いつも一緒に怒られる事になる、私達の身にもなってよ、本当にもうっ!!」
「ち、ちょっと待って!!」
そんな意地悪な親衛隊扮する、“なんちゃって幼馴染達”の身勝手な言い分を、それでも黙って聞いていた蒼太であったが遂に堪りかねて口を開いた。
「ねえ、あのさ。それ夏服だよね?つまり時期的には一学期の後半から二学期の前半って事になるんだろうけれども、何れにしても僕はそんな上半期から、そんなにまで遅刻しまくった経験なんて、流石に無かったんだけど!?って言うかさ!!」
“親呼び出しだろう?そんなになるまで遅刻しまくっていたとしたなら・・・!!”と蒼太がすかさず突っ込みを入れると親衛隊の面々は“あったりまえじゃん!!”、“何言ってんの!?”と完全に呆れたような顔を見せて口々に喚き散らした。
「私、これで5回目なんだからね!?お母さんに来てもらうのって・・・!!」
「家もだよ!?もういい加減にしてよ!!」
「全部蒼太のせいなんだからね!?うちらが肩身の狭い思いをしなくちゃならないのは・・・!!」
「・・・・・っ!!!!?いやいやいやいや、あのね。おかしいだろう?色々と。常識的に考えて有り得ねーだろーが、本当に。どんだけ他人様に迷惑掛けているんだ、僕は!!」
「本当だよ、やっと解った!?」
「自分の事を見直したのは、とっても良い事だよね。褒めてあげちゃう!!」
「私達も苦労した甲斐があったって事だよね!?」
「何を勝手なこと言ってんの!?マジで!!」
蒼太が堪らず激昂した。
「僕はそんなにだらしなくなんか、無いよっ。第一ね、おかしいだろ?上半期の間にいきなり50回も遅刻するなんて、いくら何でも有り得ねーだろ!!人をバカにするのもいい加減にしろっ、殆ど“ドラえもん”か“サザエさん”の世界じゃ無いか!!」
「ええっ?だってこれ位の遅刻なら、蒼太さんなら朝飯前でしょ!?」
「そうですよ、だって息を吸って吐くのと同じ位の勢いで遅刻をかますのが蒼太さんなんですから!!」
「私達、毎朝それを防ごうと必死になっているんですからね!?少しは感謝してもらわないと・・・!!」
「いや、感謝って・・・っ!!」
そこまで彼女達の言葉を聞き及んだ際には流石の蒼太も思わず絶句してしまっていた、自分はそこまでだらしのない、ちゃらんぽらんな人物として見られていたのであろうか。
「・・・・・っ!!!いいや、騙されないぞ!?って言うかさ、設定に無理がありすぎだろ?なんだよ50回の遅刻って。色々とおかしいだろーが!!第一ね、現実的にそんな事をしでかしたりしたなら、とっくに停学を食らうか、退学処分になっているよ。親を呼ばれる位じゃ済まないだろ!?もうちょっと捻りなよ、マジで!!」
「はあああ・・・」
するとその言葉を聞いていた親衛隊の面々が“やれやれ”と言った面持ちとなり全員で顔を見合わせるモノの、その直後に。
「解ってないっすね、蒼太さん」
「・・・な、なんだよ、急に。しんみりしちゃってさ」
自身に向けて放たれた彼女達の言葉にそう言いつつも、蒼太は怪訝そうな顔を向けるが親衛隊曰く、“どうして私達がここまで蒼太さんに尽くすのか、そこをまずは考えて欲しいんすよね!?”との事だったのだ。
「いくら幼馴染とは言えども、ただのダチにここまでしませんって、フツー!!」
「そーゆー所を見て欲しいんすよね、蒼太さんには!!」
「・・・・・っ。は、は!?」
「さっきも言ったじゃないですか。蒼太さんに対してずっと、一途な恋心を抱いているって・・・!!」
「もう蒼太ったら。本当に解らないの?マジで!?」
「私達の気持ちに、気付きなさいよ。本当にもう・・・っ!!」
それを聞いた蒼太はハッとなってメリアリアの方を向き直ると、彼女も彼女で些か戸惑ったような、それでいて困ったような笑みを浮かべつつも彼の事を見つめ続けていたのである。
「ご、ごめんね?メリー、なんて言うかさ・・・!!」
「えっ、えっ!?なんでなんで?大丈夫よ、私は。あなたはちゃんと、私の事を見てくれていたもんね!!!」
と、それを聞いたメリアリアは今度は心底満たされた瞳と優しい面持ちとで彼を見つめ返しては、そう言って微笑んでくれるモノの、特に何の落ち度も無かったにも関わらずに蒼太は何やらメリアリアにとっても申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまっていた、“自分は完璧でない”、その思いが言いようの無い後ろめたさとなってつい、彼女に対して謝罪の言葉となって紡がれ出でて来たのであった。
「・・・・・?」
「いや、あの。蒼太さん?
「なんでメリアリアさんに謝るんですか?」
「い、いや、あの。何となく・・・」
不思議そうな表情で尋ねる親衛隊の面々に、蒼太はしどろもどろになりつつもそう答えるモノの、この時点で彼女達はまだ、蒼太とメリアリアの関係を知らない訳だから彼女達の反応も仕方が無い事であったのかも知れなかったが、しかし。
「と、とにかくね?これ以上君達の茶番には付き合いきれないよ、僕もみんなも忙しいんだからさ。第一ね、ここはそう言う場所じゃ、無いだろう?」
「ひ、酷いわ。蒼太!!」
「私達の事は、遊びだったのね!?」
「散々、人の心と体を弄んだくせに。あんまりだわ!!」
「なんの話してんだよ、今度は!!」
蒼太が再び素っ頓狂な声を挙げるが、どうやら彼女達の“幼馴染設定”にはまだ先があるらしかった、それにしても。
「人聞きの悪い事を言うんじゃないよ、なんなんだよその謎設定。なんで僕が君達の心と体を弄んだ事になってんの!?」
「・・・・・」
「・・・・・」
「言って良いんすか?」
「・・・い、いや。言って良いも何も。僕、何もやってないし!!」
「ふーん、そんな事を言うんだ・・・!!」
「言っていいと思ってるんすか?そんな戯れ言を・・・!!」
「なんだよ、その“戯れ言”って・・・!!」
「そう。あれは忘れもしない、6歳の夏休みの事だった・・・」
「はあ・・・?」
「私達はキャンプで山間の、峡谷に来ていたの、そこで・・・」
「川に入って遊んでいたなら私達全員、いきなり足がつってしまったのよ?それを」
“蒼太が助けてくれたの!!”と“幼馴染達”は告げるモノの、蒼太にはもちろん、そんな覚えは無いし、そもそも彼は夏休みに、峡谷にキャンプに行った事なんて、一度たりとも存在していなかったのである(ただし冬にメリアリアの家族達と共に“ロワール渓谷”へと旅行に行った事はあったが)。
それを。
彼女達は“ある”と言う風にでっち上げた訳である、真に以て逞しい想像力と言う他無い。
「それだけなら、別に悪い事なんかしてないじゃん。よくやったよ、僕!!」
「チッ、チッ、チッ。違いますね!!」
と、思わず安堵の溜息を付くと同時に、自讃の言葉を口にする蒼太をしかし、親衛隊の面々はすかさず制して話を続けた。
「問題は、この後だったんすよ・・・!!」
「・・・・・っ。なんだよ、それ!!」
「蒼太は私達の事を助けてくれたんだけれども。水の中で溺れたモノだから、服がビショビショになってしまったの!!」
「そうなんすよ、そしたらそこで蒼太さんが!!」
「はっ!?何さ、俺が何したってゆーんだよ!!」
「近くに偶々小屋があったんで、そこに行って着替えようって言ってくれたんすよ!!そこで・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「“濡れていると風邪をひくよ?”って言って、私達の服を全部脱がして裸にしたんです、そうしておいて・・・!!」
「自分もいきなり裸になり、私達に抱き着いて来たんですっ。キャーッ!!」
「バカじゃねーの!?お前ら!!」
蒼太は思わず絶叫してしまっていた、“なんだよその無理矢理設定は!!”と思った、“なんで僕が裸になって君達に無理矢理抱き着くんだよ!?”“こっちにだって選ぶ権利位あるわ!!”と最後の最後に思いっ切り強気に捲し立ててみる。
「あのね?君達に言っておくけどその位の年頃の男子って女の子の裸よりも、自分の好きなスポーツとかアニメにしか興味ねーから。性的な事より遊ぶ事に夢中だからね?考えもしないからね、マジで!!」
「ねえ、ちょっと聞いた?今の!!」
「遊ぶ事に夢中になってたって・・・。つまり私達の事は遊びだった!!」
「なんでそーなるんだよ、本当にもう!!」
蒼太が思わず泣き出しそうな表情で再び絶叫するモノのしかし、確かに彼の憤りと言うかやるせなさは十二分に理解できるモノがあった、真心から出た真実の言の葉をその実、自分達の都合の良いように編集されて解釈されてしまっていったのでは、いくら何でも元も子もあったモノでは無くて、彼の慟哭もまたやむを得ない、と言った所であったろうモノの、しかし。
「とにかくね。僕はそんな事はしてないからね。大体なんなんだよ、その超展開は。なんで僕が助けた女の子の服を、わざわざ脱がさなきゃならないわけ?近くには皆の両親だっていたんだろう?第一ね、季節は夏なんでしょうが。わざわざ脱がなくたって、その内に乾いて行くだろうが!!」
「背中やお腹に、傷が着いていないか見てあげるって言って来たんすよ、蒼太さんは!!」
「さっきと言ってる事が違うだろーが、なんなんだよそれは。ってか嫌でも俺に服を脱がさせた事にしたいみたいだな、君達は!!」
「そうそう、そうなんすよ!!」
「蒼太さんはそうやって、私達に性的な悪戯をしたんです。おっぱいもアソコも散々に、弄くり回されましたもん。マジで!!」
「いい加減にしてちょうだい、貴女達!!」
親衛隊の面々はそう言って、まさに自分達がやられて来たかのような雰囲気と様相で話を続けた、“それはもう、手慣れた手つきで私達の胸のポッチとクリちゃんを・・・!!”と言い掛けた所で、見かねたメリアリアがかなり強い口調で助け船を出してくれたのであった。
「え、えっ!?」
「メリアリアさん・・・?」
「・・・・・っ!?」
「この人は、そんな事をするような人では無いわ!!!」
「そうですよ!!!」
「その通りだ!!!」
そこにアウロラもオリヴィアも同調してくれたのだが、彼女達全員から注意を受けた事でようやくにして、その日の親衛隊の蒼太に対するちょっかいは停止する運びとなった。
「大体、君達はなんなんだ?先程から聞いていれば卑猥な事ばかり言って。蒼太は尊敬すべき仲間なのだ、もう少し経緯を払いたまえ、君達の先輩なのだぞ!!」
「うう・・・」
「は~い・・・」
「済みませんでした。蒼太さん、オリヴィアさん・・・」
「僕は良いけど。ちゃんと皆に謝って、メリーにもアウロラにも・・・!!」
蒼太の言葉に、親衛隊の面々は皆、しゅんとした面持ちとなり肩を落として頭を垂れるが、彼女達は確かに一瞬、本気で反省するのであるが、しかし。
「蒼太さま!!」
「お久しゅうございます!!」
「私(わたくし)、ずっとお慕い申し上げておりました!!」
次の定例会議の時にはもう、悪びれも無くしれっとした態度と表情とで再び同じ事を繰り返して来た、しかも今度は幼馴染では無くて、即席で作ったドレスで着飾っている、お嬢様風な出で立ちである。
「・・・・・っ!!?」
「・・・・・っ!!!」
「また・・・っ。君達は・・・っ!!!」
もはや怒りを通り越して呆れ果てるメリアリア達“女王位”各位と蒼太の目の前で、親衛隊の面々は蒼太に向かって会釈をして見せた。
「私(わたくし)達、この日が来るのをずっと待ち焦がれておりました!!」
「お忘れで御座いますか?あの夏の日に、キャンプに行った先で川で溺れてしまった私達を助けて下さった時の事を・・・!!」
「・・・・・」
蒼太は思った、“その話、好きだなぁ”と、しかし、それにつけても。
「今度は一体、なんなのさ?」
「よくぞ聞いてくれました!!」
大きな溜息を付きつつも、もういっそ草臥れ果てたような表情と装いを呈する蒼太の言葉に、親衛隊の女の子達は嬉々として応え始めるモノの、どうやら今回のテーマは“お嬢様”らしくてなんでも子供の時に助けてもらって以来、一目惚れした、と言うのがどうも彼女達の中で展開している、主な流れらしかった。
「なるほど、お嬢様だ。幼馴染の次はそれで来た訳だね?」
「そう、そうです!!」
「どうせ蒼太さんには一生縁が無い人々だと思いまして、せめて妄想の中だけでも良い思いをさせてあげたいな、って思ったんですよ!!」
「へえぇぇ、ふ~ん。なるほどねー・・・」
「どうせ無いでしょう?お嬢様から情熱的に迫られた思いなんて蒼太さんには・・・!!」
「今日は良いんですよ?私達が代わりに蒼太さんを甘やかしてあげます!!」
「さ、蒼太さん。どうしたいんですか?あっ、でも一応言っておくけどエッチなヤツはNGなんで、そこはよろしくです」
「・・・・・っ。いや、あのね。君達」
「いい加減にしてよ!!」
すると何事かを言い掛けた蒼太にまるで、成り代わるようにしてメリアリアが口を開いた、その口調は物凄く鋭くて、怒りと拒絶に満ちたモノだったのである。
「この人をバカにするのは止めなさい。この人はね、貴女達の及びも付かない位に立派で素晴らしい人なのよ!?」
「そ、そうですよ、止めて下さい!!」
するとそれを受けてアウロラも激昂した。
「なんなんですか?この前から。蒼太さんをおちょくるのは止めにして欲しいです!!」
「君達は、いい加減にしたまえよ、本当に!!」
そしてとどめとばかりにオリヴィアまでもが荒々しい言の葉を、その可憐な口から解き放つモノの当然、その日はそれだで終わりではなかった、今度という今度こそは本気でメリアリア達のお仕置きを食らう事となった親衛隊の面々であったが、その結果として、ようやくにして彼女達はそこで本格的な落ち着きを取り戻しては蒼太に対する付き合い方を根本から改める事となったのである。
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