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ガリア帝国編
雨の日の追憶2
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まだ作中で言及されてはおりませんが、メリアリアちゃんの本名は“メリアリア・サーラ・デ・カッシーニ”、アウロラちゃんの本名は“アウロラ・オレリア・ド・フォンティーヌ”と申します(“サーラ”とはヘブライ語で“女性”、“姫”を現し“オレリア”は“金色の”と言う意味があるそうです)。
ーーーーーーーーーーーーーーー
その日、夜の帳が降りた頃から、ルテティアの街は大粒の雨に見舞われていた、天気予報では明後日の夜まで降り続く、という事だったから、暫くは傘が手放せなくなるだろう。
尤も、幸いにしてー。
ここ数日間、“彼”にも“彼女”にも任務は無かった、大国であり隣国でもある、“エイジャックス連合王国”の十重二十重(とえふたえ)に張り巡らされていた陰謀を見事に暴いて解決した実績に対して本部からは昇給と、1週間の休暇が与えられたのだ。
「あと四日はあるね・・・」
「そうね・・・❤❤❤」
蒼太に肩を抱かれて後ろからキスをされながら、メリアリアはトロンとした表情でそれを受けてはその身を彼へと擦り寄せるモノの、ここはガリア帝国の誇る国家呪術協会傘下の特殊学園法人“セラフィム”、その敷地内に建てられている“女性学生寮”の五階部分にある彼女の部屋だ、本来、男性は女性寮を、そして女性は男性寮を原則、行き来してはいけない決まりとなっていたのだが、蒼太はそれを破っており、メリアリアもまた、そんな“夫”の事を平然と迎え入れていた。
彼等二人は既に本人同士のお互いがお互いに向け合っている意志と愛情との発露たる婚約を済ませており、後は互いの両親の(と言ってもこの時点で蒼太の両親は鬼籍に入ってしまっている為に実質的にはメリアリアのそれらに対してのみとなるが)了承さえ得られれば、いつでも役所に届け出を提出して二人は晴れて夫婦になる事が、出来る状態となっていたのであったが、それについても昨日の段階でダーヴィデ達から認めてもらっていたのであった。
元々。
メリアリアの両親である“ダーヴィデ・ラザロ・デ・カッシーニ”及び“ベアトリーチェ・ノエミ・デ・カッシーニ”夫妻は殊の外蒼太の事を気に入ってくれており昔から、“将来は君と娘が結婚してくれたらなぁ!!”等と言っている位だったから、まず反対される心配は無かったと言って良かったモノのそれでも、改めて挨拶に行った際には随分と緊張したモノであったが、しかし。
実際に昨日、メリアリアと共に彼女の自宅を訪れた際には最初、信じられないモノを見るような目を向けられたモノの、二人の婚約の事も含めて蒼太とメリアリアの身に起きた事情を知ると涙を流す位に喜んでくれていたのだった。
「お父さん、お母さん。ただいま!!」
「・・・・・っ!!!」
「・・・・・っ!!?」
最初、一年と数ヶ月ぶりに己が愛娘の姿を目の当たりにした二人はまさしく“時が止まったかのような”表情を見せていた、それはそうだろう、正直に言ってセラフィムから“メリアリアが行方不明になった”、と聞かされた時には死ぬほど心配をしたのであり、現に夫妻は夜もおちおち寝ていられない程に彼女の身を案じていたのだが、その後続いてダーヴィデ自らが所属している“ハイ・ウィザード”の集団の長、アルヴィン・ノアから“貴方の御息女は幼女の姿に変えられてしまった可能性がある”、“呪(まじな)いを解くためには東の果ての島国へと旅立つ他無く、今頃そこへ向けて旅をしている筈だ”との旨を聞かされてからは、一心不乱に娘の安全を神に祈願すると同時にその安否、動向を占い続けていたのだった。
「メリアリア、お前さんねぇっ!!!」
「どうして私達に一言、相談をしに来なかったんだいっ!!?」
「だって!!!」
と当たり前な事を激昂する両親に対してメリアリアは必死になって自身の身に起きた事やその時その時の心境等を身振り手振りを交えて細かく丁寧に説明していった、曰(いわ)く、“自分は姿形ばかりか波長までもが変質してしまっており、結果それまで使用できていたマジックアイテムや装備品、マジカル・パスポート等も全て使えなくなってしまっていた”、“それを正確に見抜いてくれたのは蒼太だけしかおらずに他の仲間達はおろか、ノア博士すらも解ってはくれなかった”、“グズグズしていたら敵の更なる追撃を受けかねず、だから急いで旅立つしかなかった”、等々をである。
「一応、ノア博士だけは“私がメリアリアである可能性がある”とだけ言ってくれて、変わりのパスポートとビザをくれたの。それで日本へと旅立つ事が出来たのよ!!?」
「そうか、ノア博士自ら。それで私達に連絡が来たのか・・・!!」
「一刻を争う事態になっていたって言う事だね?なるほどそれは解った。だけどねぇ・・・っ!!」
“せめて一言ぐらい、あっても良かったんじゃ無いのかい?”と不満を露わにするベアトリーチェに対してメリアリアは素直に“ごめんなさい”と詫びた、そして続けた、“私も本当は、相談したいって思っていたんだけれども”とそう言って。
「だけど・・・。だって信じてもらえるかどうかも解らなかったし。それにもう、私あの時は一刻も早くに蒼太に会いたくって、仕方が無くなっちゃっていたの!!!それに一刻も早く旅立たなくちゃって、ここを離れなくちゃって、そればかり考えるようになっていたから・・・!!」
「・・・・・」
「・・・・・」
“やれやれ”と、それを聞いた夫妻は思わず溜息を漏らすが特にダーヴィデが呟いた、“お前は母さんそっくりだね”と。
「気になる人がいたなら放っておけない、思い立ったらすぐに行動する。ベアトリーチェの若い頃にそっくりだよ!!!」
「こんな時に何言ってんのさ、あんたは!!!」
とダーヴィデから言われた事が小っ恥ずかしかったのだろう、ベアトリーチェが顔を赤らめながら下を向くが、その表情には何処か照れたようなむず痒いような笑みを含んでいた。
「と、とにかくだよ?メリアリアッ。黙って私達の前からいなくなる、なんて言う真似は、此れっ切りにしておくれよ!!?」
「・・・・・っ。うん、ごめんなさい。お母さん!!!」
そう言って再び頭(こうべ)を垂れた愛娘の、直ぐ後ろにいて優しく微笑んでいる青年の顔を見た時に、夫妻はまたビックリしてしまっていた、“し、信じられない・・・”、“あんた、まさか・・・?”とワナワナと振るえ出した二人は蒼太へと向けてゆっくりと近付いて行った。
「そ、蒼太なのか?」
「はい、おじさん、おばさん。お久し振りです・・・!!!」
「どしぇーっ!!!」
それを聞いたダーヴィデは、貴族としても宮廷魔術師としても凡そ相応しく無い奇声を発した、無理も無いだろう、此方(こちら)だって長い間、行方不明になっていた娘の思い人であり幼馴染だったのだから。
「し、信じられん。本当に蒼太なのか・・・?」
「あんた、本当に立派になってしまって。まあ・・・!!」
ダーヴィデに続いてベアトリーチェまでもが瞳をまん丸くさせた挙げ句に、目をパチクリとさせていたモノの確かに、“今にいい男になるよぉっ!!”と蒼太がまだ幼かった頃に、ベアトリーチェは遊びに来ていた彼によくそう告げていた彼女だったがまさかここまで大層な戦士になるなんて。
流石のベアトリーチェ自身も夢にも思っていなかったのだが、その雰囲気は落ち着いていて温和でしかし、一本芯の通っている精悍な顔立ちに爽やかなアルトの声。
それでいて、地の底深くから沸き上がるような濃密なまでに練り上げられた波動とオーラの高貴にして分厚い純正たるエネルギーは油断無く四方に張り巡らされており、迂闊な事をしようモノなら立ち所に逆撃を喰らって廃滅するであろう事は火を見るより明らかである。
その肉体も、筋骨が隆々としていて逞しく、背丈もメリアリアのそれよりも一回りよりも更に大きくて、178cm前後はあるだろう事が伺えるが、見たところ、肉体や精神はこれから“成熟期”を迎えて来る訳であってそれ故に、ますます強靱なモノへと進化、発展して行く様が伺えた。
「信じられん。いや、占いによれば確かに、お前さんは“生きている”とは出ていたのだが・・・!!!」
「それでもねぇ、やっぱり、こうやっていざ本当に、自分達の目の前に現れるとねぇっ!!しかもこんなに一端(いっぱし)の、色男になってしまって・・・!!!」
「色男だなんて、そんな・・・。自分は単なる陰キャですよ・・・!!」
「そんなこと・・・!!」
「そんなこと、ないわ!!!」
すると何事かを言い掛けた両親達の目の前でしかし、それより早くにメリアリアが叫ぶようにそう告げた。
「あなたは陰キャなんかじゃないわ、立派な戦士よ、本当に暖かくて誠実な男性(ひと)よ!?だからお願いだから、そんな言い方はしないで・・・っ!!!」
「メリー・・・ッ!!」
“うん、ゴメンね?”と、心底悲しそうに自身にしがみ付いてくるメリアリアに対して蒼太は申し訳なさそうに微笑んで応じるモノの、一方でそんな娘の姿を見たダーヴィデ夫妻は思わずビックリしてしまっていた、二人とも自分の娘のこんな奥ゆかしいまでの可愛らしさと言うか、健気さと言うのは見たことが無かったからであり、“家の娘はこんなにも乙女な心を持っていたのか!!?”と、改めて自分達の愛娘に対して驚愕の視線を注いでいた。
「もう・・・っ。本当にあんまり悲しい事を言わないでね?」
「う、うん。解ったよ、メリー・・・!!」
もう一度そう告げて念を押すと、メリアリアはやっと安心したのか蒼太から手を離すがその仕草、雰囲気共に単なる恋人のそれらを凌駕しており、まるで熱烈なる愛情を抱き合う夫婦の睦事を見ているような気分にさせられた為に、正直に言って“何事か起きたのか?”と思っていたのだが。
「・・・・・」
「・・・・・?」
「あのね・・・。それでね、お父さん、お母さん。私達、その・・・っ!!!」
「メリーと僕とは、結婚を前提としたお付き合いをさせていただいているんですっ。と言うかもう、婚約は済ませました!!!」
“ねっ?メリー?”と告げる蒼太に“はいっ❤❤❤❤❤”と応えてメリアリアは再び蒼太にベッタリとくっ付いてはその身を寄せるが、その姿を見たダーヴィデ達は三度驚愕の表情を見せて目を剥き放ち、口をあんぐりと開けては二人で固まってしまっていた。
「お前っ❤❤❤」
「あなたっ❤❤❤❤❤」
「・・・・・っ!!?」
「・・・・・っ!!!」
“ま、待て待て待て待て!!!”と蒼太とメリアリアからその報告を聞いた夫妻は指を額に当ててそう告げるが、彼等からしてみれば娘と幼馴染とが唐突に帰ってきたと思ったら次の瞬間、これである、度肝を抜かれない訳が無かったのであるが、しかし。
「そ、蒼太。君はその、娘と本当に婚約を・・・!?」
「はい、そうですっ!!!」
「私達、真剣に愛し合っているのっ。お父さんっ!!!!!」
「・・・・・っ!!!!!」
「・・・・・っ!!!!?」
“い、いや。まあ、ねぇ・・・?”とダーヴィデが傍らのベアトリーチェに言葉を掛けると彼女自身も、“そりゃ、まあ。その・・・!!”と何やら戸惑ってしまっていた、しかし。
「ま、まあ良いんじゃ無いかな?お前さん達二人の事は、前々から知っていたし。それに何よりかによりの話としては、相手は蒼太、君だしな?」
「お前さん達ならば本当に、覚悟を決めて婚約をしたんだろうし・・・。それならば私達が、とやかく言う事じゃ無いからね!!!」
「・・・・・っ!!!!!」
「お、お父さん達、知っていたのっ!!!!?」
「そりゃ、知っていたさ。お前さん達は昔から、ずっと一緒だったじゃないか!!」
「私達にも“星座神霊術”がある、それで二人の事を占っていたのさ!!」
「・・・・・っ!!!!?」
「・・・・・っ!!!!!」
「だからお前達二人が、昔から思い合っていたのは知っていたし。蒼太、君が事故にあった時に娘がどれ程悲しんだかも知っているつもりだよ!!」
「お前さんは本当に、女泣かせな罪な男さ、私の言った通りになっただろ!?」
そう言われて蒼太は黙ってしまっていたのであるモノの、確かに昔、彼はベアトリーチェに言われた事があった、“あんたは必ず大勢の女を泣かす男になるよ、間違いなくね!!”と自信タップリにそう告げられて。
「あんた自身にその気があろうと無かろうと、そんな事は問題じゃない。あんたはね、必ずいい男になるんだ、そう言う男は女をいっぱい泣かすもんさね」
「・・・・・」
あの当時聞いても蒼太はいまいち要領を得ずに“よく分かんない”と困った顔をして呟いていたのであるが、正直に言ってそれは今でも同じだった、彼は自分で自分の事を、“一生懸命に生きている愛(う)いヤツ”であるとは思ってはいたモノのそれだって毎日、やって当然の事をやっているだけであり別段、“出来の良いクールな男”とは思ってはいなかったのである。
しかし。
他人から見れば話は全く逆だった、例えばメリアリアやアウロラから見た場合、彼はとても逞しくて頼りになる男性(ひと)であり、特にいざという時に必ず、信じられない程の力と勇気を発揮しては自分達を守り導いてくれる、男らしい人だったのだ。
しかも彼はそれを鼻に掛ける事が無くて、“人として当然の事をしている”としか思っていないのである、本当に純粋で純朴で、自分自身に対して真面目で正直を貫いている人、と言えたのであるがその実、人に対しては“不器用だけれども素直な優しさ”を持ち合わせている人であり、決して完璧では無いけれどもその大元の、本当に大切な部分はしっかりと内包しつつも備え併せていたのであって、そしてそんな蒼太であったからこそ、出会って間もない頃からずっと、彼を側で見続けると同時にその存在の持てる輝きの根源部分を意識的にも無意識的にも感じ続けてきたメリアリアもアウロラも、安心して彼に全てを曝け出して委ねられたと同時に、その真愛(まな)と真心の央芯中枢から迸りたる激情の赴くままに彼を愛して求め、思って止まなくなってしまったのである。
自分の中にある、“彼への確かなる暖かさ”、“純正にして掛け替えのない気持ち”に気付いた瞬間、何かがカチッと嵌まったような気がした、しっくりと来たのであり、そしてその瞬間に気が付いたのである、“ああ、私は他ならぬこの人と出会う為に、この人と巡り会う為に生まれて来たのだ”、“大きくなったらこの人と結ばれるんだ”と。
それはまだ、幼かった二人の心に決定的なまでの影響を及ぼしたのであり、その後の人格の形成にまで徹底的なまでに作用して行ったのだった。
「お前、お前っ❤❤❤」
「あなたっ。あなたぁっっっ❤❤❤❤❤」
「・・・・・」
「・・・・・」
“それにしても”と自分達から婚約の了承をもらうと同時に本人達の関係を知られていた事を聞かされた当初は気恥ずかしさと驚きとを覚えて流石に戸惑いを禁じ得なかった蒼太とメリアリアであったモノの、次第に報告の緊張とはにかみとが取れてくると前後して、入れ替わるようにしてその喜びと幸せそのものが噴出して来たのであろう、二人は互いに抱き締め合っては相手の名を呼び、愛(め)で求め合うが、そんな新米夫婦な彼等を見つめながらもダーヴィデもベアトリーチェもしかし、と首を傾げていたのだ、それというのは。
(“星座神霊術”に拠ると・・・。蒼太には三人の妻がいると言う、一人はメリアリアで間違いないモノの、後の二人は、一体・・・?)
と自らの愛娘の嫁ぎ先が決まった事に心底安堵すると同時に最大の祝福を送るダーヴィデ夫妻であったモノの、彼等の占いによれば蒼太はメリアリアの他に、あと二人の妻を得ると言う結果が出ていたのであり、それが二人をして困惑させる一因となっていたのである、しかし。
(メリアリアが生涯、添い遂げられるのは。そして一番、愛し愛され幸せになれるのは蒼太で間違いない、との卦が出ているし、私達もそれが正しいと間違いなく感じている。しかし同時にあと二人、その花嫁となるべき者達がいると言うが、その二人とは・・・?)
どこまでも続くであろうお互いのお互いに対する無限なまでの愛しさと喜びとに我を忘れて言祝ぎ合う二人を見ていて、ダーヴィデ夫妻はちょっぴり不思議そうにして、そして怪訝そうな顔を浮かべていた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
蒼太君の身長は178・5cm、メリアリアちゃんの身長は160・5cmです(アウロラちゃんは156・3cmです)。
蒼太君はともかくとしても(蒼太君はそれだけ、持って生まれた体格が良かったんです←それ以外にも神様や両親達から修業を受けた際にも“ヨガ”や“整体”を習っておりましたから)、メリアリアちゃん達のそれらは一般的なエウロペ人女性と比較しても同じかやや低い位ですが、これには訳があります。
それと言うのは(家やセラフィムでそう言う風に指導されたからではありますが)メリアリアちゃん達はいつも食事の際はよく嚙んで食べるようにしていた為に(一般的なエウロペ人女性に比べて)、そんなにいっぱいご飯を食べずに済んでいたのともう一つ、“歩き方”が関係しています。
メリアリアちゃんとアウロラちゃんは共に、蒼太の母である楓から、“内股歩行の業”を習っていました、その為、他の欧米人女性のように大手を振って歩くのでは無く、かつての日本人女性のように静々(しずしず)と内股で歩くようにしていたのですが、その結果として他の女性達に比べて、外側に向かって骨があんまり発達しなかったんです(その代わり非常に骨密度が高くて頑丈な骨格になりました、また周辺の筋肉や筋繊維、神経等も一般女性のそれと比べて著しく発達しました)。
ちなみに上半身、下半身の割合は一緒でこれは蒼太君も同じです(直立で並んで立つと、メリアリアちゃんの頭頂はちょうど蒼太君の顎や唇の高さ位になります)。
またエッチの際に、正常位や対面座位を行う際には二人の頭頂はほぼ横並び(同じ)か、蒼太君の方がやや高くなります。
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その日、夜の帳が降りた頃から、ルテティアの街は大粒の雨に見舞われていた、天気予報では明後日の夜まで降り続く、という事だったから、暫くは傘が手放せなくなるだろう。
尤も、幸いにしてー。
ここ数日間、“彼”にも“彼女”にも任務は無かった、大国であり隣国でもある、“エイジャックス連合王国”の十重二十重(とえふたえ)に張り巡らされていた陰謀を見事に暴いて解決した実績に対して本部からは昇給と、1週間の休暇が与えられたのだ。
「あと四日はあるね・・・」
「そうね・・・❤❤❤」
蒼太に肩を抱かれて後ろからキスをされながら、メリアリアはトロンとした表情でそれを受けてはその身を彼へと擦り寄せるモノの、ここはガリア帝国の誇る国家呪術協会傘下の特殊学園法人“セラフィム”、その敷地内に建てられている“女性学生寮”の五階部分にある彼女の部屋だ、本来、男性は女性寮を、そして女性は男性寮を原則、行き来してはいけない決まりとなっていたのだが、蒼太はそれを破っており、メリアリアもまた、そんな“夫”の事を平然と迎え入れていた。
彼等二人は既に本人同士のお互いがお互いに向け合っている意志と愛情との発露たる婚約を済ませており、後は互いの両親の(と言ってもこの時点で蒼太の両親は鬼籍に入ってしまっている為に実質的にはメリアリアのそれらに対してのみとなるが)了承さえ得られれば、いつでも役所に届け出を提出して二人は晴れて夫婦になる事が、出来る状態となっていたのであったが、それについても昨日の段階でダーヴィデ達から認めてもらっていたのであった。
元々。
メリアリアの両親である“ダーヴィデ・ラザロ・デ・カッシーニ”及び“ベアトリーチェ・ノエミ・デ・カッシーニ”夫妻は殊の外蒼太の事を気に入ってくれており昔から、“将来は君と娘が結婚してくれたらなぁ!!”等と言っている位だったから、まず反対される心配は無かったと言って良かったモノのそれでも、改めて挨拶に行った際には随分と緊張したモノであったが、しかし。
実際に昨日、メリアリアと共に彼女の自宅を訪れた際には最初、信じられないモノを見るような目を向けられたモノの、二人の婚約の事も含めて蒼太とメリアリアの身に起きた事情を知ると涙を流す位に喜んでくれていたのだった。
「お父さん、お母さん。ただいま!!」
「・・・・・っ!!!」
「・・・・・っ!!?」
最初、一年と数ヶ月ぶりに己が愛娘の姿を目の当たりにした二人はまさしく“時が止まったかのような”表情を見せていた、それはそうだろう、正直に言ってセラフィムから“メリアリアが行方不明になった”、と聞かされた時には死ぬほど心配をしたのであり、現に夫妻は夜もおちおち寝ていられない程に彼女の身を案じていたのだが、その後続いてダーヴィデ自らが所属している“ハイ・ウィザード”の集団の長、アルヴィン・ノアから“貴方の御息女は幼女の姿に変えられてしまった可能性がある”、“呪(まじな)いを解くためには東の果ての島国へと旅立つ他無く、今頃そこへ向けて旅をしている筈だ”との旨を聞かされてからは、一心不乱に娘の安全を神に祈願すると同時にその安否、動向を占い続けていたのだった。
「メリアリア、お前さんねぇっ!!!」
「どうして私達に一言、相談をしに来なかったんだいっ!!?」
「だって!!!」
と当たり前な事を激昂する両親に対してメリアリアは必死になって自身の身に起きた事やその時その時の心境等を身振り手振りを交えて細かく丁寧に説明していった、曰(いわ)く、“自分は姿形ばかりか波長までもが変質してしまっており、結果それまで使用できていたマジックアイテムや装備品、マジカル・パスポート等も全て使えなくなってしまっていた”、“それを正確に見抜いてくれたのは蒼太だけしかおらずに他の仲間達はおろか、ノア博士すらも解ってはくれなかった”、“グズグズしていたら敵の更なる追撃を受けかねず、だから急いで旅立つしかなかった”、等々をである。
「一応、ノア博士だけは“私がメリアリアである可能性がある”とだけ言ってくれて、変わりのパスポートとビザをくれたの。それで日本へと旅立つ事が出来たのよ!!?」
「そうか、ノア博士自ら。それで私達に連絡が来たのか・・・!!」
「一刻を争う事態になっていたって言う事だね?なるほどそれは解った。だけどねぇ・・・っ!!」
“せめて一言ぐらい、あっても良かったんじゃ無いのかい?”と不満を露わにするベアトリーチェに対してメリアリアは素直に“ごめんなさい”と詫びた、そして続けた、“私も本当は、相談したいって思っていたんだけれども”とそう言って。
「だけど・・・。だって信じてもらえるかどうかも解らなかったし。それにもう、私あの時は一刻も早くに蒼太に会いたくって、仕方が無くなっちゃっていたの!!!それに一刻も早く旅立たなくちゃって、ここを離れなくちゃって、そればかり考えるようになっていたから・・・!!」
「・・・・・」
「・・・・・」
“やれやれ”と、それを聞いた夫妻は思わず溜息を漏らすが特にダーヴィデが呟いた、“お前は母さんそっくりだね”と。
「気になる人がいたなら放っておけない、思い立ったらすぐに行動する。ベアトリーチェの若い頃にそっくりだよ!!!」
「こんな時に何言ってんのさ、あんたは!!!」
とダーヴィデから言われた事が小っ恥ずかしかったのだろう、ベアトリーチェが顔を赤らめながら下を向くが、その表情には何処か照れたようなむず痒いような笑みを含んでいた。
「と、とにかくだよ?メリアリアッ。黙って私達の前からいなくなる、なんて言う真似は、此れっ切りにしておくれよ!!?」
「・・・・・っ。うん、ごめんなさい。お母さん!!!」
そう言って再び頭(こうべ)を垂れた愛娘の、直ぐ後ろにいて優しく微笑んでいる青年の顔を見た時に、夫妻はまたビックリしてしまっていた、“し、信じられない・・・”、“あんた、まさか・・・?”とワナワナと振るえ出した二人は蒼太へと向けてゆっくりと近付いて行った。
「そ、蒼太なのか?」
「はい、おじさん、おばさん。お久し振りです・・・!!!」
「どしぇーっ!!!」
それを聞いたダーヴィデは、貴族としても宮廷魔術師としても凡そ相応しく無い奇声を発した、無理も無いだろう、此方(こちら)だって長い間、行方不明になっていた娘の思い人であり幼馴染だったのだから。
「し、信じられん。本当に蒼太なのか・・・?」
「あんた、本当に立派になってしまって。まあ・・・!!」
ダーヴィデに続いてベアトリーチェまでもが瞳をまん丸くさせた挙げ句に、目をパチクリとさせていたモノの確かに、“今にいい男になるよぉっ!!”と蒼太がまだ幼かった頃に、ベアトリーチェは遊びに来ていた彼によくそう告げていた彼女だったがまさかここまで大層な戦士になるなんて。
流石のベアトリーチェ自身も夢にも思っていなかったのだが、その雰囲気は落ち着いていて温和でしかし、一本芯の通っている精悍な顔立ちに爽やかなアルトの声。
それでいて、地の底深くから沸き上がるような濃密なまでに練り上げられた波動とオーラの高貴にして分厚い純正たるエネルギーは油断無く四方に張り巡らされており、迂闊な事をしようモノなら立ち所に逆撃を喰らって廃滅するであろう事は火を見るより明らかである。
その肉体も、筋骨が隆々としていて逞しく、背丈もメリアリアのそれよりも一回りよりも更に大きくて、178cm前後はあるだろう事が伺えるが、見たところ、肉体や精神はこれから“成熟期”を迎えて来る訳であってそれ故に、ますます強靱なモノへと進化、発展して行く様が伺えた。
「信じられん。いや、占いによれば確かに、お前さんは“生きている”とは出ていたのだが・・・!!!」
「それでもねぇ、やっぱり、こうやっていざ本当に、自分達の目の前に現れるとねぇっ!!しかもこんなに一端(いっぱし)の、色男になってしまって・・・!!!」
「色男だなんて、そんな・・・。自分は単なる陰キャですよ・・・!!」
「そんなこと・・・!!」
「そんなこと、ないわ!!!」
すると何事かを言い掛けた両親達の目の前でしかし、それより早くにメリアリアが叫ぶようにそう告げた。
「あなたは陰キャなんかじゃないわ、立派な戦士よ、本当に暖かくて誠実な男性(ひと)よ!?だからお願いだから、そんな言い方はしないで・・・っ!!!」
「メリー・・・ッ!!」
“うん、ゴメンね?”と、心底悲しそうに自身にしがみ付いてくるメリアリアに対して蒼太は申し訳なさそうに微笑んで応じるモノの、一方でそんな娘の姿を見たダーヴィデ夫妻は思わずビックリしてしまっていた、二人とも自分の娘のこんな奥ゆかしいまでの可愛らしさと言うか、健気さと言うのは見たことが無かったからであり、“家の娘はこんなにも乙女な心を持っていたのか!!?”と、改めて自分達の愛娘に対して驚愕の視線を注いでいた。
「もう・・・っ。本当にあんまり悲しい事を言わないでね?」
「う、うん。解ったよ、メリー・・・!!」
もう一度そう告げて念を押すと、メリアリアはやっと安心したのか蒼太から手を離すがその仕草、雰囲気共に単なる恋人のそれらを凌駕しており、まるで熱烈なる愛情を抱き合う夫婦の睦事を見ているような気分にさせられた為に、正直に言って“何事か起きたのか?”と思っていたのだが。
「・・・・・」
「・・・・・?」
「あのね・・・。それでね、お父さん、お母さん。私達、その・・・っ!!!」
「メリーと僕とは、結婚を前提としたお付き合いをさせていただいているんですっ。と言うかもう、婚約は済ませました!!!」
“ねっ?メリー?”と告げる蒼太に“はいっ❤❤❤❤❤”と応えてメリアリアは再び蒼太にベッタリとくっ付いてはその身を寄せるが、その姿を見たダーヴィデ達は三度驚愕の表情を見せて目を剥き放ち、口をあんぐりと開けては二人で固まってしまっていた。
「お前っ❤❤❤」
「あなたっ❤❤❤❤❤」
「・・・・・っ!!?」
「・・・・・っ!!!」
“ま、待て待て待て待て!!!”と蒼太とメリアリアからその報告を聞いた夫妻は指を額に当ててそう告げるが、彼等からしてみれば娘と幼馴染とが唐突に帰ってきたと思ったら次の瞬間、これである、度肝を抜かれない訳が無かったのであるが、しかし。
「そ、蒼太。君はその、娘と本当に婚約を・・・!?」
「はい、そうですっ!!!」
「私達、真剣に愛し合っているのっ。お父さんっ!!!!!」
「・・・・・っ!!!!!」
「・・・・・っ!!!!?」
“い、いや。まあ、ねぇ・・・?”とダーヴィデが傍らのベアトリーチェに言葉を掛けると彼女自身も、“そりゃ、まあ。その・・・!!”と何やら戸惑ってしまっていた、しかし。
「ま、まあ良いんじゃ無いかな?お前さん達二人の事は、前々から知っていたし。それに何よりかによりの話としては、相手は蒼太、君だしな?」
「お前さん達ならば本当に、覚悟を決めて婚約をしたんだろうし・・・。それならば私達が、とやかく言う事じゃ無いからね!!!」
「・・・・・っ!!!!!」
「お、お父さん達、知っていたのっ!!!!?」
「そりゃ、知っていたさ。お前さん達は昔から、ずっと一緒だったじゃないか!!」
「私達にも“星座神霊術”がある、それで二人の事を占っていたのさ!!」
「・・・・・っ!!!!?」
「・・・・・っ!!!!!」
「だからお前達二人が、昔から思い合っていたのは知っていたし。蒼太、君が事故にあった時に娘がどれ程悲しんだかも知っているつもりだよ!!」
「お前さんは本当に、女泣かせな罪な男さ、私の言った通りになっただろ!?」
そう言われて蒼太は黙ってしまっていたのであるモノの、確かに昔、彼はベアトリーチェに言われた事があった、“あんたは必ず大勢の女を泣かす男になるよ、間違いなくね!!”と自信タップリにそう告げられて。
「あんた自身にその気があろうと無かろうと、そんな事は問題じゃない。あんたはね、必ずいい男になるんだ、そう言う男は女をいっぱい泣かすもんさね」
「・・・・・」
あの当時聞いても蒼太はいまいち要領を得ずに“よく分かんない”と困った顔をして呟いていたのであるが、正直に言ってそれは今でも同じだった、彼は自分で自分の事を、“一生懸命に生きている愛(う)いヤツ”であるとは思ってはいたモノのそれだって毎日、やって当然の事をやっているだけであり別段、“出来の良いクールな男”とは思ってはいなかったのである。
しかし。
他人から見れば話は全く逆だった、例えばメリアリアやアウロラから見た場合、彼はとても逞しくて頼りになる男性(ひと)であり、特にいざという時に必ず、信じられない程の力と勇気を発揮しては自分達を守り導いてくれる、男らしい人だったのだ。
しかも彼はそれを鼻に掛ける事が無くて、“人として当然の事をしている”としか思っていないのである、本当に純粋で純朴で、自分自身に対して真面目で正直を貫いている人、と言えたのであるがその実、人に対しては“不器用だけれども素直な優しさ”を持ち合わせている人であり、決して完璧では無いけれどもその大元の、本当に大切な部分はしっかりと内包しつつも備え併せていたのであって、そしてそんな蒼太であったからこそ、出会って間もない頃からずっと、彼を側で見続けると同時にその存在の持てる輝きの根源部分を意識的にも無意識的にも感じ続けてきたメリアリアもアウロラも、安心して彼に全てを曝け出して委ねられたと同時に、その真愛(まな)と真心の央芯中枢から迸りたる激情の赴くままに彼を愛して求め、思って止まなくなってしまったのである。
自分の中にある、“彼への確かなる暖かさ”、“純正にして掛け替えのない気持ち”に気付いた瞬間、何かがカチッと嵌まったような気がした、しっくりと来たのであり、そしてその瞬間に気が付いたのである、“ああ、私は他ならぬこの人と出会う為に、この人と巡り会う為に生まれて来たのだ”、“大きくなったらこの人と結ばれるんだ”と。
それはまだ、幼かった二人の心に決定的なまでの影響を及ぼしたのであり、その後の人格の形成にまで徹底的なまでに作用して行ったのだった。
「お前、お前っ❤❤❤」
「あなたっ。あなたぁっっっ❤❤❤❤❤」
「・・・・・」
「・・・・・」
“それにしても”と自分達から婚約の了承をもらうと同時に本人達の関係を知られていた事を聞かされた当初は気恥ずかしさと驚きとを覚えて流石に戸惑いを禁じ得なかった蒼太とメリアリアであったモノの、次第に報告の緊張とはにかみとが取れてくると前後して、入れ替わるようにしてその喜びと幸せそのものが噴出して来たのであろう、二人は互いに抱き締め合っては相手の名を呼び、愛(め)で求め合うが、そんな新米夫婦な彼等を見つめながらもダーヴィデもベアトリーチェもしかし、と首を傾げていたのだ、それというのは。
(“星座神霊術”に拠ると・・・。蒼太には三人の妻がいると言う、一人はメリアリアで間違いないモノの、後の二人は、一体・・・?)
と自らの愛娘の嫁ぎ先が決まった事に心底安堵すると同時に最大の祝福を送るダーヴィデ夫妻であったモノの、彼等の占いによれば蒼太はメリアリアの他に、あと二人の妻を得ると言う結果が出ていたのであり、それが二人をして困惑させる一因となっていたのである、しかし。
(メリアリアが生涯、添い遂げられるのは。そして一番、愛し愛され幸せになれるのは蒼太で間違いない、との卦が出ているし、私達もそれが正しいと間違いなく感じている。しかし同時にあと二人、その花嫁となるべき者達がいると言うが、その二人とは・・・?)
どこまでも続くであろうお互いのお互いに対する無限なまでの愛しさと喜びとに我を忘れて言祝ぎ合う二人を見ていて、ダーヴィデ夫妻はちょっぴり不思議そうにして、そして怪訝そうな顔を浮かべていた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
蒼太君の身長は178・5cm、メリアリアちゃんの身長は160・5cmです(アウロラちゃんは156・3cmです)。
蒼太君はともかくとしても(蒼太君はそれだけ、持って生まれた体格が良かったんです←それ以外にも神様や両親達から修業を受けた際にも“ヨガ”や“整体”を習っておりましたから)、メリアリアちゃん達のそれらは一般的なエウロペ人女性と比較しても同じかやや低い位ですが、これには訳があります。
それと言うのは(家やセラフィムでそう言う風に指導されたからではありますが)メリアリアちゃん達はいつも食事の際はよく嚙んで食べるようにしていた為に(一般的なエウロペ人女性に比べて)、そんなにいっぱいご飯を食べずに済んでいたのともう一つ、“歩き方”が関係しています。
メリアリアちゃんとアウロラちゃんは共に、蒼太の母である楓から、“内股歩行の業”を習っていました、その為、他の欧米人女性のように大手を振って歩くのでは無く、かつての日本人女性のように静々(しずしず)と内股で歩くようにしていたのですが、その結果として他の女性達に比べて、外側に向かって骨があんまり発達しなかったんです(その代わり非常に骨密度が高くて頑丈な骨格になりました、また周辺の筋肉や筋繊維、神経等も一般女性のそれと比べて著しく発達しました)。
ちなみに上半身、下半身の割合は一緒でこれは蒼太君も同じです(直立で並んで立つと、メリアリアちゃんの頭頂はちょうど蒼太君の顎や唇の高さ位になります)。
またエッチの際に、正常位や対面座位を行う際には二人の頭頂はほぼ横並び(同じ)か、蒼太君の方がやや高くなります。
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