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運命の舵輪編
セイレーン編4
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「・・・どうして、言ってくれなかったのさ」
「ごめんなさい、蒼太・・・」
色々な事があって混乱しつつも学生寮へと戻って来た彼の元へと、あまり間を置く事をせずにメリアリアが訪ねて来た。
忍び込む以外の方法でなければ本来、男子が女子の、そして女子が男子の寮を訪ねる事は厳重に禁止されていたのであるが、彼女は“セイレーンの通行証”を持っていた為に、“15分間に限ってのみ”入室が許可されたのだ。
部屋に入って施錠をすると、蒼太は直ぐにメリアリアに問い質した、セイレーンの厳しい罰則と、それから彼自身を守るために彼女が言うに言えなかったのだと言うことは解ってはいたモノの、どうしてもそうせざるを得なかったのであるが、それに対してメリアリアは申し訳無さそうに項垂れつつも、力無くそう応えた、喉の奥から声を振り絞った感じであるが多分、蒼太に何か言われるかも知れない事を、覚悟して来たのだろう事が伺える。
「・・・でもさ。一体どうしてセイレーンなんかに入っているの?」
「うん、あのね・・・」
その質問に、少女が静かに答えはじめるモノの、聞けば彼女も11歳になった折に、蒼太と同じようにして“セイレーン”へと誘われたのだと言う。
もっとも彼女の場合は学業の成績や魔法の出来栄え等が評価されての抜擢だったらしいと、後で先達から説明を受けたそうだ。
「・・・・・」
(それはそうだろうな、メリーなら・・・)
それを聞いた蒼太は思わず納得してしまうが確かに、彼女の頭の回転の速さはずば抜けていて感性も鋭く、また機転も利かせられる利発さをも持ち合わせていた。
それだけではない、魔法の腕前や法力の量に関しても、どう少なく見積もっても(つまり多少、厳しめに見た場合でも)AA~AAAクラスの出来であり、しかも十代の少女にも関わらず火炎系呪文の最上位を扱うことが出来たのだ。
それに加えて。
目の視力も良くて関節の稼働領域の広さを活かした、女性ならではの高機動かつトリッキーな動きが出来た彼女はだから、弓や鞭、短剣等も装備して扱うことができ、そう言った能力の総合値では間違いなく、同年代の誰よりも突出している事が伺えたが、皮肉な事にだからこそと言うべきか、セイレーンの上層部から目を付けられてスカウトされ、入隊する事を余儀なくされてしまったのだ。
「断れば、良かったじゃないか・・・」
「断ろうと、思ったよ?最初は・・・」
でも、とメリアリアは告げた、“そんな事をすれば、お父さんとお母さんがどんな事になるか解らない”と、それにー。
(蒼太にだって、会えなくなっちゃう・・・)
その事実が、少女の胸を締め付けて、結局彼女は提案を、受け入れざるを得なかった、そしてその日以来。
先達の女性騎士の指導の元で任務に明け暮れていた、と言うのだ、蒼太にしてみれば、驚きの連続だった、メリアリアの態度から“何かある”とは思っていたけれど、まさか彼女がセイレーンに入隊させられていたなんて、夢にも思ってもみなかった。
「・・・メリーは、その。そこでどう言った事を?」
「大抵は、安全な後方任務よ?治安維持の為の見回りだったり、セラフィムの学生の保護や誘導だったり」
でも、と彼女は続けた、“戦闘に、駆り出された事もあるの”と言って。
「恐かったわ。凄く・・・。全身が震えて、どうしたら良いのか、解らなくなっちゃったの・・・!!」
その話を、蒼太は黙って聞いていた、そして自分の体験と重ね合わせて“うん、うん”と頷いていた、彼にしてみれば、彼女の気持ちは痛いほどよくわかった、何故なら自分もまた、味わって来た事だったからだ。
メリアリアが時折、辛そうな顔をしていたのも、その戦闘で起こった事や、これからも起こるであろう、戦闘での事を考えていたからに違いないと思った、セイレーンと言う組織に入隊してしまった以上、それは逃れられない定めと言えた。
・・・ついでに言えば。
どうして自分を、あんなに激しく求めてきたのかも彼はこの時理解した、メリアリアは忘れていたかったのだ、辛いこと、悲しいことを全て忘れていたかったのである、だからその為に自分を求めてきたのだと、蒼太はこの時理解した。
「メリー・・・」
「あ・・・」
蒼太は、メリアリアに近寄ると自然と彼女を抱き締めていた、それは力強くて、だけどとても優しい抱擁だった、“恐かったね”とそう言って。
「一人切りにさせちゃって、ゴメンよ。だけどこれからは、僕が君を守るから!!」
「・・・・・っ!!」
そう力強くそう告げると、蒼太はメリアリアの頭を何度も何度もソッと撫でた、その掌の感触にホッとしたのか。
メリアリアの瞳からは、自然と涙が零れ始めた、口からも嗚咽が漏れ出して、彼にしがみ付いたままで泣き出してしまったのだ。
「ひぐ、うぇっ。ひっく、ぐすっ。うえぇぇぇ・・・っ!!」
メリアリアは、泣いた、何処までも泣いて泣いて、泣き濡れた。
それはメリアリアの心の底から出た魂の叫びだった、お転婆で気も強い所もあったけれど、その実誰よりも繊細で優しい彼女からしてみれば、戦場の極限状態等は到底、堪えられないモノだったに違いない。
彼女はそこに、一人で放り込まれてしまったのである、どんなにか心細かった事だろうかと、蒼太には察して余りあった。
・・・それに。
あまり嘘や隠し事といった等を好まない性質であった彼女はだから、自分と向き合う時の葛藤や苦しみも、相当なモノがあっただろう、そう言った心に溜まった澱みや濁りを、メリアリアは一気に吐き出しめたのだ。
「うぇぇぇんっ!!蒼太、蒼太あぁぁぁ・・・っ!!」
“辛かったよ”、“恐かったよぅ”とメリアリアはいつまでも泣きじゃくっていた、そんな彼女をしっかりと抱き締めたままで、蒼太は微塵も揺るぎもせずにその慟哭を受け止め続けていた。
やがてー。
ようやくにして、彼女が落ち着きを取り戻した頃、既に約束の15分は過ぎようとしていた、蒼太は言った、“もう少し、ここにいなよ”と。
とてもじゃないが、今のメリアリアを一人で帰す気にはなれなかった、現に彼女はまだ震えている、抱えてしまった不安や恐怖が完全には抜け切っていない証拠と言えた。
でも。
「大丈夫、よ・・・」
とメリアリアは告げた、まだ涙が出ているその眼(まなこ)を指で何度も拭いながら。
「ちょっと、元気が出て来たから。今だったら、多分、堪えられるから・・・」
「・・・・・っ」
“そんな訳ないだろう!?”と蒼太は少し強く言った、“良いから居ろったら!!”そう言って彼女の手を引っ張ると、無理矢理ベッドへと座らせる。
「あ・・・っ!!」
「いま、お茶出すから。メリー、“オレンジ・ペコ”大好きだっただろう?」
“あっ、それとも”と蒼太は続けた、“こんな時の為にとっておきがあるんだよ”と言って何やらキッチンの戸棚をガソゴソと掻き回している。
「・・・蒼太?」
「あった、これ!!」
そう言って取り出したのは以前、彼が生前の楓に買ってもらっていた“マリアージュ・フレール”の一級品、“マルコ・ポーロ”であった。
「い、良いよ蒼太っ。そんな高いの飲めないよ・・・っ!!」
「いいから、いいから・・・っ!!」
慌てふためくメリアリアを手で制しつつ、蒼太は陶磁器で出来た白いティーポットの中へと茶葉を入れた。
後は水を100度前後にまで沸騰させて中に注ぎ、蒸らすだけ。
「ちょっと待っててね、メリー。あともう一寸(ちょっと)だから・・・っ!?」
「・・・・・っ!!」
キッチンからリビングに戻って来て笑顔でそう告げる蒼太はしかし、次の瞬間ビックリしてしまった、メリアリアが突然、抱き着いて来たのだ。
それだけではない、その唇を奪うと舌を突き入れ、蒼太のそれと絡ませ合う。
「はむ、んむっ。ちゅ、ちゅるっ。ちゅぱ、ちゅる、じゅるじゅる、クチュクチュ、レロレロ、クチュクチュクチュクチュ・・・ッ!!ちゅる、ちゅる、ちゅぷぷぷぷぷっ。じゅるるるる、じゅるるるるるるる~っっ!!!!!」
「んむっ!?あむっ!!んちゅ、ちゅるっ。クチュクチュ、レロレロレロレロ・・・ッ!!ちゅぷぷぷっ、じゅるるるるっ。じゅるじゅるっ、じゅるるる~っ!!!」
唐突に始められた、熱くて濃密なその口付けに、蒼太も最初はビックリしてしまったモノの、すぐに彼女のペースを掴むと自身も舌に舌を絡めて先端部分を擦り合ったり、上顎や奥歯の付け根を重点的に刺激してメリアリアの意識を蕩けさせて行った。
やがてー。
「ちゅぶ、クチュッ。じゅぷぷぷ、じゅぞぞぞぞぞぞぞぞ~っ!!!ぷはぁっ!!はあ、はあ、はあ・・・っ!!」
「はあはあ、ふうぅ・・・っ!!」
キッチンのお湯が沸騰する頃、二人は唇を離しては抱擁を解いた、それでもメリアリアはまだ熱を帯びた瞳を彼に向けて、縋るように見つめて来る。
「・・・門限、破っちゃおっか?」
「・・・・・」
蒼太から発せられたその言葉に、メリアリアは黙って頷くと再び彼に抱き着いたまま、唇に唇を重ね合わせて来た。
その夜。
結局メリアリアは一時間ほど彼の部屋にいて、その間ずっと彼に抱き着いてキスをし続けていた。
帰り際、蒼太は女子寮にまで彼女を送り届けた、幸いな事に寮監には出会わずに済んだ、お陰で秘密の逢瀬は見付からずに済み、二人に雷が落とされることも無かった。
「ごめんなさい、蒼太・・・」
色々な事があって混乱しつつも学生寮へと戻って来た彼の元へと、あまり間を置く事をせずにメリアリアが訪ねて来た。
忍び込む以外の方法でなければ本来、男子が女子の、そして女子が男子の寮を訪ねる事は厳重に禁止されていたのであるが、彼女は“セイレーンの通行証”を持っていた為に、“15分間に限ってのみ”入室が許可されたのだ。
部屋に入って施錠をすると、蒼太は直ぐにメリアリアに問い質した、セイレーンの厳しい罰則と、それから彼自身を守るために彼女が言うに言えなかったのだと言うことは解ってはいたモノの、どうしてもそうせざるを得なかったのであるが、それに対してメリアリアは申し訳無さそうに項垂れつつも、力無くそう応えた、喉の奥から声を振り絞った感じであるが多分、蒼太に何か言われるかも知れない事を、覚悟して来たのだろう事が伺える。
「・・・でもさ。一体どうしてセイレーンなんかに入っているの?」
「うん、あのね・・・」
その質問に、少女が静かに答えはじめるモノの、聞けば彼女も11歳になった折に、蒼太と同じようにして“セイレーン”へと誘われたのだと言う。
もっとも彼女の場合は学業の成績や魔法の出来栄え等が評価されての抜擢だったらしいと、後で先達から説明を受けたそうだ。
「・・・・・」
(それはそうだろうな、メリーなら・・・)
それを聞いた蒼太は思わず納得してしまうが確かに、彼女の頭の回転の速さはずば抜けていて感性も鋭く、また機転も利かせられる利発さをも持ち合わせていた。
それだけではない、魔法の腕前や法力の量に関しても、どう少なく見積もっても(つまり多少、厳しめに見た場合でも)AA~AAAクラスの出来であり、しかも十代の少女にも関わらず火炎系呪文の最上位を扱うことが出来たのだ。
それに加えて。
目の視力も良くて関節の稼働領域の広さを活かした、女性ならではの高機動かつトリッキーな動きが出来た彼女はだから、弓や鞭、短剣等も装備して扱うことができ、そう言った能力の総合値では間違いなく、同年代の誰よりも突出している事が伺えたが、皮肉な事にだからこそと言うべきか、セイレーンの上層部から目を付けられてスカウトされ、入隊する事を余儀なくされてしまったのだ。
「断れば、良かったじゃないか・・・」
「断ろうと、思ったよ?最初は・・・」
でも、とメリアリアは告げた、“そんな事をすれば、お父さんとお母さんがどんな事になるか解らない”と、それにー。
(蒼太にだって、会えなくなっちゃう・・・)
その事実が、少女の胸を締め付けて、結局彼女は提案を、受け入れざるを得なかった、そしてその日以来。
先達の女性騎士の指導の元で任務に明け暮れていた、と言うのだ、蒼太にしてみれば、驚きの連続だった、メリアリアの態度から“何かある”とは思っていたけれど、まさか彼女がセイレーンに入隊させられていたなんて、夢にも思ってもみなかった。
「・・・メリーは、その。そこでどう言った事を?」
「大抵は、安全な後方任務よ?治安維持の為の見回りだったり、セラフィムの学生の保護や誘導だったり」
でも、と彼女は続けた、“戦闘に、駆り出された事もあるの”と言って。
「恐かったわ。凄く・・・。全身が震えて、どうしたら良いのか、解らなくなっちゃったの・・・!!」
その話を、蒼太は黙って聞いていた、そして自分の体験と重ね合わせて“うん、うん”と頷いていた、彼にしてみれば、彼女の気持ちは痛いほどよくわかった、何故なら自分もまた、味わって来た事だったからだ。
メリアリアが時折、辛そうな顔をしていたのも、その戦闘で起こった事や、これからも起こるであろう、戦闘での事を考えていたからに違いないと思った、セイレーンと言う組織に入隊してしまった以上、それは逃れられない定めと言えた。
・・・ついでに言えば。
どうして自分を、あんなに激しく求めてきたのかも彼はこの時理解した、メリアリアは忘れていたかったのだ、辛いこと、悲しいことを全て忘れていたかったのである、だからその為に自分を求めてきたのだと、蒼太はこの時理解した。
「メリー・・・」
「あ・・・」
蒼太は、メリアリアに近寄ると自然と彼女を抱き締めていた、それは力強くて、だけどとても優しい抱擁だった、“恐かったね”とそう言って。
「一人切りにさせちゃって、ゴメンよ。だけどこれからは、僕が君を守るから!!」
「・・・・・っ!!」
そう力強くそう告げると、蒼太はメリアリアの頭を何度も何度もソッと撫でた、その掌の感触にホッとしたのか。
メリアリアの瞳からは、自然と涙が零れ始めた、口からも嗚咽が漏れ出して、彼にしがみ付いたままで泣き出してしまったのだ。
「ひぐ、うぇっ。ひっく、ぐすっ。うえぇぇぇ・・・っ!!」
メリアリアは、泣いた、何処までも泣いて泣いて、泣き濡れた。
それはメリアリアの心の底から出た魂の叫びだった、お転婆で気も強い所もあったけれど、その実誰よりも繊細で優しい彼女からしてみれば、戦場の極限状態等は到底、堪えられないモノだったに違いない。
彼女はそこに、一人で放り込まれてしまったのである、どんなにか心細かった事だろうかと、蒼太には察して余りあった。
・・・それに。
あまり嘘や隠し事といった等を好まない性質であった彼女はだから、自分と向き合う時の葛藤や苦しみも、相当なモノがあっただろう、そう言った心に溜まった澱みや濁りを、メリアリアは一気に吐き出しめたのだ。
「うぇぇぇんっ!!蒼太、蒼太あぁぁぁ・・・っ!!」
“辛かったよ”、“恐かったよぅ”とメリアリアはいつまでも泣きじゃくっていた、そんな彼女をしっかりと抱き締めたままで、蒼太は微塵も揺るぎもせずにその慟哭を受け止め続けていた。
やがてー。
ようやくにして、彼女が落ち着きを取り戻した頃、既に約束の15分は過ぎようとしていた、蒼太は言った、“もう少し、ここにいなよ”と。
とてもじゃないが、今のメリアリアを一人で帰す気にはなれなかった、現に彼女はまだ震えている、抱えてしまった不安や恐怖が完全には抜け切っていない証拠と言えた。
でも。
「大丈夫、よ・・・」
とメリアリアは告げた、まだ涙が出ているその眼(まなこ)を指で何度も拭いながら。
「ちょっと、元気が出て来たから。今だったら、多分、堪えられるから・・・」
「・・・・・っ」
“そんな訳ないだろう!?”と蒼太は少し強く言った、“良いから居ろったら!!”そう言って彼女の手を引っ張ると、無理矢理ベッドへと座らせる。
「あ・・・っ!!」
「いま、お茶出すから。メリー、“オレンジ・ペコ”大好きだっただろう?」
“あっ、それとも”と蒼太は続けた、“こんな時の為にとっておきがあるんだよ”と言って何やらキッチンの戸棚をガソゴソと掻き回している。
「・・・蒼太?」
「あった、これ!!」
そう言って取り出したのは以前、彼が生前の楓に買ってもらっていた“マリアージュ・フレール”の一級品、“マルコ・ポーロ”であった。
「い、良いよ蒼太っ。そんな高いの飲めないよ・・・っ!!」
「いいから、いいから・・・っ!!」
慌てふためくメリアリアを手で制しつつ、蒼太は陶磁器で出来た白いティーポットの中へと茶葉を入れた。
後は水を100度前後にまで沸騰させて中に注ぎ、蒸らすだけ。
「ちょっと待っててね、メリー。あともう一寸(ちょっと)だから・・・っ!?」
「・・・・・っ!!」
キッチンからリビングに戻って来て笑顔でそう告げる蒼太はしかし、次の瞬間ビックリしてしまった、メリアリアが突然、抱き着いて来たのだ。
それだけではない、その唇を奪うと舌を突き入れ、蒼太のそれと絡ませ合う。
「はむ、んむっ。ちゅ、ちゅるっ。ちゅぱ、ちゅる、じゅるじゅる、クチュクチュ、レロレロ、クチュクチュクチュクチュ・・・ッ!!ちゅる、ちゅる、ちゅぷぷぷぷぷっ。じゅるるるる、じゅるるるるるるる~っっ!!!!!」
「んむっ!?あむっ!!んちゅ、ちゅるっ。クチュクチュ、レロレロレロレロ・・・ッ!!ちゅぷぷぷっ、じゅるるるるっ。じゅるじゅるっ、じゅるるる~っ!!!」
唐突に始められた、熱くて濃密なその口付けに、蒼太も最初はビックリしてしまったモノの、すぐに彼女のペースを掴むと自身も舌に舌を絡めて先端部分を擦り合ったり、上顎や奥歯の付け根を重点的に刺激してメリアリアの意識を蕩けさせて行った。
やがてー。
「ちゅぶ、クチュッ。じゅぷぷぷ、じゅぞぞぞぞぞぞぞぞ~っ!!!ぷはぁっ!!はあ、はあ、はあ・・・っ!!」
「はあはあ、ふうぅ・・・っ!!」
キッチンのお湯が沸騰する頃、二人は唇を離しては抱擁を解いた、それでもメリアリアはまだ熱を帯びた瞳を彼に向けて、縋るように見つめて来る。
「・・・門限、破っちゃおっか?」
「・・・・・」
蒼太から発せられたその言葉に、メリアリアは黙って頷くと再び彼に抱き着いたまま、唇に唇を重ね合わせて来た。
その夜。
結局メリアリアは一時間ほど彼の部屋にいて、その間ずっと彼に抱き着いてキスをし続けていた。
帰り際、蒼太は女子寮にまで彼女を送り届けた、幸いな事に寮監には出会わずに済んだ、お陰で秘密の逢瀬は見付からずに済み、二人に雷が落とされることも無かった。
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