星降る国の恋と愛

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運命の舵輪編

メリアリアとエカテリーナ

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 第一章を御覧になられた方ならば、お解りいただけるかと思いますが、蒼太は風の魔法が使えます(風の魔法に自らの波動を融合させて極限まで集約させ、一気に解き放つ、と言うモノです)。

 “波動真空呪文”とでも言うべきそれは、威力もかなり強大ですが、それだけではなくて回復系の術式や瞬間移動等の時空転移魔法も使い熟すことが出来ます。

 ちなみに本来の彼は人を責めるよりも癒やしたり、治したりする方が得意なのですが、エッチの際はこれらを応用してメリアリアを執拗に責めるのです(戦士として教育を受けただけでなく、実戦を経験している彼はそれなりに人体を熟知している為に、感じる部分をピンポイントで見抜く事が出来るのです)。

 二人のエッチは、いずれまた描こうと思っていますが、まずは取り敢えず、蒼太をメリアリアちゃんとキチンとした形で再会させる事から始めなくてはなりません。

 そこまでやや駆け足気味で行くことになろうかと思われますので、どうかよろしくお願い致します。
ーーーーーーーーーーーーーー
 セイレーンのいばら姫、炎の聖女メリアリアー。

「噂は、聞いているわ。ううん、その姿も、実力の程もね」

「・・・誰っ!?」

 メリアリアが自身の心にフタをして、それでも毎日を懸命に生き抜いていた、5年目の秋の終わりー。

 “それ”は突然、メリアリアの前へと姿を現した、彼女がその日の任務を終えてセイレーンの聖堂から寮への帰路に着こうとしていた、その矢先。

 すぐ近くから、コツ、コツとハイヒールの音が聞こえて来て、慌てて飛び退き様に振り返って身構えると、そこには一人の女性の姿があった。

 年の頃は、メリアリアと同じか少し上くらいだろうか、少しキツめの美人系の顔立ちに切れ長の青い瞳。

 膝の辺りにまで伸びている紫色の、少しカールの掛かっているボリューミーな髪の毛。

 そしてそんな髪に合わせたのだろうか、やや胸元の開いている、紫色のドレスを纏っていた。

「・・・・・」

(なに?なんなの、この人。一体いつの間に・・・!!)

「・・・“あの人”から聞いていた通りの出で立ちね、長いブロンドに美しい顔。煌めきのあるスカイブルーの瞳。羨ましいわ」

「・・・なんなの、あんた」

 つい、以前のお転婆だった頃の口調が出るがそれほどまでにこの時のメリアリアは全身が警戒感で満たされていた、何故ならば、それほどまでに彼女が異質な存在だったからだ。

 目の前の女性そのものからは“嫌な感じはしないモノの、とっても嫌な予感がした”、殺気とか、そう言った類いのモノは一切感じられないと言うのに喉がカラカラに渇いて冷や汗が溢れ、心臓が早く脈を打つ。

「・・・・・」

「・・・・・」

 後ずさって距離をとりつつも、それでも尚も臨戦態勢を解かずにいるメリアリアに、女性は最初の内は、明らかにメリアリアを恨んでいた、恨み骨髄に徹する、とでも言うかのような凄まじい表情を浮かべていて彼女はしかし、程なくクスリと冷たい微笑みをうかべながらもゆっくりと告げた、“そんなに警戒しなくても良いわ”と。

「心配しないで?貴女をどうこうするつもりは無いの。いや、“危害を加えるつもりはない”って言った方が良いかしら?」

「・・・どうだか」

 そう答える傍らで、メリアリアは“茨の鞭”を装備して背後に炎を召喚し、鞭に纏わせた、それ以上に近付くのならば、と言う意味を言外に込める。

 しかし。

「ふ・・・」

 女性は構わず距離を詰めて来た、コツ、コツとハイヒールの甲高い音が、その音だけが周囲にこだまする。

「・・・凄い“闘気”ね、流石に“女王位”だけのことはあるわ。まともに闘ったなら、どうなるか解らないわ」

 そう言う相手とはなるべく闘いたくない、と女性は独り言のように呟くと、何やら呪いのような言葉を唱えて空中に手を翳した、すると。

 そこには黒い2つのガラス玉のようなモノが顕現していた、どうやら何かのマジックアイテムらしいそれを見た瞬間、メリアリアの直感は告げたのだ。

 “あれを破壊しなさい”とー。

「・・・ふっ」

 メリアリアは素早く息を吸い込むと、吐き出すと同時に地を蹴って跳躍していた、手にした茨の鞭をしならせ、女性が手中にしていた黒いガラス玉を狙う。

 しかし。

「あぶないっ!!」

 今度はそれに女性がすかさず反応して見せた、と言っても身体を動かした訳ではない、何か瞬間移動のような術式を用いてその場から、少し距離がある場所にまで瞬間的に転移する。

「・・・・・」

「・・・あぶなかった」

 彼女は告げた、“本当はあまり、戦闘は得意じゃないの”と。

 その割にはこの緊迫した場に慣れていると言うか、その態度には堂々としたモノがあったが、そんな彼女の様子を見たメリアリアはもう、迷わなかった。

 再び跳躍して距離を詰めると鞭を撓らせて彼女の手の中にある、黒のガラス玉を叩き壊そうとする、しかし。

「・・・残念」

 女性はそう言って笑うと再び転移してー。

 今度は先程よりも倍以上、離れた場所へと顕現した。

「・・・・・!!」

「・・・ふぅ」

 やっぱり転移は疲れるわ、と独り言をごちて。

「やっぱりあの人は、“蒼太”は凄いよ。こんな魔法を難無く熟しちゃうんだから・・・」

「・・・・・!!」

 蒼太、蒼太ですって!?

「・・・蒼太を、知っているの!?」

「・・・・・」

 答えて!!とメリアリアは告げるがその問い掛けに、女性はクスクスと笑って応えた、そしてー。

「貴女には、“これ”をあげる・・・」

 そう告げるとあの2つの玉を勢いよく宙へと放り投げた、すると。

 2つの玉は一旦空中で静止したあと、メリアリア目掛けて物凄い勢いで降下してゆく。

「く・・・っ!!」

 すかさず反応して鞭を振るうメリアリアだったが、黒い玉はそれを擦り抜けてメリアリアを中心に置いた線上の、左右対称の位置でピタリと止まる、そしてー。

 そのままその場を囲むようにしてグルグルと、凄い勢いで周回を始めるモノの、すると徐々に球体から漆黒の風のようなモノが溢れ出し、それはそのまま天まで届く真っ黒な竜巻となっていった。

 やがて、それが修まるとー。

 そこに、メリアリアの姿は無かった、代わりに姿を現したのは年の頃11、2歳の、漆黒のドレスに身を包んだ、一人の黒髪の少女だった。

「・・・あれ?」

 「おかしいわね」と、それを見た女性は怪訝そうな表情を見せて呟いた、本来ならば赤ん坊にまで戻っている筈なのにー、と。

「な、なんなのこれ!?一体何が・・・!!」

 何をしたのよ、と我に返ったメリアリアは叫ぶがその反応を見た瞬間、女性からは今度こそ完全に笑顔が消えた。

「私が、解るの・・・?」

「当たり前でしょう!?貴女がやったんじゃない!!」

「・・・・・」

(おかしい、本来ならば記憶も完全になくなっているはずなのに・・・!!)

 異国の少女の姿になってしまった後も、尚も戦闘態勢を解こうとしないメリアリアを、何事か考えながら暫くはジッと眺めていた女性は、やがて再び笑みを浮かべて告げた、“まあ良いわ”と。

「貴女はもう、メリアリアには戻れないわ。だって異国の少女になってしまったんですもの!!誰も貴女のことなんか解るわけないわ。法力だってそう、残っているのは精々、元々の十分の一の火力でしかない。二度と女王位には戻れない!!」

 それだけ告げると“あはははははっ”と高笑いをして、女性はクルリと背を向ける。

 そして来たときと同じようにまたコツ、コツとハイヒールを鳴らしながら、その場から立ち去って行った。

「・・・エカテリーナ。私は女帝エカテリーナよ」

 それだけは、覚えておいてねと、そう告げて。
ーーーーーーーーーーーーーー
 メリアリアちゃんは、巨根と絶倫さとを誇る蒼太にずっと奥を責められ続けていました(挙げ句に房中術やスローセックスのような事までされていました)。

 しかも第二次成長期を迎える頃からそんな事を繰り返していたために子宮口の開発も、もうすっかり済んでいます。

 それだけではありません、ちょうど思春期に差し掛かる(つまり身体が変化して行く)時期に気を撃ち込まれながら奥でセックスを繰り返していたために、子宮そのものが練れていて、子宮でのエッチも可能です。

 今回のエッチシーンでは何とかこれら一連の流れを上手く書きたいのです、そうじゃないと、第一章のエッチシーンと同じになってしまいますから(勿論、第一章のエッチシーンもそのつもりで作っておりますし、またそれについての説明も一応はあります。なお子宮姦に付いては前作“インピオ”でも同じ事をやっていますのでご興味のある方はそちらもお願い致します、特にあちらには“どうやって子宮姦を可能にして行ったのか”と言う事への、詳しい描写もございますので)。
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