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運命の舵輪編
追憶編7
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“誠意を尽くす”と言うことは本来においてはとても大切な行為であり、大事にしなければならない心の在り方と言うか精神の根本的指針それそのものでかったのであるが、しかしそれ故ー。
同時によくよく注意して相手の事を見なければならない、見極めなければ発動する事は、極めて危険な行為とも言えた。
何故ならば度を超えた被害妄想の持ち主であったり、性根の歪んだ人物であったり。
または最初から自分に“たかってやろう”等と思っている相手に対して“誠意だ”等と言った所で所詮は食い物にされては利用され、最後は情け容赦なく打ち棄てられるだけだからであるが、そんな失敗を人生の最も難しい時期と状況において、蒼太は味わうこととなった。
彼には、いや、もっと正確に言えば蒼太達セイレーンの下級生組には非常に頼りになる兄貴分がいた、その名を“クロード・モーガン”と言う、彼等より5つほど歳上の青年だ。
ちょっと天然パーマの入っているブラウン色の髪の毛に茶色い瞳、顔は上の下と言った風貌の、爽やか系イケメンだった。
背丈は180cmを超えており、かなり大柄だが本人は至って親しみやすい性格をしていて、女王位各人等との連絡役を担っていたのだ。
セイレーンに入って7年、戦場での実績もかなりのモノを誇り、また面倒見も良くて腕の立つ彼はだから、現場の人間達からは慕われており、また上役からも一目置かれる存在であった。
それだけではない、何か困った事があると気兼ねなく相談に乗ってくれて、上級生、下級生問わずに信頼と人望とを勝ち得ている好青年だったのだ。
ちなみにそんな彼もまた、女王位達の秘密主義を快く思ってはおらずに時々、同志達で団結してオリビアやメリアリア等に意見具申を行っていた、情報の開示やセイレーン内部に置ける、より効率的なネットワークの新設等を要求したりしていたのである。
だがしかし。
「ダメだ」
「そんな事は認められない」
オリビア達はいつも彼等の言葉を撥ね除けていた、国の諜報網を守る事は、ひいては国民を、そして皇帝を守る事に繋がる。
それを熟知している女王位各員からすれば、クロードらの要求は到底、飲めたモノでは無かったし、それに。
いつもは明るいクロードだったが時折、よく判らない凄みと言うか、殺気のようなモノを放つ事があって、それもオリビア達女王位を警戒させるに至らしめていたのだ。
「蒼太お願い、クロードには近寄らないで!!」
“彼の正体が、良く読めないの!!”と、メリアリアは度々、蒼太に忠告を行っていたモノのそれが決して間違いでは無かった事が、明るみに出る時がやって来た。
なんと彼こそセイレーンが最優先で対処しなければならない、外国の工作員でありその人望と人脈を利用して組織内に着々と、自らの情報ネットワークを構築していたのだ。
しかも。
恋人であるルキナ・ウィリアムズを始めとして、その同調者数はかなりの数に登っていた、そのまま行けば文字通り、セラフィムを二分する内乱へと発展しかねない有様と化してしまっていたのだ。
事がこの期に及んでー。
流石のメリアリア達も、先手を打つ必要に迫られていた、このまま事態が進んだ場合、国家に残す爪痕は余りにも大きかった。
だから。
メリアリア達は奇襲を掛ける事にした、それも第一撃目で相手の主力を軒並み拿捕、或いは殲滅する程の熾烈で決定的なモノを。
当然、それは外部の人間に対しては、徹底的に秘匿された、情報が漏れてしまったのではクロードを始めとする主立った面々を、取り逃がしてしまう恐れがあったからだ。
だから表向き、メリアリア達はあくまで女王位としての中立性を保ちつつ、裏では着々と事を進めていったのだ。
同時によくよく注意して相手の事を見なければならない、見極めなければ発動する事は、極めて危険な行為とも言えた。
何故ならば度を超えた被害妄想の持ち主であったり、性根の歪んだ人物であったり。
または最初から自分に“たかってやろう”等と思っている相手に対して“誠意だ”等と言った所で所詮は食い物にされては利用され、最後は情け容赦なく打ち棄てられるだけだからであるが、そんな失敗を人生の最も難しい時期と状況において、蒼太は味わうこととなった。
彼には、いや、もっと正確に言えば蒼太達セイレーンの下級生組には非常に頼りになる兄貴分がいた、その名を“クロード・モーガン”と言う、彼等より5つほど歳上の青年だ。
ちょっと天然パーマの入っているブラウン色の髪の毛に茶色い瞳、顔は上の下と言った風貌の、爽やか系イケメンだった。
背丈は180cmを超えており、かなり大柄だが本人は至って親しみやすい性格をしていて、女王位各人等との連絡役を担っていたのだ。
セイレーンに入って7年、戦場での実績もかなりのモノを誇り、また面倒見も良くて腕の立つ彼はだから、現場の人間達からは慕われており、また上役からも一目置かれる存在であった。
それだけではない、何か困った事があると気兼ねなく相談に乗ってくれて、上級生、下級生問わずに信頼と人望とを勝ち得ている好青年だったのだ。
ちなみにそんな彼もまた、女王位達の秘密主義を快く思ってはおらずに時々、同志達で団結してオリビアやメリアリア等に意見具申を行っていた、情報の開示やセイレーン内部に置ける、より効率的なネットワークの新設等を要求したりしていたのである。
だがしかし。
「ダメだ」
「そんな事は認められない」
オリビア達はいつも彼等の言葉を撥ね除けていた、国の諜報網を守る事は、ひいては国民を、そして皇帝を守る事に繋がる。
それを熟知している女王位各員からすれば、クロードらの要求は到底、飲めたモノでは無かったし、それに。
いつもは明るいクロードだったが時折、よく判らない凄みと言うか、殺気のようなモノを放つ事があって、それもオリビア達女王位を警戒させるに至らしめていたのだ。
「蒼太お願い、クロードには近寄らないで!!」
“彼の正体が、良く読めないの!!”と、メリアリアは度々、蒼太に忠告を行っていたモノのそれが決して間違いでは無かった事が、明るみに出る時がやって来た。
なんと彼こそセイレーンが最優先で対処しなければならない、外国の工作員でありその人望と人脈を利用して組織内に着々と、自らの情報ネットワークを構築していたのだ。
しかも。
恋人であるルキナ・ウィリアムズを始めとして、その同調者数はかなりの数に登っていた、そのまま行けば文字通り、セラフィムを二分する内乱へと発展しかねない有様と化してしまっていたのだ。
事がこの期に及んでー。
流石のメリアリア達も、先手を打つ必要に迫られていた、このまま事態が進んだ場合、国家に残す爪痕は余りにも大きかった。
だから。
メリアリア達は奇襲を掛ける事にした、それも第一撃目で相手の主力を軒並み拿捕、或いは殲滅する程の熾烈で決定的なモノを。
当然、それは外部の人間に対しては、徹底的に秘匿された、情報が漏れてしまったのではクロードを始めとする主立った面々を、取り逃がしてしまう恐れがあったからだ。
だから表向き、メリアリア達はあくまで女王位としての中立性を保ちつつ、裏では着々と事を進めていったのだ。
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