星降る国の恋と愛

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狂気と束縛

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 初めてを終えてから二、三日の間は中々普段通りに会話が出来ずに苦労した、蒼太は勿論流石のメリアリアもなんだか気まずくて恥ずかしくて会ってもお互いに照れ隠しに終始するだけでろくにコミュニケーションが捗らなかったが、それでも週末に会う約束をする時には普通に話をする事が出来るようになっていた。

 ・・・いや、メリアリアに至っては今まで以上に熾烈なモーションを掛けるようになった、と言って良い。

「ねえ蒼太」

「なにさ、メリー」

「明日なんだけど、遊びに行ってもいい?出来たら今日も遊びたいの」

「うん、今日はあれだけど明日だったらいいよ?」

「えー、今日も遊ぼうよ。わたし、ずっと蒼太といたいな」

「うん、僕も本当は・・・」

「本当!?」

「うん」

「・・・チュッ!!」

 蒼太の言葉に嬉しくて堪らなくなってしまったメリアリアはニコッと微笑むと突然、少年の唇に唇を重ねた。

「ぷぁっ。メリー!?」

「うふふふ、わたし本気だから」

「んぐ・・・」

 片目でウィンクしながら指で蒼太の額をつつき、メリアリアがそう告げるがそれを聞いた蒼太は何も言えなくなってしまった、メリアリアの言葉にただならぬ迫力というか思いが込められているのを感じて二の句が継げなくなってしまったのだ。

「ねえ、だから一緒にいようよ。私は蒼太が一緒にいてくれたならもう、何もいらない」

「えっ!?うっ、メリー・・・!!」

「・・・まあ今は良いけど。その内にちゃんと答えを聞かせてね」

 そう言うとメリアリアは「帰ろ?」と言って蒼太に手を伸ばして来た、「ちょっと寄り道して行くくらいは良いよね」と告げて。

「少しだけ、家で遊んで行こう?少しだけなら良いでしょう?」

「う、ん。まあ少しだけなら・・・」

「うふふふ。嬉しいっ!!」

 廊下に出て歩いているとメリアリアは尚もそう言って食い付いて来るものの、その熱意というか勢いに押し切られて蒼太がそう返事を返すとメリアリアはいきなり彼の腕に抱き付いて来た。

 その様子はどこからどう見ても恋人同士のそれだった、そう言われてメリアリアは勿論、今の蒼太だって無下に否定はしないだろうが、仮に彼が否定したとしてもそれは単なる照れ隠しだとしか周囲には受け取られない可能性があった。

「今って12時半だよね?お父さん達、2時くらいまで帰って来ないの。だからそれまで一緒にいて?それだったら良いでしょう?」

「う、うん。まあ2時くらいまでなら・・・」

 本当はそれでも厳しいけれど、蒼太は敢えて頷いて見せた、彼の性格上これ以上“ダメ”とは言えなかったし、それにそんな事をしてもなんだか今日のメリアリアは彼を離してくれそうにない気がしたからだ。

(なんだろう。一緒にいられて嬉しいんだけど、最近のメリー、なんか怖いかも・・・)

「・・・逃がさないから」

 おくびにも出さないように蒼太はそう考えるものの彼の考えなどお見通しだと言わんばかりにメリアリアがボソッと呟いた。

「えっ!?」

「うふふふっ。蒼太、大好きっ!!」

「う、うん。僕も・・・」

「・・・ねぇ」

「?」

「ずっと一緒にいようね」

 そう告げるとメリアリアは今度は少年の頬にチュッと口付けをした。
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