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15話

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九月二十一日

玲が聡の自宅を訪れた日と同日。

文化祭初日の今日、学内は出し物の飾り付けで彩を帯び、クラスで作ったのであろう T シャツを着た生徒や、見慣れない制服でキョロキョロと廊下を歩く他校の生徒で溢れていた。

普段とは違った景観にどこか気持ちが浮つきながら、千佳は制服姿のまま視聴覚室へ向かっていた。亜門に呼び出されたからだ。

朝一番に A 組の出し物であるクレープ店の準備を終えた千佳のクラスメイト達は、亜門が用意した衣装に大いに喜び、役割を振られている生徒達はそれぞれの衣装に着替えていった。

千佳は朝の準備と夕方の片付け以外の仕事が今日は無かった為、この後は友達と学内を回る
つもりでいた。しかし朝の準備を確認しに来た亜門に周囲に気取られないよう呼び出しを受け、一緒に回る予定だった友達には少し疲れたから保健室へ行くと伝え、教室を後にしたのだった。

友達の中には、引き留めようとする者もいたが、ここ数日のどこか呆けた千佳の様子から、本当に体調が優れないのだろうと、無理に止める者はいなかった。

視聴覚室のある演習棟に近づく程、人の喧騒は少なくなってくる。千佳はこれから亜門にされる行為に想像が付いていたが、不安は無く、むしろ邪な高揚感すら感じる程だった。既に即物的な刺激への逃避の味を知ってしまった千佳だったが、一抹の不安が胸を突くように残っていた。

(聡、今頃どうしてるんだろう)

玲の写真を見てしまってからというもの、聡とは会っておらず、連絡も取っていない。真相についても結局は亜門に丸め込まれた形になってしまい、あやふやなままになっている。

どこかで聡から全てを吐露してもらいたいという願望があった。そうすればきっと、自分も亜門との事を洗いざらい話し、元の関係に戻れるような気がしていた。

ただ聡からの連絡は一向に無く、B 組を覗いても姿は見当たらなかった。

(やっぱり森先生と今でも…)

関係は続いているのだろうか。今日もどこかで二人は身体を寄せ合っているのだろうか。聡は一向に身体を許さない自分の事を捨ててしまったのだろうか。このまま関係が自然消滅するしか未来はないのだろうか。何度もループした不安が押し寄せてくる。

(だから)

亜門と身体を重ねている間だけは、辛い気持ちを忘れる事が出来た。それ程までに強烈な中毒性が亜門との関係にはあった。例え亜門が自分の事を性欲処理の道具だと思っていたとしても。

そして千佳は視聴覚室のドアを開けた。

視聴覚室の中は、壁に設置されたスクリーンに向かって長机が並べられ、ちょっとした映画館のような作りになっている。

「おう」

カーテンは締め切られ、薄暗い部屋には亜門が一人机に腰掛け千佳を待っていた。その光景を見た千佳の脳裏に夏休み前に同じこの場所で見た女子生徒と男の姿がフラッシュバックした。

「先生…」

「なんだ?」

「他の女の子にもこんな事してるんですか?」

兼ねてより気になっていた疑問。夏休み前に見た女子生徒と男の姿。今の千佳にはあれが亜門であったとの確信があった。

「あぁ、ここ暫くは川村だけだがな。薄々気付いていただろうに。俺に情でも移ったか?」

少しだけ移りつつある、と言うのが本音だった。それを口に出す訳にはいかない。

「どうしてこんな事を?」

「お前達と同じだよ。逆に聞くが、どうしてウチの学校の購買部には菓子パンやハンバーガー、唐揚げやら何種類もの食べ物が並んでいるんだ?栄養だけ摂るなら、別に一種類のバランスの良いランチプレートでも置いておけば良いじゃないか」

「それは、皆色々な物を食べ…あっ…」

「そういうことだ。俺にとってはこの学校が購買部なのさ」



ーーーーーーーーーー



「そ、そんないきなり…ンンッ❤︎」

ヒンヤリとした長机に仰向けに放り出された千佳は、いきなり侵入してきた亜門の怒張の動きに合わせ、細い身体をゆさゆさと揺さぶられていた。

「いきなりも何も中はグショグショじゃないか。期待してたんじゃないのか?」

「やっ、言わないで…ン、アッ❤︎」

入室してすぐにショーツを脱がされ、そのまま正常位の格好で怒張を挿れられた肉壺は、既に分泌された発情愛液でジュクジュクに濡れ、易々と男の侵入を許した。

「ンッ、ンッ、あぁっ!せんせっ、はげしっ!あぁ❤︎」

「最初は清楚顔を気取ってるのに、挿れられたらすぐにメス顔になるな川村は」

「やっ、だっ…ンンッ❤︎」

粘膜を掻き分け、亜門の硬い亀頭が子宮口を何度も突き上げる。ショーツだけ脱がされた制服姿でキスも前戯も無しに、即物的な扱いを受けてもなお千佳の身体は官能に酔いしれ、むしろ物のように扱われている事に興奮すら覚えていた。

激しいピストンに千佳は両手で机の縁を握り耐え、亜門の腰がパチンと密着すれば、胸元のリボンは力無く胸の上を跳ねた。

「ンッ、ンッ、ンッ❤︎」

忌避しつつもどこか神聖視していた交配行為が、いつのまにか日常になっている事と、聡が先だったとは言えパートナーがいるにも関わらず別の男と行為に及んでいる罪悪感が亜門の怒張によって快感へと変換される。

「アッ、すご、ぃ…ァン❤︎おくまで…きて…るぅ❤︎」

「中がうねってるぞ、イクのか?」

膣壁の痙攣を亜門が見抜き、粘膜摩擦の速度を上げる。前庭と子宮口をほぼ同時に貫く怒張の刺激に千佳の身体は打ち震えた。

「イ…クッ…イクイクイクゥッ…はぁぁ❤︎」

膣内を満タンに満たす肉棒がもたらす至福に千佳は陶酔した。何もかも満たされた気になり、ただただこんな気持ちの良いものをくれる相手が愛おしくさえ思えた。

「あっ…違っ…きゃっ!」

自らの思考の危うさに千佳が気づいた時だった。亜門が挿入したまま千佳の身体を持ち上げ、櫓立ちの体位になり、未だ中を穿つ亀頭に千佳の全体重が掛かり、より深く怒張を受け入れてしまう。

「ンンッ!ンンッ!!」

よがりながらも千佳は驚いていた。何度も身体を重ねた亜門に愛情に似た感情を覚えてしまっている事に。

「あっ、ふかっ…ぃ…中、せんせいのおちんちんのかたちにかわっちゃ、ぅ…ンンッ❤︎」

それがセックスの魔力だとようやく千佳は理解したが、思考が膣奥を蹂躙する亜門の怒張に遮られ、再び真っ白い浮遊感が押し寄せる。

「くっ…また締め付けて来てるぞ」

「あ、あぁっ!おきゅっ❤︎おくしゅごい、の…ンンッ❤︎」

あまりに深いピストンから逃れようと千佳は亜門の首に回した腕に力を込めるが、一突き子宮口を貫かれてしまえば身体から力という力が抜け、再び脱力した身体を凄まじい官能の津波が襲う。

「ら、めっ❤︎またイクッ…ンッ、ンッ、ンンッ!」

千佳の睫毛が震え、目尻からはあまりの官能に涙が溢れる。臀肉がプルプルと痙攣し、深く広いオーガズムを迎える。

「ィ………グッ……あぁぁぁ❤︎」

千佳の派手なメス泣きが視聴覚室に響いた。



ーーーーーーーーーー



「ンッ…ンッ…」

数秒意識が遠のいた千佳の身体がゆったりと上下に揺れる。ガッシリと千佳の尻たぶを掴んだ亜門が未だ粘膜刺激を送り込んでいた。

「ンンッ…せ、せんせ?」

「なんだ?」

「わ、私ね…ンッ…もう…先生とこうして会うの…ンンッ❤︎…最後にしようと思うの…ンッ」

「なんでだ?」

「私ずっと…フワッ…ンッ…だ、れかを好きになる気持ちと…ンッ❤︎…セッ、クスは別物だって思って…た…の」

「でも違ったの…ンアッ❤︎…いっぱい…セックス、して…せんせいの事、すきに…なりそっァン❤︎…なの…肌を重ねるって…お互いを認め合う事だって…相手をもっと好きになって、自分をもっと好きになってもらう事だって知らなかった…」

いつの間にか亜門の動きは止まっていた。

「教えてあげたい人がいるの…あなたに居て欲しい。一緒に居て欲しいんだって」

私ではなく他の女子生徒を襲って欲しいと千佳は悪びれもなく亜門へ言い切り、何かを言いかけた亜門の唇を千佳が塞いだ。
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