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12話

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九月十九日

土曜日の朝、千佳は再び亜門のマンションを訪れていた。その足取りは以前よりは軽く、普段よりは重い。前回とは違いこれから亜門にされる行為をわかった上での訪問だった。きっかけは今週のホームルームでの事だ。



ーーーーーーーーーー



来週に文化祭を控え、クラスの出し物は話し合いによりクレープ店を出す事で決まっていた。しかし誰かの冗談により皆でコスプレをする案が浮上した。高校生の悪ふざけだった筈が、MBAを持っていると自称する亜門が、

「クレープの商品バリエーションにはやはり限界があるし、競合クラスも多い。視覚的なアプローチで訴求性を高める手法は有効だし、衣装コストは販売価格に上乗せし回収すればペイ出来る」

と真に迫った顔で言うものだから生徒達もいよいよ乗り気になってしまった。

(うちの学校がコスプレみたいな俗物的な出し物を認める訳ないじゃない…)

と、冷ややかに見ていた千佳だったが、驚く事に亜門は職員会議で長々と、購買意欲の何たるかを高校生で学ぶ機会は貴重だと力舌し、下世話にならない範囲でコスプレを認めると教頭から言質を取ってきてしまった。

しかし問題が残っており、もう文化祭当日までの時間があまり残っておらず、生徒達はそれぞれの担当準備に手一杯、衣装の用意にまで手が回らなかった。

案外、予算の範囲では過激でない衣装を市販で買い揃える事は難しく、しかも亜門は予算の拡充にひどく否定的だった。

「職員会議で大見栄を張った以上、何としても利益は確保する」

との事。結局安価で購入した衣装の加工を亜門が担当する事になったのだった。

千佳に飛び火したのはその後だ。

「済まない、思いの外作業が進まない…土曜日に手伝いに来てくれ」

亜門が千佳に頭を下げてきた時には既に両親へのいつもの連絡が通った後だった。

ーーーーーーーーーー

「お邪魔します…」

「おう」

ジャージ姿の亜門が出迎える。

この部屋の扉をくぐるのは千佳にとって二度目。ただ以前のように部屋の香りは強くなく、ほんのりと香る程度だ。

そして千佳が見たリビングの様子は酷いものだった。床には直置きされたミシンが転がり、何に使ったのか大小多様な電動工具、そして何巻もの生地が絨毯代わりに敷かれている。

「うわっ、すごい!」

しかしカーテンレールにはしっかりと定数である魔法使いのローブやジャックオランタンの被り物など五着の衣装が吊るされている。どうやら少し早いハロウィンテイストで統一するらしかった。

「これ、全部先生が?」

「くくっ、昨晩急にコツを掴んでな。もう衣装の方は良いから、川村は片付けを手伝ってくれるか」

(別に私、手伝いに来る必要無かったんじゃ…あっ、そうか…)

この後亜門にされる事を想像し、千佳は制服の裾をギュッと握り、身体を強張らせた。


「ふぅ…」

片付け自体は二人で掛かれば一時間もあれば十分片付く量だった。亜門の、燃える物は全部捨てる、との方針が幸いした。曰く、いつか使うかも、は絶対使わないし、絶対に来年はコスプレなど許さない、との事。もう裁縫は懲り懲りらしい。殆どがゴミ袋に余った布を詰め込む作業に終始した。

玄関へゴミ袋を積み上げ終わった時、亜門がおもむろに言った。

「川村、変身願望あるよな?」

「えっ?」

ある訳が無い、と千佳は答えようとしたが、そうも言い切れない節がある。

(別人になった気持ちになったりするのかな)

本音を言うと少し興味があったが、亜門の決めつけた言い方への反発で、特に無いと答えてしまう。

「じゃあこれも経験だ」

と、亜門はパサリとビニールに包まれた衣装を投げ渡して来た。見るからに安上がりの包装、おそらくどこかの雑貨店で買ってきた余りであろうナース服だ。

(どう答えても着せるつもりじゃない!)

真剣に考えてしまった自分を千佳は恥じた。

「あっちに脱衣所があるから着替えて来い」

さっきまでの教師らしい雰囲気が消え、男の太い声で亜門は命令をしてきた。



ーーーーーーーーーー



脱衣所には小さな洗濯機、そして大きな鏡が嵌め込まれた洗面台がある。

(時間掛けてもしょうがないし…)

ドキドキと鼓動が早まってしまっている胸を押さえ、さっさと着替えてしまおうと千佳は制服とハイソックスに手を掛けた。

(ちょっと身体付き、変わった気がする)

鏡でキャミソールとショーツ姿になった自分を見て千佳は思った。一週間程度で体格が変わる筈は無いと思うが、どことなく胸や臀に丸みが出てきた気がして、バージンを失った意識がそう見えさせるのかもしれない。

聡は違いに気づくのだろうか。

ーペリペリ

薄いビニールを開け、ナース服を取り出す。

(生地うっすい)

安物の白いナイロン生地、それに畳まれていたシワがくっきりと残っている。パサリと全体を広げるとワンピース型になっている事がわかった。思いの外胸元がパックリと開いている事にも驚いたが、身丈に合わせて見ると裾までが非常に短い。

(ミニ丈しかなさそう)

こんな破廉恥な衣装を着る事が急に恥ずかしく思えてきたが、今さら後には引けない。覚悟を決めて千佳はナース服に袖を通した。


(やっぱり短いな…)

丈は想像よりもさらに短く、内腿までハッキリと見えている。少しでも屈めば下着まで丸見えになる長さだ。

胸元も中央のボタンがそもそもバストトップまでしか無く、どうしても残った躊躇いで脱がなかったキャミソールがピラピラと丸見えだ。

(やっぱりキャミも脱がないとダメ、かな)




思い切ってキャミソールを脱ぎ、再度着直すと今度はスカイブルーのブラが衣装の胸元から微かにはみ出てしまっている。

(やだ、恥ずかしい…)

何を考えてこんなデザインにしたのかと悪態も吐きたくなるが、ブラを隠そうと生地を上げれば脚がさらに露わになってしまう。

しかしそうこうしている間にじんわりと身体から汗が滲んでくる。緊張と興奮が入り混じった身体には空調の無い脱衣所は少し暑かった。


「あの、終わりました、けど…」

脱衣所のドアをスライドさせ、亜門の待つリビングへ姿を出す。ヒンヤリと身体を寒気が走ったのは、空調のせいなのか緊張による悪感なのか千佳にはわからなかった。

「こっちに」

近くに来るよう誘われ、千佳はペタペタとベッドに座る亜門へ近寄る。全身を舐めるように見られれ、恥ずかしさで死にそうだ。

(いやっ、あまり見ないで)

ドキドキと心臓が跳ねた。まさかコスプレ姿を人に見られるのがこんなに恥ずかしいとは思っていなかったし、なにより素面の状態で男に痴態を晒すのは初めてなのだ。

「普段の制服姿とのギャップがやばいな」

「いやっ、言わないでください…」

亜門は千佳の手を取り、再び脱衣所の鏡の前へ顔を伏せっぱなしの千佳を引っ張る。

「ほら、自分でもちゃんと見てみろよ」

後ろ手に顎を取られ、グイッと千佳の相貌が鏡の中の自分の姿へと向けられた。

(やっ!おっぱい見えちゃってる…)

前屈みになっている為、溢れた谷間がハッキリと鏡に写る。

「ひゃぅっ!」

そのまま亜門の両手がナース服の上から両胸を弄る。モミモミとバストサイズを確かめるように指が生地へ食い込んだかと思えば、ブラの中へと指が忍び寄り、敏感な先端を探られる。

「先生っ!は、恥ずかしいっ…ンッ」

「ちゃんと弄られている様子を見ろよ。自分でこんなエロい服着て、おっぱい見せつけて、触られてもしょうがないと思わないか?」

「こ、これは先生が…ンッ」

亜門の手が今度はヒップに伸びる。前屈みになっている千佳の双臀は亜門からは丸見えになっているはずだ。

「淫乱女」

ーパンッ

「ひゃんっ!」

突然のスパンキング。

一瞬皮膚に走った張り手の痛みはすぐに引き、代わりにじんわりと熱さがヒップに広がる。

千佳は非難の目で、キッと亜門を睨み付けた。

「あっ、やっ…」

今度は優しいピアノタッチで赤くなっているはずの皮膚が撫でられる。その痛くすぐったさに千佳は腰を震わせる。

ーパンッ

「ひぃっ!」

今度はもう片方の臀肉に亜門の掌が打ち付けられ、またサワサワと臀を弄られる。痛みとくすぐったさが同時に皮膚に走り、飴と鞭の刺激をどう受け止めれば良いのかわからず千佳は混乱した。

ーパンッ、パンッ

「ひっ…先生!?…ァン…やめっ…ひんっ…そんな怖い顔…アウッ…」

亜門の態度は堅く、瞳には妖しく愉悦が浮かんでいて、千佳は慄いた。

(どうしよう、こんな恥ずかしい格好で…)

しかし亜門のスパンキングは止まらない。

「ひんっ!せんせっ、あっ!…止めて…はんっ!…ご、ごめんなさい」

何かもわからず千佳は謝った。これから痛い事をされるのではないかとの恐怖だった。

すると亜門の手が優しく臀部を撫でる動きへと変わった。亜門の狙いはこれから千佳にする行為を受け入れさせる為の布石であったが、そんな真意に千佳は気付かなかった。

ースルッ

「あっ…」

秘部を唯一守っていたショーツが下され、千佳は身構える。このまま鏡の前で亜門の大きな怒張を挿入されると思ったからだ。

「ノーパンナースとはエロ過ぎないか?クラスメイトが見たらどう思うだろうな」

「いやっ!」

「一生のオナネタにされるぞ。ほら鏡見てみろよ」

亜門の言葉責めに困惑しながら見た自分の姿に千佳は唾を飲んだ。垂れた髪が張り付きはだけた胸の谷間、放り出された細く白い脚と途中で引っかかっているショーツ、そしていかにも安物のコスプレ衣装に加え恥じらいを帯びた表情。卑猥なビデオのパッケージ写真みたいだ。

「意地悪…言わないでください…ひゃあっ!」

太い指が脚の間を割って入り、秘部へと迫った。

「あまり濡れてないな」

恥ずかしさだけでなく、一瞬亜門に恐怖感すら覚えたのだ。経験の浅い千佳の身体はまだ恥ずかしさだけでは挿入準備を始めない。

「まぁこっちは後で良い」

これから何をされるのかと千佳は亜門の様子を伺う。亜門が持ち出してきたのは両手で抱えるサイズのプラスチックトレイで、中身を見てみると、小さい頃に見たっきりだった浣腸液、それにシリンジが十五センチ程ある太い注射器が数本、そして何かのチューブが入れられていた。

「手を洗面台に付いて尻を向けろ」

「先生?それって…」

「痛い事はしないから安心しろ。あと今日一日、俺の言う事に黙って従え」

亜門の声には反抗を許さない凄みが含まれていて、千佳はおずおずと言われた通りに両手を付いた。膝がプルプルと震えていた。

ーパチン

「ひっ!」

チューブの閉まる音と共に、この間と同じローションが触れた。ただ違ったのは塗られたのがアヌスであった事だ。

「せ、せんせ?…ひゃぁ!」

後穴への未知の刺激に千佳はピクリと腰を跳ねさせる。

「そんなところ…き、汚いです…」

「いや綺麗にしてるじゃないか。今からほぐすから力を抜け」

力を抜けと言われても、こんな状況で力まない方が難しい。

「や、あぁ…」

しかし亜門は指の動きを緩めず、穴の皺一つ一つに粘液を塗り込むように丁寧にアヌスをほぐしていく。自分から見えない所で、ヌチュヌチュと繊細な器官を責められる初めての感覚に千佳は身体を捩る。

「ファ…」

収縮具合を確かめるように亜門が指の腹をヌチヌチとアヌスに押し込んできている。キュウキュウと自分の穴が亜門の指を押し返す感覚が千佳にもわかった。

ーズプッ

「ンアッ…」

指より細い何かが遂に腸内へ侵入した。何をされたかわからず身体を固くしてしまうが、その後液体が腸内に広がる感覚が追ってきた事で浣腸液を流し込まれたのだとわかった。

この後どうなるかは千佳にも分かっていたが、背後で何も言わずに様子を見ている亜門に、トイレに行きたいとはなかなか言えない。

しかし着実にグルグルと腸壁を巻き込んだ排泄感がお腹の中で広がってきている。

「トイレはあっちだ。生憎スカトロ趣味は無いんでな。別に急いで戻ってこようと思わないで良い」

「うぅ…」

タッと逃げるように千佳はトイレへ駆け込んだ。



ーーーーーーーーーー



「もう一度手を付け」

事を済ませ、戻ってきた千佳に再度亜門が指示をしてきた。恥ずかしさで頭がおかしくなりそうな千佳だったが、もうどうにでもなれと自暴自棄にもなっていた。

ーヌル

「ンッ…」

もう一度ローションが塗られ、追ってまた指がアヌスを這う。先程よりも穴自体が柔らかくなったのか、フニフニと入口を弄る指へ返す筋抵抗が少なくなっている気がする。

「ンッ…フッ…」

抵抗が薄れた代わりにやってきたのは独特の気持ち良さだった。クニクニと穴を弄られると、ジワリと吹き出す汗と共に脳裏に背徳的な快楽信号が走り、千佳の声に艶が混じる。

普段であればほんの一瞬しか知覚することの無い、排泄に伴うアヌスを通過する快感が、亜門に指で何度も刺激される事で恒常的な官能へと開花していた。

「ンッ!」

指が離れたと同時にまた腸内へ何かが侵入してくる。大きさから考えて先程の注射器だろうと千佳は思った。

「ンッ…ぁ…何か…入ってくるっ…」

腸内へ勢いよく温い液体が注がれる。浣腸液とは比べ物にならない量の液体がゆっくりと腸内を満たしていった。

「心配するなただのお湯だ、またトイレで出してくると良い」

初めは温かなお湯がお腹を満たす不思議な感覚に戸惑ったが、その後すぐに強烈な排泄感が千佳を襲う。

(な、にこれ…で、出ちゃう…)

こんな所で出してしまう訳にはいかないと、ヨロヨロと千佳はトイレに向かい、便座に座る。

ショーツを履いていない事が幸いし、座った途端に腸内のお湯を逃すまいと出口を締め付けていたアヌスが限界に達し、派手な水音を立て腸内の水分を吐き出す。

(いやぁ…)

アヌスから大量のお湯が通過する甘美で背徳的な感触をもはや性感として受け入れてしまっていた。

(なんで気持ち、良いの…)

吐き出せば吐き出す程、楽になるお腹の痛みがなおのこと気持ち良さを助長した。


「何色だった?」

戻って来て早々にデリカシーの無い事を亜門に聞かれるも、素直に少し透明では無かったと千佳は答えた。

「じゃあもう一度、多分次で完全に中が綺麗になる」

(もう一回…)

「何だ、気に入ったのか?」

「ち、違います!」

千佳はもう一度洗面台に手を付き、注射器の挿入を受け入れた。


そしてお湯が透明になった事を報告すると、ナース姿のまま亜門にベッドへと連れられた。

(私これからお尻責められるんだ…しかもこんな格好のまま…)

いつの間にか千佳の中で恐怖感を上回る好奇心が現れ始めた。指とお湯だけであれだけの刺激だったのだ。既に千佳の頭の中にはピンクの靄が掛かり、卑猥な刺激への期待を隠せずにいた。

「ベッドに四つん這いに、尻をこっちに向けてな」

「は、はい…」

ーズプッ

「ひあっ!」

ヌルヌルとした太い指がアヌスを易々と通過し腸内へ我が物顔で入ってくる。中でウネウネと蠢き、先程の浅い刺激と違い今度は奥へ奥へと侵入してくる。

「ンッ…あっ…これ…な、に…ンアッ❤︎」

ナース服を着せられ、直腸内を犯されている。その背徳感が千佳の官能を高めてしまい、顔をシーツへと沈める。

「中…グチュグチュされて、る…ンア…」

亜門は指を何度も抜き差しし、ローション液を補充しながら指でのアヌス責めを継続してくる。

「ンンッ❤︎そんなっ…ほじら、ないで…ンッ」

亜門の指が腸壁を押し込んでくると、腰から来る震えを千佳は抑えられない。

「ンアッ❤︎ふと…ぃ…です…に、二本、目?…ふあっ…そっち側…ぐりぐり…しないで、アンッ❤︎」

二本目の指の侵入にアヌスがヒクヒクと痙攣しているのがわかる。増した異物感に千佳が喘ぐ中、亜門の指の腹は下側、つまり膣の方をグッグッと押し込んで来る。

「それっ…だめっ!ンアッ…中、響いて…」

直腸内の刺激が薄い皮を隔てて伝わり膣内まで愛撫されているみたいだ。自分の喉から漏れ出る声に女の媚びが含まれている事がわかる。

「あっ……だ、めっ…」

「イク時はちゃんと尻穴でイキますって言うんだぞ」

「ンッ…あっ!…グリグリ…されて…ハァッ❤︎…お尻の穴で…イ、きます…ンンッ❤︎」

数日振りのオーガズムに千佳の身体は悦びの震えを上げる。どこかでこの感覚を待ち侘びていたのだ。実際、後穴の刺激は先日の意識が飛びそうになる重い快感に比べればマイルドなものではあったが、千佳自身で両穴を収縮させ、自らオーガズムを迎えにいってしまった。

それが千佳には堪らなく恥ずかしい。

「ァンッ❤︎…はぁ、はぁ…」

暫くキュウキュウと指を締め付けていた後穴からズリュリと音を立て、亜門が指を引き抜く。

代わりに亜門が取り出したのは千佳の見た事の無い道具だった。

「アナルビーズと言ってな、今からこれを川村の中に入れる」

亜門がローションを塗りたくりながら紹介したそれは、直径三センチはある乳白色のビーズが中央を貫通する紐でいくつも連なっていて、片方の先端には指が通るくらいの輪っかが付いている。

「そ、そんな大きくて…長いの…入りません…」

(指だけですごい圧迫感だったのに、あんなの入れられたら…)

千佳は何となくアナルビーズとやらの用途を察した。これからビーズ一つ一つが順番に後穴に入っていくのだろうと。あの輪っかはおそらく後穴から取り出す際の持ち手なのだろう。

「力を抜け」

「ンッ!先生、まって…ヒィィ…」

表面がツルツルとした一つ目のビーズがアヌスに当てがわれる。明らかに指より太い球体を千佳のアヌスは何とか押し返そうとするが、ヒクヒクと収縮を繰り返す穴が開いた所を狙われ、ローションを纏ったビーズがヌルリと腸内へと入ってきた。

「あっ、くぅぅ…お、おおき、い…ンアッ❤︎」

直径部分さえ通過してしまえば、あとはツルンとビーズを飲み込んでしまった。

「やっ…なか…広げられて…る…ンンッ!」

圧迫感に耐えようとするも、腸内がキュウキュウと勝手に蠢いてしまい、ぼんやりとしたビーズの感覚が腸壁から伝わってくる。

「ほら、押し返してきてるぞ、ちゃんと力を抜け。次だ。」

(力を抜くなんて無理!)

それでも千佳は深く呼吸をし、何とか力を抜こうと努めた。そして次のビーズがアヌスに触れる。

「アッ、アッ………ふぅ…」

二つ目。最初の挿入に慣れたのか、比較的簡単に飲み込んでしまう。ただ後穴の圧迫感がさらに深い所まで迫り上がり、千佳の鳩尾から汗が噴き出す。

「クッ…フ…はぁ…はぁ…はぁ…ンンッ…」

「あとは一気に入れるからな」

「えっ?ちょっ…ヒィィ!」

ズプッと直腸内を異物が逆走してくる。四つん這いになっていた千佳は顔から崩れ、強烈な異物感に耐える。

「クハッ…ンッ…はぁ!…ぁ…」

「全部入ったな」

亜門の声が遠く聞こえる。

(う、ごけない…ぉ…お腹が…いっぱいに)

確かに粘膜を圧迫する特有の感覚はあるものの、やはり苦しさが勝る。ビーズが動く訳でもなく、この器具の用途はこれだけかと千佳が安心と落胆を折半したところで亜門が言った。

「これはな、抜く時が良いんだ。ほら」

どうやら亜門が持ち手を遊んでいるらしく、クリクリとビーズが前後する振動が腸壁から伝わってくる。そして最後尾のビーズが尻穴から抜けない程度の力で持ち手を軽く引かれた。

「ンッ……ふあっ…」

グニュグニュとアヌスに引っかかったビーズが中で前後に暴れる。千佳の意識とは関係なく、引き抜かれかけたビーズを直腸内が逃すまいと収縮し吸い込んでしまい、ビーズが前後に動いてしまう。

「なに、これっ…ハゥ❤︎」

クニュクニュと収縮を繰り返すアヌスからはハッキリと官能が流れ込んでくる。今までに味わった事の無い種類の甘くて切ない刺激。

「ンッ…ンッ…ンンッ❤︎」

尻を突き出す屈辱的な格好、お尻にビーズを入れられる被虐感、お腹の苦しさと出し入れされる気持ち良さ、それぞれが混ざり混沌とした官能に火が入る。

「じゃあ抜いていくからな」

グッと持ち手に力が込められるのがわかる。敏感になった神経は、アヌスを拡げ外に出ようとするビーズの形を正確に知覚した。

「アッ、アッ、アッ、出てりゅ❤︎ハッ、ハッ…なか、だされてる…アアンッ❤︎」

ポンっと場違いな音を立て一つ目のビーズが抜き出された。しかし可愛らしい音とは違い、排泄感が凄まじい快楽へと変わり、千佳の膝はガクガクと震え崩れ落ちる。

(軽く…イッちゃってるっ…これやばっ…)

「アッぐっ…はぁっ❤︎」

確かあと四つはビーズが残っている。こんなのとても耐えられないと慄く千佳だが、同時に前の穴がキュンと疼くのを感じた。身体はさらなる刺激を求めていた。

「ンアァ…また、出てくるぅっ…ヒィ❤︎」

「ほらちゃんと膝を立てろ」

亜門の要求、さらに腿を閉じる様に言われ、それがビーズを締め付ける事になり排泄官能がより強くなってしまう。

「オッ…アッ…イッグ❤︎イク、イク…ンンッ❤︎」

内臓を取り出されるかのような強烈な刺激。頭が真っ白になりまた崩れ落ちる千佳の双臀をサワサワと撫でながら、亜門は身体を引き起こしてくる。

「まだあるからな、頑張れ」

「いや…もうむ、り…ンンッ…おしり、すごい…んです…ンンッ❤︎」


ビーズが全て抜けた頃には腰が砕けてしまい、ジンジンと断続的に脈打つ腸壁の余韻が千佳の身体を何度も襲った。暫くは起き上がれそうも無かった。

「ンッ…ハァ…ハァ…ンッ❤︎」

緩んだアヌスからはトロリと生温いローション液が溢れ、シーツを濡らす。

隣へ亜門が寝そべり、テッシュで手を拭いていた。

後穴の刺激で溶けてしまっている理性は、気丈であった少女を、ただの男に媚びる女へと堕としていた。

千佳は亜門の胸へ、自ら相貌を寄せた。
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